四神戦隊メイデン・フォース

Bad End After_黒巫女(8)


 「・・・皆のもの、聞けぇいっ!!・・・我が隊は、敵本陣に斬り込み、敵の大将を捕縛する・・・決して臆するな!・・・我らが力をもって打ち勝てぬ敵はなし!・・・必ずや勝利を手中に収めようぞ!!」
 「「「オオォォッ!!」」」
 邪鳳の檄に、集った妖魔どもから一斉に、鬨の声が上がる。
 邪鳳率いる一番隊の他に、『士卒』分の淫魔、それに数十体の下魔が『本隊』として、『門』が開かれる練兵場に集まっていた。

 『出征』の日は、摩耶の予想よりも早く訪れた。
 それだけ、邪界側の戦況が芳しくない、とも言える。

 今回の『作戦』は、上魔数体を含む先遣隊が敵支部を急襲し攪乱させたうえで、本隊が圧倒的な武力をもって敵を叩き潰す、というものだ。
 先遣隊が『門』より前進し、敵に楔を打ち込んだうえで、本隊が敵中を駆け抜ける−シンプルではあるが、それ故に確実性がある作戦とも言える。
 それに今回の『作戦』はあくまで、『勝つ』ためのものでもあるのだ。

 相次ぐ敗戦により、邪界には厭戦的な空気が広がりつつある。
 戦いで敵を蹂躙し、欲望のままに貪り尽くすことを至高の悦びとする妖魔にとって『敗戦』は、人間が想像するよりも深刻な影響をこの世界にもたらしていた。
 それ故に、今回の戦は『戦果』を得ることよりも、『勝つ』こと、それのみに重点が置かれているのだった。

 摩耶は邪鳳の檄を、
「・・・」
 俯き、黙して聞いている。
 今回の戦は、『勝つ』ための戦故に、自隊が深刻な損害を受ける可能性は低い。
 しかし、『敵』たる『巫女』への想いそして、『仲間』たる『淫魔達』への想い−それぞれ相反する思慕の念が、摩耶の心を重くしていたのだった。

 そんな苦悩の中に身を浸していると、ただ幸せだった今朝の出来事が、どこか夢の様に遠く感じてしまうのだ-



 カチャッ、カチャッ
 出征を今宵に控えた摩耶は、武具が擦れ合う甲高い音を鳴らしながら、離宮の廊下を進んでいた。
 戦の前ではあるが、否、そうであるが故に、敬愛する母娘の許へ参じたのである。
 『会いたい』その極めて単純な欲求を果たすために−

 瑠璃母娘の寝所近くまでやってくると、御簾の向こうから、
「・・・紅玉」
「・・・だぁ、だぁ」
 瑠璃が我が子をあやす母の声と、それに応じる愛し子の声が漏れ聞こえてきた。

 そのどこまでも優しく、ただ我が子を慈しむ声−
 それだけを聞けば、ここが邪界であることも、その子が魔王の子であることも忘れそうになる。
 しかし摩耶は、緩みかけた頬を引き締めると、
 「・・・瑠璃様・・・」
 臣下の礼を取り、『主君』へ深く頭を垂れるのだった。

 「・・・摩耶」
 瑠璃は短くそう応じると、
 「んぐっ、んぐっ・・・」
 乳飲み子を己の胸に抱きながら、摩耶に向き直る。

 母の腕の中で幸せそうに乳を吸う瑠璃の子-『邪紅玉』は、目を見張るような早さ−淫魔そのものの早さで成長していた。
 ビクンッ、ビクンッ
 授乳の喜びを現すかの如く震える肉棒は既に、幼体の妖魔であれば性交が可能なまでに成長している。
 彼女は『巫女』としての役割を果たすが故に、自身の処女を散らされることはないであろうがその一方、『淫魔皇』の『御子』として、その『凶器』で多くの者を犯してゆくのだろう。

「・・・んぐっ・・・ぷはぁっ」
 乳を存分に飲み満足したのか邪紅玉は、
「・・・んっ・・・んんっ・・・」
 むずかりながら腰を突き出して、母に『ソレ』を要求した。

 それに瑠璃は、一瞬恥ずかしそうに頬を染めると、
「・・・わかったわ・・・『ちー、ちー』ね・・・んっ・・・んぐっ」
 我が子のペニスにしゃぶり付き、その薄い包皮を、器用に歯と舌で剥きながら、
 チロッ、チロッ
 小さな亀頭を舌で舐り、射精を促してゆく。

 幼子とはいえ、邪紅玉は立派な淫魔なのだ。
 しかるべき相手と性交が可能となるまで、『母』が『童貞』を守り性処理をする−それは彼女の姉、邪翠玉も同じである。
 
 邪水晶に調教され、至高の舌技でありながらも『優しい』『母の奉仕』に促されて、
「・・・いっ、キャッ!」
 小さな淫魔は無邪気にも、
 ピュッ、ピュッ
 まだ粘り気の少ないザーメンを大量に、母の口内へと放った。

「れろっ・・・んっ・・・んっ」
 瑠璃は我が子のペニスを舌で愛撫しながら、口内に放たれた我が子の精を飲み干してゆく。
 幼いながらも瘴気と活力に満ちたそれは、
 ジワァ
 母が感涙を股座から漏らす程度には、『濃厚』なものであった。



「ぴちゃっ、ぴちゃっ・・・んっ・・・くっ」
 瑠璃が邪紅玉の残滓を全て飲み込み、ペニスを舐め清めるのを摩耶は見届けてから、
「・・・失礼致します」
 愛する母子の許へ歩み寄ると、邪紅玉を瑠璃からそっと受け取る。

 そして邪紅玉を己の股座に抱き寄せると、
 パチッ
 片手で器用にペニス・バンドを外し、
 ビクンッ、ビクンッ
 勃起した己の逸物を、彼女の眼前へと差し出した。

 『守護騎士』達は依然として、『乳母』の役目を果たしている。
 しかしこれまでの、『瑠璃のセックスの相手』ではなく文字通り、『乳母』−邪紅玉に精を与える責を付されているのだ。
 淫魔の活力の源は生物としての『滋養』だけではなく、上質な『精』も、重要なのである。

 ビクンッ、ビクンッ
 醜悪な肉塊を差し出された筈の邪紅玉は臆することなく却って、
「・・・だぁっ・・・ちゅっ・・・ちゅるっ」
 嬉しそうにエラの張った亀頭へとしゃぶりついた。

「ちゅっ、ちゅっ」
 己の肉棒を正に『おしゃぶり』する邪紅玉を見下ろしながら摩耶は、
「・・・んっ・・・うふふっ、可愛い♡」
 蕩けた表情で愛しい幼子を見つめる。

 自らのペニスをしゃぶらせる背徳感や瑠璃にそれを見られる羞恥心などはあるがそれよりも、圧倒的に彼女の心を占めるもの-それは『母性』であった。
 こうして赤子を抱き、自らを『与える』ことは何よりも、摩耶の母性を刺激し、他では得られぬ充足感を与えるのである。
 この感情は恐らく、先程瑠璃がこの子に乳を与えていた時のものと同種のものであろう。
 もし、『愛しい人』との間に『我が子』を設ければ、こんな幸せな感情が得られるのだろうか−摩耶は己の境遇を思慮しながらも、『女としての幸せ』に思いを馳せてしまわずにはいられなかった。

 だがそんな摩耶の感傷に構わず、
「ちゅっ、ちゅっ・・・れりょっ」
 己の欲求のままに肉棒をしゃぶり続ける邪紅玉の舌技に、
「・・・ん゛あ゛っ・・・邪紅玉・・・様ぁっ」
 摩耶は忽ち、追い詰められてしまう。

 牝を犯し『娘』にした淫魔はまず、自らの肉棒を使い『娘』にフェラチオの技術を教え込むが、『魔王』の『娘』である邪紅玉は『天賦の才』を持ちこの齢にして、フェラチオの技術は上級淫魔にすら勝るとも劣らない。
「・・・い゛っ・・・ふぅっ」
 絶頂に達した摩耶は、
 ギュゥゥッ・・・ビュクッ、ビュクッ
 肉棒の根元を左手で握り締め、邪紅玉が噎せ返らない程に射精の量を絞りながら、嬰児の小さな口内へ精を放つ。

 それを邪紅玉は、
「んっ・・・んぐっ、んぐっ」
 喉を鳴らしながら懸命に飲み干していった。
 やがて、
「・・・けぷっ・・・んきゃぁっ♡」
 飲精に満足したのか、満面の笑顔で摩耶に愛想を振りまく。

 摩耶はそんな邪紅玉の頭を撫で微笑を向けながら、
「・・・瑠璃様・・・」
 邪紅玉を片腕で瑠璃の手許へと戻し、ベッド脇に置かれたミルクポットを引き寄せた。

 そして筒先をポットの中へ入れると、
「・・・んんっ゛、んあっ」
 強く握り締めた左手を解放する。
 その刹那、
 ビュビュルゥッ・・・ビチャッ、ビチャッ
 堰き止められたダムが決壊するかの如く大量の精が、ポットの壁面を洗い、
 ビチャッ、ビチヤァッ
 『メイド時代』とは比較にならぬ程の量を容易く、ポットの中へ満たしてゆく。

 淫魔達との性交を重ねた摩耶の肉体は最早、四天王達と同等の、淫らで放恣なものへと変じていた。
 更に彼女が吐き出す『穢れ』も、
  ボォォッ
 それを溜めたポットがまるで魔具であるかの様に瘴気が染み出すほど、以前とは比較にならない。
 しかしそんな『毒素』とも言える己の精を摩耶は、
 コシュコシュッ・・・ドピュッ、ドピュゥッ
 肉棒を懸命に扱きながら、愛しい『御子』の為に吐き続ける。

 『愛しい者』へ『奉仕』する彼女の表情は、
「・・・いっ・・・はぁっ・・・」
 どこか、満ち足りたものであった。



「すぅっ、すぅっ・・・」
 欲求を満たし、寝息を立て始めた我が子を胸に抱きながら瑠璃は、慈母の表情から一転、『神凪家当主』の顔になると摩耶へ再び向き直り、
「・・・摩耶、出陣・・・するのですね」
 ベッドの前で再び臣下の礼を取る彼女にそう、声を掛けた。

「・・・はい、今宵出陣いたします」
 それに摩耶は頭を垂れながら更に重々しく、臣下の礼で応える。

 今彼女の眼前に在るのは、邪界の騎士にして『神凪の守護巫女』-その彼女が今、『嘗て』の『同胞』を討とうとしている-
 その苛烈な場へ彼女を置こうとしているのは全て、己と邪水晶の『業』の所為なのだ。
 瑠璃はそんな彼女の境遇に、自責と苦悩の表情を浮かべると、
「・・・摩耶・・・私から『武運を』とは言えませんが・・・どうか無事に・・・帰ってきて」
 今の彼女にとって精一杯の言葉を、『臣下』に手向けるのだった。

 瑠璃は斯様な境遇にあっても尚、『神凪』の『当主』なのである。
 その『残党』を『討伐』する摩耶を、『励ます』言葉など吐ける筈も無い。

 摩耶は『主君』の心中と真心を十二分に慮ると、
「・・・瑠璃様・・・そのお言葉を頂けただけで、私は十分です・・・無事、貴女様と邪紅玉様の許へ帰って参ります・・・では・・・」
 一層深く、頭を垂れ、その場を辞したのだった。



「・・・出陣っ!!」
 未だ現実味の無い邪鳳の檄が、その言葉で唐突に終わりを迎えた。
 気づけばいつの間にか、
 コオォォッ
 強烈な瘴気を放つ、不気味な黒い門が姿を現している。

『境界の門』-邪界と人間界を繋ぐそれは、
 ギッ・・・ギイィィッ
 重苦しい響きとももに開き、どこまでも続く底の無い、漆黒の闇を覗かせた。

 ザッ
 邪鳳を先頭に、隊伍がそれへと飲み込まれてゆく。
 その光景はまるで、怪物の口に獲物が飲み込まれてゆくようであった。

 摩耶は、
 ゴクリッ
 思わず喉を鳴らすが、カラカラに乾いた口腔は唾すら生まずただ、生温い空気のみを嚥下する。
 瑠璃母娘の許で決意を固めた筈なのに、いざ、というこの瞬間、摩耶は自ら動くことができずにいた。
 
 ザッ
 摩耶達の横に居た隊が前進を始めたのに合せ、
 ブルッ
 意気地のない主に痺れを切らせたかの如く、愛馬が蹄を進める。

「・・・あ・・・」
 摩耶は確たる覚悟も抱けぬままその身を、闇の中へ没してゆくのだった-



 ヌズルッ
「・・・うっ」
 『門』を潜ると、濃密なタールを肌の下へ塗り込められる様な感覚が、摩耶の全身に纏わり付く。
 人間界から邪界へ連れ去られた際にも感じたものではあるがこれは決して、心地良いものではない。
 瘴気とも神気とも言えぬ、『無垢な力の波動』とも言うべき、『黒い霧』が満ちたこの狭間は視界もなく、前を行く隊伍の背がどうにか見えるだけである。

「・・・っ」
 摩耶は己の不安を振り払うべく面を引き締め、己が率いる隊伍へと振り返った。
「・・・」
 見れば皆、不快さと不安をない交ぜにした表情を浮かべ、
 ギュッ
 まるで馬上からこの闇に落ちてしまわぬかの様に、手綱を強く握り締めている。

