四神戦隊メイデン・フォース

第14話 胎動

 とあるビルの地下。

 黒、白、青−
 それぞれに彩られたコスチュームを纏う女達が、車座に並び目を閉じている。
 彼女達の前には、白い魔法陣が描かれていた。
 それは彼女達の愛液、そして精液からなる、穢れたもの。

 黒装束の女が顔を上げ、すっと目を開く。
 すると、他の2人も合わせるように顔を上げた。
 程なく、
「・・・・・・・・・」
 彼女達の口から呪いの言葉が旋律となって流れ始める。
 それと同時に、魔法陣に燐光が灯り、邪悪な気配が漏れ出した。

「・・・・・・・・・・」
 やがて、魔法陣の中心が盛り上がるように、邪悪な2つの影が姿を現し始める。
 本来、邪悪な存在を討つべき彼女達の口許には眼前の存在と同じく、邪な笑みが浮かんでいた。 



「・・・報告は、以上です」
 明日香がそう言葉を結び、資料から顔を上げると、その場に居合わせた男達の視線が彼女へと向く。
 黒とグレーに彩られた視界の中には、脂ぎり、機嫌の悪そうな顔が幾つも浮かんでいた。

 明日香の正面に座った黒の男が、
「・・・九重君、『業績』が上向いているのは良いが、この予算はどうにかならんかね」
 そう口火を切ると、それに触発され、 
「そうそう、費用対効果っていうのものを考えてもらわないと、ウチも困るんだよ」
 矢継ぎ早に、不快な発言が続く。

 『自分達の金でもないくせに−』
 大手企業の重役や高級官僚である彼等に、そう言い放ってしまいたい欲望に駆られるが、それをぐっと胃の腑の底へ飲み込むと、
「・・・申し訳ありません。費用対効果につきましては今後、社内でも十分議論のうえ対処してゆきたいと考えております」
 明日香はそう言って、頭を下げた。
 『スポンサー』である彼等に反論する術は、明日香にない。
 『委員会』、と自称する彼等は、金銭面だけではなく人材の供給元としても重要なのだ。
 それに、『御前』と呼ばれる『委員長』が欠席の今、彼等を抑える存在は居ない。
「・・・・・」
 彼等の言葉以上にねっとりと、絡み付く様な視線が一点に注がれているのを感じ、それを避けるように僅かに身じろぐと、
 ユサリ
 本人の意図とは裏腹に、『巨乳』と呼ぶべきその豊かな双丘が、ゴム鞠の如く揺れる。
 服を押し上げ過度に自己主張するそれは、彼女の生来の姿ではない。
 それはかつて、妖魔に肉体を改造された『後遺症』なのだが、それを彼等が知る筈もなく、この様な視線を浴びる度明日香は、その視線の不快感に加え、苦渋 の記憶を呼び起こされるという責め苦を味わうのだ。

 だが、その明日香の気持ちを逆撫でするように、窓際に座ったグレーの男が、
「だがね、九重君・・・」
 好奇と言うよりも明確に、好色の視線を明日香に浴びせながら身を乗り出し、わざとらしく『議事』を蒸し返した。
 それに呼応して再び、言葉と視線の銃弾が明日香に降り注ぐ。 

 或る意味、陵辱のようなこの時間を、貼り付くような愛想笑いを浮かべながら明日香は、ただ耐えるしかなかった。



 バタンッ
 車のドアが閉まるなり明日香は、
「はぁっ・・・」
 一つ大きな溜息をついて、シートに背を預けた。

 既に決着がついた話を蒸し返され続けること、小一時間。
 それに明日香も鸚鵡返しに答えるという、全く生産性のない会議は、時間切れで終了した。
 これは毎度の事で、或る意味『慣れている』とは言え決して、その疲労感まで『慣れて』いるわけではない。

「社長、お疲れ様でした」
 社長秘書の三島佳代はそう言うと、穏やかな微笑みを浮かべながら、
 コポコポコポ
 携帯ポットからジャスミン茶をカップに注ぎ入れ、明日香へと手渡す。

