四神戦隊メイデン・フォース

Bad End After_黒巫女(5)

「ん・・・」
 摩耶は、ゆっくりと目を開けると、
「んんっ・・・」
 粗末な木の台にシーツを被せただけの寝台から、身を起こした。
 開け放した窓に目を遣ると、明けたばかりの陽光が飛び込んでくる。

 彼女は、一度体を慣らしてしまえば目覚ましなどなくともほぼ同じ時間に、起床することができる。
 巫女見習いの時代から鍛錬で身につけた習慣が、この様な場所で役立つ日が来るとは予想だにしなかったが−

 摩耶は掛け布団代わりの襤褸布を捲ると、寝台に腰掛けながら、
「・・・んっ、ん〜・・・」
 一つ大きく伸びをした。

 その彼女の『裸体』は朝陽に照らされ、黒曜石の彫像の様な美しさを放つ。
 夜着など与えられていない『メイド』達は『全裸』で寝るしかなく、今、摩耶がその身に纏うのは当然、『肉衣』しかない。

「んっ・・・」
 一頻り体を解した摩耶は、寝台脇の『台』に置かれ、綺麗に畳まれたメイド服に手を伸ばし、
 ススッ
 アカリを起こさぬようにそっと、しかし手早く、身につけてゆく。
 そして、
 ファサッ
 髪を手櫛で梳くと、ヘッド・ドレスを付けた。
 自分の姿を朝陽で照らし、一通り身なりをチェックすると、
「行ってきます・・・」
 摩耶は律儀にも、未だ眠るアカリへ小さな声でそう声を掛け、
 パタン
 静かに扉を閉じ、『館』へと向かうのだった。



 キィッ
 調理場の木戸を開けるといつもの通り、人気は無い。
 しかし摩耶は、慣れた手つきで、
 パタンッ
 食器棚の扉を開けると、
 カタンッ、カタンッ、カタンッ
 ミルク・ポットを3つ、作業台の上に置く。

 丁度それを見計らったかの様に、
 キィッ
「「お早う、摩耶」」
「お早う、葵、楓」
 葵と楓も姿を現した。
 彼女達3人は他の『メイド』に先駆けて、すべき『作業』があるのだ。

 カタッ
 摩耶達は各自ミルク・ポットを手に持つと、銘銘の方向−ただ、互いが視線に入らない向き−へしゃがみ込む。
 摩耶は、
 ファサッ
 『メイド服』の前を捲り上げ、内側へそれを折り込むと、
 ギュムッ
 朝立ちする肉棒を握り、ミルク・ポットへ筒先を入れると、
「んっ・・・ふっ・・・」
 コシュコシュコシュッ
 徐に自慰を始めた。

 それは、
「うっ、くっ・・・」
「ぐっ・・・ううっ・・・」
 葵と楓も全く同じである。

 やがて、
 「・・・んっ・・・ふぅんっ!」
 「・・・くっ、ううっ!」
 「・・・ひっ、ああっ!」 
 ビュルッ、ビュルッ、ビュルッ
 摩耶、葵、楓の3人は、それぞれ喘ぎ声を上げながら、ミルク・ポットに向けて射精する。
 各々の肉筒から放たれたそれは、
 ビチャッ、ビチャンッ
 粘り気のある音をたてながら、ミルク・ポットの壁面を伝い、容器を満たしていった。

「んっ、はぁっ・・・」
 だが彼女達は射精の余韻に浸る間もなく、
 ギュッ・・・コシュコシュコシュッ
「うっ、ふぅっ・・・」
 肉棒を握っては射精を促すため、再び自慰に没頭する。 

 当初は『ミルク・サーバー』として毎朝、『フレッシュ・ミルク』を淫魔達に供していた摩耶達ではあったが、それでは『給仕』に手間がかかること、それに、淫魔達が手淫で摩耶達を嬲ることに『飽き』を見せたことで、『ミルク』の『給仕』の方法を一考するよう、彩華から命じられたのだ。

「そんなのできるかよっ!・・・オ、オナニーをしろって・・・」
『淫魔どもに体を恣にされるより良い−』
 苦悩の末、葵が考案したこの方法には矢張り、楓が強く反発したが、
「全く解っていないようね・・・お前は牝牛なのよ・・・チンポ汁を垂れ流すだけのねぇっ!!」
 ビシッ、ビシッ、ビシィッ
「あうぅっっ!?」
 彩華から手厳しい『罰』を受けた後は渋々ながらも、この『搾精』に加わっている。

 この『搾精』作業を始めて約一月−初日は互いの羞恥心の余り殆ど『搾精』できず、結局彩華の『罰』を受けてしまった。
 翌日からは羞恥心を押し殺し、このミルク・ポットを満たすことのみ専心して、どうにか『罰』を回避することができている。
 羞恥の感情は確かに残るが、『罰』の恐ろしさに加えて『慣れ』もあり、摩耶達に当初ほどの抵抗感は無くなってきていた。

 ビュッ、ビュッ・・・ピチャンッ
「んっ・・・ふぅっ・・・もう、これくらいでいいわね・・・私はこれとグラスを持っていくから、葵と楓は『自分の分』と食器をお願い」
 尿道に残っていた精液を指先で絞り出した摩耶はそう言うと、重くなったミルク・ポットを掲げるように持ち上げる。
 葵と楓はその言葉に無言で頷くと、キッチンの奥へ消えてゆくのだった。

 2人の姿を視界の隅に収めながら摩耶は、
「・・・よいしょっ、っと」
 グラスの入った籠を器用に小脇へ抱え、食堂へと向かう。



 摩耶は手慣れた手つきで、
 コトッ、コトッ
 綺麗に洗濯されたテーブル・クロスの上にグラスを次々と並べてゆく。
 グラスを半分程度並べたところで、
「お早う、摩耶姉ぇ」
 朝の挨拶とともに、邪鳳が姿を現した。

 それに摩耶は、
「・・・お早う御座います、邪鳳様」
 そう流麗に挨拶を返しながら、スカートの裾を掴んで微かに屈み秘所を曝して頭を垂れる、『メイド』としての『挨拶』も、流麗にこなしてみせる。

 その様子に邪鳳は、笑みを浮かべながら自席に着席すると、テーブルの端に置かれたミルク・ポットを一瞥し、
「・・・摩耶姉ぇ、今日は『フレッシュ・ミルク』を飲みたいな」
 と言いながら、グラスを摩耶に向けた。
 邪鳳は時折、こうやって『フレッシュ・ミルク』を『リクエスト』することがある。

 摩耶は、
「・・・畏まりました」
 一瞬の間を置きはしたが、邪鳳からグラスを受け取ると、
「んっ・・・ふっ・・・」
 筒先をグラスに入れ、
 コシュコシュコシュ
 『搾精』を始めた。

「んっ、くぅっ・・・」
 調理場で『搾精』するのとは異なり、『人の目』があると流石に羞恥心は高まる。
 だが衆人環視の中するよりも、邪鳳一人の『目』だけしかない今のほうがマシだ。
 摩耶は羞恥に頬を染めながらも、手早く済ませるため『搾精』に没頭しやがて、
「・・・うっ、ふぅっ!!」
 ビチャッ、ビチャッ
 グラスに射精した。
 更に、
 ギュムゥ
「ふっ・・・うっ!」
 ピチャッ、ピチャッ
 邪鳳が摩耶のモノをフェラチオする時にも好む、尿道に残った精液を絞り出して注ぐ。

 そうして、
 チャプン
 邪鳳好みに『調整』された『ミルク』を摩耶は、
「・・・お待たせ致しました」
 コトン
 何事もなかったかの如く落ち着いた風情で、邪鳳の前に置くのだった。

「うふふ、有り難う・・・」
 邪鳳は、そう言って笑みを浮かべると、
「んっ・・・ゴキュッ、ゴキュッ」
 グラスに注がれたそれを、一気に飲み干してゆく。
 『彼女好み』に調整された濃厚な闇の精が心地良く、喉を滑り落ちていった。

『・・・うふふ、これならいいかな』
 ビクンッ、ビクンッ 
 肉棒を勃起させながらなおも、『メイド』として傅く摩耶の姿に満足しながら邪鳳は、一つの決意を固めるのだった。



「・・・ちょっとみんな、話があるんだけど・・・いいかな?」
 『食事』も終わりに差し掛かり、皆が食後のお茶を楽しんでいるところへ邪鳳は突然そう、切り出した。
 その言葉に、食後の解放感でざわついていた食堂が、
 シン
 と、水を打ったかの如く静まりかえる。

 それを見て邪鳳は、
「・・・摩耶姉ぇ、葵姉ぇ、楓姉ぇ・・・3人とも、前に来てくれるかな?」
 担当のテーブルの脇で控えていた摩耶達にそう、促した。

 その邪鳳の命に摩耶達は、
「「「・・・畏まりました」」」
 そう言って、一度頭を垂れると、『守護巫女』の序列順に、素早く整列する。

 彼女達の脇に立ち、それを見届けた邪鳳は、
「・・・この3人を明日から、『騎士見習い』にしようと思うんだけど・・・みんな、どうかな?」
 徐に、そう切り出したのだった。

 一瞬、食堂は再び静寂に包まれたが、
「さんせーいっ!・・・久し振りの『妹』かぁ・・・嬉しいな!」
「やったぁ!・・・摩耶ちゃん達だったら、即戦力だよ!」
 忽ち今度は、黄色い歓声に包まれる。

 当の本人達は状況が飲み込めず、目を白黒させるばかりであったが、
 ギュッ
 3人を束ねる様に、後ろから邪鳳から抱き締められ、
「まぁ、こうなるだろうとは思ってたけど・・・これで決まりだね・・・3人とも、明日からよろしく♪」
 満面の笑みでそう宣告されると、ただ頷くしかないのだった。



