四神戦隊メイデン・フォース

Bad End After_穴巫女

 −どれだけの時間、どれだけの妖魔に犯されたんだろう−
 薄暗く、黴臭い天井をぼんやりと見つめながら藤井紗理奈(ふじいさりな)は、そんな事を考えていた。

 妖魔との闘いに敗北し虜囚となった彼女は、『奴隷』として邪界に拉致され、その『責務』を強いられている。
 その『責務』の過酷さを『体現』するかの様に、数多の種族の多種多様な性器で嬲られた体には、性の残滓が大量にこびり付き、開ききった膣口からは、
 ボタッ、ボタッ
 生臭い白濁液が滴り続けていた。
  既に『緋』の色が判別できなくなりつつある袴からは、鼻を突くような異臭が込み上げている。

 だがその様な惨状にあっても、『疲弊』しきった彼女の心には、寂寥感さえ浮かばない。
 それに加え、肉体も『疲弊』しきってしまったのかいくら妖魔に犯されたところで、『苦痛』すら感じなくなってしまっている。
 つい先程まで、豚型の妖魔が自分を犯していたが彼女は無反応に体を揺らすだけでそれ以上の、肉体的反応は込み上げてこなかった。

「んっ・・・」
 紗理奈は気怠げに首を巡らすと、周囲を見渡した。
 彼女の周囲には5人程『奴隷』として、
 ジャラリ
 鎖で四肢を捕縛された『元巫女』達が居る。
 彼女達も紗理奈と同様に、
「・・・」
 心身を磨り減らしてしまったのか、虚ろな目で虚空に視線を泳がせるだけだ。

  一つ隣で繋がれている短髪の少女は、
 ズグッ、ズグッ
 大型の鼠の様な妖魔に犯されているが矢張り、
「・・・」
 虚ろな視線を泳がせるだけで、明確な反応はない。



 幹部級の巫女達がどこかへ連れ去れた後、低位の巫女達は機械的に、数人程度へグルーピングされると、
「・・・」
 ドンッ
 『肉巫女』達によって、洞穴の様な空間に押し込められた。

 そして、
 ジャリッ
 中世の奴隷が如く、手枷と足枷で一列に繋がれていた彼女達は一人づつ、
 ・・・カチンッ
 その列から離され、
 ジャランッ
 壁際から伸びる鎖の枷に、引き摺られてゆく。

「い、嫌ぁっ!・・・放してぇっっ!!」
 中にはそう、泣き叫び抵抗する者も居たが、
「・・・」
 ボグッ
「ごえっ!?」
 無表情な『肉巫女』に文字通り、
 ボグッ、バキッ
 『暴虐』の限りを尽くされるのを見て、
「ううっ・・・」
 更なる抵抗を試みる者は居なくなった。

 襤褸雑巾の様になった巫女がどこかへ引き摺られてゆくのと入れ替わりに、
 カチャリ
 鎖に繋ぎ止められた彼女達の眼前へ、漆黒の袴を穿いた巫女達が現れる。

「・・・!」
 一瞬、『仲間』の姿に『巫女』達は沸き立ちかけるが、
 コォッ
 黒袴の『巫女』達から染み出す不吉な瘴気が、それを打ち消した。

 黒袴の『巫女』は、囚われの『巫女』の前にしゃがみ込むと、
 スッ
 衣の中に手を差し入れ、下腹部に触れる。
 そして彼女が、
「・・・」
 呪を唱え、瘴気を掌に込めると、
 ジィッ
「・・・くぅっ!?」
 その掌は熱を持ち、焼き鏝を当てたかの如く、紋章が刻まれた。
 それは『妖魔化』を防ぐための呪刻であるのだが、『処理』をされた『巫女』にそれが解ろうはずもない。

 黒袴の『巫女』達は極めて機械的に『呪刻』を繰り返し、全員への『処理』が終わると、彼女達の長と思しき『巫女』が口を開く。
「・・・いいですか、良く聞きなさい・・・お前達はこれから、『巫女であった時』の罪を償うため、妖魔の皆様に奴隷として奉仕するのです・・・光栄に思いなさい・・・さあ、皆様、こちらへ・・・」
 彼女がそう宣告すると、その背後から、
「「「ギヒヒ・・・」」」
 雑多な妖魔どもが姿を現した。

 その妖魔どもは皆、
 ギチッ
 異形の逸物を滾らせ、異臭を振りまきながら、哀れな『巫女』達へと迫ってくる。 
 その恐怖に耐えられず、一人の『巫女』が、
「・・・ひぃっ!?」
 短い悲鳴を上げた。

 それを号砲にしたかの様に、
「「「イヒヒヒィッ!」」」
 妖魔どもは『巫女』へ一斉に襲いかかる。

 まだ幼さの残る『巫女』には、
「・・・グフフゥッ!」
 狼型の獰猛な妖魔がのし掛かり、前戯もなしに己の巨根を、
 ズブッ、ミリッ、ミリィッ
 濡れもしない幼き秘裂へ打ち込んだ。