 心地良い南国の花の香りが漂うそれを、
「有り難う」
 微笑み返しながら受け取ると明日香は、掌で包み込み、その温かさを楽しんだ。
 じんわりとした温かさが、掌越しに染み込んでくる。
 彼女のさりげない心遣いが今の明日香にはただ、嬉しかった。

「・・・美味しかったわ」
 明日香はそう言って、空になったカップを佳代に返そうと手を伸ばす。
 その刹那、
 ドンッ
 段差を通過した拍子に、車が揺れた。
「・・・あ」
 それでバランスを崩した明日香は、
 ポスッ
 倒れ込み、佳代の肩口に触れる。

 その刹那、
 ピリッ
 静電気が走った様な、肌を刺す感覚が明日香の背に走った。
 それと同時に佳代は、
「んふぅんっ!?」
 艶っぽい声を上げ、身を捩る。

 明日香は、
「ごめんなさい、三島さん・・・痛かった?」
 佳代の肩を抱き起こしながら、そう陳謝しつつも、掌から先程感じた『波動』を探った。
『・・・何も、感じない・・・』
 だが、それは今、微塵も感じることはできない。
 あの感覚は確かに−
 明日香がそう疑問に思う中、佳代は、
「い、いいえ、社長・・・大丈夫、です・・・」
 そう言いながら身を起こした。
 しかし、その佳代の顔には、
 「・・・三島さん、顔が赤いわよ。大丈夫?」
 紅がさし、微かに汗の粒が浮かんでいる。

 明日香は佳代の熱を測ろうと手を伸ばすが、それを避けるように、
「・・・ええ、本当に、大丈夫です・・ご心配をおかけして、申し訳ありません」
 佳代はそう言いながら、スーツの襟元を合わせ、居住まいを正した。

 行き場所を無くした手を膝に下ろすと明日香は、
「・・・そう?・・・三島さん、無理はしないでね」
 心配気に、佳代の瞳を見つめる。

 佳代はそれに、
「はい、社長」
 と微笑んで見せたが、その時、
 チュク
 彼女から小さな水音が僅かに響いたことに、明日香が気付くことはなかった。



 明日香は、目を通していた書類から顔を上げると、
「・・・ん〜っ、ぅっ!」
 そう息を吐きながら背伸びした。
 社長室の壁掛け時計に目を遣ると、時刻は10時過ぎ。
 そのまま正面に目を遣ると、暗闇に宝石を散りばめた様な景色が目に飛び込んできた。
 メイデン・フォース本部の北東角にあるこの部屋からは、ベイエリアの街灯りが良く見える。

 明日香はそこから視線を滑らせるように、秘書室へ続く扉に目を遣った。
 恐らく頑固で律儀な彼女は、まだそこに居るはずだ。
 隣室の主−佳代には早引けを勧めたのだが、
『社長が帰るまで私も帰りません』
 と、にべもなく拒絶されてしまったのだった。
 軍人気質、という訳ではないのだろうが佳代は、一度言い出したことを曲げることはない。
 それは仕事の面で頼もしい事も多いのだが、こういった場合は困るところでもある。

 仕事も一段落したところだし、そろそろ帰宅しても良いだろう。
 そう考えた明日香は、頑固者を誘うべく、社長室の扉を開けた。
「・・・三島さん?」
 明日香はそう言いながら、秘書室の中を見渡す。
 だが、そこに佳代の姿はなく、
 ブゥゥン
 ノートパソコンの駆動音だけが低い唸り声を上げて響いているだけだ。
 事務机の上に置かれたカップからは湯気とともに、ジャスミンの香りが僅かに漂っている。

 静寂のみの空間、そう思われたが耳を澄ますと、秘書室の外から扉越しに、
「・・・ん・・・ふぅ・・・」
 どこか苦悶の色を含む、くぐもった声が聞こえた。
 それに、体調を崩して廊下で倒れている佳代の姿を想像し明日香は、
「三島さんっ」
 そう叫ぶと、一も二もなく廊下へ飛び出す。