 彼女達も摩耶と同じく、虜囚としてこの『狭間』を越えた身−これから『妖魔』として合戦へと向かうだけではなく、かつての『故郷』に帰るのだ。
 だが、有り様そのものを妖魔に堕とした彼女達が、『故郷』に受け容れられる可能性などある筈もない。

 そんな彼女達の不安は、未だ『人間』である摩耶以上に大きく、根深いものであろう。
 今更ながらその『事実』を思い知った摩耶は、自分の『些末な』不安を押し退けどうにか笑顔を作り出すと、
「・・・ねぇ、みんな・・・帰ったら何をしたい?」
 まるでピクニックにでも出掛けるかの如き気軽さでそう、重苦しい部下達に言葉を掛けたのだった。

 そんな摩耶の言葉に恵は、
 「・・・また隊長と・・・セックスしたい・・・かな?」
 「・・・恵っ!!」
 いつも通り軽口を叩き、それに矢張り、絢音がいつも通り、窘めの言葉を投げる。

 予想通りの反応に摩耶は心中、ほっと胸を撫で下ろした。
 こんなやり方は卑怯かもしれないが今はそれにすら、縋りたい。
 摩耶は、
「・・・うふふっ、わかったわ・・・恵はやっぱり、アナルがいいの?・・・絢音もパイズリばっかりじゃなくて、偶にはアナルを試してみる?」
 悪童ぽっい笑みを浮かべながら可愛い部下をそう、誘惑する。
 
 出征を控えた一昨日の夜、部下達の求めるまま摩耶は、館の地下にある奴隷調教用の部屋の一つで彼女達へ『奉仕』をした。
 人間界での初陣、という緊張感を解すためでもあったが尤も、浴場での一件以来、摩耶を含めた分隊員同士『愛を確かめ合うこと』は日常のものになりつつある。
 摩耶ですら近頃では、隊員達を犯したい気持ちを鎮めてもらうため時折、アカリに『処理』をしてもらうことがある程なのだ。
 結局、単純な『奉仕』ではなく、『乱交』になってしまった夜の事を思い出し摩耶は、
 ヌルッ
 浅ましくも、肉塔の先から淫液を滲ませる。

「・・・」
 すっかり馴染んでしまった己の浅ましさに、摩耶は思わず苦笑した。
 だがその『浅ましさ』が幾許かも、硬く張り詰めた空気を解せれば良い-
「ふふっ・・・」
 他の隊員達も思いは同じようで、ふっと笑顔をみせてくれた。
 今は、この彼女達の笑顔を護りたい−例え巫女達を討ち倒そうとも、『人』として在りさえすれば、邪界で『生きる』術はあるのだ-摩耶は、一瞬目を閉じ決意を固めると、
「・・・みんな、無事に帰りましょう・・・そうね、頑張ったら、いつもよりいっぱいサービスしてあげるわ」
 そう言って、不器用なウインクをするのだった−



 摩耶達の心が微かに晴れたのを見計らったかの如く、
 キラッ
 狭間の中を暫く進んだところで、一点の光が見えた。

 その刹那、
「・・・!!」
 ブワアァァッ
 立ち籠めていた霧を全て吹き飛ばすかの如く、猛烈な風が摩耶達を襲う。
 そして−
 ドンッ
 背後から押し出されるかの様に、これまでとは全く違う、しかしどこか懐かしい空気の中へ、彼女達は足を踏み入れた。

 先程までとは打って変わって、木々に囲まれた小さな広場の様な場所は、噎せ返るような緑の匂いで満ちている。
「・・・人間、界・・・」
 少し肌寒さを感じさせる空気の中で摩耶は、複雑な思いで周囲を見渡した。
 『人間』である摩耶は、『逃亡』という選択肢もある筈だが今の彼女の頭中に、その考えは微塵もない。
 その代わり、
「・・・ここは?」
 強い疑念が沸くのだった。

 邪界軍は出征前に偵察を繰り返し、『敵陣』の状況は具に把握している。
 事実、出征前のブリーフィングで、攻略すべき敵陣の配置は頭中に叩き込んできた、筈だ。
 だがここは、そのどことも照合できず、先行して『門』を誘導すべき部隊の影もない。

「・・・まさか!?」
 嫌な予感が摩耶の頭を過ぎった瞬間、
 ヒュヒュヒュヒュッ
 その予感を的中させる不吉な風切音が、辺りを満たした。

「ギャアァァッ!!」
 陣の外周を固めていた下魔どもが矢に貫かれ、次々と絶命の悲鳴を上げる。
 忽ちのうちに、部隊は混乱し、陣形が崩れていった。
 そこへ間髪を入れず、
 ワアァァッッ
 木々の間から、武具を構えた巫女どもが、妖魔の一群へ殺到する。

 崩れた陣の隙間から、摩耶の直ぐ側まで巫女が斬り込んでくるが、
「・・・ふんっ!」
 キンッ、カキンッ
 摩耶はそれを容易く跳ね返し、
「はぁっ!」
 ボグッ
 馬上槍の柄で『打ち倒して』ゆく。

 しかし摩耶が想像していた以上に、巫女どもの力は強い。
 妖魔で言えばいずれの巫女も、『中魔』程度の力があるのだ。
 倒した巫女を見ると、人工的に強化された『神器』を持ち巫女装束の下には、純白のレオタード様のアンダー・ウェア−かつてのメイデン・フォースと同様の強化装備を身に着けている。
 当然、『本家』の装備には劣るが、『汎用』の装備としては極めて優秀なものだ。

『・・・間に合った、のか・・・』
 邪界に堕ちる前、瑠璃が懸命に整備した成果が摩耶達へと襲い掛かる−その皮肉な『事実』に摩耶は、苦渋の表情を浮かべた。
 だが今は、そんな感傷に浸る暇などはない。
 見る間に討ち減らされる『味方』の劣勢に摩耶は、
「・・・皆、円陣で密集しろ!・・・敵陣を突破して邪鳳様と合流する!」
 そう、指示を飛ばす。

 再び『門』を開く魔具は対になっており、邪鳳と摩耶がそれぞれ持っていた。
 ここから逃亡するにも、邪鳳と合流する必要がある。
 それに、巫女どもが殺到し、乱戦となっている今、弓による攻撃はそれほど苛烈ではない筈−摩耶は瞬時にそう判断し、密集の指示を下したのだった。

 摩耶の命に返事をする余裕はないが、分隊員の面々は忠実にそれを実行し直ぐに、密集隊形を取る。
 キンッ、キンッ
 実力に勝る彼女達が戦力を集中したことにより、部分的にではあるが巫女どもを押し返しやがて、漸進を始めることができた。
 だが皆強者とは言え、実力には差がある。
 必然、
「・・・うんっ・・・えいっ・・・たぁっ!!」
 最も『弱い』麻里に負担がかかるのだ。

「みんなっ!・・・お互いをカバーするのよっ・・・なんとかここを乗り切って!!」
 摩耶は己と丁度対角線上にある麻里の劣勢を背に感じながらも、いつの間にか完全に覆された数的劣勢にはさしものの彼女も、部下達全員をカバーすることはできない。
 しかしそんな苦境の中にも漸く、邪鳳達の集団を視界に捉えることができた。

「・・・もう少し、もう少しよっ!!」
 摩耶は懸命に槍を操り、か細い希望の糸を引き寄せようと懸命に漸進を続ける。

 しかし−
 下魔の一群が瞬間的に大きく削られたことにより偶然、広い『空間』が巫女達と空いてしまった。
 その隙を逃さず、
 ヒュヒュヒュッ
 矢が雨霰の如く、淫魔達の許へ降り注ぐ。

 キンッ・・・ドシュッ、ドシュッ
 到底剣では防ぎきれぬそれは、肉を裂く雨となり、麻里とその愛馬へ突き立った。
「きゃあぁぁっ!!」
 ヒヒインッ・・・ドシャッ
 矢に撃たれた軍馬はその痛みに暴れ、麻里を振り落とす。

 地面に叩き付けられた麻里は、
「うあっ!?・・・うぐっ」
 左肩に刺さった矢の痛みに顔を歪めながらも、どうにか立ち上がる。
 彼女も幼いとは言え、一廉の『戦士』なのだ。

「・・・麻里ぃっ!!」
 摩耶は麻里の許へ急ごうとするが、雲霞の如く殺到する巫女どもに行く手を防がれ、思うように近付くことはできない。
「・・・摩耶ちゃん・・・」
 麻里は摩耶へ一瞬振り返ると剣を手にし、
「「「・・・死ねぇっっ!!」」」
 殺意を全身に纏う巫女の群に対峙する。

 キィンッ
 まず一太刀。
 カキィンッ
 続いてもう一太刀。

 その幼い外見とは裏腹に力強く、巫女達の兇刃を跳ね返してゆく。
 だがそれは、彼女が『対峙』できる相手であればこその強さだ。

 ドシュッ
「ぐはぁっ!?」
 背後からの一撃に麻里は対処することができず、槍の切っ先を左肩に沈めさせてしまう。
 既に負傷し、忍耐の限界を迎えていた痛みに麻里は思わず、
 カランッ
 手にした剣を零してしまった。

「あっ・・・」
 麻里は必死に落ちた剣へ手を伸ばす。
 しかし、彼女の指先がどうにか剣に触れたところで、
「・・・死ねぇっ、妖魔ぁっ!!」
 ザシュゥッ
 麻里の腹に深々と、神刀が突き刺さった。

 麻里はその瞬間、刀を突き立てた巫女の顔を見る。
 その巫女は年端もいかぬ、麻里と同年齢程度の、幼い少女であった。
 その顔は恐怖と憎悪に歪み、明確な殺意を麻里に向けている。
 自分を今正に殺そうとしている相手−

 しかし麻里は不思議と、彼女を憎むことはできなかった。
 それは、嘗ての自分とどこか、重なるところがあった所為かもしれない。
 何より、彼女に向ける感情として沸いたのは、哀れみ、それだけだった。

 棒立ちとなった麻里に、
「「「わあぁっ!!」」」
 ドシュッ、ドシュッ、ドシュッ
 半狂乱の巫女どもがこれでもかと、無慈悲な刃を突き立てる。

「麻里っ、麻里ぃっ!!」
 摩耶は兇刃の海へと沈む麻里の姿に、
「・・・麻里ぃぃぃっっ!!」
 ガキィッ、ガキィィンッ
 我を忘れ、馬首を巡らせた。

「・・・ぎゃっ!!」
 不運にも、彼女の進む先に居た巫女は軍馬に蹴散らされ、純白のボディー・スーツを緋袴と同じ色へと染めてゆく。
 ブルルッ
「・・・ひぃっ!?」
 麻里へたかっていた巫女達も、摩耶の突進に蹴散らされ、蜘蛛の子を散らす様に逃げていった。

「・・・麻里っ、麻里っ!!」
 摩耶は馬から飛び降り麻里の許へ駆け寄ると、血塗れになった彼女を抱き上げる。
「・・・摩耶・・・ちゃ、ん・・・」
 ハァッ、ハァッと、熱っぽい息を吐く麻里の腹と背からは、
 ボタッ、ボタッ
 止めどなく、真っ赤な血が滴り落ちていた。

 しかし摩耶は、己自身が血に塗れるのも構わず、
「・・・麻里っ、しっかりして・・・大丈夫、今助けてあげるからね」
 麻里を抱き上げるとそう、愛し子を励ます。
 だが常人であれば既に絶命しているであろう刀傷を負った麻里は、『淫魔』の生命力でどうにか命を繋いでいる状態であった。
 それは、
 ボタンッ、ボタンッ
 まるで命を零しているかの如く滴る、紅い流れからも解る。

「・・・摩耶・・・ちゃん・・・ごほっ、ごほっ」
 そんな麻里は、か細い声で摩耶に漸くそう、語り掛けた。
 言葉の間にはゴボゴボと、不吉な音を含ませながら。

「っ・・・なぁに?」
 しかし摩耶は努めて優しく、麻里にそう応える。
「・・・ぎゅっ・・・って・・・して・・・ほしいな・・・」
 麻里は弱々しい笑顔を浮かべると、摩耶に向かって両手を差し出した。

 摩耶は、
「・・・うん」
 麻里の望み通り、
 ギュッ
 力強くではあるが傷に気をつけて、愛し子を優しく抱き締める。

「・・・え・・・へへ・・・摩耶・・・ちゃんは・・・やっぱり・・・あったかい・・・ね」
 麻里の言葉と相反する様に、彼女の肉体は急速に熱を失っていった。
「麻里っ!」
 摩耶はその熱を己の胸に留めようと、麻里を抱き締め必死に呼びかける。
 だが、
「・・・それに・・・いー・・・においが・・・する・・・し・・・やさし−・・・し・・・」
 死の向こう側へ足を踏み出した彼女に、その言葉は届いていないようだった。

 そして麻里は、ぴとっ、と、摩耶の頬に右手を触れると、儚い笑顔を浮かべ、
「・・・摩耶・・・ちゃん・・・だい・・・すき・・・」
 これまで何度となく聞いてきた言葉を吐くと、
 スゥッ
 摩耶の頬に、血のルージュを引くかの如く手を滑らせそのまま、全身から力を失った。