「ひっ、ぎぃぃっ!?・・・さ、裂けちゃうよぉっ!!」
 彼女の叫び通り、
 ミジッ、ミジッ
 白磁の如き肌が朱に染められたかと思うと、
 ブッ・・・ミジィィッ
 柘榴を割るかの如く、桜色の『果肉』が『皮』の下から現れる。

「ひっ、ぎぃぃっ!!」
 幼き『巫女』は文字通り、自身が『裂ける』激痛に絶叫するが、
「グオォォンッ!!」
 妖魔は手を緩めるどころか、
 グミュッ、グミョッ
 裂けた肉ごと彼女の奥底を犯し尽くそうと、荒々しく腰を振り続けるだけだった。

「ひっ・・・!!」
 恐怖に立ち尽くしていた紗理奈も、
 ドガッ
「きゃぁっ!?」
 牛型の妖魔に蹴り倒されると、腹と背の痛みに思わず開けた口へ、
 グボッ
 猛りたった剛直をねじ込まれる。

 ヌロォッ
 汚液に塗れ、軟体動物の様に滑るそれは直ぐに、
「・・・ごぼえっ!?」
 喉奥を過ぎ、気道まで侵入を果たした。

 『彼』は既に限界が近かったのか、
「ウホォォッ!!」
 そう嘶くと、紗理奈の食道へ直接、
 ブビュッ、ビュッ
 粘り気の強い、チーズの如き雄液を流し込む。

「ぐぶぼっ!?」
 紗理奈は『彼』を全て受けとめきれず、
 ブピュッ
 鼻から迸りを飛ばすが彼もまた、
「ウホホォッ!!」
 仇敵を犯す興奮に飲まれ、
 グポッ、グポッ
 口淫にのめり込むだけだ。

 他の『巫女だった』者達の扱いも、紗理奈と大差ない。
「ひっ、ぎぃっ!・・・やめてぇっ!!」
 ズプッ、ズプッ
 ある者は犬型の妖魔に髪を掴まれながら後背位でアナルを、
「・・・ゆ、ゆるじでぇぇっ!!」
「フシュルルルッ!」
 ある者はイソギンチャク型の触手妖魔に、
 ジュルルルッ
 穴という穴を犯され、粘液を啜られる。

 彼女達は『平等』に『獣欲』を受け、ただ悲鳴をあげるしかなかった。

 その後、孕んだ者、反抗を続けた者はどこかへと連れ去られ、『従順』に妖魔への『奉仕』を続ける者だけがここに取り残されている−



 ピチョン
「・・・う・・・ん・・・」
 天井に結露した滴が僅かに、曇った紗理奈の意識を覚醒させる。
 そんな彼女の前に、
 スッ
 新たな妖魔が一体、現れた。
 蜥蜴型のその妖魔は、瘤の浮いた肉茎を握り、紗理奈へ覆い被さってくる。
 紗理奈はそれを、
 『ああまたか−』
 その程度に認識し、無抵抗のまま受け容れた。

 ヌルッ、ズヌルルッ
 既に膣一杯に注ぎ込まれた精でなんなく、その妖魔の肉茎は紗理奈の中へ飲み込まれる。
 すると−
「・・・んっ・・・はぁっ・・・」
 消えたと思っていた情欲の炎が再び、燻りはじめた。

 その反応を見た妖魔の傍らに侍る、スリットの大きく開いた、革のビキニ・パンツに乳首ピアスという、淫靡な衣装に身を包んだ女達が、
「・・・こちらとの、相性が良い様ですね」
「・・・受胎も確認できませんし、『5』の『適性』は、『穴巫女』で良いでしょう」
 そう言うと、手に持った書類に何やら書き込んでいる。
 しかし紗理奈はその言葉の意味するところを理解できない。

 やがて、
 ブクッ
 妖魔の肉茎に膨らみを感じ、
「・・・うっ・・・はあぁぁっ!」
 ビュクッ、ビュクッ
 膣一杯に久しぶりの絶頂を感じながら紗理奈は、果てたのだった。
 


 シャァァッ
 シャワーでなく『放水』と呼ばれるに等しい作業で身を清められた紗理奈は全裸のまま、女に連れられ、或る小部屋へとやっ て来た。
 黒ずんだ石壁で囲まれたその部屋は、禍々しさと神聖な空気が入り混じった、不思議な空間だった。
 部屋の奥では白黒の巫女装束を纏った女が二人、紗理奈の到着を迎える。

「・・・」
 紗理奈を連れてきた女が、一人の巫女に書類を渡すとその巫女は、一枚に何やら書き込んで元の女へと返す。
 それを受け取った女は、深々と一礼すると、部屋を去っていった。