「んっ・・・くぅんっ・・・」
「!!」
 果たして佳代は、廊下に蹲り、苦しげに呻き声を漏らしていた。
「三島さん!」
 明日香はそう叫ぶと、佳代の元へ駆け寄り、上半身を抱き上げる。
 佳代は玉のような汗を浮かべながらも、
「・・・大丈夫、です・・・社長・・・」
 そう答えて明日香に微笑み返した。
 だが、脂汗を浮かべる彼女から、それを額面通り受け取ることができないのは明らかだ。

 明日香は、
「いいから三島さん・・・今、医務室に運ぶわね」
 そう言うと、携帯を取り出し、医務室にコールすべく、
 ピッ、ピッ
 ボタンを押す。
 それに佳代は、
「済みません・・・んっ・・・んぅうっ!?」
 謝罪の言葉に次いで甲高い声を吐くと、 
 ビクンッ、ビクンッ
 弓なりに体を仰け反らせ、激しく痙攣した。

 そのただならぬ様子に明日香は、
『心臓発作!?』
 重篤なものを想像し、
「どうしたの、三島さんっ!?」
 そう叫んで佳代を抱き締めるが、
 佳代は、
「・・・ダメッ、出てっ、きちゃぅっ!」
 予想外の言葉を吐くと、明日香の手を振り払うように、股間に両手を当てた。
 その掌の中は粘液質な水音とともに、
 ヌチュ・・・ズルッ・・・ズルルッ!
 塔がせり上がるかの如く、膨らんでゆく。
 そしてその膨張が止まると佳代は、
「きゃはっ!・・・うふぅん・・・」
 嬌声を上げ、明日香の腕の中でぐったりと意識を失った。

 明日香は、
「・・・三島、さん?」
 そう恐る恐る、腕の中の佳代に声を掛けるが、返答は、ない。
 明日香は、膨らみ僅かに濡れる、スカートの中心に目を遣った。
「これは・・・」
 退魔師としての経験と勘が、明日香に五月蠅いほどの警鐘を鳴らす。
 明日香は、
「・・・ごめん、三島さん」
 そう短く謝罪と決意の言葉を吐くと、
 ファサッ
 佳代のスカートをめくった。

 果たしてそこには、
 ドクッ、ドクッ
 佳代らしいスポーツ用下着を、極限まで引き延ばした、肉の侵略者の姿があった。
 佳代の秘所から顔を覗かせるそれは、肉の蛞蝓の様な下等な妖魔で、根本から細かい触手を伸ばしそれを、佳代の腰元に巻き付かせている。
 そしてそれは、
 ドクッ、ドクッ
 脈動しながら男根のように、
 ビュクッ
 先端から青臭い汁を吐き出し続けていた。

 その光景に、『過去の記憶』がフラッシュバックし明日香は、無意識のうちにその『肉棒』を凝視する。
 ガシッ
「!?」
 その動きの止まった明日香の右腕を、何者かが掴んだ。

 普段の彼女からは想像だにできない妖艶な笑みを浮かべながら佳代は、
「・・・社長ぉ・・・どうですかぁ、私のチンポ・・・うふふぅ、ほら凄いでしょう?」
 そう言うと、明日香の手をその滾る肉棒へと誘った。
 
 ヌルッ
 竿は先走りに塗れ、触れた場所からは、灼けるような熱が伝わって来る。
 その感触と、部下の変貌に呆然とする明日香を尻目に佳代は、
「んふぅ・・・社長の手、冷たくて気持ち良い・・・」
 そう熱に浮かされたように呟くと、そのまま、
 クチュッ・・・コシュッ、コシュッ
 明日香の手で『自慰』を始めた。
 だが、明日香は鎖にでも束縛されたかの如く、動くことができない。
 それは、眼前の事態に愕然とした、それだけではなく、過去の記憶−『調教』の記憶が彼女を縛り付けたからだ。