「・・・それで、どうする?」
「「・・・」」
 楓の言葉に、摩耶と葵は思わず言葉を詰まらせる。
 邪鳳から、今日の仕事は切り上げ明日に『備える』よう言い渡された3人は、人通りの少ない回廊の片隅で、『明日』への『対応』を話し合おうとしていた。

 口火は、皇宮の壁にもたれ立つ楓が切ったが矢張り、
「・・・」
 列柱にもたれ立つ摩耶も、
「・・・」
 回廊の床に腰掛ける葵も俯くだけで、明確な答えを出すことはできない。 

 館を離れる前、摩耶は邪鳳に真意を聞き出そうとしたが、
「・・・うーん、言った通りだけど?・・・明日から3人には、『騎士見習い』になってもらう・・・それだけだよ」
 と返されるだけであった。

 重い沈黙を破る様に漸く、
「・・・いずれにせよ、この『身分』が変わる、ということに間違いはないわけよね・・・」
 葵が『メイド服』を摘まみながらそう、言葉を漏らす。
 そして摩耶と楓が見つめる中、
「・・・『騎士見習い』がどういうものかも解らないし、この『体』も自分の言うことを聞かない・・・だったらやっぱり、暫くは様子を見たらどうかしら?・・・摩耶はどう思う?」
 そう言って、摩耶を見つめるのだった。

 摩耶は、
「・・・そうね・・・葵の言うとおりだと思う・・・」
 言の葉を一瞬詰まらせると、
「・・・暫くは様子をみましょう・・・楓もどう?」
 楓にそう、返す。

 ドンッ
「・・・くそっ・・・わかったよ・・・畜生っ!」
 それに楓は、悔しそうに壁を拳で叩くと、そのまま俯いた。

 そんな楓に摩耶は思わず、
「・・・楓・・・大丈夫、きっと『あの方』もわかってくださるわ・・・」
 そう、漏らしてしまう。
 摩耶が、はっとした表情を浮かべる一方で、
「「・・・」」
 葵と楓は射貫くような視線を彼女へ向けてくる。

 瑠璃とはあれからも、邪水晶の命じるまま週に1、2度、肌を重ね合わせている。
 だがこれは葵と楓には秘密の話だ。
 尤も、彼女達への『裏切り』とも言えるこんな事を、言える筈も無いが−

 摩耶は、カラカラに乾いた舌を湿らせるかの如く、
 ゴクリ
 と唾を飲み込むと、
「・・・ごめんなさい・・・思い出させてしまって・・・でも、私達が自棄になって誰も喜ばないわ・・・だから、ね」
 本来すべきものではない謝罪の言葉を混ぜ、その場を取り繕う。

 葵と楓はそんな摩耶への視線を漸く緩めると、ゆっくり頷くのだった。



 カチャン
 数個のランタンで照らされるのみの薄暗い食堂の中に、食器が触れあう音だけが木霊する。

「・・・」
 摩耶達はそこで『仲間』のメイド達と同じように夕食を黙々と、口許へ運んでいた。
 スプーンを『夕食』に通すと、
 ニチャッ
 粘液質な音と、
 ツン
 鼻を刺す様な刺激臭が立ち上る。

 『館』で出た残飯に、
 ベチャァ
 ホワイト・ソースの如く掛けられた妖魔のザーメン−それが今日の『メニュー』なのであった。

 それを摩耶達は口中へ運ぶと、
「・・・んぐっ・・・んっ」
 コップの水で流し込む。
 当初はスプーンで顔に近づけるだけで吐き気を催したそれも今では、どうにか食することができた。

 食糧事情が悪い邪界において、3食をとることができるだけ、恵まれた環境とも言える。
 それに、『奴隷』階級である摩耶達が『食事』の質を選べる筈も無い。
 加えて、この『食事』を残せば、彩華の厳しい『折檻』も待っている。
 彼女達にとって黙々とこの『食事』を取ること−それだけが取り得る選択肢なのだ。

 大方のメイドが食事を取り終えたところで彩華は、口許をナプキンで拭くと、
「・・・お前達」
 そう言の葉を発した。
 その瞬間、
 シン
 僅かに残っていた食事の音すら消え、食堂は一斉に静まる。

 彩華は食堂の中を一通り睥睨すると、
「・・・摩耶、葵、楓・・・前に立ちなさい」
 摩耶達にそう命じた。

 摩耶達は、
 カタン
 木の椅子から素早く立ち上がると、訓練された兵士の如く言われるがまま、一列に並んだ。

 彩華は、彼女達を閲兵するかの様に一瞥すると、『メイド』達に向き直り、
「・・・お前達も知っているかと思いますが、この3人は明日から、『見習い騎士』となります・・・明日からは、この3人を『騎士』として扱うこと・・・いいわね?」
 そう宣告する。

 『メイド』達から摩耶達へは居心地の悪い、
「・・・」
 羨望とも嫉妬とも取れぬ視線が向けられるが突然、
 パチパチ
 その中から拍手が沸き起こる。
 摩耶がその音の源を見ると、アカリであった。
 
 パチパチパチ
 パチパチパチパチパチ
 伝染するかのように広がったそれはやがて、満場の拍手へ変わってゆく。

 この世界へやってきて初めて、『祝福』された摩耶達は、少し気恥ずかしさを覚えながらも、深々と頭を下げるのだった。



「・・・待ちなさい」
 他の『メイド』達と食堂を離れようとしていた摩耶達に、彩華はそう声を掛けた。
 ピタッ
 まるで雷にでも打たれたかの如く摩耶達は歩みを止め、彩華に向き直る。

 ファサッ
 彼女の手の中には漆黒の布が、捧げ持つ様に置かれていた。
 上等の絹を黒墨で染めたかの如きそれは、薄暗い食堂内においてなお、キラキラと光沢を放っている。
 彩華は、
「・・・邪鳳様が、明日は朝一番に、これを着て大広間に来るようお命じよ・・・お前達も明日からは『メイド』ではないのだから、その心づもりでいなさい」
 そう言って手に持ったそれを差し出すように、摩耶達へ手渡した。

 摩耶達が受け取ったそれは、一枚のマント−『肉衣』の上にこれを羽織ってこい−そういうことなのだろう。
 渡されたマントを見つめる摩耶達に彩華は、
「・・・おめでとう」
 それだけ言い残すと、摩耶の肩を軽く叩き、食堂を去っていった。



 カツカツカツ
 居住階が葵と楓と異なる摩耶は、ヒールの音を響かせながら廊下を一人、歩いていた。
 摩耶は思わずまじまじと、自分の『メイド服』を見遣る。
 本来は屈従のコスチュームでしかないこれも、今日で着終える、と思うと、妙な感傷が沸いてくるのだ。

 やがて自室の前に立った摩耶は、壁を愛おしそうに一撫ですると、
 カチャリ
 扉を開ける−



 扉を開けた摩耶は、
「お帰り」
 先に部屋に戻っていたアカリに、そう声を掛けられた。

「ただいま」
 ルーム・メイトに摩耶はそう答えてから、
 パサ
 ベッドの上にマントを置くと、
「んっ・・・」
 『メイド服』の後ろに手を遣り、
 ファサッ
 それを脱ぐ。

 そしていつも通り、綺麗にそれを折り畳むと、ベッド脇の台の上へそっと置き更に、マントをその上へ置いた。
 それはまるで、『メイド』に別れを告げる儀式のようでもある。
 一通りの『作業』を終えた摩耶に、
「・・・『騎士見習い』なんて、凄いじゃない・・・おめでとう」
 アカリはそう再び、祝福の言葉を掛けた。

 それに摩耶は、
「・・・有り難う・・・貴女には本当にお世話になったわね・・・お礼を言うわ」
 と返して、食堂でのそれよりも深々と、頭を下げる。

 淫魔達と『同輩』になることが摩耶にとって『目出度い』筈もないが、恩人であるアカリの言葉には素直に従っておくことにした。
 それに今夜は彼女と同衾する最後の夜なのだ。
 敢えて彼女を不快にさせる道理もない。

 アカリは摩耶の言葉に微笑を浮かべると一転、
「ううん、いいよ・・・私もお世話になったし・・・それよりも・・・ねぇ・・・最後に、私を『抱いて』よ・・・」
 濡れた瞳で、その瞳と同様に濡れた股を、ゆっくりと開く。
 彼女にしてみれば騎士淫魔など雲上の存在だ。
 『犯して』もらうことはあっても、『抱いて』もらうことなど有り得ない。

 摩耶は、アカリのベッドに歩み寄ると、
「・・・わかったわ・・・んふっ・・・ちゅっ」
 アカリの股に顔を埋め、彼女の秘裂を舐め始めた。

 この部屋で一緒に生活し、セックスを重ねる中で摩耶は、アカリの『性癖』も十分に承知している。
 アカリは、クンニ−それも性器をじっとりと嬲られるもの−を非常に好むのだ。

「れろんっ・・・んっ・・・ふぅんっ・・・んふっ・・・」
 摩耶は秘裂に蛇の如く舌を這わせては、唇や鼻の頭で性器、そしてその周辺の肉も、マッサージするかの様に刺激する。
 今の摩耶には、財産や地位など持てるものは何も無い。
 アカリに与えられるのは、己の身を使った性悦のみ−このクンニは摩耶がアカリに返せるせめてもの『誠意』であった。
 だから今日は彼女を存分に愉しませたい−

 摩耶は、
「んぷっ・・・アカリ・・・」
 アカリの愛液と己の唾液でベトベトになった顔を、アカリの股から上げ、
「んっ・・・ちゅくっ・・・」
 アカリにキスをする。
 それに、
「ちゅっ、ちゅっ・・・」 
 赤子の如く応えるアカリが摩耶には、とても愛おしい。
 ギンッ・・・ビクンッ、ビクンッ
 その彼女の気持ちに応えるのは当然とばかりに彼女の半身も自然と、いきり起つ。
 摩耶はこの時初めて、人を自ら『抱きたい』、という『感情』をもったのだった。