「麻里っ、麻里ぃぃっ!!」
 摩耶はそう叫びながら麻里を抱き締めるが、決して彼女の肉体に熱が戻ることはない。

 正にその時−
「・・・あははっ!!・・・やったぞ、穢らわしい淫魔を倒したぞ!!・・・皆の者、そこに居る淫魔どもを殲滅しろっ!!」
 森の外れから、哄笑じみた罵声が摩耶達へと降り注いだ。
 見れば、森の外れにある小高い丘の上で、馬上の巫女がこちらを見下ろしている。
 恐らく、この巫女どもの指揮官だろう。

「穢・・・らわしい?」
 摩耶は彼女が吐いた言葉を口の中で反芻し、未だかい抱く麻里の顔を覗き込んだ。
 自らの返り血を浴びてはいるものの、その可愛らしい顔は年相応のもので、『穢れ』などとは無縁に思える。
 それに彼女は最期の時まで、ただ、心優しき少女であった。

 だがそんな摩耶の心中などお構いなしに、
「穢らわしい淫魔どもよ、闇へ滅せよ!・・・正義は我らにあり!!」
 自身に陶酔した演説を繰り返す。

「黙れ・・・」
 摩耶は、そっと麻里の体を地面に横たえると、そう言いながら立ち上がる。
「愚かな淫魔よ!・・・許しを請えば苦しまず殺してやるぞ!・・・そこで屍を曝す仲間のようにな!」
「黙れっ!!」
 再び立ち上がった摩耶の瞳には、怒りと憎しみの炎が燃え上がっていた。
 こんな畜生以下の奴等に麻里は−

「・・・うおぉぉおおおっっ!!」
 雄叫びを上げながら軍馬に跨がると摩耶は、
 ギュウゥッ
 折れんばかりに馬上槍を強く握り締め、丘の上の巫女に向かって突進する。

「ひっ!?」
 正に『鬼気迫る』形相の摩耶に、巫女どもは慌てふためいて逃げ惑うが、不運にも彼女の動線に入った巫女は次々と、
「ひぎっ!?」
「ぐげぇっ!?」
 軍馬に踏み潰されるか、槍の餌食となった。
 怒りで支配され、最早『巫女』を『麻里の敵』と認識した摩耶に、力を抑える理性などある筈も無い。
 摩耶は、『敵の首魁』を目指しまるで暴風の如く、『敵』を蹴散らしながら突進するのみであった−

 ドンッ
 馬で駆けた摩耶は森を抜け、首領の巫女が居る丘の麓へ躍り出た。
 丘を取り囲む木々からは、
 ヒュンッ、ヒュンッ
 矢が雨霰の如く降り注ぐが、
「破ぁっ!!」
 摩耶は馬に気合いを付けるとただ一直線に、巫女へと向かう。
 パスッ、パスッ
 矢はその気迫に負けたかの様に地面に突き刺さるのみで、摩耶に届くことはなかった。

 正に鬼神の如く迫る摩耶に巫女は、
「・・・くぅっ!」
 己の『劣勢』を悟ったのか、馬首を巡らせて逃走を図る。
 しかし、
「・・・たあっ!!」
 ビュンッ・・・ドスンッ
「うわぁぁっ!?」
 投擲され、行く手を遮るかの如く突き立った馬上槍に、その行く手を阻まれた。

 どうにか体勢を立て直し、落馬だけは免れたが、
「・・・たぁっ!!」
「ひぃいぃっ!?」
 摩耶の接近を容易く許してしまう。

「・・・許さない・・・」
 チャキッ
 帯剣を抜刀した摩耶は、憎しみに満ちた表情で巫女に迫る。
 巫女は漸く、
「・・・お、お前は上月摩耶!!・・・その姿は・・・外道に堕ちたかっ」
 敵が摩耶であることを認めると気丈にも、吐き捨てる様に、そう叫んだ。

 摩耶はその叫びに、巫女の顔を改めて見返す。
 この女の顔は、神凪本家の幹部会で、見た覚えがある。
 確か、名家の出身ではなく成り上がりで、余り評判は良くなかった筈だ。

「・・・本家の無能どもと外道に堕ちた、という噂は本当だったか・・・恥を知れっ!!」
 そこへ猶も、女は罵声を浴びせる。

 その言葉に、
「・・・黙れ」
 何も知らない癖に−摩耶の中にマグマの如く、沸々とした情念が込み上げた。
 だが巫女は、摩耶の反応を、『堪えている』と取ったのか、
「・・・もし恥を知るなら、ここで大人しく討たれろっ!!・・・直ぐに本家のクズも後を追わせてやるからな・・・はははっ!!」
 そう畳み掛ける。

「・・・殺す・・・」
 彼女の愛する人を殺めただけではなく、敬愛する人達まで侮辱するこの女に、摩耶は明確な殺意を抱く。
 巫女だから命を奪わない−己の出自たる存在への躊躇いが『枷』の如く、摩耶を縛っていた。
 しかし巫女どもからすれば今の自分は『人間』ですらなく、『外道』の『一匹』に過ぎないのだ。
 思考のどこかで半ば理解していたことだが、ここまで冷厳たる『事実』を突き付けられて、『逃げる』ことはできない。

「・・・死ねぇっっっ!!」
 摩耶は腹の底から『巫女』との『決別』の叫び声を上げると、
「うぉぉおぉっ!!」
 ブンッ
 渾身の一撃を、憎き巫女へ振り下ろす。

 ガギィンッ
「・・・ひぎっ!?」
 摩耶の太刀を浴びた巫女は、咄嗟に刀を振り、一撃を受け止めようとするが、
 バキィッ
 圧倒的な斬撃に、刀を真っ二つに折られてしまった。
 しかし斬り伏せられなかっただけでも、見事、と言えるだろう。

 だがバランスを崩した彼女は、
「うわぁぁっ!?」
 ドガッ
 遂に馬から転げ落ち、地べたへと叩き付けられた。
 巫女装束は土と草に塗れ、白い装束は無残にも土色に変わる。

 摩耶は虫けらを見るような目で、痛みで動けず地虫の如く地面にただ這いつくばる巫女を馬上から見下ろすと、
「・・・麻里の敵・・・地獄に落ちろっっ!!」
 躊躇いもなく、彼女の脳天へと剣を振り下ろした。
 しかし、
 ガシッ
 その一振りは、背後から掴んだ手によって防がれる。

 摩耶は、その無粋な手の主へ鬼の形相で振り返るが、
「・・・駄目だ、摩耶っ・・・『ソレ』はこの戦の貴重な戦果なんだ・・・殺しちゃダメだっ!!」
 手の主−邪鳳は振り返った摩耶を、抱き留め、その動きを封じようとした。

 だが摩耶は怒りに任せて、
「嫌っ、離してっ!!・・・コイツは、麻里の敵なの・・・だから殺らせてっっ!!」
 猶も邪鳳の腕を振り解き、死の鉄鎚を下そうと藻掻き続ける。
 それに邪鳳は、
「摩耶っ、摩耶姉ぇっ・・・んっ、ちゅっ」
 口づけしながら摩耶を抱き締め、彼女を落ち着かせようとした。

 しかし摩耶は、
「・・・んっ、ん〜っっ!!」
 それでも邪鳳を振り解こうと暴れ続け、
 ガリッ、ガリッ
 自らの歯で、邪鳳を傷つける。

 ピッ
 唇や口の周りが裂け、鉄錆の味が口内に広がるが邪鳳はそれでも口づけを止めず、それがまるで命綱であるかの様に却って、
 ヌルッ、レロッ
 舌を摩耶の口内へ割り込ませ、左腕でしっかり摩耶の体を抱き込みながら、
 サワッ、サワッ
 右手で胸や秘所を弄り、愛撫を始めた。

 これには摩耶も、
「・・・んっ・・・んんっ」
 抵抗の手を緩めざるを得ない。
 やがて、
 クチュッ、クチュッ
 股の間から水音すら漏らし始めた彼女は、
「んっ・・・ふうんっ・・・」
 剣を握った腕を、ゆっくりと降ろすのだった。
 


「・・・んっ・・・朱美・・・わかったから離して・・・」
 愛する人の手管に屈した摩耶は、指揮官としてではなく一人の『愛人』として、朱美にそう哀願する。
 それに朱美も、
「うん、わかった・・・落ち着いた、摩耶姉ぇ?」
 『愛人』としての気安さで摩耶に接するのだった。

「・・・ええ・・・でも、コイツは麻里の敵・・・許すことはできないわ・・・」
 摩耶は幾分冷静さを取り戻したものの、
「・・・うっ・・・ううっ・・・」
 落馬した時の衝撃でどこかの骨を折ったのか、芋虫の如く蠢く『敵』の姿を、未だ殺気の籠もる目で睥睨する。
 
 そんな摩耶を朱美は、複雑な表情で眺めていた。
 彼女とて、麻里は可愛い直属の部下であり当然、この巫女を殺してやりたい気持ちもある。
 だが『指揮官』として実質的な『負け戦』の中で幾許かでも、『成果』を持ち帰る責務もあるのだ。
 『人』として、こんな思考を持つことすら唾棄すべきことなのかも知れないが彼女は、その気持ちを優先する程、無責任ではない。

「・・・摩耶姉ぇ・・・気持ちはわかるよ・・・でも、やっぱり殺すのは駄目だ・・・それに、コイツを許すわけじゃない・・・持ち帰って、『資源』にするんだ」
 朱美はそう言うと、摩耶の肩に手を置く。
 しかし、その言葉に、
『・・・それに、そんなことをしても麻里は喜ばないよ』
 と継ぐことはなかった。
 それは余りに、偽善に過ぎるだろう。
 その程度の分別も彼女は持ち合わせているのであった。

 その時丁度、
「・・・邪鳳、掃討戦も大体終わったわ・・・なんとか『勝った』、わね・・・」
 馬首を向けながら邪龍が、摩耶達の許へとやって来る。

 摩耶が敵陣を崩し、指揮官を打ち負かしたことで、『戦』の趨勢は妖魔側に大きく傾いた。
 指揮官を失ったことで巫女どもは統制を失い各個撃破され、遁走するばかりとなっている。
 だが失った戦力を考えれば実質的に、『負け戦』と言っても良い。

「・・・ああ・・・後は、捕虜にした巫女を連れて撤退しよう・・・摩耶姉ぇ、麻里のところへ行ってあげて」
 邪龍の報告に朱美は、『指揮官』の顔になりながらも『愛人』の言葉で摩耶をそう促す。

「・・・ええ・・・そうさせて貰うわ」
 摩耶は最早反論をすることもなくしかし、蹲る巫女に殺意の籠もった一瞥を呉れると、愛し子の許へ急ぐのだった。



「・・・隊長・・・」
 摩耶が皆の許へ戻ると分隊員達は、麻里を円陣に囲むように跪き、悲嘆に暮れていた。
 だがそんな中でも、麻里の遺骸にはマントが掛けられている。
 見ればどうやら恵が、自分のマントを麻里に掛けてくれたようだ。

 摩耶はそんな優しい恵に、
「・・・有り難う、恵・・・」
 儚い笑みを向けると、横たわる麻里の許へ跪く。
 摩耶の優しい部下達は、彼女と麻里の関係を察して、スペースを空けてくれた。

「・・・麻里・・・」
 摩耶は愛し子の名を呼びながら、その頬に触れる。
 戦いの中で斃れた筈なのに彼女の顔は、驚くほど穏やかだ。
 しかし摩耶が触れ慣れた温もりは、最早感じることはできない。

「・・・い、嫌ぁっ、放してぇっ!!」
 そんな穏やかな逢瀬の時を、女の金切り声が邪魔をする。
 麻里から顔を上げ見れば、敗残の巫女がオークに取り押さえられ、縄を打たれていた。
 その奥では、既に縄で捕縛され、互いに繋がれた巫女どもが屠殺場へ向かう家畜の如く、下魔に引き連れられている。
「た、助けてっ!!・・・誰か、助けてよおぉっ!!」
 その巫女どもも、命運は尽きていることが解っている筈なのに喚き散らし、無駄な抵抗を試みていた。

 それを摩耶は、まるで汚物でも見るかのような渋面で眺めている。
「・・・チッ」
 そんな彼女の口から自然に漏れたのは、嫌悪の舌打ちであった。

 この戦いに赴くまではまだ、心のどこかで巫女どもを、『仲間』であると思い込んでいた。
 だが連中は最早摩耶にとって、『害』をなす『敵』でしかなく、嫌悪の対象でしかない。
 そんな連中がみっともなく喚き散らすのを見て摩耶は、心の底から彼女達を疎ましい、と思うのだった。

 摩耶は醜い存在から目を逸らす様に再び、麻里へと視線を戻す。
「・・・麻里・・・お家に帰ろ?・・・私達のお家に・・・」
 そしてそう優しく囁き掛けると、折り重なる様に麻里を抱きしめた-



「・・・麻里・・・」
 摩耶は棺に収められた麻里の頬に触れては、愛し子の名を呼ぶ。

 麻里の部屋に設えられた棺には、胸前で手を組む姿勢に整えられた麻里と、粗末な人形-麻里が買い求めたもの-が収められている。
 魔術と、棺に付設された機械の力で麻里の肉体は保全され、死して3日が経過した今も、生前と同様の外見を保っていた。
 棺がこの部屋に運び込まれてからほぼ、飲食をすることも眠ることもなく摩耶は、麻里の傍を離れないでいる。