「・・・」
 一人取り残された紗理奈は、不安に苛まれながら、『巫女』の表情を窺った。
 妖魔に初めて犯される前に出会ったものと同じ存在−凶兆の色を纏う彼女達は、紗理奈に不安感しか与えない。
 
 紗理奈がこの雰囲気に耐えられなくなり始めた頃、
「・・・お前の名は、藤井紗理奈ですね?」
 二人の『巫女』のうち、年長と思しき女がそう、尋ねてきた。

 その問いに紗理奈は、
「・・・え、あ・・・」
 咄嗟に反応することができない。

 狼狽する紗理奈にその『巫女』は冷たい表情で、
「質問には直ぐ答えなさい。お前は、藤井紗理奈ですね?」
 再びそう尋ねた。
 その有無を言わせぬ口調に、
「・・・はい、そうです」
 紗理奈はどうにか言葉を絞り出すことができた。

 それに『巫女』は鷹揚に頷きながら、
「それで良いのです・・・お前には、『穴巫女』となる審判が下されました・・・これより、『穴巫女の儀』を行います」
 そう言うと、
「・・・」
 短い呪を唱える。
 すると、
 キンッ
 紗理奈の下腹部に刻印された呪刻が鈍く光り、彼女の肉体の自由を奪った。

『〜〜〜!!』
 口すら満足に動かなくなった紗理奈は、声帯を震わせようとするが、それもままならない。
 呪を唱えた『巫女』は、いつの間にか傍らまでやってきていたもう一人の『巫女』から、先の尖った金属製の道具を受け取ると、
「お前にはこれから、『穴巫女』の『呪刻』を施します。痛みとともにこの時を、しっかりと覚えておきなさい」
 そう言い、その道具を、
 ザクッ
 紗理奈の肌に突き立てた。 

 その激痛に 
『〜〜〜!!』
 紗理奈は悲鳴を上げようとするが、体はピクリとも動くことはない。
 ザクッ、ジョリッ
 その間にも紗理奈の肉体には、胸、下腹部と、青い墨で妖しい紋様が次々に刻まれてゆく。

 そして最後に、
 ザクリ
 右の尻へ機械的に、『C−00382』と刻むと『巫女』は、
「・・・」
 再び短い呪を唱えた。

 すると、下腹部にあった最初の呪刻のみが消え、
「・・・う・・・はぁっ!?」
 紗理奈の体に自由が戻ってきた。

 紗理奈は、
「・・・すぅっ」
 漸く自由になった口から、肺一杯の空気を吸う。
 そして、
「私に、何をしたのっ!?」
 吸い込んだ空気全てを叩きつけるように、そう叫んだ。

 だが年長の『巫女』は、
「静かになさい・・・それは先程説明した筈です・・・また自由を奪われたいのですか?」
 そう言うと、紗理奈を睨み付けた。
 その言葉に、体の自由を奪われる恐怖感を蘇らせた紗理奈は、
「うっ・・・」
 短く呻くと、言葉を封じた。

 それを了解の意と捉えた『巫女』は、
「・・・それでは、これを履きなさい・・・これが唯一、お前がこの邪界で許される、『衣装』です」
 一枚の薄い布きれを、紗理奈に手渡す。

「これ・・・」
 紗理奈に渡されたのは、黒革のビキニパンツだった。
 だがその中心は、スリットと呼ぶにも広すぎる、切れ目が入っている。
 それは先程、この部屋に紗理奈を連れてきた女達と同じものであった。

「・・・」
 それを紗理奈はまじまじと見つめていたが、
「・・・早くなさい」
 『巫女』の声の中に苛立ちを感じて、のろのろと、その『衣装』に脚を通し始めた。
 しかしそれに痺れを切らした年少の『巫女』が背後から、紗理奈の『衣装』を掴むと、
「・・・こう履くのですよ」
「あっ!?」
 キュッ
 一気に引き上げる。
 すると、
 ムニュッ
 紗理奈の秘所は際どく絞り上げられ、嫌というほどに『性』を主張した。
 それは、彼女がどの様な存在に成り果てたかを、『身をもって』知らしめるには、十二分な効果があった。

 言葉を失う紗理奈に、年少の『巫女』は、
「お前の立場は良くわかりましたね?・・・これがお前の『正装』です・・・覚えておきなさい・・・それと、お前は今から『藤井紗理奈』ではなく、『C−00382』です・・・これも覚えておきなさい」
 そう言い放つと再び、年長の『巫女』の傍らに控えた。

 それを見届けた年長の『巫女』は頷き、
「・・・これで『C−00382』、お前は晴れて、邪界の『穴巫女』となりました・・・そして、『深井戸のリザードマン』様の所有物となります・・・誠心誠意、お仕えするのですよ・・・では」
 そう宣告すると、次の間から現れた蜥蜴型の妖魔に、深々と頭を下げる。