 既に臨界点にあった佳代の賜物は、
「・・・はぁっ・・・もうイク・・・私・・・社長にイカされちゃうっ!」
 ビュクッ、ビュクッ!
 直ぐに暴発した。

 ドプッ、ドプッ
 粘り気のある白い汚液は、明日香の掌に収まりきらず、手首を汚し、床へポタポタと落ちてゆく。
 生温い迸りを、その温度と臭気で漸く知覚できた明日香は、
「!!」
 穢れた肉の塊を振り払う。
 その刹那、通路の奥から、
 キィィッ
 獣のような咆哮を上げ、佳代に取り付いたものと同じ下級妖魔の群れが向かってきた。

「どうして妖魔がここにっ・・・」
 厳重な結界が施されたメイデン・フォース本部に妖魔が侵入することなど、有り得ないはずだ。
 だが厳然とした事実が今、明日香の眼前にある。

 明日香は、一瞬、佳代の顔と妖魔の群れを見比べた。
「あははぁ・・・」
 妖魔を前にしても尚、呆けた様に、射精の余韻に浸る佳代。
 ここに、彼女を置き去りにすることはできない−
 そう断じた明日香は、
「・・・ごめんなさい、三島さんっ!・・・破ぁっ!」
 そう叫ぶと、素早く懐に左手を差し入れ、破邪の札を手にするとそれを、佳代に寄生した妖魔に当てた。

 佳代に巣くう妖魔は、
 ジュウゥゥ
 音を立て、消滅してゆく。
 だがそれは、
「ぎゃぁぁあっ!」
 感覚の一部を共有していた佳代を苛むものでもある。
 シュゥッ・・・カクンッ
 妖魔の消滅とともに、佳代は再び気を失った。

 その佳代を明日香は、
 ファサッ
 小脇に抱えると迷わず、
 ダッ
 開け放たれたドアから、秘書室へと転がり込む。
 そしてそのまま、社長室へと駆け込んだ。
 これだけ大規模な妖魔の侵入であれば、警備が気付かぬ筈がない。
 兎にも角にも時間を稼がなければ−
 そう明日香は判断したのだった。
 
 ピッ
 明日香は部屋の入り口にある電磁ロックのボタンを押した。
 それと共に、
 プシュッ
 金属製のドアがスライドして現れ、秘書室との間に立ち塞がる。
 これで、少しの時間は稼げる筈−
 そう確信した明日香は、脇に抱えたままだった佳代を、そっと応接用のソファーに横たえた。

「ふうっ・・・」
 明日香は一つ息を吐き出して、己の気持ちを落ち着ける。
 肺の中から悪い空気を抜くと替わって、冷静さが脳に満ちてきた。
 まずは状況を把握し指示を出すためにも、外部と連絡を取らねば−
 そう考えた明日香は、社長席の受話器に手を掛けた。
 だが−

 プシュッ

 開かぬはずの電磁ロックが、乾いた音とともに開く。
「どうして−」
 それに明日香がそう言葉を漏らすのと同時に、
 キィィッ
 妖魔の群れが雨霰となって、明日香へ殺到した。

 考えている暇はない−瞬間的にそう頭を切り替えた明日香は、
「・・・破ぁっ!」
 懐に忍ばせた破邪の札を数枚、妖魔の群れへ投擲した。
 その先では、
 ボォッ・・・ギイャアァッ!
 炎を上げ、妖魔が次々と無へ帰してゆく。

 妖魔に敗れ、巫女としての資格を失った明日香ではあるが、『敵』(かたき)を倒すため、『退魔師』としての鍛錬は怠ってこなかった。
 その成果が今、『メイデン・フォース本部』という、想像だにしない場所で結実している。

「まったく次から次へと・・・キリがないわっ・・・」 
 妖魔は続々と、秘書室から社長室へと押し寄せてくる。
 まだ、明日香本人に余裕はあるが、
 『どれだけ持つかしら・・・』
 破邪札は確実に減少を続けていた。
 巫女でないその身では、高度な神具は十分に扱うことはできない。
 今、彼女の闘う拠り所は、この破邪札と懐に忍ばせた小刀しかないのだ。
 己の限界よりも先に、物理的な限界が訪れる−
 その不安に苛まれ始めた矢先−