 分隊員達や邪鳳なども摩耶を心配して様子を見に来たが摩耶は、ここから決して離れることはなかった。
 『仲間』達はそんな摩耶の心情を慮って、彼女の思うままにさせている。

「・・・麻里・・・」
 摩耶は星の数ほど唱えた名を呼びながら、
 サワッ
 麻里の頭を撫でた。
 その刹那、
 ズルッ
 麻里の頭皮から柔らかな髪が、摩耶の指に絡みつき、抜け落ちる。

「・・・っ!!」
 摩耶はその衝撃に、己の指に絡みついた麻里の髪を、まじまじと見つめた。
 如何に魔術や機械の力で麻里の肉体を保全しようとも、魂の消えたそれを保つには限界がある。
 既に死から3日たち、麻里の細胞も限界を迎えているのだ。
 当然、『肉』を『保存』するために冷凍処理を施すことも可能であるがそれは、『麻里』を保つことにはならない。

「・・・」
 摩耶は、麻里の髪を暫し見つめた後、
「・・・麻里・・・愛してる・・・」
 そう呟くと、
 チュッ
 弾力を失い始めた唇を奪い、キスをした。

 そして、
「・・・」
 先程までとは打って変わって、引き締まった表情になると、ある決意を胸に、
 キィッ・・・パタンッ
 麻里の部屋を後にする。

 その時、
 ポトッ
 机の上に置かれた一輪挿しから、枯れ果てた野花が力尽きたかの如く、落ち去るのだった。



 カッ、カッ
 摩耶はブーツを響かせ、皇宮の回廊を進む。
 その途中、淫魔や宮奴達が彼女とすれ違ったが、鬼気迫る摩耶の様子に、誰も声を掛けることはできない。
 戦場から戻ったままの摩耶は、土や返り血で薄汚れ、着替えることもなかったアンダー・ウェアは着崩れているがそれでも、彼女の内に籠もった『気』の迫力に並の者は、気圧されてしまうのだ。

 誰何する者もないまま摩耶は、玉座の間に辿り着いた。
「・・・摩耶」
 玉座で報告書を読んでいた邪水晶は『家族』の気配に、憂いを帯びた表情で玉座から腰を浮かそうとする。
 しかしそれは、
「・・・邪水晶様、お願いが御座います」
 憂いの対象の言葉によって遮られた。
 その声は低いながらも、強い決意を窺わせるものである。

 邪水晶は臣下の礼を取り、己の眼前で頭を垂れる摩耶の様子に、
「・・・聞きましょう」
 そう答えると、再び腰を落とした。

 摩耶は『主君』が玉座に座したことを気配で感じると顔のみを上げ、
「・・・」
 彼女の『願い』を申し述べるのであった-



「・・・貴女の『願い』はわかったわ、摩耶・・・本当に、それでいいのね?」
 摩耶の『願い』を全て聞き届けた邪水晶は、組んだ脚を組み替えながらそう問い返す。
 彼女が口にした『願い』−それは、これまでの彼女の有り様そのものを変えてしまうものであったからだ。

 だが摩耶は、
「はい、申し上げたことは間違いなく、私の『望み』です・・・」
 躊躇うことなく邪水晶の言葉を肯定する。
 邪水晶を見上げるその目は、確かな意思の光を宿していた。

 その様子に邪水晶は、
「・・・」
 カッ
 玉座から離れ、摩耶の許へ歩み寄ると、屈んで摩耶を抱き締め背を叩きながら、
「・・・摩耶、『私達』は『家族』よ・・・貴女の思うようにしたらいいわ・・・手筈は皆、私が整えてあげる・・・」
 そう囁く。

「・・・邪水晶様・・・」
 摩耶は邪水晶の『優しさ』に感涙を浮かべ、体を震わせた。
 矢張りここが彼女が居るべき場所-『家』なのだと確信する。
 そして、
「・・・私は、『神凪家』と邪界にこの身を捧げます・・・全ては貴女様の御心のままに・・・」
 心からそう告げると邪水晶の胸の中で、邪悪な笑みを浮かべるのだった。



 カツンッ、カツンッ
 邪水晶の許を辞した摩耶は、靴音を響かせながら薄暗い石造りの階段を降りてゆく。
 その向かう先からは、蒸れ、饐えた臭気が立ち上り、摩耶の五感を不快にさせる。
 だがそれ以上に、
「ひぐっ、ひぐっ・・・」
 啜り泣く女どもの声が、彼女を苛立たせるのだった。

 摩耶が向かう先-皇宮の地下に設えられた石牢には、先の戦で捕らえられた巫女どもが繋がれている。
 チャリッ
 摩耶は牢番の下魔から鍵だけ受け取り、彼を手で制すると、牢の奥へと進んだ。

 ガチャンッ
「・・・ねぇ、お願いっ・・・ここから出してっ!!」
 牢の前を通る度、虜囚である自分達以外に『人間』を見ることすら久しくなった巫女どもが、必死に摩耶へそう、訴え掛けてきた。

「・・・」
 しかし彼女達に摩耶は、視線すら呉れることはなくその代わりに、内から込み上げる嫌悪感で、顔を顰めるだけである。
 ここに残る巫女どもは、捕らえられた巫女達の中では比較的、神力の高い者達の筈だ。
 だが手枷を填められ、足首を鎖に繋がれた彼女達は排泄すらままならず、かつて純白であったボディー・スーツや衣を不衛生な色を染めながら、『敵』である摩耶に浅ましくも、命乞いをしてくる。
 こんな連中を過去にでも『仲間』だと思っていた自分が、今の摩耶にはただ、腹立たしかった。

 やがて摩耶は、目的の牢の前へとやってくる。
「・・・」
 摩耶は感情を押し殺しながら黙って、その牢の錠を開けた。

 キィッ
 錆びて軋む鉄格子を開くと、
「・・・貴様ぁっ!!」
 ガチャガチャと鎖を鳴らしながら、指揮官の巫女−新沼静流(にいぬましずる)が摩耶へ噛みつかんばかりに、怒気を露わにする。
 その姿はまるで、猛犬の様であった。

 その一方で、
「・・・ねぇっ、貴女、摩耶様でしょう?・・・お願いっ、ここから出してぇっ!!」
 静流の副官と思しき巫女が浅ましくも、他の巫女どもと同じ言葉を口にする。

 摩耶は、
「・・・黙れ」
 吐き捨てる様にそう言葉を漏らすと、
 ヒュンッ
 腰の帯剣を一閃し、
 バシュゥッ
 何の躊躇いも見せず、その巫女の右腕を切り落とす。
「ぎぁぁぁっっっ!!」
 腕を失った巫女は鮮血を飛び散らせながら悶絶し、その絶叫は牢獄中に響き渡った。

「・・・雲雀(ひばり)、雲雀っ!!・・・この鬼畜めっ!・・・」
 静流は雲雀を気遣いながらも摩耶に、殺気の籠もった視線を寄越す。
 だが摩耶は感情の籠もらない表情でそれを受け流しながら、
 パチンッ
 ペニス・バンドを外すと、
「・・・しゃぶれ」
 己の逸物を、静流へと突き出すのだった。

「・・・ふ、巫山戯るなっ!!・・・誰がお前の・・・モノなどっ!!・・・」
 頬を羞恥に染めながらも静流は当然、それに猛反発する。
 しかし摩耶は、
「・・・お前の口で私をイカせられたら、この娘を助けてやろう・・・できなければ・・・この娘は死ぬぞ?」 
 冷たい表情で、その反発を封じるのだった。
 そこには一片の憐憫の情も見られない。

 礼菜達の手にかかればこの程度の傷など、容易く癒すことができるだろう。
 それに万が一、癒すことができなくともこの女の『体』は、邪界で『生きる』ことができるのだ。
 そんなものに今の摩耶が情を抱くことなど、有り得ない。

 一方静流は、眼前に突き付けられた肉棒と、
「ひぁっ!!・・・痛い、痛いよぉっ・・・」
 血を流しながらのたうち回る雲雀を見比べ意を決すると、醜悪な肉塊に再び、視線を向ける。

「うっ・・・」
 だが、鼻を刺す強烈な臭気に静流は、思わず顔を顰め、逸らした。
 戦場から帰参し、三日間風呂にも入らずにいた摩耶の亀頭は恥垢すら浮かび、猛烈なアンモニア臭をも放っている。
 それに男性経験のない彼女に、フェラチオの経験などある筈もない。
 まるで陸に上がった魚の如く、ただパクパクと口を蠢かせるだけの静流に摩耶は、
「・・・愚図め・・・こうやるんだっ!!・・・」
 グボボォッ
 無理矢理肉棒をねじ込み、
 グボッ、グボッ
 強引に抽送を開始する。

 喉奥をこそぎ落とすかの如く犯す肉の凶器に静流は、
「おごっ!?・・・おごぇぇっ!!」
 込み上げる吐き気に悶絶するが、
「・・・ふんっ・・・いいか、歯でも立ててみろ・・・次はこの娘の左腕を落とすぞ・・・」
 摩耶の冷徹な言葉に恐れを抱き、
「うごぉっ・・・うぶぅっ」
 下腹に力を入れ口を開いて、顎の動きをどうにか封じようとした。

 だがそんな機械的な『口淫』では当然、摩耶に快楽を与えるべくもない。
「ちっ・・・」
 摩耶は麻里の愛情の籠もったフェラチオを思い出し、苛立ちを深める。

 パンッ、パンッ
「・・・うびひぃいっ!?」 
 顔面を腰骨で殴打するかの様な摩耶の責めに静流はただ、豚の如き悲鳴を上げるだけだ。

 しかしその一方、静流の稚拙な性技に反して、
 グボッ、グボッ
 嘗ての『仲間』である巫女を犯し蹂躙する、という行為は摩耶に、
 ゾクリッ
 背徳感とも征服欲とも言えぬ快楽を与える。
 
 ビクンッ、ビクンッ
 破裂せんばかりに怒張した分身と同じく興奮に、頬を赤く膨らませた摩耶は、
 グイッ
 静流の髪を掴むと上を向かせ、
 グボンッ、グボンッ
 咽頭のさらに奥へ、まるでその『穴』で静流を孕ませるかの如く、牡の徴を捻り込むのだった。

「・・・げぷ、げへぇっ!?」
 髪を引かれているが故に、静流は吐くことも適わず無様に、ゴボゴボと胃液を食道で鳴らしながら苦悶する。

 そんな静流に相反して摩耶は、
「・・・あははっ、無様だなぁっ!!・・・豚以下の存在に堕ちた気分はどうだ、んんっ?」
 邪悪そのものに破顔しながら、最高の愉悦に身を委ねていた。

 汚物に塗れ暴虐に千切れた巫女装束-そして醜く無様に、己の胃液を吐き続ける巫女-今の彼女にとって最高の『衣装』を纏った『女優』が演じる『惨劇』を、嬉々と鑑賞する姿は最早、淫魔そのものである。

 そして彼女の本質がそう変じたことを裏打ちするかの様に、
「いいぞ、豚巫女っ!!・・・たっぷり餌を呉れてやるから、残さず飲み干せっ!!」
 『巫女』を貶める言葉を叫ぶと、
 ドブンッ、ドブンッ
 哀れな女の喉奥へ、多量の精を放つのだった。

「・・・うぶっ、おぼえぇっ!?」
 吐くことができない静流は、鼻から精を逆流させ、顔面を白濁に染めながら悶絶する。

 しかしそんな惨状すら、
「あははっ、最っ高っ!!・・・ほら、もっと呉れてやるから美味そうに飲みなさいっ!!」
 今の摩耶には性悦のスパイスでしかない。

 ビュルッ、ビュルッ
 バチッ、バチッ
 摩耶は静流の顔面に腰骨を打擲しながら尚も、粘り気を増した生殖液を流し込む。

 グイッ
「・・・ごっ、えぇえぇっ!」
 悶え苦しむ静流の髪を引き己のほうへ向かせながら、
「・・・いいか、よく聞け・・・お前は今日から私の『家畜』だ・・・精々、愉しませてくれよ・・・くっ、くっ、くっ・・・あはははっ!!」
 完全なる『上位者』として新たな『生』を受けた『淫魔』は、そう高らかに宣告するのだった。



「Наш Бог тьмы・・・」
 漆黒のマントを纏った淫魔の神官達が壁沿いに立ち並び、邪神への祈りを捧げていた。
 彼女達から溢れ出す『瘴気』は、『神聖』であるべき『神殿』の中を濃密に満たし、息苦しい程の禍々しさで空間全体を支配している。
 実際、正常な『人間』であれば死にすら至る邪悪な儀式の場−しかしここは驚くべきことに、この後訪れる者にとっては、祝すべき『ハレ』の場なのであった。
 
 ギィィッ
 重々しい音を響かせながら、その者達を迎えるべく扉が開く。
 すっと、祭壇へと続く『バージン・ロード』を歩んでゆくのは二人の『女』−

 一人は華麗な礼装に身を包みつつも、
  ビキィッ
 その幸福さ故か、それともこれから行われる『儀式』への期待かはわからぬが、ペニス・バントを引き千切らんばかりに怒張させた淫魔−邪鳳である。

 そして、
 チャリッ
 彼女が持つ鎖の先には、黒革の首輪に繋がれた『牝』−摩耶がいた。
 摩耶は、凶兆を模る漆黒の袴と純白の巫女服に身を包むが、乳首がピアスに彩られた胸ははだけ、丈が短すぎる漆黒の袴の下からは、
 ギュゥゥッ
 穴巫女が穿く『正装』がきつく股間を絞り上げ、
 トロォォッ
 淫液が溢れ出す淫らな女芯を、詳らかに曝している。