『深井戸のリザードマン』と呼ばれた妖魔は鷹揚に頷くと、
 ピタッ、ピタッ
 足音を立てながら、部屋の中へゆっくり入ってきた。
 邪界では、中魔以下の妖魔はごく一部の実力者を除き、『名』を名乗ることを許されていない。
 種族の名と、地名などを組み合わせた通り名で、呼称されるのだ。
 その『深井戸のリザードマン』は持っていた手枷を、
 ガチャン
「!!」
 紗理奈の腕に填めると、
「・・・行くぞ」
 そう短く言い放ち、諦観に沈む紗理奈を、屠場へ出す家畜の如く、引き連れてゆく−



 黒く汚れた皇宮の門を出ると、
 ブワッ
 生暖かく埃っぽい風が、紗理奈の体を乱暴に撫でる。
 手枷のために押さえることもできず、風の中でただ舞う髪に視界を遮られながらも、どうにか目を見開くと、
「ん・・・」
 くすんで澱んだ『皇都』の街並みが、紗理奈の視界へ飛び込んできた。

 皇宮が建つ丘の斜面には、石造りの建物が見えその外側には、昔テレビで見た難民キャンプの様な、粗末な小屋が建ち並んでいた。
 紗理奈が住んでいた日本の街並みとは余りに異なるその光景に、
「ここが・・・邪界・・・」
 今更ながら衝撃を受ける。
 そして、性奴隷としてこの世界を生きざるを得ない我が身の過酷さに、愕然とした。

 だが、彼女の『主』が、
「・・・行くぞ」
 そう短く告げ、
 ジャリッ
 手枷の鎖を引くと痛みとともに、紗理奈の感慨の時は敢えなく終わる。

 紗理奈は、
「・・・!!」
 前のめりになりながらもどうにか蹈鞴を踏み、倒れずに歩き出すことができた。
 ジャリッ
 だが、頭陀袋の如き粗末な『靴』の底からは砂利の感触が、痛みとともに伝わってくる。
 その痛みに紗理奈は顔を顰めるものの、
 グイッ
 歩みが遅くなる度に手首から伝わる感覚が、彼女を前進させ続けた。

「・・・」
 やがて、足の痛みと不自由な歩行にも慣れた紗理奈の目に、邪界の街並みが知覚される。
 『皇宮』の門から伸びるこの通りはどうやら、この『街』の『大通り』のようだ。
 粗く切り出された石造りの無骨な建物が並び、雑多な妖魔の姿を見ることができる。

 ブーン
 『肉屋』と思しき場所には、蠅がたかる妖しげな肉がぶら下がり、腐臭を振りまいていた。
 肋の浮いたそれはどこか、己の未来の姿に感じられ紗理奈は思わず、
「うっ・・・」
 手枷を口許へ寄せる。

 更に、その奥の路地では、
「んっ・・・はぁっ!」
 首輪から伸びた鎖を柱に繋がれた『奴隷』が、豚型の妖魔に犯されていた。
 彼女の脇には『主』と思しき狼型の妖魔が木箱に座りその前には、『彼女』の『対価』であろう、銅貨や干し肉の塊が積まれている。 

 視覚だけではなく、心理的な嫌悪感に紗理奈は、
「・・・うぇっ」
 胃の腑を押され、胃液を吐き出そうとするが、
「・・・歩け」
 ジャリッ
 彼女の『主』はそれすらも許さない。

「・・・ああっ!」
 犯され続ける『奴隷』の嬌声と手枷の感覚が、自分も彼女と同等の『家畜』に過ぎないことを、嫌が応にも自覚させた。
 『家畜』である以上、生殺与奪の権利は『主』にある。
 実際、『穴巫女』は邪水晶の『財産』であり、殺害することだけは法度とはなっているのだが、『穴巫女』になったばかりの紗理奈がそれを知り得る筈も無い。

 紗理奈は、『死』への恐怖と『生』への執着のみを梃子に、再び歩き出した。


「・・・」
 大通りから脇の小道へ入ると、屯する下魔の数が急激に増える。
 そして彼等は皆、好奇な、そして好色な視線を紗理奈に送ってきた。
 その視線はスリットの開いた彼女の股へ集中している。
 今はこの『主』が居るために襲ってこないようだが、一人でここに居て何をされるかは想像に難くない。

 紗理奈は露骨な彼等の視線に、
「!!」
 無駄だとは解っていながらも内股になって、大事な場所を隠そうとする。
 しかしそのために遅くなってしまった歩みすら、
「・・・遅れるな」
 ジャリッ 
 彼女の『主』は許さない。
 羞恥に苦しむ紗理奈を引きずるように、『深井戸のリザードマン』は、己が住処へと向かうのだった。
 
 