  摩耶はアカリの股に割り込む様に覆い被さると、
「・・・行くよ、アカリ・・・んっ・・・ふぅっ!」
 アカリの柔肉を、肉棒で一気に貫く。
 荒々しく犯す−これもアカリを悦ばせるためのものだ。

 果たして、アカリは、
「いっ、はぁんっ・・・イイ、摩耶ぁ・・・もっとしきゅうぐちゅぐちゅしてぇっ!!」
 盛りのついた猫の如く、甲高い声で更なる肉悦をねだり、それに摩耶は、
 グプッ、グチュッ
 膣肉を抉り、子宮口を嬲るアクセントを加えてゆく。

「んっ・・・ふぅっ・・・んんっ」 
 淫魔と比べくもないがアカリとて、宮奴に上がるほどの『穴巫女』だ。
 人間であれば『名器』を遙かに超える『美肉』に摩耶も、酔いしれる。
 いつしか摩耶も、
 グヌッ、グヌッ
「んっ・・・はぁっ・・・あはぁっ・・・」
 アカリの肉の虜となっていた。
 摩耶にとって『初めて』の『ご奉仕』は、彼女を急速に追い詰める。

 ムクムクムクッ
「・・・摩耶ぁ・・・イイっ、イイよぉっ!!・・・わたしのしきゅー、摩耶ので満たして♡」
 膣肉で摩耶の昂ぶりを感じたアカリは、
 ユサッ、ユサッ
 腰を自ら振りながらも蕩ける様な笑顔を摩耶に向け、孕み汁を強請った。
 既に極限寸前まで至っていた彼女は、それだけで限界を迎えてしまう。

「いっ、はぁっ・・・アカリ、アカリぃっ!!」
 ドプッ、ドプッ、ドプッ
 摩耶は感情の猛りをそのまま放つ様に、アカリの子宮へ特濃の子種を放つ。

 ブクッ、ブクッ
 大量に放たれた精は、アカリの腹を妊婦の如く膨らませてゆくが、
「ああっ、凄ぉいっ!・・・私ぃっ、摩耶の赤ちゃん孕んじゃうっっ!!」
 子宮を破裂させんばかりに放たれる、摩耶の精流の激しさにアカリは、これまでにない至悦を感じてしまうのだった。

 その一方で、
「んっ・・・ほおぉぉっ!!」
 ブショオオォォッッ!!
 放尿の解放感にも似た、放精の解放感に摩耶は、
 ビクッ、ビクンッ
 肢体を震わせ、アヘ顔を浮かべながら、その悦にただ漬ることしかできなかった−



「・・・」
 瞼を微かに貫く陽光に摩耶は、まんじりともせず、目を覚ます。
 窓に目を遣ると昨日と同じ朝焼けが、彼女の瞳を優しく照らしていた。
 この部屋最後の朝−昨日までは考えることすらなかったその時が、今正に到来している。

 摩耶は暫し、その光景を瞳に焼き付けた後、
「・・・」
 いつもより僅かにゆっくりと起き上がるとベッドの端に腰を掛け、
「ん・・・」
 念入りに柔軟をした。

 体が解れたのを確かめてから立ち上がり、『掛け布団』とシーツを畳んでからベッドの上に置くと、
 キュッ
 ヒールを穿き、ベッド脇に置かれたマントに手を伸ばす。
 バサッ
 それを纏った摩耶は『メイド服』に触れると、
「・・・」
 二、三度、愛おしそうに撫でた。

 そして摩耶は、アカリの寝台の前に屈み、
「すーっ、すーっ・・・」
 幸せそうに眠るその横顔を、そっと撫でる。
「ん・・・」
 『館』に居ればまた会う機会もあるだろうがこうして、『ルーム・メイト』として睦み合うのはこれが最後かと思おうと、いつまでもこうしていたい気持ちに駆られた。

 だが摩耶は、
 スッ
 意を決して立ち上がると、
 キィッ
 扉を開け、
 パタン
 振り返らずに部屋を後にするのだった。



 カツカツカツ
 『館』前の石畳を歩いていると、
「「・・・摩耶・・・」」
 後ろから二つの声を掛けられる。

 それに振り返った摩耶は、
「・・・おはよう、葵、楓」
 盟友にそう挨拶を返すと、彼女達からは同様に、
「お早う、摩耶」
「おはよう、摩耶」
 朝の挨拶が戻ってきた。

「「「・・・」」」
 挨拶の後は図らずも無言となって、
 カツカツカツ
 3人は縦列に『館』へと進む。
「・・・」
 入り口で摩耶は『館』を思わず見上げるが、見慣れた筈のそれはいつもより、重々しく見えた。

 カッカッカッ
 『館』に入った摩耶達は、長い廊下を奥へと進む。
「んっ・・・」
 摩耶はマントと擦れる、
 ビキッ
 勃起する肉棒の感触に思わず、腰を屈めた。
「・・・うっ・・・ふっ・・・」
「・・・くっ・・・うぐっ・・・」
 後ろを進む、葵と楓も同じらしい。

 毎朝の『搾精』によって、この時間帯に射精することが習慣づけられてしまった彼女達の肉棒は、マントの繊細な『肌触り』に、
 ピュクッ、ピュクッ
 先走りの汁を擦り付け、『恒例の解放』を哀願する。

 しかし、彼女達は、
「んっ・・・くっ・・・」
 それをどうにか堪えると、
 バタン
 大広間に通じる扉を開いた−



 大広間では、完全武装に身を固めた騎士淫魔達が一糸の乱れもなく、整列していた。
「・・・!!」
 一瞬摩耶達は思わず、その威容にたじろぐが、
「・・・っ」
 意を決して一歩を踏み出すと、
 チャッ
 騎士淫魔達は剣を立て、最敬礼で、摩耶達を迎える。

 摩耶達は、緊張しながらも、摩耶を扇の要にして、
 カッ、カッ、カッ
 両側に控える淫魔に迎えられつつ、広間の奥で彼女達を待ち構える、淫魔四天王の許へ向かうのだった。



 大振りの剣を、地に突き立てる様に持った邪鳳は、
「うふふっ、来たね、みんな・・・これから『叙任の儀』を執り行うんだけど・・・まずは、『それ』が邪魔だね」
 そう言って彼女達を迎えると徐に、
「Мясо должно пожурить  они могут быть освобождают・・・ 」
 と呪を放つ。

 その瞬間、
 ズルッ
「・・・!?」
 摩耶達の身を包む『肉衣』が蠢き出した。
 そして、
 ズルッ・・・ズルルゥッ
 彼女達の全身を包んでいたそれは、水飴の如く溶けては肌を滑り落ち、
 ボトッ、ボトッ・・・シュゥゥ
 床に染み込む様に消えてゆく。

 アヌスに深々と埋め込まれていた『肉衣』も、
 ズルズルズルッ
 一気に、肛外へ引き抜かれてゆき、
「ひっ、ああっ!!」
 その直腸を捲り上げるような快楽に摩耶達は、
 ファサッ
 羽織ったマントを、取り落としてしまう。
 そこで俄に露わとなった彼女達の裸体は、『叙任』を得るに、相応しい体へと変容していたのだった。

 『肉衣』の戒めから解き放たれた胸は、
 ブルンッ
 二回りほど豊満となり、肥大し勃起した乳首からは、
 ビュッ、ビュッ
 性的興奮を顕しているのか、母乳が零れだしている。
 更に、鍛え上げられ、引き締まっていた肉体は、その面影を残しながらも、『牝』としての艶を強く帯びていた。

 『肉衣』の戒めを得ながらも、肉体の変調には気づいてはいたが、それを眼前に突きつけられた摩耶は、
『私の体っ・・・こんなにイヤラしくなっちゃった・・・』
 変わり果てた己の肉体の変容に愕然とする。
 だが、そんな落胆を更に後押しするかの様に、
 ズルズルッ・・・ズヌゥッ
 アヌスに入り込んでいた『最後』の『肉衣』が、彼女の感覚を捲り上げるのだった。

 アヌスから灼熱の如く沸き上がる快感に摩耶は、
「・・・お゛お゛お゛お゛お゛゛っっ!!」
 落胆や羞恥など些末な感情を焼き切らせ、
 ドブドブドブゥッ
 破裂しそうなまでに怒張した肉塔から、マグマを爆発させる。

 彼女の射精に呼応するかの如く、どうにか堪えていた葵と楓も、
「・・・い、ひあ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」
「・・・うほお゛ぉお゛お゛っっ!!」
 ドピュッ、ドプッ、ドブッ
 盛大に牡汁を放った。

 そしてそれは同時に、
『ひっ、あっ・・・私がでちゃうっ!!』
 邪水晶に初めて射精したのと同種の、しかしそれを遙かに超越する『虚脱感』を彼女達に与える。
 摩耶達が内包する力−神力−を、穢れ−魔力に変換し放出する『魔具』は遺憾なく、その力を発揮していたのだった。
 ドプッ、ドプッ、ドブンッ
 正に、摩耶達の内包する全てを解き放つが如き射精は、
 ビチャァンッ
 彼女達がザーメンの海にへたり込んでも、暫く止むことはなかった。

「ひっ、あっ・・・」
 ビュクンッ、ビュクンッ
 精液の中で射精の余韻と虚脱感に浸る摩耶達を眼下に邪鳳は、
「ふふっ、準備は整ったみたいだね・・・」
 そう言って一歩踏み出すと、
 シャキンッ
 剣の鞘を抜き、刀身を、
 ピタッ
 摩耶の肩に当てる。
 それに倣って、邪亀は葵に、邪虎は楓に、それぞれ己の帯剣を当てた。