 更に、
 ビクンッ、ビクンッ
 彼女も興奮しているのか、肉の凶器を固く屹立させ、はしたなくも捲り上げた袴を、
 ヌトォォ
 その筒先から溢れた淫液で穢していた。

『ああっ・・・幸せ・・・』
 淫獄の『花嫁』となることに、摩耶の心は歓喜に満ち溢れている。
 漸くこれで、邪鳳と文字通りの『家族』となることができるのだ。
 
 その『歓喜』は彼女だけではなく、
 ボタッ、ボタッ
 肉棒と秘所から感涙を零す、『新郎』たる邪鳳も同じであった。
 二人が『バージン・ロード』を進む度、淫らな滴が床を濡らし、淫靡に『式場』を飾り立てる。
 そして彼女達は、自らを祝すべき邪悪な祭壇へと辿り着いた−



「・・・うふふ・・・来たわね」
 邪悪な装束を纏い、左右に『巫女』を侍らせた『神官』は、闇の花嫁を矢張り邪悪な笑みで迎える。
 摩耶と同じく、漆黒と純白の巫女装束を纏った『神官』−瑠璃は、
 ミジッ、ミジッ
 股間に邪龍のモノを根元まで填め、
 ボゴォッ
 淫紋の浮いた下腹部を生殖器の形に変えながらも、
 ボトッ、ボトッ
 結合部から牝の滴を零し続けていた。

 今の彼女は、
「・・・摩耶、邪鳳、おめでとう・・・ふふっ、素敵よ二人とも・・・」
 背後から貫く邪龍の魔力を受けた『闇の』『瑠璃』である。
 摩耶を最高に『穢れた』『淫魔の花嫁』とすべく、『最凶』の神官として、この『祭儀』を取り仕切っているのだ。

「・・・有り難う御座います、瑠璃様、邪龍様・・・」
 そんな邪悪な神官達の祝いの言葉を摩耶は、陶酔したかの様な表情で受け容れる。
 最早、彼女のメンタリティは淫魔と何等変わることはない。
 寧ろ、巫女に対する激しい憎悪と、『神凪家』に対する群を抜いた忠誠心は、四天王にすら勝るほどなのである。
 故にこの『邪悪な儀式』も彼女は当然のものとして、『賀すべき』ものと認識しているのであった。

 そして瑠璃に続いて、
「・・・おめでとうございます・・・邪鳳様、摩耶・・・」
「・・・んっ、おっ・・・おめでとうっっ・・・ございます・・・邪鳳様・・・摩っ耶ぁ・・・」
 瑠璃の脇に控える『巫女』−葵と楓も、祝いの言葉を摩耶達に向けてくる。

 今日の祭儀の『巫女』を務める彼女達の姿も、摩耶や瑠璃と同じく、邪悪な巫女姿であった。
「あんっ・・・」
 更に葵は邪亀の、
「・・・いっ・・・はぁっ・・・」
 楓は邪虎の肉棒により、アナルの奥深くまで犯されている。

 二人とも、摩耶と競うかの如くペニスを勃起させ楓に至っては、
「・・・邪虎様っ・・・あんまり・・・突かないで・・・くだ・・・さいぃっ」
 ガクガクと内股を震わせ股座からは、ボタボタと小便を漏らしたかの様に、愛の雫を漏らしていた。

「・・・うふふっ、楓さんったら・・・チンポをこんなにガチガチにして、説得力ないですよ♡」
 葵と楓、二人を背後から犯すのはいずれも、彼女達の『婚約者』である。
 葵は摩耶に続いて『婚儀』を挙げることを望み、楓に至っては、『マゾ穴奴隷』としての立場を愉しみたいが故、暫くはこのままの関係を望んでいる。
 彼女達もまた摩耶と同じく、価値観を淫魔のものへと完全に塗り替えられていた。
 更に彼女達は、摩耶と邪鳳の『婚儀』だけではなく、摩耶の『望み』を叶えるべく、邪悪な巫女装束を纏っている。 

「・・・では、『隷婚の儀』を執り行う・・・邪鳳、摩耶・・・前へ」
 瑠璃に促された二人は静かに頷くと、瑠璃の前へ歩み出る。
 しかし、普段の二人からは想像できぬほど、その姿はどこか、ぎこちない。
 
 瑠璃は、初々しさすら感じさせる二人に微笑みを浮かべるが一転、厳かな雰囲気を纏うと、邪鳳に向き直り、
「・・・邪鳳・・・汝は『夫』として、『奴隷妻』上月摩耶を愛し、全てを支配することを誓うか?」
 宣誓の詞を投げかける。
 邪鳳はそれに一点の迷いもなく、
「誓います」
 と答えた。

 それに瑠璃は頷くと、今度は摩耶へ向き直り、
「・・・上月摩耶・・・汝は『奴隷妻』として、『夫』である邪鳳にその身と魂を捧げ、永遠に隷属することを誓うか?」
 そう、隷属の詞を掛けるが、
「はい、誓います」
 自らを永劫の『奴隷』妻に堕としむる宣誓を躊躇いもなく、肯定する。

 それと同時に、
 ポウッ
 摩耶の下腹部-子宮の上に刻まれた刻印が、妖しい光を放ち始めた。

「・・・うふふ、邪神様に貴女達の願いは届いたようよ・・・では、『隷刻の契り』を」
 瑠璃がそう、邪鳳と摩耶を促すと、邪鳳が祭壇の上に横たわり、
 ニチャァッ
 感涙で粘つく股を大きく開く。
 ボタッ、ボタッ
 それだけで、漆黒のシーツの上に、彼女の歓喜の大きさを示すが如く広大な、愛の染みが広がっていった。

 摩耶は、邪鳳の股座に入り込むと、
 ピトッ
 滾りきった己の筒先を、邪鳳の熱泉へと宛がう。
「・・・」
 だが摩耶はそこで、微かな躊躇いを見せた。

 本来であれば、『夫』である邪鳳が『奴隷妻』となる摩耶を『犯し』、『奴隷妻』となる摩耶を『支配』することが、この儀式の『正統』である。
 しかし、未だ『巫女』である摩耶が処女を散らし、邪鳳の子を孕むことはできない。

 それに加えて、
 ドクンッ、ドクンッ
 邪鳳の子宮には、麻里の亡骸から採取され活性化された卵子が満たされていた。
 摩耶は『利己的』にもこの『隷婚の儀』と併せて、麻里が『生き続ける』ことを選んだのである。

「・・・邪鳳、本当にいいの?」
 故に、この期に及んでも摩耶は、己の我侭に愛する人を巻き込んだことに、一抹の罪悪感を抱いていたのだ。

「・・・いいんだよ、摩耶姉ぇ・・・摩耶姉ぇと私と・・・それに麻里の子だったら、きっと可愛いよ」
 そんな摩耶の苦悩を誰よりも理解している邪鳳は、
「・・・それにね、私の中で麻里が生き続けている・・・これって、とっても嬉しいことなんだよ?・・・だから摩耶姉ぇ・・・摩耶姉ぇのアツイので、たっぷり孕ませて♡」
 腹に手を当てながらそう、言の葉を継ぐ。

 邪鳳にしても、可愛い部下であった麻里の『死』は、心の重荷となっていた筈だ。
 しかしそれ以上に、自分の全てを受け容れてくれたことに摩耶は、
「・・・有難う、邪鳳・・・愛してる♡」
 ズヌププッ
 何よりも確かな形で『愛』を伝えようとする-

「・・・んっ、あっ・・・邪鳳の中・・・アツイっ・・・」
 これまで星の数ほど肌を重ねてきたが、今日の邪鳳の中はいつよりも熱く、
 ギチュッ、ヌチッ
 きつくはあるがしっとりと、摩耶のモノを包み込んだ。
 それはまるで、邪鳳の摩耶に対する『愛』を示すかのようである。

 その『愛』に摩耶は、「・・・はっ、はぁんっ♡・・・」
 忽ち蕩ける様な声を上げ、
 ズチュッ、ズチュッ
 文字通り『熱に浮かされた』かの如く腰を振りながら、『夫』の美肉を味わうのだった。

 『愛』を確かめ合う『夫妻』の姿を、自身のことであるかの如く微笑みながら見つめていた瑠璃は、
「・・・うふふっ・・・摩耶、本当に幸せそうね・・・さ、姉様・・・」
 『次』の『儀式』を執り行うべく、皇の正装である煌びやかな装束を纏った邪水晶をそう促した。
 彼女もまた、『儀式』-この『隷婚の儀』とは異なるもの-の『当事者』なのである。

「・・・ふふっ、解ったわ・・・」
 摩耶の背後に立った邪水晶はやおら、
 パサッ
 邪水晶は摩耶の袴を捲り上げた。
 すると、美しい尻と更には、
 ポォッ
 尾骶骨の辺りに浮かぶ、子宮とは異なった呪刻が露となる。

 そしてその下には、
 ヒクッ、ヒクッ
 淫らに誘う、牝穴がヒクつき、
 トロォッ
 本来であれば腸を保護すべき汁が、まるで愛液かの如く垂れ落ちていた。
 だが邪鳳に使い込まれ、極太の肉棒を咥えてきた筈のそこは決して緩まず、処女穴の如き鮮やかな色彩を留めている。

 邪水晶が、先程摩耶がそうしたかの様に、
 ピトッ
 『牝穴』に肉棒を宛がうのを見届けて瑠璃は、
「・・・続いて、『皇奴の儀』を執り行う・・・皇よ・・・汝はこの肉奴隷を所有し、その魂までも犯すことを誓うか?」
 新たな儀式の祝詞をあげる。

「誓うわ」
 邪水晶は間髪を入れず、明確に『所有』の誓いをたてた。
「・・・上月摩耶・・・汝は皇にその全てを捧げ、永劫に奴隷となることを誓うか?」
 一方摩耶は、
「・・・いっ・・・はぁっ・・・はひぃっ・・・ちかいっ・・・ますっ」
 ズチュッ、ズチュッ
 邪鳳を突き、息絶え絶えになりながらもどうにか、新たな奴隷宣告を口にする。

 その言葉を聞き届けた邪水晶は、
「・・・うふふ、摩耶・・・貴女の『望み』、聞き届けたわ・・・行くわよ」
 ズブブブッ
 一気にアナルの奥底へ、摩耶の『願望』の象徴たる肉の凶器を叩き込むのだった。

 摩耶の最終的な『望み』-それは、憎き巫女どもを殲滅し、『神凪家』とそれを取り巻く妖魔、奴隷に、安寧をもたらすことである。
 その成就には、彼我の戦力差を逆転し、敵を圧倒することが必須-

 そこで摩耶が得た結論は-巫女どもを捕らえ調教・洗脳し、邪界の戦力とする、という、極めて単純かつ合理的なものであった。
 そのためにはまず、彼女達を闇に堕とし、神器を穢す『存在』が必要となる-摩耶は自らその『存在』-『黒巫女』へ堕ちることで、その課題を解決しようとしたのである。
 神凪姉妹とそれに次ぐ四神の巫女が『巫女』となる資格を失った今、更にそれに次ぐ存在である『守護巫女』の摩耶達が『黒巫女』となることで、巫女どもにとっては、『最凶』の『存在』たらしめることができるのだ。
 
「あんっ!?・・・摩耶、姉ぇっ・・・かったい・・・よほぉっ・・・」
 邪水晶に尻穴を犯されたことで、いつもより硬度を増した凶器は、
「・・・それに今日の・・・摩耶姉ぇっ・・・あっ.・・・つい・・・」
 『瘴気』という熱量をも増す。

 ズクッ、ズクッ
「・・・あっ、あんっ♡」
 『邪水晶』という邪界『最凶』の『供給源』から、『摩耶』というこれも『最凶』の媒介を通して『精製』された瘴気は、この邪界においてすら、比肩するものはない。
 彼女のペニスは、謂わば、『瘴気』の『ブースター』なのである。
 邪水晶の『皇奴』となることにより『存在』の在り方を堕とすだけではなく、この『精製能力』を得ることも、摩耶の『望み』であった。

「・・・今日はぁんっ・・・私達のっ・・・『初夜』、ですもの・・・最高のほっ!・・・子種汁ぅ・・・注いであげるふぅっ!!」
 瘴気だけではなく、性悦も『ブースト』された摩耶は、
 ズグンッ、ズグンッ
 荒々しく『夫』を犯し始める。

「いっ、はぁっ!?・・・嬉しいっ・・・嬉しいよ、摩耶姉ぇっ!!・・・摩耶姉ぇのあっつい子種汁でへぇっ・・・わたしをほぉっ・・・孕ませてへぇっ!!」
 『奴隷妻』の『愛』に『夫』は、感極まりながら、
 グイッ
 『奴隷妻』の背に脚を絡ませ、
 ジャリッ
 首の鎖を引き、
「・・・んっ・・・んふぅうんっ♡」
 唇を奪った。

 その『夫』の『愛』に摩耶は、
「んちゅっ、んっ、ふむぅんふぅ♡」
 懸命に舌先で応える。

 やがて、
 グチュッ、グチュッ
 二人が重なり合う場所全てから、粘液質な音が溢れ出し、
 ヌリュッ、ヌリュッ
 それを潤滑油として、肌や粘膜を摺りあわせる-まるで心と体が溶け合う様な『夫妻』の『営み』-