「入れ」
 短い言葉とともに、
 ドンッ
 背を押された紗理奈は、
「きゃっ!」
 倒れ込む様に小屋の中に入る。

 その刹那、
「臭い・・・」
 紗理奈はそう言って、手枷で口許を抑えた。
 リザードマンそのものの体臭に加え、汗や排泄物、そして腐りかけた食物の臭い−
 それらが入り混じった臭気は、『悪臭』と呼ぶのも生温いほど強烈なものであった。
 そして雑然と散らばる道具や、埃をかぶった粗末な家具は、これからの惨めな暮らしを嫌でも想像させる。

「う・・・」
 思わず涙を零し始めた紗理奈をリザードマンは、
 ドンッ
 板張りの台に汚らしい布を被せただけの寝台へ押し倒した。

 既に彼の肉棒は痛々しいほどまでに直立し、その先からは、部屋の『悪臭』にも負けない程の臭気を放つ雄汁が、
 ツゥゥ
 竿を伝う様に、滴り落ちている。

 紗理奈がそれを目にした瞬間、
 ドクン
 紗理奈の下腹にある『呪刻』が一瞬、鈍く光った。

 それと同時に、
「んっ、ひゃぁぁっ!?」
 ビクビクッ
 紗理奈の体に、淫らな変調が生じた。
 
 紗理奈に与えられた『呪刻』の一部は、『主』の性器を最初に見た瞬間から発動するよう、細工されている。
 その『一部』とは、常に妖魔の精を欲し、発情させる、というものだ。
 雛の刷り込みの如く、『主』と『性』を強烈に関連付けることで、『主』に対する従属心を植え付ける−
 それがこの『細工』の意味するところなのだが、紗理奈がそれを知る筈もない。

 彼女の『主』もそれを知ってか知らずか、
 ズブブッ
 紗理奈の中へ乱暴に、己がモノをねじ込んだ。
「んっ、あっ、ああっ!」
 それだけで紗理奈は、
 ビクンッ、ビクンッ
 絶頂に達してしまう。
 更に、長きに渡って仕込まれた『性奴隷』としての本能だろうか、
 ギュッ
 愉悦を感じた紗理奈は、リザードマンの腰に己の脚を絡ませる。

 その様子にリザードマンは、
 チロリ
 と長い舌で舌舐めずりした。

 そして、
 ズグッ、ズグッ、ズグッ
 絶頂に震える紗理奈に構わず、乱暴に腰を振り始める。

「・・・いっ、はぁっ・・・はぁぁんっ!!」
 その夜紗理奈は、気を失うまで、体を恣にされたのだった。
 


「・・・う・・・あ・・・」
 紗理奈はカサカサになった唇から、乾いた呻き声を漏らす。

 彼女は激しく、飢えていた。
 妖魔の精を受ければ不老となる呪刻を施された『穴巫女』とは言え、彼女の根本は『人間』なのだ。
 その生を繋ぐためには、糧を得る必要がある。

 彼女の『主』が『巫女』達との戦闘に駆り出され、10日。
 腐った芋や、黴びたパンを僅かずつ口にしてきたが、小屋に残された食料は底を尽きた。
 屋外に置かれた、素焼きの甕に溜まった雨水を啜ってみたが、空腹も限界に近づきつつある。

 だがそれ以上に、紗理奈を苛み続けていたものがあった。
「・・・んっ、はぁっ・・・」
 常に妖魔の精を欲し、発情させる『穴巫女』の呪刻が、紗理奈を苛み続けている。
 床に転がっていた木の棒を、
 グチュッ、グチュッ
 淫具代わりに秘所へ突き立てているが、決して望む様な悦楽を、彼女は得ることはできなかった。

「・・・はぁっ・・・」
 ヌチュッ・・・カラン
 紗理奈は棒を床に投げ出すと、湿った寝台に再び身を預ける。
 だが、その行為は到底、
 ズキンッ、ズキンッ
 鈍痛の様な彼女の淫欲を沈めるものではない。

 今、紗理奈の手枷は外されている。
 ここから逃げたとて、『主』以外の妖魔の餌食になるだけであることは、ここに連れてこられるまでに十分認識であろうし、連日に及ぶ陵辱で逃走する気もないだろう−
 そう判断されたのか、『主』は、
 カチャリ
「・・・」
 戦場に赴く前に、彼女の手枷を外していったのだ。

 図らずも『自由』を手にした紗理奈ではあったが、『主』が出征した直後は、他の妖魔が闖入してこないか不安に駆られた。
 『性奴隷』が庇護もなしに、荒ら屋に一人居る−それは猛禽の中に放り出された兎にも等しい−彼女はそう考え、寝台で震える日々を送ったが不思議な事に、他の妖魔が姿を現すことすらない。
 何らかルール的なものがあり、この『家』は安全地帯なのかもしれないが、それが真実か実際に確かめる勇気は、紗理奈にはなかった。 

「ん・・・」
 紗理奈が寝台で寝返りを打つと、
「・・・」
 寝台脇の『机』の上に無造作に置かれた、彼女の『衣装』が目に入る。
 『主』とこの『家』で『初めて』性交した後、脱ぎ捨てたままとなっていたものだ。