 邪鳳は、それを視界の隅に捉えながら、
「・・・汝、人の子にして、魔に属するものなり・・・」
 と、呪を唱え始める。
 すると、
 ポゥッ
 守護巫女達に当てられた剣が、燐光を帯び始めた。

 そして、
「・・・今ここに、神を穢し、魔を守護する誓いを立てるものなり・・・」
 邪鳳がそう唱えると、
 ブウンッ
 燐光は闇の色へと変じ、
「・・・汝、上月摩耶よっ!」
 摩耶の名を叫ぶと、
 コオォォッ
 剣から、強大な瘴気が溢れ出す。

 その瘴気はまず、
 ズブブブッ
 摩耶達の肉体の中へ、溶け込む様に流れ込んだ。
『熱いっ!?』
 それは膨大な熱量を持つマグマの如く、彼女達の体を『灼いて』ゆく。

 それを裏付けるかの様に、下腹部にある肉奴隷の紋章が、
 ジジィッ
 回路を焼き切られるかの如く形を変えやがて、
 ブンッ
 淫魔達と同じ、子宮を模った紫色の紋章へ辿り着いた。

 更に今度は、
 ズルズルズルッ
 摩耶達の肌を這う様に、瘴気が覆ってゆく。

 それは直ぐに、
 ギュウゥッ
「ああっ!?」
 実体となって彼女達を包み、騎士淫魔達と同じボンテージ調の装束となって、その放恣な肉体を修飾していった。
『・・・闇の力が・・・染み込んでくるっ・・・』
 淫魔の装束が肌を覆う度、泥濘が白無垢に染み込んでゆくかの如く、闇の力が摩耶に同化してゆく。
 だがそれは、巫女だった彼女が感じた、肌を刺す様な『不快感』を与えるものではなく、妙な『安堵感』を生むものだった。 

 シュウゥゥ
 やがて、完全なる邪界の『騎士』へ産まれ堕ちた、かつての『守護巫女』達に邪鳳が、
「・・・上月摩耶、水島葵、土持楓・・・『主』邪水晶の名において、邪界の騎士たる汝等に、剣を授ける・・・」
 そう宣告すると、新たなる『騎士』の眼前に在る淫魔どもは、肩に当てていた剣を両手で捧げ持ち、摩耶達へそれを差し出す。

『これを受け取ってしまったら私は・・・』
 摩耶は、眼前に差し出された剣を前に躊躇いを見せた。
 恐らく、自分の肉体は既に、『騎士』たるものへ変じてしまっているのだろう。
 もし、この剣を受け取り、心まで変じてしまったら−摩耶はそう思ったのだ。

 しかし、その摩耶の理知的な躊躇いを余所に動いた者は−
「破、あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!?」
 眼前の剣を取り、一瞬気合いの声を上げたかとおもうと、『悶悦』とも言うべき悲鳴にそれを変えた。

 邪虎から剣を『奪った』楓は、憎き淫魔どもに一矢を報いるべく、神気を込め剣を振るおうとしたが、
 ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ
 己の全てを絞り出されてしまうが如き猛烈な射精感に、
 カランッ
 その剣を落としてしまう。

 ビューッ、ビューッ、ビューッ
 勢いを増し、止まらぬ射精に楓は、
「おほお゛お゛っ!?」
 獣の如き咆吼を上げながら、
 ギュムッ
 言うことをきかぬ肉の凶器を握り締め、どうにかそれを留めようとした。

 だがそれも、
 ガッ、グリィッ
「ひぎぃいっ!?」
 楓の肉棒を踏みつけた邪虎によって、無為なものになる。

「楓さぁん、もしかして神気を使おうとしましたぁ?・・・ふふっ、駄目ですよぉ?・・・もう貴女達は、神気をチンポから『穢れ』で吐き出すしかないんですからぁ・・・私達よりよっぽど穢れた、チンポ巫女としてねぇ」
 邪虎はそう嘲りの言葉を吐きながら、
 ゴリゴリィッ
 楓の肉棒を更に踏みつけた。

「ひぎあぁぁっっ!!」
 楓は強烈な痛みに絶叫を上げるが、彼女の肉棒はそれすらも、
 ビュクッ、ビュクッ
 快楽に変換して精を吐く。

 摩耶は、小刻みに震えながら眼前の剣に視線を落とした。
『この剣を受け取るかどうかじゃない・・・私達はもう−』
 余りにも絶望的な現実に、摩耶の理性が追いつくことは無い。

 そんな摩耶に、邪鳳は剣を更に差し出し、
「・・・摩耶姉ぇ・・・受け取って・・・くれるよね?」
 満面の笑みで、摩耶に迫る。

 カチャッ
 それに摩耶は、その剣を受け取るしか術はないのだった。



「・・・これで、『叙任の儀』はなった・・・新たなる我らが仲間ために勝ち鬨を!」
 摩耶達が剣を受け取ったことを認めた後、邪鳳はそう号令を掛けると、
 ジャキッ
「「「摩耶、葵、楓・・・そして、我らが騎士団に栄光あれ!!!」」」
 剣を掲げた淫魔達が一斉に唱和する。
「・・・」
 それを再び整列した摩耶達は呆然と受けるだけだ。
 邪虎に散々嬲られ大人しくなった楓も、摩耶の隣に立ち尽くしている。

 邪鳳は、その光景を眺めながら満足そうに頷くと、右手を挙げ、
「・・・さて、これで彼女達は目出度く、『騎士』の『叙任』を受けたわけだが・・・」
 そう言葉を切り、ニヤリ、とイヤラしい笑みを浮かべると、
「・・・続いて、『姉妹の契り』を執り行いたいと思う」
 そう宣告した。

 それと同時に、淫魔達から、
「「「わぁっ!!」」」
 と歓声が上がる。

「「「!?」」」
 摩耶達は事情が飲み込めずただ狼狽するばかりだったが、
 ギュッ
 それぞれ『叙任』した淫魔に背後から抱き締められると、
 グッ
 僅かに大事な部分を隠す役割を果たしていた装束の股布をずらし、秘所とアナルを露わにされた。

「はぁっ、摩耶姉ぇ・・・ずっとこの時を待っていたよ・・・」
 邪鳳は、そう熱っぽい声を漏らすと、
 ヌルンッ
「ひぃっ!?」
 熱く滾った欲望の象徴を、摩耶の秘所に滑らせる。

 そして、
「・・・本当はね、ここで愛を確かめ合って、『契り』を交わすのが慣わしなんだけど・・・」
 残念そうにそう言葉を切ると、
 トスッ
「・・・あっ!?」
 摩耶を前のめりに押し倒し、
 ピトッ
 彼女のアナルに狙いを定めた。

 邪鳳は、
「・・・摩耶姉ぇ達は、『巫女』でいてもらわなきゃいけないから、ここで愛してあげるね・・・ふふっ、入れる前にイっちゃいそうだよ、私♡」
 ポタッ、ポタッ
 我慢汁をしとどに肉筒から垂らしながら、
 ズブブゥッ
「あぐぅっ!?」
 前戯もなく、摩耶の中へ侵入した。

 アナル・セックスは邪水晶と経験済みではあるが、
 ビリビリビリッ
「ひいぃぃっ!?」
 挿入された衝撃は、その比ではない。
 ズルッ、ズルッ
 邪鳳の肉棒が、アナルの襞一つ一つを擦る度、摩耶の脳神経を焼き切る様な極悦が走るのだ。

 邪水晶が与えた『張型』−低級妖魔によって摩耶のアナルは直腸ごと、『性器』に改造されている。
 それも、上級淫魔ですら凌駕してしまうほどの名器に−
 
 果たして、
「・・・んっ、はぁっ・・・ホントにイキそ♡・・・摩耶姉ぇの中、トロトロマンコみたいでっ・・・んっ・・・ふぅっ」
 ピュクッ、ピュクッ
 さしものの邪鳳も堪えきれず、先走りの汁を摩耶の中へ吐き出してしまう。

 それは、
「・・・うっ、はぁっ・・・葵の中は、キツっい、なぁ・・・ふふっ、久し振りに愉しめそうだよ・・・」
「んふぅっ・・・楓さぁん、ケツマンコ、ぐっちゅぐちゅですよぉ?・・・さっきチンポ嬲られて感じちゃいましたぁ?・・・くふふっ、今日は一杯愛してあげますからねぇ♡」
 葵と楓を犯す邪亀と邪虎も、同じであった。

 一人、『あぶれる』形となり、3組の痴態を眺めるだけの邪龍は、
 ボタッ、ボタッ
 小便を漏らしたかの如く、愛液を股から零しながら、
「・・・邪鳳ぉ・・・私我慢できないよぉ・・・摩耶さんのチンポ、私に頂戴・・・」
 そう涙目で邪鳳に訴えると、
 クイッ
 尻を突き出す様な姿勢で、
 ピトッ・・・グリッ
 秘所を摩耶の怒張に擦りつける。

 それに、
 グジュッ、グジュッ
 摩耶の肉壺を犯しながら邪鳳は、
「・・・んふふっ、ゴメンね邪龍・・・二人で摩耶姉ぇを愛してあげよ・・・んふぅっ」
 そう言の葉を吐くと、
 ドンッ
 腰骨で、摩耶の尻を叩いた。

 ズブブゥッ
「はぁんっ♡」
 摩耶に『犯される』形となった邪龍は、
 ブビュゥ、ビュッ
 それだけで射精し、
「んっ、はぁっ・・・今日の摩耶さん、スゴっ、い・・・チンポ、中でゴリュゴリュいってりゅぅ♡・・・邪龍のお肉、もっとゴシゴシ擦ってぇ♡」
 『遅参』した筈の彼女も直ぐに、アナルを犯す淫魔達と同じ表情となる。