 ビリッッ
 明日香は、肌を針で刺す様な邪気を感じた。
 『この邪気は・・・中魔・・・以上!?』
 この妖魔の群れの主がやって来る−
 悪化する状況に対し、蟷螂の斧程しか役立たないではあろう小刀を右手に握ると、下魔に対処しつつも、入り口に注意を向ける。
 
 果たしてそこから姿を現したのは、
「・・・グフフ、お久しぶりですねぇ、明日香さん」
「お前はっ!・・・」
 醜い肉の塊に触手を生やす、明日香の『敵』、そのものであった。

 明日香の処女を奪い、下僕寸前まで彼女を調教した憎き『敵』−
 この妖魔をいつの日か倒すため、明日香は人知れず鍛錬を積んできた。
 それが今眼前に居る−
 明日香の目は、『復讐』という名の興奮剤によって燦然と輝く。
 
 明日香は、
「・・・ふふっ、この日を待っていたわ・・・あの時の屈辱・・・ここで晴らせてもらうっ!」
 そう叫ぶと、奥の手として残していた、火力の苛烈な破邪札に手を掛け、
 ダッ
 妖魔に突進しようとした。
  
 だが、妖魔が、
「おやおや・・・怖いですねぇ・・・グフフッ!」
 そう言って、
 ビュルルッ・・・ビシュゥッ
 触手の先から粘液を吐くやいなや、
 ガクッ
 電池でも切れたかの如く、明日香から力が抜ける。

 ドンッ
 体勢を崩し、床に腹這いになった明日香はそれでも、憎しみの視線を妖魔に向けながら、
「うっ、くぅっ・・・力が・・・貴様・・・何をしたっ」
 そう呻き、
 バンッ
 僅かでも前進しようと、小刀を握った右手を床に叩き付けた。

 それに妖魔は、
「グフフッ、気の強い所は相変わらずですねぇ、素晴らしい・・・グフフッ、『子袋』の貴女に傷をつけてはいけませんから、ちょっと細工をさせてもらったん ですよ・・・そうですね、佳代」
 そう言ってベッドに横たわる佳代に声を掛けた。
    
 佳代は、
 ビクンッ
 一瞬、『く』の字型に体を痙攣させると、
「・・・はひぃ・・・ご主人様ぁ・・・」
 そう言って、立ち上がる。
 ファサ
 その拍子にスカートが捲れ、
 クチュリ
 再び下半身に寄生した『肉棒』が露わになった。

 佳代はどこか陶酔したような表情を浮かべながら、
「社長の、ジャスミンティーに、『毒』を入れさせてもらいましたぁ・・・んふ、社長ったら、美味しそうに飲んでくれましたよねぇ」
 本来仕えるべき主人を陥れた、とそう独白した。

 明日香は佳代が、敵の手に墜ちていたことを感じ取れなかった事に、
「三島さんっ・・・」
 そう、歯噛みする。
 思えば、車中で佳代に触れた時感じた違和感を、もっと追究しておくべきだったのだ。
 だが、今となってはそれも後の祭り。

 その明日香の悔恨を更に踏みにじるが如く、佳代は、
 ニュッ・・・シュッ、シュッ
 明日香に見せつけるように濡れた『肉棒』を扱き出す。
 そして、
「社長ぉ、見てください・・・私ぃ、もうこのチンポなしでは生きられないんですぅ・・・んっ、ふぅっ!?」
 そう嬌声を上げると、
 ビュルッ、ビュルッ!
 先程よりも盛大に、射精した。
 その飛び散った『精液』は、
 ビチャッ、ビチャッ
 生臭い臭気を上げながら、明日香の顔と黒髪を穢してゆく。

 妖魔は、舌をだらしなく垂らし射精の余韻に耽る佳代を触手で抱き寄せると、
「・・・グフフッ、そういうことですよ・・・この娘には『適性』があったので、私の『子』の『宿主』になって頂きました・・・グフッ、今では私の忠実な 僕・・・そうですね、佳代?」
 そう言って、佳代の『尿道』に、
 ズッ・・・ズブブッ
 細い触手を潜り込ませる。
 