 紗理奈は、
『これが唯一、お前がこの邪界で許される、『衣装』です』
 ここへ連れてこられる前に、『巫女』が言っていた言葉を思い出す。
「・・・」
 ある意味、『外界』への扉を開く『鍵』となるそれを、紗理奈はまじまじと見つめた。

 そして暫くの間、
「ううっ・・・」
 止むことの無い、飢餓感と性欲に震えた彼女は意を決し、
 キシッ
 軋む寝台から起き上がると、黒革の『衣装』を手に取った。
 そして躊躇いなく、
 キュッ
 『正装』を身に纏うと、寝台の下に脱ぎ散らかされた『靴』を履く。

 ヌルリ
 絞り出された秘所からは、これから紗理奈が望むものをより得やすくするためかの如く、苦悩の残滓がこぼれ落ちた。
 紗理奈は、周囲を見回し、それを処理する適切な道具がない事を確認すると、
「・・・んっ・・・」
 『シーツ』と呼ぶには躊躇われる汚れた布きれで、これから『対価』となる部位を丁寧に拭い去る。
 今の彼女にとって、生存を繋ぐ『対価』はこれしかないのだ。
 どうにか『対価』を磨き上げた紗理奈は、
 キィッ
 板の切れ端でできた『扉』を開くと、『外界』へ踏み出したのだった。



「・・・」
 いざ外へ出てみると矢張り、恐怖心は抑えきれない。
 紗理奈は2、3歩歩いたところで、立ち止まってしまった。
 その押さえきれぬ恐怖心に、
 ギュッ
 露わな胸を両腕でかい抱くと、
 ドクッ、ドクッ、ドクッ
 早い鼓動が伝わってくる。

 心身の限界に、戻ろうか、そう考えた刹那、
 ドクンッ
 これまで何度も苛まれた感覚が、紗理奈を襲った。

 紗理奈はそれに思わずしゃがみ込んでしまうが、股の間からは、
 ドロォッ
 現在彼女を追い詰めている欲求の一方が『身体』を『人質』に、心の弱さを嘲笑う。

 紗理奈は、
「・・・う・・・あ・・・」
 『心』に抗うかの如く立ち上がると、1歩、2歩と彷徨う様に歩き出した。
 最早恐怖心よりも、心身の『飢餓』のほうが彼女にとって、深刻な問題なのだ。

「どこ、どこにいるの・・・」
 延々と続く小屋の壁に手をつきながら彼女は、妖魔の姿を探し続ける。
 だが、こんな時に限って、妖魔は『通り』に姿を現さない。
 それはまるで、彼女の『心』への試練のようだった。

 しかし、彼女が2ブロックほど歩き、石造りの建物横の路地まで辿り着くと、
「ガハハッッ!」
 通りに屯する、3匹の下魔に行き会った。

「おい、あれ・・・」
 そのうちの一匹が紗理奈に気付き歩き始めると、他の妖魔も紗理奈の元へ近づいてくる。
 それに安堵した紗理奈は、
「ふぅっ・・・」
 そう溜息をつき、石壁に寄りかかるように、身を預けた。

 一番最初、紗理奈に気づいた鼠型の妖魔は、
「・・・おい、なんだお前、『穴巫女』か?」
 そう言うと、無遠慮で好色な視線を、紗理奈に浴びせかけてくる。

 『皇宮』に仕える『宮奴』とは異なり、ただの『穴巫女』は、その『主』の自己管理に任されているが、殺したり、治癒不能なほど『穴巫女』を『損壊』することと、『主』の『住処』に居る『穴巫女』を奪うことのみ、御法度、とされていた。
 要するに『主』の直接の庇護にない『穴巫女』は、恣にして良いのだ。

 紗理奈は鼠妖魔の問いに答えながら、
「・・・は、い・・・穴、巫女です・・・あの・・・食料を、いただけませんか・・・そのかわり・・・」 
 そう言うと、
 クッ
 股を開いて妖魔を誘う。

 彼女の内股は緊張に震えているが、
 ドロリ
 その間から漏れ出す粘液は、『身体』の期待を如実に表していた。

  その紗理奈の言葉に、犬型の妖魔が、
「ギャハハッ、食料だとよ、そらっ」
 ボトッ
 何かを、紗理奈の足下へ落とす。
 それは、カビの生えた干し肉の切れ端だ。

 だが、
 ゴクリ
 それを見た紗理奈の喉仏は自然と動いてしまう。

 その反応に犬妖魔は、にやけながら、
「・・・じゃあこれでいいってことだな。・・・俺が一番先にいただくぜ」
 そう言うと、肉棒を露わにし、
 ズブブッ
 紗理奈の中へ突き入れた。