 そんな『姉』達の痴態を、『妹』たる淫魔達は、
「はぁ、私も摩耶ちゃんのアナルにチンポ、ズボズボしたいよぉ・・・」
「葵のチンポ、すっごいおっきい・・・あたしのムレムレマンコで食べたいなぁ・・・」
「・・・楓さんのお口、なんかエロぉい・・・このチンポ、入れさせてくれないかなぁ・・・」
 コシュコシュコシュッ
 それぞれの肉棒を扱きながら、羨望の眼差しで見つめていた。

 いつの間にか、アナル・セックスに興じる摩耶達を中心に、淫魔どもで取り囲む形となった室内は、淫臭と淫らな熱気で満ち溢れていた−

「いっ、ぎっ、ふぅっうっ!?」
 『牝』と『牡』の『悦び』を同時に、そして強制的に味わされた摩耶は、バチバチと理性をスパークさせる。
 しかし彼女の淫らな肉体は、我が儘にも、
 キュッ・・・グリュッ、グニュンッ
 ゴリッ、ゴリュッ
 『犯す者』を締め上げ、『犯される者』を責めたてた。

 その『攻守』入り交じる性の『攻防戦』は、
「ひっ、あっ!・・・摩耶姉ぇ、そんなに締めないでぇ♡・・・私もぉ、イっちゃうよぉ♡」
「はぁん!・・・摩耶さん、逞しいっ♡・・・摩耶さんの赤ちゃん、孕ませてぇっ!」
「うっ、ごぉっ・・・ひっ、ぎぃぃっ!?」
 三者三様に受け止められ、
 ドブッ、ドブッ、ドブッ
「・・・ま、摩耶姉ぇっっっ!!」
「・・・ひぃうぅっ!?」
「・・・うっ、ごぉぉっっ!!」
 精の大波へ結実する。
 そして、摩耶達が果てるのとほぼ時を同じくして、
「「おほぉおぅっ!!」」
「「ひいあぁあっっ!!」」
 他の2組も、果てた。

 更に、3組の『姉妹』を祝福する『シャワー』の様に、
 ブブッ、ビチャァッ、ビチャァッ
 自慰に耽っていた妖魔どもの精が、摩耶達へと降り注ぐ。

 ビチャッ、ビチャッ
 なおも驟雨の如く降り注ぐ精を浴びながら摩耶は、
『私・・・もうダメへぇっ!!』
 『姉』達の『愛』にその身を浸し、意識を失うのだった。



 朝陽を浴びながら摩耶は、
「んっ・・・」
 『叙任の儀』で与えられたボンデージ調の衣装−常服−を脚から穿き、スリングの部分に肩を通して着込むと、
「んっ・・・ふっ・・・」
 パチンッ
 朝立ちで固くなったペニスをペニス・バンドに止め、
 キュッ
 ヒールを履くと、朝食前の身支度を調えた。

 平時はこの『常服』が彼女達の普段着である。
 『騎士』として任に当たる時はこの部屋とは別にある更衣室で、『騎士服』や『礼服』を纏いそのうえで、武装を身につけることになっていた。
 その他に薄いネグリジェの様な夜具と、若干の身の回りの品も支給されている。

 スッ
 摩耶は、支給品の櫛でその艶やかな黒髪を梳くと鏡台で全身を写し、最後の仕上げにかかる。
 鏡台脇の窓からは今日も、燦々と照りつける太陽が顔を覗かせていた。

 摩耶達に与えられた部屋は、『見習い騎士』用の小さな部屋だ。
 元は倉庫部屋だったらしいがそれでも、二段ベッドと机がそれぞれ二組、そして小さく粗末ではあるが、引き出し付きの鏡台が一つ設えられており、『メイド』時代の『部屋』とは雲泥の差がある。
 数ヶ月ぶりに、『人間らしい』生活が送れてはいるが、『騎士淫魔』の一員となったことでそれが為されている、ということがどこか皮肉めいていた。

 『姉妹の儀』から、『騎士』とは名ばかりの『性奴隷』としての生活が始まるのでは、と身構えていた摩耶達ではあったがその彼女達が驚くほどに、穏やかな生活が続いている。
 『姉妹の儀』という名のとおり、儀式後彼女達は、淫魔達の『妹分』として扱われていた。
 ただ、『妹分』といってもその関係は緩やかなものであり、席次や儀礼の順番が下位である、ということ以外はそれを感じさせることすら殆ど無い。
 それよりも『家族の一員』といったほうがしっくりくるくらいどの淫魔も、好意的に摩耶達へ接していたのだった。
 尤も、邪鳳との『逢瀬』や、瑠璃への『奉仕』は続いてはいたが−
 
「・・・ちょっと、先に行くわね」
 摩耶が、まだ身支度をする葵と楓にそう声を掛けると、真意を察した彼女達は、さっと手だけ上げて、了解の意を示した。

 パタンッ
 摩耶は部屋の扉を閉めると、『目的地』へ向かうべく歩を進める。
 カッ、カッ
 廊下を曲がり、『目的地』に近付いたところで、
「あっ・・・あっ・・・」
 ショオォォッ
 麻里が『メイド』に『用を足している』ところに出くわしてしまった。

 カアァッ
 反射的に摩耶は、頬を朱に染め俯くと、足早にその脇を通り過ぎようとする。
「・・・あ、ちょっ!・・・」
 麻里はその摩耶の様子に、
 ヌッ、ヌッ
 肉棒を抜き差しして、『メイド』の中へ残尿を手早く放つと、
 タタタッ
「・・・ちょっと待ってよぉ、摩耶ちゃんっ!」
 駆け出し、
 ドンッ
「わっ!?」 
 背後から摩耶に体当たりした。

 仕方なく摩耶が振り返ると、
「・・・もうっ、なんで無視すんのよぉっ!!」
 腰に手を当てながら頬を膨らませ、不機嫌そうにブンブンと尻尾を振る麻里の姿があった。

 摩耶はそんな彼女に、思わず苦笑を浮かべてしまう。
 こんな関係になったのは、丁度三日前のこと−

「・・・勝負ありっ!・・・次の者、前へ」
 馬上に在る摩耶は、その声に手綱をひくと、
 チャッ
 獲物である長刀を構えた。

 『騎士団』は、『巡視』と呼ばれる城下のパトロールを3隊交代で行う他は、こうした武術の訓練や、近衛兵として、儀典の修練をしている。
 初日の『巡視』の際、『馬』を与えられ騎乗させられた時は、サラブレットとの違いに戸惑いを見せた彼女ではあったが、神凪の社で流鏑馬の名手と鳴らした彼女が『馬』に慣れるのに、大した時間は要さなかった。
 初日が暮れる頃には『馬』の手綱捌きをほぼ手中に入れ、三日が経過した今では、馬上に在る姿もすっかり様になっている。
「・・・綺麗・・・」
 彼女の見事な手綱捌きと剣技には、同輩の騎士淫魔達も一目置くほどであった。

「・・・両者前へ」
 邪龍の声に、相対した一組の騎士は、それぞれの獲物を手に練兵場の中心に進み出る。

『・・・麻里、か・・・』
 次の摩耶の相手は、麻里であった。
 チャッ
 幼い容姿ながらも、馬上槍を易々と構えるその様は矢張り、彼女が妖魔であることを雄弁に物語っている。

 チャキッ
 相手の力に敬意を払う意味でも、己の実力通り向かうことが良いだろう−そう考えた摩耶は『武人』らしく、長刀を構えてみせた。

 そうして両者が互いに狙いを定めたところで、
「・・・両者、始めっ!」
 仕合開始の号令が放たれる。

「「はぁっ!」」
 両者は馬に気合いを付けると、突進し一気に間合いを詰め、
 キィンッ
 火花を散らした。

 カンッ
 長刀の柄越しに、衝撃が伝わってくるが、
『・・・軽いっ』
 先程対戦した淫魔に比べれば、その衝撃は数段弱い。
 摩耶も『肉衣』の肉体改造により、筋力を大幅に向上させている。
『上級淫魔としては』力に劣る麻里の一撃は、『上級淫魔としても』力に優れる摩耶に対して、決定的な打撃を与えることはできない。
 しかし、『スピード』では勝る彼女は、
「たぁっ!」
 馬上で舞うが如く、巧みに摩耶の攻撃を躱してゆく。
 
 しかし、
 ギイィンッ
「・・・くっ!」
 それはあくまで、『躱す』だけのこと。
 摩耶にダメージを与えられない彼女は次第に押され、馬上での『舞』も影を潜めていった。

 そして、
「・・・はぁっ!」
 ヒュンッ
 摩耶が気合いとともに放った一閃は、麻里を打ちのめすかと思われたが、
「くっ・・・」
 驚異的な身体能力で、麻里はどうにかそれを躱す。

 しかし、
「・・・あっ!」
 限界を超えた彼女の動きは、
 ズルッ
 紅葉のような彼女の手を、手綱から引き離してしまうのだった。

 スロー・モーションのように、馬上から放り出されようとする麻里。
 いかに強靱な淫魔とは言え、『馬』の巨体に踏まれて、無事である筈が無い。
「危ないっ!・・・どうっ!」
 ドドッ、ドッ、ドッ
 摩耶は乗馬を全力で走らせると、
「・・・はぁっっっ!」
 ガシッ
 空中に放り出され、乗馬に踏みつぶされんばかりになった麻里の襟首を掴み、
 グイッ
 そのまま持ち上げて、
 ドサッ
 自分の前へと座らせる。