 佳代は涎を垂らしながら、
「あひぃっ!?・・・はひっ、ご主人様ぁ・・・佳代は、ご主人様の奴隷・・・忠実なチンポ奴隷ですふぅっ!」
 主の陵虐に歓喜の叫びを上げる。
 その刹那、乱れた彼女の着衣の合間、下腹部に、毒々しい紫色の紋章が刻まれているのが、明日香には見て取れた。
 佳代の言葉どおり彼女は、妖魔の性の奴隷であることは明らかだった。

 それに怒りを覚えた明日香は、
「・・・三島さん・・・くうぅっ・・・貴様ぁっ!」
 渾身の気力を絞って、
 ズルッ
 両の手を使い、じりじりと妖魔に向かって進み始める。

 だが、妖魔が、
「グフフ、本当に大した精神力ですねぇ・・・ですが、時間切れです」
 そう言うと、
 ビクンッ
「!!」
 明日香の肉体に変調が訪れた。

「・・・ひゃっ、あっ・・・はあんっ!」
 ビクビクビクッ
 電気ショックを受け続けるかの如く、絶え間ない快感が、明日香の体中を駆けめぐる。
 それは、快楽以外の感覚を極度に鈍らせた。
 カランッ
 最早妖魔と対峙することさえ叶わず、明日香は小刀を取り落としてしまう。
 
 その小刀を妖魔は、
 グチュリ
 触手で絡め取ると、
「・・・グフフ、微かに神気を感じますが、我等妖魔が触れぬ程ではない・・・グフッ、そうでした・・・貴女はもう、巫女ではないのですよねぇ」
 明日香の古傷へ塩を塗り込む様に、そう嘲りの言葉を浴びせた。

 明日香はその妖魔の言葉に、
「それはお前がっ・・・んっ、はうぅんっ!?」 
 憤怒の炎を燃やしかけるがそれは、衣擦れから来る快楽に水を掛けられてしまう。

 妖魔は悦楽に咽ぶ明日香を楽し気に見下ろしながら、
「グフフ、今の貴女は巫女ではなく売女と呼ぶに相応しいですねぇ・・・グフッ、貴女もそう思いませんか?」
 背後に現れた影にそう、語りかける。

「んふふ、そうねぇ・・・お久しぶりぃ、明日香さん・・・」
 そう言いながら、妖魔の背後から現れたのは、黒曜石のような光沢を放つ水妖。
 彫像のようなその顔に、明日香は覚えがある。
「『お久しぶり』って・・・もしかして貴女は・・・瑠華、瑠華なのっ!?」
 それは、退魔師稼業時代に助手であった、新城瑠華(しんじょうるか)の顔、そのものであった。

 『瑠華』と呼ばれた水妖は、
「あははっ、覚えててくれたんですねぇ。嬉しいですぅ、明日香さん♪」
 嬉しそうに、ジェル状の肉体を震わせる。
 だがその再会を喜ぶ言葉とは裏腹に、彼女からは邪悪な気配が瘴気となって立ち上っていた。

 明日香は、
「・・・瑠華、貴女、その姿・・・」
 かつての部下の変容に、言葉を途切れさせながらそう尋ねる。
 妖魔との戦いの際負傷し、妖魔と共に姿を消したとは言え、人としての理を全て棄ててしまったその姿に、明日香は驚愕した。

 だが、『瑠華』は、
「んふふ、瑠璃様の札で私ぃ、灼かれちゃったでしょお?・・・一時的に妖魔の肉を受肉して凌いでいたんだけどぉ、邪水晶様に改造してもらって水妖になった の・・・んふふぅ、素敵でしょぉ?」
 そう言いながら嬉しそうに、その黒い『肢体』をくねらせる。
 そして『瑠華』は、
「それにねぇ、今じゃ出世して、上魔に準じた地位も頂いてるのぉ・・・だからぁ、今コイツは私の手下なのよぉ・・・んふふ、凄いでしょぉ♪」 
 そう言うと、妖魔の首もとへじゃれつくようにその体を巻き付かせた。