 鳥型の妖魔が、
「てめえっ、汚ねえぞっ!」
 そう叫ぶが、
「ゲヘヘ、凄えぜこの奴隷の中・・・吸い付いてきやがる・・・流石は穴巫女だぜ」
 犬妖魔は相好を崩しながら、
 グチュッ、グチュッ
 腰の動きを止めることはない。

「あっ、はあんっ!」
 紗理奈は嬌声を上げつつも、
 ギュゥゥ
 脚を妖魔の腰に絡め、その肉の味を堪能しようとする。 
 『んっ・・・はあっ・・・妖魔のチンポ・・・堪らない』
 10日振りに味わった妖魔のそれは、紗理奈の『飢餓』感を嘘のように埋めてゆく。
 だが、そのどこかに、『何か足りない』と思わせるものが、顔を覗かせていた−

「グエヘヘッ、ダメだ、もうイっちまう・・・おいコラ、てめぇの中にぶちまけてやるから、有り難く頂戴しなっ!」
 犬妖魔がそう叫び、
 ギュゥゥ
 紗理奈も膣肉でその膨らみを感じた刹那、
 ヒュンッ
 何かが紗理奈と犬妖魔の間に飛び、
 ボグッ
 鈍い打撃音が響いたかと思うと、
「ごげっ!?」
 間抜けな悲鳴をあげ、犬妖魔は路地の先へ飛んでゆく。

 ドガッ
 地面に叩き付けられ、体を不自然な『く』の字に曲げられた犬妖魔は、数秒痙攣すると息絶える。
「あ、ああ・・・」
 紗理奈がおののきながら見上げた先には、彼女の『主』である妖魔が、棍棒の様な武具を携えていた。

「・・・ひっ・・・ひぃぃっ!」
 残りの下魔達は、情けない声を上げると、仲間の死体もそのままに、その場から逃げ出す。
 『主』はそれを追わず、紗理奈の許へゆっくり歩み寄ってきた。
 そして、武具と背に担いだ頭陀袋を置くと、
「・・・ここで何をしている?」
 そう、紗理奈に詰問してくる。

 紗理奈は、
「・・・あの・・・わたしは・・・」
 そう言って目線を逸らそうとするが、
 ガッ
 顎を掴まれ、『主』へ強制的に向き直させられた。

 紗理奈の瞳を覗き込むように顔を近づけた『主』は、
「・・・お前は、俺の奴隷だ」
 それだけ言うと、
 ズブッ!
 紗理奈の背を石壁に預けさせるようにして、彼女の中へ、逞しい肉槍を突き込んでくる。

「あっ、ああっ!」
 紗理奈はそれを膣一杯に受けとめながら、悶え狂った。
 ズクッ、ズクッ、ズクッ
 荒々しい抽送に単なる性悦を感じるだけではなく、先程の犬妖魔に感じた『不足』を埋めるものを、この交わりに感じている。

 紗理奈は悶えながら、『主』の顔を見ようと目を開く。
 その視線の先には、口の解けた頭陀袋が転がっていた。
 その中には、一杯の食料が詰められている。

 それに紗理奈は、胸の奥底から、未知の感情が溢れるのを感じていた。
 ギュッ
 紗理奈は自然と『主』にしがみつくと、
「・・・ご主人、様・・・」
 そう言って、涙を浮かべながら『主』に微笑みかける。
 それが初めて、紗理奈が『主』を『己の主』と心から認めた瞬間だった。



 紗理奈が『穴巫女』とされてから、半年程が経とうとしていた。

「・・・あっ、はっ、ご主人様ぁ・・・もっと、もっと激しく突いてくださいっ!」
 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ
 盛大に飛沫をたてながら紗理奈は、『ご主人様』にのし掛かられるように、犯されている。

 だが、『穴巫女』となった当初とは異なり、肉欲だけではない多幸感に満ちた表情でそれを受けとめていた。
 今や『愛する人』となった『ご主人様』に犯されることこそ、彼女の最大の喜びなのである。



 あの一件−
 紗理奈が僅かな食料と引き替えに、下魔へ春をひさごうとしていた一件以降、『穴巫女』の装束を纏い首輪をつけて、幾度となく『ご主人様』と街中に出たが、彼女が恥ずか しさや恐怖を感じることはなかった。
 それは、彼に全幅の信頼を寄せることができるからだろう。
 街中では、数多くの『穴巫女』を見掛けたが、首や手足に鎖を掛けられ牛馬の如く、『主』に引かれ、歩いている者の姿もあった。

 昨日は、初めての『ご奉仕』の際、一緒に居た幼い『穴巫女』と出会ったが、
 ジャラリ
 首輪に繫がれ四肢で歩く彼女は、
「オラッ、さっさと歩けっ!」
 ゴスッ
 サイクロプス型の『ご主人様』に蹴られ無様に地べたへ転がると、
 ニヘッ
 媚びた笑顔を浮かべた。