「大丈夫、麻里っ!?」
 摩耶は、きょとん、と座る麻里へ怒鳴るようにそう、声を掛けた。
 彼女の背中越しに見た分には、怪我はなさそうだが−

 その刹那、
「・・・」
 麻里が何かを呟いた。
 だが小さなその声は、馬が疾走する音と、風切り音に紛れて、聞き取ることはできない。

 心配になった摩耶は、
「・・・どうっ、どうっ・・・麻里、どうしたの?・・・痛い?」
 馬の手綱を引きながら、そう尋ねるが、
・・・カッコいい・・・
「・・・え?・・・良く聞こえないわ」
 麻里の呟きはまだ、聞き取ることができなかった。

 ヒヒィンッ
 手綱を引かれた馬が、立ち上がり漸く止まったところで、
「・・・摩耶ちゃん、カッコいいっ!!」
 そう言いながら満面の笑みを浮かべた麻里に、摩耶は思いきり抱き締められる。

「・・・ちょっ、麻里、危ないっ!!」
 小さな淫魔に動きを封じられた摩耶は、どうにか手綱を捌いて転倒を防ごうとするが、
「えへへっ、ありがとー!・・・摩耶ちゃん大好きっ!!」
 そんなことは麻里にとってどうでもいいようだ。
 馬を宥めた後も麻里は、摩耶にしがみついて暫く離れることはなかった。

 それ以降、摩耶は麻里にすっかり気に入られてしまったらしく、事あるごとに彼女の後をついて回るようになっている−



 すっかりお冠の様子の麻里に摩耶は、
「別に無視したわけじゃないの・・・ちょっと、ね・・・」
 掴みかかってきそうな勢いの麻里を手で制しながら、そう弁明した。

「ちょっと、って何よぉ・・・あ、そうか・・・ふ〜ん・・・」
 屈んで顔が、
 ビクンッ、ビクンッ
 丁度摩耶のペニスを覗き込む位置にあった麻里は、何か合点したかの如く文字通り、小悪魔の様な表情へと変わる。
 彼女の尻尾も、
 ピコッ、ピコッ
 先程の『怒り』から、表情を変えていた。

 その表情に、危険なものを感じた摩耶は、
 サッ
「・・・だから、ね・・・先に行かせて」
 両の手でペニスを隠すと、恥ずかしさに頬を染めながら麻里の横を通り過ぎようとする。
 しかし、
 スッ
 素早く摩耶の傍らに回り込んだ麻里は、
 グッ・・グイッ
 摩耶の手をすり抜けるように、彼女のペニスを掴むと、
「摩耶ちゃん、オシッコしたいんでしょ?・・・だったら、あの『トイレ』を使えばいいじゃん」
 そう言って、先程の『メイド』を顎で指し示した。

 尿意で敏感になったペニスを弄られた摩耶は、
「・・・い、や・・・だから、『本当の』トイレにいかせて・・・」
 内股をモジモジさせながらそう、麻里に哀願する。

 だが、
 シコシコシコッ
「・・・あ、んんっ!!」
 麻里は、摩耶のモノを突如扱き始めると、
「え〜、この『トイレ』、本当に気持ちいいよ?・・・摩耶ちゃんにも試してほしいなぁ・・・ねえ、貴女もそう思うでしょ?」
 そう、先程の『メイド』に同意を求めた。

 いつの間にか、至近までやってきていた『メイド』は、
「・・・はい、麻里様・・・摩耶様、どうぞお試しください」
 そう言うと、
 カタンッ
 バケツを股下に置き、かつてアカリがそうしたのと同じく、『トイレ』の姿勢で摩耶を待つ。

「ほらぁ、この娘もいい、って言ってるじゃん・・・摩耶ちゃんも使ってあげなよ」
 麻里はそう摩耶をけしかけると、
 コシュコシュコシュッ
 手淫のスピードを早めた。

 摩耶は、
「いっ・・・んっ、ぐっ・・・でき、ない・・・」
 どうにか尿意を堪えると、拒絶の言葉を吐く。
 『叙任』を受け今では、『騎士』などという地位を得てはいるが眼前の『メイド』はつい先日までは、自分と『同輩』だったのだ。
 それに、『人』として、『人』を『便器』として使うことは、今の摩耶には抵抗感が強すぎる。

 そんな摩耶に麻里は頬を膨らませながら、
「・・・もーお、摩耶ちゃんは本当に強情なんだからっ!・・・わかった、じゃあ、選択肢を2つあげる・・・この娘の中にするか、それともそこのバケツの中にするか・・・どっちか選んで?」
 そう、選択を迫った。

 だが、
「どっちか、って・・・んっ!・・・」
 摩耶が、そんな選択に即座に回答することができないのも当然だろう。
 妙齢の女性が、こんな場所、しかも人の眼のあるところでバケツにするなど恥辱以外の何者でもない。
 しかし−
『でも、このメイドに放尿するよりは−』
 自分が恥辱に塗れば少なくとも、彼女を穢すことはない。
「・・・バ、・・・・」
 摩耶は、逡巡した後、『人』として『正しい』と思える選択を、口にしようとする。

 しかし、
「・・・ざんね〜ん、時間切れ。我慢させちゃってごめんね、摩耶ちゃん♡」
 麻里はそう宣告すると、
「えいっ」
 ドンッ
 摩耶の背を、手淫とは別の手で押した。

 カクンッ
「あっ・・・!」
 それに思わず前へ倒れ込んだ摩耶は、
 ズブブブブッ
 待ち構える『メイド』の中へ尿意で怒張しきった肉槍を、挿入してしまうのだった。

 ズルッ
「ひあっ!?」
 カリが、『メイド』の肉襞にかかった瞬間、
 ジョオオオォッ
 遂に堪えきれなくなった摩耶は、『メイド』の中へ盛大に放尿を始める。

「んっ、ああっ!!」
 射精とは異なる解放感と、膣を逆流し、竿を洗う暖かい感覚に摩耶は、
「ああっ!!」
 ビクンッ、ビクンッ
 軽くイってしまった。
 ヌチッ
 それに、尿で暖められ、じっとりと竿を包む『メイド』の膣肉の絶妙な感触も、摩耶の性感を嫌がおうにも高める。

「おっ、おっ♡・・・」
 余りの快感に、だらしなく表情を緩め始めた摩耶に麻里は、
「ねっ、気持ち良いでしょ?・・・この『トイレ』でしちゃったら、あっちの『トイレ』でなんてしてられないよ・・・この娘も悦んでるし、今度から『こっち』でしよーね♪」
 そう言って無邪気に笑うのだった。



「はぁっ・・・」
 カチャッ、カチャッ
 『メイド』に放尿する悦びを散々に味わされた後摩耶は、『同輩』達との『朝食会』に参じていた。
 今日の朝食は、アメリカン・ブレック・ファースト風に纏められたもので、日によっては和食風のものが出されることもある。

 サクッ
 摩耶は、フォークを野菜に刺し、口の中へ運ぶと、
 シャクッ、シャクッ
 その瑞々しい食感を口全体で楽しんだ。 
 
 ここで出た残飯に、妖魔のザーメンをかけた家畜の餌の如き『食事』には、『食感』や『鮮度』など存在する筈も無い。
 本当の『食事』の有り難さが、今は身に染みて感じられる。
 特に、この世界の食糧事情の悪さを知る今では尚更だ。

「・・・はぁっ」
 十分に食事を楽しんだ摩耶は、最後に残された『メニュー』を前に、暫し手を止める。
「・・・摩耶様、お茶は如何ですか?」
 それを丁度見計らっていたかの様に『メイド』の一人が、彼女の許へティー・ポットを片手にやってきた。
「・・・有り難う。頂くわ」
 摩耶がそう言って、
 チャプンッ
『メニュー』をティー・カップに空けると『メイド』が、
 コポポポッ
 そこへ紅茶を注いでくれる。

『ミルク・ティー』の如き色彩を帯びたそれを摩耶は、
「ん・・・コクッ、コクッ」
 嚥下していった。
 若干の癖は気になるがこうしてしまえば、この『ミルク』−妖魔の精液も十分に味わうことができる。
 淫魔達と同席する、ということは必然的に、同じ『メニュー』を食すことが要求されるのだった。

「んっ・・・ふぅっ」
 摩耶は、『ミルク・ティー』を飲み干したところで、前の席に座る麻里に目を遣る。
「・・・んくっ、んくっ・・・」
 食べるのが遅い麻里は漸く、最後に残ったスクランブル・エッグを食べ終わるところだった。
 皆に遅れまいと、いつも慌てて食べる彼女の口許には、卵の欠片が数片、飛び散っている。

 そんな彼女に摩耶は微かに苦笑を浮かべると、
「・・・麻里、ついてるわよ」
 そう言って、己のナプキンで口許を拭いてやった。

「・・・んぐっ・・・ありがとぉ」
 卵を口の中にまだ含んでいるせいか、いつもより舌足らずな謝辞を述べた彼女の姿に思わず、
「・・・くすっ」
 苦笑とは違う笑みが、摩耶に浮かぶ。

 淫魔とは言え、麻里の基本的な仕草や思考は、年相応のものなのだ。
 幼年の巫女達を指導していた昔を思い出し、麻里に彼女達の姿を重ね合わせてしまった摩耶は、
「・・・いいわよ・・・ゆっくり食べなさい」
 そう言うと、組んだ手の上に顔を乗せ、姉の如き温かな視線を麻里に向けるのだった。
 


「・・・摩耶姉ぇ」
 食事を終え、食堂を後にしようとしていた摩耶は背後から邪鳳にそう声を掛けられた。
 そして更に、
「・・・瑠璃様がお呼びだよ」
 と、言の葉を続けられる。