 その熱は、
 ズグンッ、ズグンッ
 『奴隷妻』のアヌスを犯す邪水晶にも、
「・・・んっ・・・摩耶の中・・・トロットロッ♡・・・二人の『愛』が・・・熱いわぁっ♡」
 伝わっていた。

 そしてそれは、
「うふふっ・・・私もいっっぱいの『愛』を伝えないといけないわね・・・摩耶、私の『愛』も・・・受け・・・取ってぇっ♡」
 邪水晶にも伝播し、
 グププッ
 『形』となって、摩耶に戻ろうとする。

 摩耶はそれを腸壁全体で感じながら、
「あんっ♡・・・邪水晶様ぁ・・・貴女様の『愛』・・・このイヤラシイ『奴隷』に・・・いっぱい刻み付けてくだしゃひぃっ♡」
 尻を振り、
 ギュゥゥッ
 アヌスを閉めて、貪欲に貪ろうとした。

 そんな彼女達を、
 ズヌッ、コシュッ、ズヌッ、コシュッ
「・・・ふふっ、葵・・・私達も早く、『婚儀』を上げたいな」
「・・・んっ、はひぃっ、邪亀様ぁ♡・・・わたひも、貴女の赤ちゃんほしひっ♡」
 ヌクッ、グヌッ、ヌグヌヌッ、ギュゥゥッ
「・・・楓さんったらビッキビキぃ♡・・・ホント、ダメチンポですねぇ・・・まだ、出しちゃダメですよぉ?」
「・・・邪虎しゃまぁっ、早くだしゃせてへぇぇっ!!」
 背後から『婚約者』に突かれ、肉棒を扱かれる『同輩』が見守り、
 ズプンッ、ズプンッ
「くくくっ、『儀式』は順調のようね・・・邪龍、今宵は私を孕ませていいわよ・・・お前の子種汁、一杯頂戴♡」
「・・・瑠璃様ぁっ、嬉しいっ!!・・・はひっ、邪紅玉様の妹、産んでくだしゃぃっ♡」
 邪悪な神官は、魔力を己に供給する忠実な臣下に、受胎を許す。

 嘗ての『神凪』の枢要が贈る、堕落の『祝福』を闇の花嫁は、
「私、しあわしぇぇっ!!・・・みんな、だいしゅきいぃぃっ♡」
 歓喜の言葉で受け容れた。

 キィイィィンッ
 その刹那、摩耶の二つの呪刻が激しく光り始める。

「・・・いっ、ぐぅぅっ!?・・・あっ、あじゅうぅぅいぃぃっ!?」
 ジュウウゥゥッ
 その言葉どおり、摩耶は『中』から『灼き変え』られようとしていた。

 依然として、神気が体内に宿る感覚はある。
 だが、
 ゴボォッ、ゴボォッ
 奥底から沸き立ち、
 ドブッ、ドブンッ
「んぁんっ♡」
 筒先の根元に込み上げる圧倒的な感覚は、『瘴気』そのものであった。
 それも、人間界に出征の折、時空の狭間で感じた様な濃密な『闇』-

 そして、
「・・・ひぁんっ!・・・邪鳳ぉ、わたしでちゃう・・・ドロドロのチンポ汁出ちゃうのほぉっ♡」
 『奴隷妻』は自身が感じるままに、あられもない淫猥な言葉で射精を宣言し、
「・・・ひぁっ!・・・出して摩耶姉ぇっ!!・・・摩耶姉ぇのドロドロチンポ汁で私を孕ませてへぇっ♡」
 『夫』は受胎を望む淫語を絶叫する。

「うふふっ、二人とも、本当に幸せそうね・・・ふふっ、私からも最高の『お祝い』をっ・・・あげるわっ♡」
 『夫妻』の『愛の営み』を、
 ギュムッ、ギュムルッ
 己の分身で感じながら邪水晶は、
「あはぁっ、受け取ってへぇっ!!」
 ビュクンッ、ビュクンッ
 摩耶の肛内へ、自身の『愛』の証を放つのだった。

 摩耶は、
「おっ、ほひいぃぃっ!?」
 ドグンッ
 魔力の塊そのものを肛内へ受け容れると、それに押し出されるかの様に、
 ビジュビリュブリュリュリュウゥゥッ
 『中身』を全て絞り出すかの如き射精を、邪鳳の子宮へ放つ。

「あじゅじゅいひぃっいっ!?・・・わだじのじぎゅー、やげじゃうよほぉおぉっ!!」
 摩耶の『熱すぎる』『愛の証』に邪鳳は、鼻水を涎を垂らしながら悶絶した。

 しかし、愛すべき『奴隷妻』は、
「おっ、ほぉっ♡・・・ぶほぉっ♡」
 豚さながらのアヘ顔を晒しながら、
 ブジュジュジュルルゥッ 
 放尿にも等しき射精を止めることはない。

 摩耶が己自身を全て『解放』するのにあわせて、
 ジュウゥゥッ
 子宮と、尾てい骨の上にある呪刻も、彼女の『有り様』に応じた紋様へと変化してゆく。
 子宮の紋様は、妖魔の孕み袋-『奴隷妻』の証である子宮に、『邪鳳』の『所有物』となったことを示す、翼が加わった紋様へ-
 そして、後者は、邪水晶の『皇奴』となったことを示す、黒水晶に絡みつく蛇の紋様へ形を変えていった。

 シュウゥゥッ
 紋様が完全に定着したのを見届けた瑠璃は、
「・・・これで、『隷婚の儀』、そして『皇奴の儀』は成った・・・皆の者、新たな『夫妻』と『主従』に祝福をっ!!」
 両手を広げ、列席する『神官』達へそう、宣告する。

 その刹那、
「・・・んっ、あああぁぁっ!!」
「・・・ひっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
 淫らな牝どもの喘ぎ声とともに、
 ビュルルルルルゥゥウッ
 彼女達の『牡器』から、ありったけの精が虚空へと放たれるのだった。

 ビチャッ、ビチャァッ
 強大な魔力を纏った『祝福のシャワー』は、『神殿』のあらゆる場所を穢しながら、摩耶へと降り注ぐ。

 その青臭く粘ついた牡液を全身に浴び、
 ヌロォッ
 顔の上に落ちた滴りに、視界すら濁らせながら摩耶は、
『アタシ、本当に幸せ♡』
 心からの多幸感に包まれ緩みきった微笑を浮かべると、意識を闇に落とすのだった。



「・・・ん・・・」
 摩耶は顔を埋める暖かな感触に、ゆっくりと瞼を開く。
 すると、肉色の豊かな丘が上下に、己の頬を撫でている景色が目に入ってきた。

 摩耶は、
「んっ・・・」
 ヌプッ
 頬と同じ、『人』の温もりを感じるペニスを『夫』から引き抜きながら、心地の良い熱源-邪鳳の胸から顔を離す。

「・・・すぅっ・・・すうっ・・・」
 摩耶の傍らには、穏やかな寝顔を向ける邪鳳が居る。
 そして彼女の後ろに広がる『夫妻の部屋』には、重ねてきた時間を物語るかの様に、互いの服や私物が仲良く、並べられていた。
 『婚儀』を済ませ、晴れて『夫妻』となった摩耶と邪鳳には、『家族用』としてこの大きな部屋が新たに宛がわれたのだ。

 摩耶は微笑みながら、
「・・・すぅっ・・・すうっ・・・」
 どこかあどけない寝顔から寝息を吐き続ける『夫』の頬に触れた後、大きく膨らんだ腹に手を伸ばす。腹に触れた掌からは、
 ドクンッ
 瑞々しい生命の息吹と、その中に息づく淫魔の波動が確かに、伝わってくる。
 『初夜』の『契り』により邪鳳は、摩耶の子を身篭っていた。
 彼女は『夫』となると同時に、『母』ともなっていたのである。

 ドロォッ
 昨夜二人で愛し合った証が、邪鳳の股座から零れだした。
 これだけ『授精』しておけば夜に再び愛し合うまで、我が子は『空腹』に悩むことはないだろう。

「うふふ・・・」
 摩耶は、我が子-『麻里』の感触を十分に楽しむと今度は、
 ツンッ
 人差し指で、愛する『夫』の頬に触れた。
 淫魔故か、年齢よりも遥かに若々しい、少女の如き弾力と感触が楽しい。
 悪戯っ子の様に、暫しその感触を楽しんだ後、摩耶は、
「・・・ねぇ、貴女・・・邪鳳、起きて」 
 『夫』の名を呼んだ。

 ベッドの中では未だ、『朱美』と呼ぶことはあるが、『夫妻』となった今、『夫』の『真の名』である、『邪鳳』と呼ぶことに努めている。

「・・・ん〜、お早う、摩耶姉ぇ」
 だが尤も夫は、そんな妻の献身を知ってか知らずか、摩耶の呼び名は相変わらずなのではあるが。

 寝ぼけ眼の『夫』に、
「・・・ちゅっ・・・おはよ♡・・・貴女♡」
 『新妻』は、挨拶代わりのキスを頬にする。

 すると、それを見計らったかの様に、
 コンコン
 ドアをノックする音が、愛の巣に響いた。

「・・・いいわよ、アカリ」
 摩耶がそれにそう返答すると、
 カチャッ
「・・・お早うございます、邪鳳様、摩耶様」
 ドアを開いたアカリが戸口で、『メイドの挨拶』をする。  
「・・・おはよ〜、アカリ」
 そんな彼女に邪鳳は、手をヒラヒラとさせながら、忠実なメイドを招き入れた。

「・・・もう、気を抜きすぎよ、邪鳳・・・アカリ、今日もお願いね」
 摩耶はだらしのない『夫』を嗜めながら、『夫妻』専属メイドに『用』を申し付ける。

 アカリは頷き、
 コトンッ
 摩耶の前にバケツを置きながら、
「・・・畏まりました、摩耶様・・・くすっ、それにしてもお二人は本当に、仲がよろしゅう御座いますね」
 そう微笑み、『便器』の体勢を取った。

 そんなアカリの態度に、摩耶の悪戯心が沸く。
 生意気なメイドには、『お仕置き』が必要だろう。
「・・・」
 ヌプッ
「・・・あっ」
 摩耶はいつも通り、肉棒をアカリの中へ差し込むと、
 シャアァァッ
 放尿を始めた。

 だが、いつもとは異なり、
 グッ・・・グブブッ 
 アカリの尻を掴み、親指を彼女のアヌスに突き入れると、
 グリゴリゴリッ
 乱暴に中を抉り出す。
「あっ、ひゃぁっ、ひぃぃっ!?」
 それにアカリは堪らず、膝と腰をガクガクと震わせた。

 しかし、
「・・・駄目よ、アカリ、床を汚しては・・・ちゃんと『役目』を果たしなさい」
 摩耶は冷徹にそう命じ、
 ゴリュゴリュゴリュッ
 その言葉とは裏腹に、更なる肛虐を加えてゆく。

「・・・ひゃひぃっ!?・・・摩耶、しゃまぁっ!!」
 『忠臣』のアカリは、『主君』の理不尽な命にもどうにか応えようとするが、
 ゴボッゴリッグリィッ
 苛烈さを増す一方の責めに、
「いっ、ひゃひぃっ!?・・・もうひっ・・・わへぇっ・・・ありましぇんふぅっ!・・・摩耶しゃまぁあぁぁっ!!」
 そう謝罪の言葉を絶叫すると、
 ガクガクガクッ
 一際大きく膝を震わせ、
 ガランッ
 バケツを倒しながら崩れ落ちた。

 ヌルンッ
 『用』を果たすことを拒否した『便器』は、摩耶の肉棒を吐き出しながら、
 ガクンッ
 床の上に崩れ落ち、
 プシャァァッ
 潮を吹きながらへたり込む。

 ジョボボッ
 未だ止まぬ摩耶の放尿を、顔に浴びながらアカリはそれでも、
「・・・もうひわけ、ありましぇん・・・摩耶しゃまぁぁ・・・」
 『主君』への謝罪を続けるのだった。



 キュッ
「・・・んっ」
 穴巫女の下穿きを、一気に引き上げた摩耶は、
 シュッ・・・キュゥッ
 その上からペニス・バンドと股宛てが一体となった『下着』を身につけ、
 ビクンッ、ビクンッ
 未だ治まらぬ怒張を、
 パチンッ
 そこへ纏める。 

「・・・摩耶様・・・」
 その背後からアカリが、 
 ファサッ
 上着を、着掛けて呉れた。

 摩耶は更に、
 コオォッ
 呪力が込められた漆黒の袴をはくと、
 フッ
 手櫛で髪をすき、軽く頭を振って、その美しい髪を虚空に放つ。

 そして邪鳳に向き直ると、
「・・・行ってくるわ、貴女・・・ちゅっ」
 ベッドに腰掛ける『夫』にキスをした。

 邪鳳は出産が近いため、騎士団の任務は大幅に免除されている。
 隊長の任は邪龍が代行しており、邪鳳自身は週に数回程度、隊への命令や訓示などを行うばかりとなっていた。
 尤も、厳かに訓示を垂れる、というよりも、
「隊長っ!!・・・赤ちゃんはどうですか?」
 直ぐにそんな黄色い声に包まれいつの間にか、『妊婦』の報告会兼『赤ちゃん』の『お披露目会』となってしまうのだが-
 まあそれも、邪鳳の『人徳』によるものなのだろう。