 妖魔は、
「・・・グフフッ、左様で御座います『流禍』『様』・・・」
 そう下卑た笑いを『流禍』に向けると、上位者へ媚びる様に、醜いその体を震わせる。

  その光景に明日香は、
「何て事なの・・・」
 酷く打ちのめされていた。
 己の過去の傷だけではなく、悔恨の記憶まで掘り起こされ、更に抉られるような感覚に、明日香の復讐の念は僅かに削がれてしまう。

 それを流禍は待っていたかの如く、今度は佳代に巻き付き、
「んふふぅ、それにしても明日香さぁん、またぁ部下を守れなかったですねぇ・・・んふ、可哀想ねぇ、佳代」
 そう囁きながら、明日香に追い打ちを掛ける。

 胸を流禍にまさぐられながら佳代は、
「んっ・・・はい、流禍様ぁ・・・でもぉ、社長が無能な、お陰・・・でっ・・・はぁんっ!・・・私は、こんな素敵な体に・・・なることができましたぁ」
 悦楽に塗れた、だらしない笑みを明日香に向けた。

 新旧の『部下』による呵責なき口撃に明日香は、
「ううっ・・・」
 涙を浮かべ、か細い嗚咽を漏らすだけだとなる。
 その姿は最早、誇り高きメイデン・フォース司令のものではなく、打ちのめされた一介の退魔師に過ぎなかった。
 
 それを佳代の肩越しに見つめていた流禍は、
『うふふ・・・明日香さんったら、完全に参っちゃったみたいねぇ。ホント、可愛い♪・・・んふ、あとはぁ・・・』 
 そう、ほくそ笑んだ。
 佳代から離れ、明日香の元までやってきた流禍は、
 ニュルッ・・・ギュッ
 実体化し、明日香に後ろから抱きつくと、
「うふふぅ、本当に可愛そうな明日香さん・・・守るべき人も守れず、ただ泣くだけなんてぇ・・・でもぉ、大丈夫ですよぉ?・・・直ぐに嬉し泣きに変わりま すから♪」
 そう言って、明日香に微笑みかけた。

 それに呼応するかの如く、妖魔は、
「グフフッ・・・」
 ズルルッ
 肉の森の中から極太の触手を伸ばし、明日香に見せつける。
 根元が球形に膨らみ、先端からはボタボタと青臭い汁を零す触手。
 それはかつて明日香を犯し、妖魔の苗床へと貶めた、忌むべきものであった。

 その凶器の出現に、明日香の意識は、
「ひいぃぃっ!?」
 失意から恐怖へ塗り替えられる。

 明日香は、
「い、嫌ぁ・・・それだけは・・・それだけは、やめてぇっ!」
 恐怖に顔を引きつらせつつそう哀願するが、妖魔は、
「グフフ、何を言っているのですか?・・・グフッ、ここをこんなに濡らしているというのに・・・」
 そう言って、
 クチュッ、クチュッ
 明日香の潤んだ秘裂を細い触手で軽く数度、愛撫した。

 明日香はそれだけで、
「ひゃぅうんっ!?・・・んっ、ふぅんっ・・・」
 軽い絶頂に達し、妖魔の雄蕊を迎えるかの如く、淫猥な蜜を垂らす。

 明日香の抱く恐怖−
 明日香はその恐怖の根源を、多分に承知している。
 それは、己の『肉欲』だ−

 明日香はこの妖魔から解放された後も、肉欲と戦い続けてきた。
 妖魔によって改造された淫らな肉体は、快楽を欲し、疼きが止まることはなかったのだ。
 オナニー、SEX、果ては薬物−
 そのいずれでも、軽い絶頂を迎えることはできたものの、深い悦楽−妖魔が彼女に与えたような快楽は得ることができなかった。
 妖魔による種付けと出産−それだけが彼女を絶頂に導く手段−それが明日香に突きつけられた結論−