 摩耶は『瑠璃様』という言葉に、はっと、周囲を見回したが、葵も楓も既に、食堂を後にしたようだった。
 こんな時ばかりは、麻里の食事が遅い事に感謝するしかない。

「・・・ああそれと、礼装で来るように、ってことだからよろしくね」
 邪鳳は、戸惑う摩耶にそれだけ言うと、ひらひらと手を振りながら先に、食堂を後にする。

「・・・」
 摩耶は、この時間に呼び出された事を訝しげに思いながらも、更衣室へ向かうのだった。



 キィッ
 摩耶が更衣室の前までやって来ると、一番隊の面々が続々と中から出てきた。
 今日は武術の訓練日なので皆、武具に身を固め、それぞれの獲物を手にしている。 
 更衣室は各隊ごとに分けられ、『公務』を行う場合、四天王以外の隊員はそこで着替えることになっていた。

 摩耶は彼女達の邪魔にならぬよう、脇に避けると、皆がはけるまでそこで待つ。
 最後に、
「・・・うんしょっ」
 馬上槍を持った麻里が、食事での遅れを挽回しようとしてか、小走りに出てきた。

「・・・あれっ、摩耶ちゃん、早く着替えないとおくれちゃうよ?」
 摩耶の姿を認めた麻里は、そう言って小首を傾げるが、
「・・・ええ、邪鳳様のご命令で、別の用があるの・・・だから先に行っていて」
 摩耶がそう答えると、
「・・・ふ〜ん・・・わかった、また後でね」
 バイバイの形で手を振りながら、駆けだしてゆく。

 それを摩耶も手を振りながら見送ると、
 キィッ
 更衣室の木戸を開けるのだった。



「・・・礼装、か」
 摩耶はそう呟くと、更衣室の一番奥に在る自分のスペースの前で、
 スルッ・・・パサッ
 『常服』を脱ぎ、全裸になる。

 食事で暖まった体はほんのりと汗ばみ、『牝』としての艶をより鮮やかにしていた。
 しかし摩耶は、
 ビクンッ
 それとは相反する存在を、
 パチンッ、キュッ
「・・・んっ」
 アンダー・スコート代わりのペニス・バンドで留めると、『礼装』の『アンダー・ウェア』を手に取る。
 そして、『教練』で習った通り、
 パサッ、スッ
 摩耶はそれに脚を通して、一気に引き上げると、
 キュゥッ
「・・・んっ、ふっ・・・」
 腰回りについた紐で、装束を締め上げた。

 『アンダー・ウェア』は形状的に、漆黒で微かな光沢を持つ、絹の競泳水着の如きものである。
 しかし極薄のそれは、
 ビチィッ
 ぴったりと肌に貼り付き、乳首や体のラインを隠すどころか強調する様な、淫猥なものであった。

 また、下腹部から臍の周辺に大きく切り開かれており、そこからは、
 ビクンッ
 ペニス・バンドで留められた逸物が、子宮を象った淫魔騎士の紋章を、貫き犯すかの如く留められている。
 更に、そこから股座にかけてはファスナーが走り、『淫魔』としての本能を潜在的かつあからさまに、誇示していた。

「・・・」
 摩耶は、着込んだ己の姿の淫靡さに一瞬頬を染めたもののそれを振り払うかの様に次いで、儀礼用の『武具』を『アンダー・ウェア』の上から身につけてゆく。
 胸甲と股当ては、薄手の金属製で、特殊加工がなされているのか、濃いダーク・ブラウンを呈していた。
 カチャッ 
 まず胸甲を身につけ、
 スッ
 次に股当てを穿く。

「んっ・・・」
 それらはアンダー・ウェアに吸い付くようにフィットし、金属特有の冷たさを摩耶に伝え、
 ゾワッ
「うっ、ふぅっ・・・」
 産毛を撫でるかの如き瘴気を放つのだった。
 淫魔が身につける武具であれば『魔具』であるのも当然である。

 摩耶は一度、
「・・・すうぅっ」
 深呼吸をしてその感覚に神経を慣れさせると、残りの武具を持って更衣室内のベンチに移動した。
 ベンチへ深めに座ると、
「・・・よいしょっ」
 ググッ
 腿まである黒革のヒール・ブーツを一気に引き上げ、
 ギュッ
 根元にある紐で縛り上げる。
 同じようにもう片方を履くと立ち上がり、
 トントンッ
 ヒールの具合を確かめた。

 履き心地に問題がないことを確認すると、
 グッ
 これも黒革の、二の腕付近まである、手甲付きの手袋を身につけ最後に、
 カチャッ
 剣を吊すためのベルトを、腰回りに装着する。

 そして奥にある姿見に向かい、
 シャキンッ・・・ヒュンッ、ヒュンッ
 鞘から剣を抜くと、X字に鋭く振るって再び、
 カチャッ
 鞘に収めた。

「んっ・・・」
 逸物がペニス・バンドに擦れたことにより、若干の『疼き』があるが、慣れれば問題ない程度のものだ。
 それに、『礼装』にも乱れはない。

「・・・」
 摩耶は己のスペースに掛けてある、騎士団の肩章−双剣の中心に黒水晶をあしらったもの−が付いたマントを羽織ると、更衣室を後にした。



 騎士の叙任を受けてからも瑠璃の許へは『授乳』のため、週に1、2度は通っている。
 しかしこの様な礼装で訪れるのは初めてのことだ。
 その摩耶の姿に、
 カツカツカツ
 道すがら、出会った『宮奴』達は皆、最敬礼で摩耶に平伏し、下魔すらさえも畏れ、柱の陰に姿を消す。

 それに思わず、
「・・・うふふ」
 摩耶の顔に微笑が浮かぶ。
 以前邪鳳の後ろで、『擬勢』により得たもの−畏怖−が今は、自分自身に向けられているのだ。
 どこかむず痒さの混じる『誇り』−それを摩耶が自覚することはなかったが、
 ビキッ
 逸物を勃起させ、胸を張って歩く彼女の姿は正に、『邪界の騎士』そのものであった。

 カツッ
 既に『来慣れて』しまった離宮の庭に辿り着くと摩耶は、縁側に腰掛け、
 スッ
 ヒール・ブーツの紐を解き、ヒールを脱ぐ。
 そしてマントを脱ぎ、綺麗に折り畳んで縁側に置くと、矢張り歩き慣れた廊下を迷わず、『かつての主』の許へ向かった。

 瑠璃の居室の側まで来ると、
 チリッ
 いつもとは違う、しかし明確な『気配』がする。
 その『気配』の『質』から考えて、居るのは間違いなく彼女だろう。
「・・・」
 摩耶は意を決すると、御簾の前へ歩み出るのだった。

「ちゅっ・・・んっ・・・ふふっ、来たわね、摩耶・・・」
「・・・上月摩耶、罷り越して御座います・・・瑠璃様・・・邪水晶、様・・・」
 摩耶は跪き、『教練』で叩き込まれた最敬礼の形で、姉とディープ・キスをしていた瑠璃に頭を垂れる。

 臨月を迎え、血管が浮かぶほど腹が膨らんだ瑠璃は、『我が子』の影響が強いのかここのところ、『表』の顔を見せることはほぼ無くなっていた。
 そのメンタリティは、彼女にしなだれかかる姉と同じ、『淫魔』そのものと言って良い。

「・・・お前の礼装を見るのは初めてですね・・・摩耶、もっと良く見せて頂戴」
 瑠璃の求めに摩耶は、
「・・・はい」
 すっ、と立ち上がると、瑠璃のほうへ一歩、歩み出た。

 瑠璃は、摩耶へ手を伸ばすと、
「うふふ、本当に『邪界の騎士』へ堕ちたのですね・・・」
 そう言いながら、『邪界騎士の紋様』を指先でなぞるように撫でる。

「んっ・・・は、い、瑠璃様・・・」
 摩耶は、瑠璃の繊細な愛撫に身を震わせつつも、
『これは貴女を守るためでもあるのだ−』
 その言葉を飲み込み、孕み女の愛撫に身を任せた。

 だが瑠璃は更に指を滑らせ、
「ふふっ、ココをこんなに固くして・・・私に堕落した姿を見られて興奮するなんて・・・矢張りお前は、真性のマゾなのですね・・・」
 コリュッ、コリュッ
 怒張し、茸の如く膨らんだペニスのカリを、根元から指で引っ掻くように弄ぶ。

「ち、ちがっ・・・」
 摩耶は必死に否定しようとするが、
 ピュルッ、ピュルッ
 はしたなき肉の塊は、同意の汁を撒き散らした。

 瑠璃は、そんな摩耶のペニスを弄びながら、
「・・・ふふっ、でもこれでこそ我が子の騎士に相応しい・・・『お前達』をここに呼んだ甲斐があるというものです・・・」
 そう、邪悪な笑みを漏らす。

 摩耶は、
「・・・んっ、んんぅうっ?」
 瑠璃に弄ばれながらも、
『・・・今なんて・・・お前『達』・・・まさか!?』
 瑠璃の言葉に、あり得べかざる疑念を抱いていた。

 しかし、
「・・・ふふっ、お前達、入ってきなさい」
「・・・っ!!」
 瑠璃がそう命じると御簾の後ろから、『疑念』を『事実』に変えるべく、摩耶の『戦友』が姿を現すのだった。

 摩耶と同じく『礼装』に身を包み、
 ピュクッ、ピュクッ
 凝らせた肉茸の先端から粘糸を垂らす葵と楓は、
「「・・・摩耶・・・」」
 そう言うと、気まずそうに視線を逸らす。

 だが彼女達が、自分と同じ装束、状態でここに居る、という『事実』が何よりも雄弁に状況を物語っていた。
 果たして、
「ふふっ、摩耶、何を驚いているのですか?・・・お前の様な優秀な巫女が他に、2人も居るのです・・・この子を最高に穢れさせるために『協力』して貰っても、何も可笑しくはなくて?」
 瑠璃は、そう言うと、己の腹を撫でる。