「・・・んっ、行ってらっしゃい」
「・・・行ってらっしゃいませ」
 摩耶は、『夫』と『臣下』の声に送られながら、愛の巣を後にした。



 カツッ、カツッ
 摩耶は淫魔の館の前の石畳を、靴音を響かせ、進んでゆく。
 そこへ、
「・・・あ、隊長!!」
 聞きなれた声が駆けてきた。

「・・・お早う、恵・・・でも、隊長は貴女でしょう?」
「いや〜、やっぱりアタシの中で『隊長』は『摩耶様』だから・・・」
「・・・もう、仕方ないわね」

 摩耶の『在り方』が変わった後も、騎士団分隊長の任は解かれてはいない。
 しかしそれはあくまで、名誉職的なものであり事実、摩耶の後任には恵が任じられていた。
 だが摩耶を敬愛する『元』分隊員達は彼女を今でも、『隊長』と慕っているのである。
「・・・はぁっ、はぁっ・・・待ってよ、恵・・・隊長、お早う御座います」
 息を切らせながら絢音もやってくるが、彼女も矢張り、呼び方は旧来のままであった。

「・・・お早う、絢音・・・二人とも、朝から訓練?」
 摩耶は苦笑を飲み込むと、剣を手にした彼女達の姿にそう、問いを投げる。


「ああ、新人が来たんで特訓中なんだ!・・・だから・・・」
 それに恵は、そう笑顔で応えるが、
「・・・ちょっと、恵っ!!」
 腕を引く絢音に言葉を遮られ漸く、
「・・・あ」
 自分の発言の拙さに気がつくのだった。

「・・・二人とも・・・いいのよ」
 摩耶は今度は苦笑を隠さずにそう言って、ヒラヒラと掌を向ける。

 麻里の戦死、摩耶の離脱によって欠員が生じた隊の穴埋めに、先の戦で捕らえた巫女の中から適性のある者を選び、邪鳳が淫魔に化生させたうえで、洗脳・調教を施している最中なのだ。
 恵は未熟ながらも『隊長』としてその任を果たしている-チクリと痛む心よりもその『事実』のほうが、今の摩耶には嬉しい。

 ギュッ
「「あ・・・」」
 摩耶は可愛い『元部下』の二人を抱き寄せると、
「・・・二人とも、頑張ってね・・・私はいつでも応援してるから」
 そう励ましの言葉を返した。

「・・・」
 小さな淫魔達は感極まり、頬を紅潮させるがそんな中でも恵は、
「うん、頑張る・・・頑張る、からさ・・・隊長・・・」
 そう言うと、モジモジと内股を摺りあわせる。

 見れば、
 ジワァッ
 股の間が大きく湿りそこからは、
 モワァッ
 発情した牝の臭いが立ち込めてきた。

「・・・うふふっ、解ったわ・・・頑張ったら、ご褒美をあげるわよ」
 余りにも正直過ぎる恵の反応に摩耶は、思わず笑みを零しながら、そう激励する。
 そして、
「・・・」
 恵よりも内気で、俯きながら、
 ピュクッ、ピュクッ
 肉棒の先端から期待の徴を零す絢音にも、
「・・・絢音も、頑張ったらご褒美をあげるからね」
 そう言って励ましの言葉を掛けるのだった。



 カツンッ、カツンッ
 地の底へ向かう様な暗い階段に、摩耶のヒールの音が響く。
 ヒュウッ
 地下から地上へ抜ける空気は、以前より饐えた悪臭を纏ってはいないが別の臭い-牝の発情した臭いを強く含んでいた。

 摩耶はそれに邪悪な笑みを浮かべながら、階段を降りてゆくのだった。



 カッ
 階段の最下段に着くと、摩耶の眼前にはガランとした牢が広がる。
 『住人』の殆どを無くしたこの空間はあろうことか、『牢番』すら失っていた。
 それは、『虜囚』でありながら、逃亡の意思を持たぬ、矛盾した存在が繋がれているからである。

「・・・」
 カツッ、カツッ
 摩耶はその『存在』が居る、牢の奥へ歩を進めてゆく。
 そして奥に進む度、
 ツゥンッ
 『牝』の臭いはきつくなっていった-

 カツンッ
 摩耶は目的の牢の前へやってくると、その中を覗き込む。

 『5匹』の『牝』が『捕らわれている』牢の中では、
 グチュッ、グチュッ
「・・・ハァッ、ハァッ」
 一匹が『尻尾』を興奮しながら出し入れし、
 ピチャッ、ピチャッ
「「・・・んっ、ハァッ」」
 二匹が互いの性器を舐め合い、
 ジョボボォッ 
「・・・おっ・・・ほおぉぉっ♡」
 牢の片隅では一匹が放尿の快感に酔い知れ、
 クチュッ、クチュッ
「・・・んっ、ふひゅぅっ」 
 残りの一匹はあろうことか、牢の檻に秘所を擦り付け、自慰に夢中となっていた。

 その自慰をしていた『牝』は、摩耶の姿を認めると、
「・・・ハァッ、ハァッ」
 まるで犬がそうするかの様に四肢で、牢の入り口近くへ駆け寄ってくる。
「・・・」
 キィッ
 そして摩耶が鍵の掛かっていない牢の戸を潜ると、
「・・・ハァッ、ハァッ」
 上と下の口から涎を垂らしながら、
 クパァッ
 これもまた犬の様に、股を開き、所謂『チンチン』の姿勢で『主』を迎えた。

 他の『牝』も、『リーダー』-静流に従い同じく、『チンチン』の姿勢で『服従』の意を示す。

 ここに居る『牝』-先の戦で捕らえられた『巫女』達は、集団の中では上位の巫女であった筈だ。
 しかし今では、摩耶の調教により従順な『家畜』と化している。

 静流も当初は反抗的であったが、3人目の巫女の手足を斬り落とした辺りで漸く従順となりそれからは、坂を転げ落ちる様に堕落していった。

 『牝』の有り様が板についたところで、ある程度調教した『元』仲間の『躾』を任せてみたが、その『家畜』ぶりは斯くのとおりである。

「・・・ハァッ、ハァッ」
 上位者に媚び、浅ましくも涎を垂らし続ける静流の姿を、
「・・・」
 摩耶は冷たい目で眺める。

 静流の首には「1」とタグのついた黒革の首輪が填められ、
 キュゥッ
 穴巫女の下穿きがどうにか、だらしのない秘所を絞り上げ形を整えていた。
 そして、
 グジュッ、グジュッ
 その下穿きの上から寄生するかの様に、『尻尾』が伸びている-

 摩耶がその『尻尾』に視線を滑らせると、
「・・・ハァッ、ハァッ」
 静流は体勢を180度入れ替え、尻を突き出し、物欲しげに『尻尾』を振るのだ。
 他の『牝』も矢張り、静流を同じ体勢を取り、摩耶の眼前には5つの『尻尾』が並ぶ。

「・・・」
 摩耶が静流の『尻尾』に手を伸ばそうとするとそれだけで、
「・・・んっ、はぁぁっ♡」
 これから起きるであろう『事態』を予想してか、まるで絶頂したかの如く、
 ボタッ、ボタッ
 桃の様に絞り上げられた秘所から果汁が滴り落ちる。

 その余りの浅ましさに摩耶は、
「・・・ちっ」
 舌打ちすると、
 グジョッ、グジョッ
 乱暴に『尻尾』を掻き回した。

 だがそれでもこの浅ましい『家畜』は、
「・・・あっ、はぁっ、いひぃんっ♡」
 ただ悦びの鳴き声を挙げるだけである。

「・・・ちっ」
 摩耶は再び舌打ちすると、掻き回すの止め、
 ズッ・・・ズルウゥッ
 上魔か摩耶達でしか引き抜けぬ『尻尾』を、一気に抜き去った。

 ビクンッ、ビクンッ
 摩耶の手の中で不気味に脈打つそれは、『神器』に、下級妖魔を遺伝子操作した肉の『触手』を寄生させたものである。
 この『触手』は、宿主のアナルを責めながら『神力』を吸い取り『瘴気』に変換して、『神器』を穢す能力を有しているのだ。
 そしてその能力は、宿主が穢れ淫らである程、効果を発揮するのである。
 かつてはそれなりの銘を持つ神刀であったのだろうが今では、『所有者』の堕落度合いを映すかの如く、醜い妖刀へと成り果てている。
 
 摩耶は、その妖刀を回し見しながら、
 ズブブッ・・・グリッ、グリッ
「おほぉっ!?」
 ヒールの踵を、静流のアナルに突き刺し、腸壁を抉る様に掻き回した。

 静流はそれを、
「・・・おっ、ほおぉっ♡」
 アヘ顔を晒しながら、
 ビチャッ、ビチャッ
 歓喜の徴を股座から漏らし続ける。
 その光景を他の『牝』は物欲しげに見つめていた-



「・・・お前達、これを上から着なさい」
 ドザッ
 摩耶は『牝』達の前に、大きな麻袋を投げる。
 これまでとは異なる命令に、『牝』達は困惑の表情を浮かべ互いを見合わせるが、『リーダー』の静流が麻袋に近づくと、他の『牝』もその周りへと集まった。

 そして、静流が袋を開けた刹那、
「「「「「・・・っ!!」」」」
 皆の表情は驚愕の色に染まる。

 だが摩耶がそんな彼女達へ、
「・・・何をしているの?・・・早くなさい」
 そう冷徹に促すと、静流達は慌てた様に、与えられた『装束』を纏っていった。 
 ある意味『着慣れた』それを彼女達が身につけるのに、然程の時間はかからない-


 
「・・・揃ったわね」 
 摩耶は、与えた『装束』を纏い居並んだ『牝』達を、値踏みでもするかの如く睥睨した。

 彼女達が纏うのは、摩耶と同じ装束-『黒巫女』の装束である。
 ただ股あてを纏い、『尻尾』を生やさぬ摩耶と異なり、
 ムチィッ
 絞り出された秘所は、丈の短すぎる袴で隠しきれず、
 ファサッ
 『尻尾』ではだけた尻は、余すことなく晒されていた。

 そして、はだけさせた衣の間からは、
 ポタッ、ポタッ
 淫蟲によって改造され、だらしなく膨らんだ爆乳が、牝の雫を垂らしている。

「くくっ・・・」
 本来の『巫女』であることを表すよりも、『肉奴隷の巫女』と堕した彼女達の本質を現すその姿に摩耶は、邪で、満足そうな笑みを浮かべた。 

 そして、
「・・・お前達にはこれから、ただの『家畜』から『黒巫女』になってもらうわ・・・神を穢し、仲間だった『巫女』を穢す存在に・・・どう、素敵でしょう?」
 そう宣告すると、新たな『黒巫女』どもの顔を見回した。

「『仲間』を・・・『巫女』を穢す・・・」
 うわ言の様に、静流はをそう呟くと、うっとりと頬を染める。
 他の『牝』も、同じ様に、頬を染めてゆく。

 そんな彼女達の様子に摩耶は確信を得ると、
 ファサッ
 やおら己の袴の前を捲り、
 パチンッ
 ペニス・バンドを外す。

「「「「「・・・あはぁっ」」」」」
 眼前に最高の『欲望の徴』を突き出された『牝』どもはそれだけで色めきだった。
 味覚を改造され、摩耶の精を最高の甘露と感じる彼女達にとってそれは何よりも、魅惑的な『餌』である。

 それを十二分に理解したうえで摩耶は、
「・・・ふふっ、お前達、私に忠誠を誓いなさい・・・そして邪界の、邪水晶様の奴隷である『黒巫女』となるの・・・」
 と命じると、更に、
「・・・忠誠を誓う者は、私のペニスにキスをなさい・・・ふふっ、しゃぶってもいいわよ」
 そう言って『牝』どもに悪魔の誘惑をかけるのだった。

「・・・っ」
 色めきだつ『牝』どもの中で、
「・・・摩耶様っ、誓います・・・貴女様に忠誠を誓いますっ!!」
 真っ先に陥落し、摩耶のペニスに齧り付くかの如く迫ってきたのは矢張り、静流であった。
 かつては、ペニスをしゃぶることにあれほどの嫌悪感を示していた娘が今や、これほどまでに堕落した姿に摩耶は、思わず笑いを浮かべそうになる。

 しかしどうにかそれを押し殺すと摩耶は、今にもペニスにむしゃぶりつきそうな静流を手で制すると、
「・・・静流・・・お前は、妖魔を殺した重罪人よ?・・・人よりも、『誠意』を見せる必要がなくて?」
 腕組みをし、静流を冷たい目線で見下ろした。

 牢の床に、額を擦り付けるかの如く平伏した静流は、
「・・・『誠意』・・・で御座いますか?」
 摩耶の真意を量るべく、伺うような視線で、『上位者』を見上げる。

 摩耶は、尚も不安げな視線で自分を見上げる静流に、
「そう、『誠意』よ・・・」
 カランッ
 瓶を一つ投げてみせた。 

 そして、
「お前には、妖魔に贖罪するチャンスを与えてやるわ・・・その瓶の中の蟲はね、人間の胸に寄生して、触手妖魔の卵を産み付けるの・・・それを自分に寄生させることができたら、忠誠を誓わせてあげる」