 そして、
 ブルッ
 一瞬身を震わせると、『ご主人様』の顔を窺い見る。

 『ご主人様』はそれに不快な表情を浮かべ、
「仕方ねえな・・・ここでやれ」
 そう言うと爪先を、辻角に向けた。

 彼女は、のそのそとそこへ這い寄ると、頬を赤らめ、
「んっ・・・・」
 犬の様に脚を上げると、黒ずみ肉がはみだした秘裂から、
 ジョッ、ジョロロロォッ
 勢い良く小便を放つ。

「・・・」
 紗理奈は、彼女の様な『穴巫女』の姿を見ると、悲しくなる。
 彼女達は恐怖でのみ『ご主人様』に従い、心から従っているわけではないのだ。
 『穴巫女』である以上、『ご主人様』に心から尽くすことこそが幸せであろうに−

 紗理奈は
 スッ
 と、『ご主人様』の腕に己の腕を絡ませ、
 ニュルッ
 濡れた股を、『ご主人様』のざらつく太ももに擦りつける。

 これは彼への服従と、『おねだり』の証−
 
 それに『ご主人様』は、虹彩の細い目を更に細めると、
 グイッ
 紗理奈の鎖を引き、彼等の『我が家』に向かって歩き始めた。



「・・・出すぞ」
 その短い言葉とともに紗理奈は、
 ググッ
 膣肉一杯に、『ご主人様』の昂ぶりを感じた。

 紗理奈は、
「・・・あっ、はっ、ご主人様っ・・・紗理奈の中に、いっぱい、いっぱい出してくださいっ!」
 そう叫ぶと、
 キュゥゥ
 下腹に力を入れ、膣肉で『ご主人様』のモノを強く締め上げる。
 彼女の『ご主人様』はこうすると、沢山の精を彼女の中へ注いでくださるのだ。

 すると、
「・・・ウオォッ!」
 正しく獣の咆哮とともに、
 ドプンッ、ドプンッ、ドプンッ
 粘り気があり煮えたぎるよ様な熱を持つ精が、紗理奈の中へ大量に注がれる。
 それを紗理奈は、
「ひゃあぁんっ!・・・ご主人様ぁっ!」
 最大の歓喜をもって、
 ゴプンッ、ゴプンッ
 子宮一杯に受けとめる。

「は・・・あ・・・」
 ビクンッ、ビクンッ
 熱い迸りを受け、体を痙攣させながらも紗理奈は、視界一杯に愛する人の顔を収めながら、
 チュッ
 その頬に口づけをすると、ゆっくりと微睡みの中へ落ちていった。



「・・・あの、ご主人様・・・起きていらっしゃいますか?」
 『ご主人様』の胸に縋りつくような体勢で、褥に侍る紗理奈は、小声でそう呼び掛ける。
 すると一拍後、
「・・・何だ・・・」
 そう、短い返事だけが返ってきた。

 それに紗理奈はほっとした表情を浮かべると、
「・・・あの、わたし・・・『宮奴』になろうと思うのですが、如何でしょうか?」
 そう切り出した。

 『穴巫女』を所有している妖魔にとってその『穴巫女』を、『宮奴』とすることは名誉なこととされている。
 『宮奴』−即ち、『皇宮』に仕えるほど従順で優秀な奴隷−を調教する手腕を示すのに、その身分はこれとないものだからだ。
 一介の中魔でしかない彼にとってそれは、戦場で得る武勲にも劣らぬ価値がある。
 紗理奈はそれを理解して、この件を切り出していた。

 だが、『ご主人様』から返ってきた答えは、
「・・・それで良いのか?」
 彼女が予想していたものとは、大きく異なるもの、しかし、想定の範囲のものだった。

「うふふ・・・」
 それを聞いた紗理奈の頬は、自然と緩む。

 この『ご主人様』は妖魔には珍しく、『穴巫女』である紗理奈の身を、本気で案じてくれているのだ。
 彼の言葉の中には、
 『元巫女として、後悔はないのか』
 という意が込められている。

 それを察した紗理奈は、
「・・・ご主人様、有り難う御座います・・・でも私は、ご主人様の『穴巫女』になれた事を誇りに思っています・・・それに、こんな素敵な機会を与えて頂いた邪界には、とっても感謝しているんです・・・だから、ご主人様・・・」
 そう言うと、甘えるように『ご主人様』の胸に顔を埋める。
 ドクンッ、ドクンッ
 その彼の胸からは確かな鼓動と、心地良い温もりが感じられた。

 ギュッ
 答より先に、愛しい『ご主人様』が紗理奈を抱き締めてくれる。
 「ああ、嬉しい・・・」
 それが紗理奈には、十分答えになっていた。
 この人を愛し、己の全てを尽くそう−
 紗理奈はそう固く決意する。

「・・・よかろう、やってみるがいい」
 だが、そう答えた彼の口の端が、邪に歪んでいるのを、紗理奈は知らない。

 Bad End After_穴巫女 End

Novels トップへ


inserted by FC2 system