 摩耶は、その後ろめたさから瑠璃との逢瀬は、葵と楓には伏せていたのだ。
 しかしこの二人はその間にも、自分と同じくこの瑠璃の子に『授乳』していたのである。
「・・・っ」
 この事実に、摩耶の中では絶望とも怒りともつかぬ感情が沸々と沸き上がった。
『どうして・・・どうしてっ!!』、と。

 だがそんな摩耶を余所に瑠璃は、
「・・・お前達も解っているとおり、この子は神凪の『神子』です・・・本来であれば、お前達に『守護巫女』としてこの子を支えて貰うところですが・・・」
 一度言葉を切ると、
「・・・神凪家当主、神凪瑠璃として命じます・・・これからは、邪界の『守護騎士』としてこの子を守護なさい・・・」
 そう、かつての『守護巫女』達に命じたのだった。

 その無情な命に、抗議の声を最初に上げたのは、
「・・・できません・・・できませんわ、そんなことっ!!」
 意外にも葵であった。
 顔面を蒼白にしながら彼女は、肩を震わせ、瑠璃を睨み付ける。

 しかし懸命の抗議にも瑠璃は、
「・・・あら、どうしてできないのかしら?」 
 人を食ったかの様な表情を浮かべ、反問するだけだ。

 葵はなおも肩を震わせ、
 ギュッ
 拳を強く握りながら、
「・・・決まっている・・・そんな、悪魔の血を引く子に・・・人に仇す存在に・・・私達が尽くせる筈がないっ!!」
 瑠璃の言葉に抗おうとする。

 だがそれすらも、
「・・・くくっ・・・あははっ、何を勘違いしているのかしら?・・・私がこの子を産めば、神力は全てこの子に引き継がれるのよ?・・・四神の巫女も、お前達も堕落した今、誰が神凪の血と力を保てるのかしら?・・・それにこの子は、私と姉様の子・・・これ以上、『正統な』血筋の『神子』が居るというの?」
「・・・っ!!」
 瑠璃の言葉に退けられる。
 
 神凪本家の当主とその姉の子−瑠璃が言うとおり、『血筋』としては最上のものと言って間違いない。
 『神力』は、余程の突然変異でも無い限り、脈々と受け継がれた血筋が大きく影響する。
 神凪の家には分家もあり、四神の家にも四天王以外の縁者が残ってはいるが、『主筋』の血脈に比べれば数段落ちることは否めない。
 そこから血筋を『再建』するにせよ、現在のレベルにまで到達させるまでには、途方も無い時間を要するのだ。
 それは当然『人間界』にとっても、甚大な損害に違いない。

 押し黙る葵に瑠璃は、
 クパッ、ニチャァッ
 指で秘所を割り広げると、
「・・・うふふっ・・・それにお前も『乳母』として、この子に沢山、『ミルク』を呉れたじゃないの・・・この子は、お前が育てた子でもあるのよ?」
 そう追い打ちを掛ける。

 葵は、その容赦ない言葉に、
「・・・うっ、くっ・・・うわぁあぁっっ!!」
 泣き崩れ、床に倒れ込んだ。

 摩耶はそんな葵の許へ歩み寄り、
「・・・葵・・・」
 肩と背に手を当て支えるように寄り添う。
 先程の感情を持つ一方で、葵達も自分と同じ立場であったのだ、という理性も摩耶にはある。

 その傍らで、
 チャッ
「・・・楓、お前も同じよ」
 剣に手を当てる楓に瑠璃はそう、妖しい笑みを向けた。
 そして、 
「・・・この子と私を殺したければそうなさい・・・でも・・・お前の手で、神凪の家を滅ぼすことになるのよ?・・・それを解っているのかしら?・・・ふふっ・・・」
 そう覚悟を試された楓は、
「くっ・・・」
 苦悶の表情を浮かべると、剣から手を離す。

「・・・瑠璃様・・・」
 摩耶は葵を支えながら、眼前で邪悪な笑みを浮かべる瑠璃を仰ぎ見た。
『悪魔−』
 そこに居る存在は間違いなく『神凪瑠璃』ではあるが、その有り様は正に、『悪の化身』そのものである。
 ヒヤリ
 しかし摩耶は、腰に冷たい感覚を得ながらも楓の様には、それを手に取ることはできない。
 瑠璃の言うとおり今となっては、彼女とその子が『神凪家』そのものといっても過言ではないのだ。

 『それに−』
 摩耶は、血のように紅い瑠璃の瞳を見つめながら、その奥底を見通そうとする。が、
 『・・・殺す、なんて・・・できない−』
 幼少の頃から仕え、肉親にも等しき存在−それを殺すなど、摩耶にできる筈も無い。
 摩耶は、脇に控える楓と、己の腕の中で泣きじゃくる葵の姿を見比べながら、一つの決断するのだった。

「・・・解りました・・・」
 摩耶は呟く様にそう、言の葉を漏らすと、
 ギュッ
 葵を支える手に力を込める。

 ビクンッ
 それに葵は怯えたかの様に、体を震わせるが、
「・・・葵・・・私達が『神凪』の『守護巫女』であるためには、これしか手段がないの・・・決して、自分を責めないで」
 自分に言い聞かすかの如くそう囁くと、
 ギュウッ
 葵を力強く包み込んだ。

 さらに、
「・・・楓、貴女も、よ・・・私達が、今為すべきことをしましょう・・・」
 傍らで立ち尽くす楓に向かって優しく諭すようにそう、声を掛けた。

 それに楓は頷き、腕の中の葵も、頭を垂れ、肯定の意を示す。
 スッ
 摩耶は葵の肩を叩きながら身を離し、ゆっくり立ち上がると瑠璃に向き直り、
「・・・瑠璃様、私達『守護巫女』は、貴女様と貴女のお子に忠誠を誓います・・・」
 そう誓いの言葉を立てると、膝をつき、最敬礼で忠誠の礼を取った。

 しかし、
「・・・いいえ、『守護巫女』ではなく、『邪界』の『守護騎士』として忠誠を誓って頂戴・・・ふふっ、今がどんな状況か、お前には解るでしょう?」
 それすらも瑠璃は受け容れない。

「・・・くっ!・・・」
 摩耶はどこまでも自分達を貶める瑠璃に、唇を噛む。
 だが彼女の言葉の通り、この邪界で『巫女』であることは何ら意味を持たないばかりか、『リスク』でしかないのだ。
 それは、この世界で『巫女』がどの様な扱いを受けているのか考えれば、自明のことでもある。
 それよりもこの邪界の『権力者』の側である『騎士』であることのほうがより、『守護』には意味を為すだろう。

 摩耶は、最敬礼の姿勢のまま、
「・・・解り、ました・・・『邪界の守護騎士』として、忠誠を誓います・・・」
 そう、誓いを立て直した。
 葵と楓も、摩耶から一歩下がった両脇で、同様に誓いを立てる。

「・・・うふふっ、嬉しいわ・・・これでこの子も安泰よ・・・ねえ、姉様・・・」
 瑠璃はその膨らんだ腹をさすりながら、同じく腹を膨らませる姉の手を握った。
 邪水晶は、
「ええ、本当に・・・では、お前達に『守護騎士』の栄誉を授けます・・・剣先を、瑠璃のお腹の上へ重ねるように置きなさい」
 そう摩耶達に命じると立ち上がり、摩耶の脇に控える。

 カチャンッ
 鞘から剣を取り出した摩耶達は、邪水晶の命じるまま剣先を、瑠璃の腹の上で重ねる。
 先程までは『殺す』意味を持っていたものが、今は『生かす』ための象徴として、『かつて』の『主』の上にある−
 それに摩耶は、皮肉めいたものを感じてしまう。
 だが当の『元』『主』は、
「うふふ・・・」
 全幅の信頼と、愛情に満ちた表情で摩耶達を見つめていたのだった。

 邪水晶は、剣先の上に手を重ねると、
「・・・我、邪水晶の名において命じる・・・汝等の命、魂尽きるまで、神凪瑠璃、そしてその子を守護せよ・・・」
 そう、呪を唱えはじめる。

 ボウッ
 すると、彼女の指先からどす黒く、炎の如くゆらめく瘴気が、
「「「うっ・・・!」」」
 『守護巫女』どもの剣を伝い、彼女達を包み込みだす。
 さらに、
「・・・重ねて命じる・・・汝等『守護騎士』、我が剣となりて、魔を守護せよ」
 呪を重ねると、
 ボワッ
 子宮様の騎士の紋章が燃え上がるように輝き、
 ズズッ
 血で染めたかの如き深紅へ、その色を変えてゆく。

 そして、
 ジィッ
「「「・・・!!」」」
 摩耶達の胸に焦げる様な感覚が走ったかと思うと、
 ジイィィッ
 ドピュッ、ドピュッ
 彼女達は盛大に射精しながら、左胸に、黒水晶の紋様が刻みつけられてゆくのだった。

 更に、
 キィイィンッ
 瑠璃の腹に燐光が浮かび、
 ジィッ
 一瞬、華の如き呪刻が浮かんだかと思うと、
 シュゥッ
 瑠璃の肌へ沈むように、消えてゆく。

 そしてそれと同時に、
 シュウゥウッ
 摩耶達の紋章の中心に、涙滴の如き深紅の徴が浮かんだ。
  
 その身に、『一族』への『忠誠の証』を文字通り刻みつけた『元』『守護巫女』どもの姿に、
「・・・うふふ、これで契約終了よ・・・お前達、いいえ、『守護騎士』よ・・・これからも我が『神凪』一族のために、尽くすのですよ」
 邪水晶が至悦の表情でそう宣告すると、摩耶達はただ、
「「「・・・はい・・・畏まり・・・ました・・・」」」
 従順に頭を垂れるしか術はないのだった。

Bad End After_黒巫女(5) おわり

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