「・・・これを・・・」
 静流は瓶を手に取り、その中に漂う『蟲』の姿をまじまじと見つめた。
 ブジュルッ、ブピュルッ
 透明な培養液の中へ時折白濁を撒き散らすそれは、静流達が胸を改造された時に寄生させられた『線蟲』よりも遥かに太く、『芋蟲』に近い。
 
 その『芋蟲』はまるで捕食者を見つけたかの様に、
 ヌッ、ヌメリュルゥッ
 一端にある口から繊毛様の黄色い触手を、瓶の側面へ擦り付けてきた。

「・・・っ!!」
 静流はそのおぞましさに思わず、瓶を取り落としそうになる。
 こんなものを胸の中に受け入れて、無事な筈などない。
 しかし、
 ゴクリッ
 瓶越しに見える摩耶のペニスの『存在感』に思わず、生唾を飲み込んでしまう。
 そして、ビュクビュクと先走り汁を噴き、硬く勃起する肉の逞しさに静流の視線は釘付けとなっていた。

 あの天を突くまでに勃起したペニスへむしゃぶりつき、喉奥でカウパー液の苦味を堪能しながら、カリ裏の濃い牡の味を満喫し、唇で肉棒の逞しい感触を愉しむ-それを想像しただけで、蟲への恐怖など、どうとでも良くなってしまう。
 調教が始まったころは、アナルを犯して『いただいた』が、アナルで刀を『鍛える』ようになってからは、摩耶のチンポを『しゃぶらせていただく』ことが、静流に与えられる最高の悦びなのだ。

「・・・んっ・・・くっ・・・はぁっ」
 静流は返答する代わりに、下と上の口から涎が垂らすことで意思を表すと、瓶を床に置き、その前へ跪きながら、
 キュポッ
 おぞましい淫蟲がのたうつ瓶の蓋を開ける。
 ムワァッ
 蓋を開けた瞬間、腐臭にも近い悪臭が、静流の鼻を刺した。

 ビチビチビチイィッ
 その悪臭の主は、漸く『獲物』に与れることを歓ぶかの如く、瓶から飛び出んばかりに跳ね回る。

 恐る恐る手を伸ばそうとした静流に、摩耶は、
「ふふっ・・・それを、両方の乳首へ一遍に入れるのよ・・・できるでしょう?」
 そう言って、哀れな『捕食者』を追い詰めた。

 静流は意を決して、
 ビチュッ
 蛞蝓の様にぬめる一匹を右手に握ると、
 ギュゥッ
 掌から逃げ出さぬよう、強く握り締めた。

 すると、
 ブジュゥッ・・・ビチビチビチインィッ
 淫蟲は、より強烈な悪臭を放つ汁を吐き、静流の掌の中で暴れまわる。

「うっ・・・」
 それに静流は一瞬怯むが、
「・・・うふふ・・・」
 摩耶の督促する視線に、
 チャプンッ
 左手を瓶の中へ突っ込み、先ほどと同様に、淫蟲を握り締めた。

 ブジュッ、ビジュルゥッ
 『目的地』の眼前にまでやってきた『狩猟者』は、一刻も早く『獲物』を得ようと、その穢らわしい触手を静流の乳首に向けて、激しく蠢動させる。

 こんなおぞましい生物を己の中へ入れてしまったら、どうなってしまうのだろう-静流は、再び不安に駆られるがそれ以上に、
 ビクンッ、ビクンッ
 欲望の象徴を眼前にして、
 ゾクゾクゥッ
 『恐怖』を受け容れることで得るであろう暗き悦楽を想像し、
 グッ
 一気に淫蟲を二つの頂へと誘うのだった。

 ビジュッ、ビビュゥッ・・・ズブッ、ズブブブゥッ
 淫蟲はこれまで焦らされた鬱憤を晴らすかの様に、繊毛触手を静流の乳房の中へ伸ばしてゆく。
「・・・いっ、ぎぃぃっ!?」
 乳牛改造により、小型妖魔であればニプル・ファックも可能なほど、緩い乳頭と雖も、
 ジュブッ、ジュブズブウゥッ
 その体からは想像できぬほどの触手を吐き、 
 更には、
 グプッ・・・ゴブグププゥウッ
 醜き肉の体を潜りこませるには到底、十分な大きさである筈もない。

「ひっ、ぎいぃぃっ!?・・・わたひのちくびいぃっ!・・・ごわれじゃうぅっ!!」
 ボゴッ、ボゴッ
 肉の凶器が静流の中へ潜り込む度、乳首は歪に変形し、
 ブグッ、ブグンッ
 乳房も水風船の如く、膨らんでゆく。

「・・・いっ・・・ぎひぃぃぃっ!!」
 脳の限界を超えた責め苦に静流は、
 ペタンッ・・・プシャアァァッ
 床にへたりこむと、はしたなくも、失禁してしまった。

 ジョボボォッ
「ひぁぁあぁっ・・・」
 失禁しながらも、
 ビクンッ、ビクンッ
 魔悦に浸る静流の姿に摩耶は、
「・・・くくっ、あははっ!、無様ねぇ、静流ぅ・・・でも、いいわ・・・お前の『誠意』は認めてあげる・・・いいわよ、しゃぶっても」
 哄笑を向けながら、己の肉塔を静流に突き出した。

「あはぁっ♡・・・摩耶しゃまのちんぽぉ♡」
 自らの肉体を改造されながらも静流の意識は、目の前の『欲望の徴』のみに傾けられる。

 故に、
「・・・はぁむっ・・・んぐっ・・・むちゅぅっ♡」
 ボゴッ、ボゴンッ
 自らの胸が波を打ちながら変形し、
 ブグッ、ブグンッ
 不自然な膨張を始めても、フェラチオをやめることはない。

「・・・うふふ、始まったわね・・・」
 摩耶のその言葉のとおり、淫蟲が、静流の胸を触手妖魔の苗床に改造し始めたのだ。
 ブクンッ、ブクンッ
 乳房の皮膚は、蚯蚓がのたくるかの如く不規則に膨れ、
 ブリュッ、ブリュッ
 卵を産み付けられた胸は爆乳の『牝』どもよりも二回りは大きい。
 
 己の肉体が、おぞましき触手妖魔の子袋へと成り果てつつあるのにも拘らず、
「んぐっ・・・ちんぽ、ちんぽぉ♡・・・んふぅ♡」
 摩耶のペニスを堪能する静流は、至福の表情でそれをしゃぶり続けていた。

 そんな彼女に摩耶が、
「・・・うふふっ、静流・・・パイズリなさい」
 そう命じると、
「はぁい、摩耶しゃまぁ♡・・・んっ、ふぅっ♡」
 ヌッ、ヌリュンッ
 静流はどこまでも従順に、摩耶の肉塔を、
 ボゴッ、ボゴッ
 のたうつ相丘に挟み、
 ヌッ、ヌリュンッ
 乳肉での奉仕を始める。

 ヌリュッ、ボゴンッ、ヌリュッ、ボゴンッ
「・・・うふふっ♡」
 胸をおぞましい淫蟲に変質させられながら、己の肉棒に奉仕する静流の姿に摩耶は、満悦の表情を浮かべていた。

『・・・麻里・・・』
「・・・摩耶しゃまのチンポぉ、おいひぃ♡・・・んぶっ、ぶひぃっ♡」
 『仇』を一匹、こんな『豚巫女』にしたところで麻里はきっと喜びはしないだろう。

 だが、
「いっひゃぁ、静流しゃまずるぅいっ!!・・・早くわたしと変わってぇっ!!」 
「あたしも摩耶しゃまのせーし、びゅっ、びゅっ、って飲ませてぇっ!!」
 それぞれに淫猥な言葉を叫びながら飲精を強請り、
 グチュッ、グチュッ
 『尻尾』で『自慰』をする『牝』どもは皆、良い『黒巫女』となる筈だ。

 この『牝』どもの様に、全ての巫女を捕らえ、肉奴隷や『黒巫女』に堕とすことこそ、麻里への『贖罪』-そのために、尖兵たる『有能』な『黒巫女』を畜養する必要がある。

「・・・んっ、ぐっ、ひいぃぃっ!?」
 ビギッ、ビギィッッ
 毛細血管まで詳らかにわかるほど、極限まで肥大した静流の胸の頂から、
 ビュッ、ビュルゥウッ
 まるで射精でもするかの様に、濃く粘液質な『母乳』が吹き上げた。

 先程まで激しく歪んでいた胸は、
 モジュッ、モジュッ
 最後に残った細胞を、中から喰われるかの如く蠢動し、乳首の近くでは、
 ヌリュッ、ヌリュンッ
 皮膚の下に蚯蚓の様なシルエットが数多現れる。
 『子袋』としての改造は終わり、彼女は『母』として、新たな『生』を得るのだ。

「・・・ふふっ、もう『産まれる』のね・・・『出産祝い』に濃いのをたっぷりあげるわ・・・うふふっ、嬉しいでしょう?・・・お前も一杯産みなさい」
 摩耶はそう、邪悪な笑みを浮かべると、
 ヌジュッ、ヌジュゥッ
 腰を激しく振り、
 ムギュゥッ、ムギュルゥッ
 両手で左右から、静流の胸を激しく揉みしだく。

 肉体の内と外から得られる快楽に静流は、
「いひゅぅっ!?・・・はひぃっ、産みましゅぅっ、しずりゅぅっ、いっぱいうみましゅぅぅっ!!」
 涎と鼻水を垂らしながらそう絶叫すると、
「おっ、おっっほっおおおっっ!!」
 と雄叫びを上げ、
 ビュルッ、ビュルゥゥッ
 ビュニュルゥッ、ビチュゥゥッ
 摩耶の射精と同時に、乳首から、数多の触手妖魔を出産した。

「うま゛れでるぅうぅっ!・・・わたじのむねから赤ちゃんうまれてりゅうぅぅっ♡」
 グチィィッ
 乳頭を極限まで広げられ、
 キシャァァアッ
 異形の存在を己の肉体から産み落としているのに、
「あっ、はっ・・・きぼちいぃいっ!!・・・ちくびマンコ、きぼちいいぃぃっ!!」
 当の『母』は、
 ブシャァァッ
 小便を漏らしながら、その魔悦に浸るのみである。
 最早彼女にとって、悦楽こそが全てなのだ。
 それが己の尊厳を損なうことであっても-

 ビュクッ、ビュクッ
 摩耶は分身を挟んだ胸の谷間に射精しながら、
 ギュッビュルッ、ビニュルゥッ
 両手で搾乳するかの様に静流を『出産』させる。

 ビチャッ、ビチャッ
「おほぉっ・・・んふぅっ、じゅるるぅっ♡」
 静流は『我が子』を牢の床にひり落としながら、己の谷間に溜まった摩耶の精に顔をつけ、下品に啜り上げた。
「んほぉっ♡」
 その白濁に塗れた顔は正に、『白痴』そのものである。

 ヌチッ、ヌチィッ
 摩耶は、そんな静流の頬に肉棒を擦り付けながら、
「・・・うふふっ、静流・・・聞くまでもないけど、お返事は?」
 痴れた牝へ、隷従の言を命じた。

「・・・んびぃ・・・はひぃっ、摩耶しゃまぁっ!!・・・わたくひ、新沼しずりゅはぁっ・・・摩耶しゃまに、えいえんのちゅーせひをちかいましゅぅぅっ!!」
 静流は、鼻から摩耶の精を噴出し、興奮で呂律の回らぬ口ぶりながらも明確に、魂を売り渡す契約の言葉を吐く。

 その刹那、
 ポゥッ
 静流の下腹部が淡く光る。

 そして、
 ジュウゥゥッ
 焼き鏝を当てたかの様に肉奴隷の刻印が、大きく変化し始めた。
 それはやがて、漆黒の羽を持つ、ハート型とも卵巣を象ったものとも言える紋様へと定着する。
 それは、
「・・・うふふ、これでお前は永遠に私の奴隷よ・・・」
 『人』の身でありながら、邪界に自らの『肉奴隷』を持つ、『淫魔』の誕生をも意味するのだった。

「おほっ、ほっ♡」
 出産に飲精、そして魂まで隷属させた悦びに浸る静流の顔に、
 ビチャッ、ビチャッ
 摩耶は精を浴びせながら、
「・・・うふふっ♡」
 これまでにない、邪悪な笑みを浮かべる。

 ゾクゾクッ 
 無様な姿と浅ましさを隠そうともしない『黒巫女』-憎き巫女を、魂まで完全に堕落させたこれ以上ない証を前に摩耶は、例えようもない快楽を感じていた。

 巫女どもの残党を屈服させ、全てを邪界の肉奴隷にする-その果てしも無い野望に摩耶は、
 ヌルゥッ
 溢れんばかりに股を濡らす。

 『神凪家』『家族』『仲間』-摩耶が愛し、望むものは全てここ、邪界にある。
 その掛替えのない世界を守り、繁栄させる-摩耶の『望み』は今や、邪水晶や邪鳳達淫魔と何等変わることはない。

「・・・うふふっ、お前達・・・これからも邪界の奴隷として励むのよ」
 『人』の形をした『淫魔』がそう宣告すると、新たな肉奴隷達は、喜悦に満ちた表情で頷くのであった。

Bad End After_黒巫女(8) おわり

Bad End After_黒巫女(7)へ> <Novelsトップへ

 

inserted by FC2 system