 その証拠を示すが如く、
 グチュリ
 明日香の意志とは裏腹に彼女の肉体は、渇望していた『手段』に垂涎を零す。
 それを自覚している彼女にとって、妖魔に犯される−それは陵虐の対象となること以上の意味を持つのだ。

 その明日香の心中を見透かした様に妖魔は、
「グフフ、余り焦らしても可哀想ですかねぇ、流禍様」
 そう、明日香の背後に立つ流禍に、下卑た笑いを向ける。

 流禍は明日香の肩にその彫像の様な顔を載せ、
「んふふぅ、そうねぇ・・・でもぉ、明日香さんはぁ、マゾッ気があるからなぁ・・・んふっ、そうだぁ!」
 悪戯の相手を見つけたように微笑んだ。

 それに明日香が、
「何を・・・」
 呻くように顔を上げると、
「・・・うぅっ、ふぅんっ・・・」
 触手によって、後手に縛り上げられた佳代がゆっくりと、歩み寄って来るのが見えた。
 その下半身の中心には、破裂しそうな程腫れた肉棒が、屹立している。

 流禍は紐の様な触手を佳代の肉棒に伸ばすと、
 ニュルッ
「はぅんっ!?」
 肉棒全体を扱き上げるように、愛撫した。
 だが、別の触手が
 ギュウゥゥ
 肉棒の根元にきつく巻き付き、決して射精を許すことはない。
 
 流禍は、
「んふふぅ、可哀想ね、こんなビンビンにして・・・そうねぇ、どお?『コレ』でイッてみる?」
 己が佳代の射精を抑制していることを棚に上げ、佳代に邪な笑みを向けると、そう、囁くのだった。
 既に限界以上に性悦を抑制されている佳代は、
「はっ、はひぃっ・・・イキたいっ、イキたいでふぅっ・・・」
 涙と鼻水を垂らしながら、壊れた人形の様に、そう、何度も頷く。

 その様子に流禍は、
「あははぁっ、そんなにイキたいのぉ?・・・じゃあ仕方ないよねぇ、明日香さん?・・・んふっ、じゃぁ、こっちの穴で慰めて貰いなさぁい♪」
 そう言うと、
 グニュッ
 明日香を押し潰すように変形し、尻を突き出すような体勢にさせる。
 そして、佳代を明日香の背後に回り込ませ、筒先の狙いを、
 ビクッ、ビクッ
 痙攣を繰り返す、不浄の穴に誘導した。

 明日香は、
「・・・止めて、三島さん・・・お願いだから止めて・・・」
 ズルッ
 流禍にのし掛かられ、まともに動かぬ体をどうにか蛞蝓の様に這いずらし、僅かにも、陵虐の時から逃れようとする。

 『瑠華』に続き、部下によって2度犯される−
 その屈辱に加え、2人とも救えなかった、という呵責の念が、明日香から正常な判断力を奪っていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
 みじめに床を這い蹲りつつ、己にかそれともかつての『部下』にかわからぬ言葉を吐きながら明日香は、涙を流す。

 だが、その悔恨の対象であるはずの流禍は、
「あははっ、おっかしぃ〜・・・明日香さぁん、とってもみじめで、可愛いですよぉ♪・・・だからぁ、いっぱぁい、可愛がってあげますからね・・・この娘で ♪」
 そう楽しそうに笑うと、
 グイッ
 触手を伸ばし、明日香の尻を一層、突き出す姿勢にさせる。
 そして、明日香から本体を退かせ、佳代の背後へ回ると、
「さあ、貴女の欲望を思い切り吐き出してあげなさぁい」
 そう言うと、佳代への拘束を解いた。
 
 佳代は拘束が解かれたことで、
 ドサッ
 倒れ込むように明日香へのし掛かる。
 そして、妖魔によって散々焦らされ、理性を削られた彼女は、
「んっ、はあっ・・・チンポ、チンポォッ!」
 そう獣じみた咆哮を上げ、
 ズッ、ズブブッ
 明日香のアヌスへ躊躇無く挿入した。

「・・・あっ、はぁあっ!」
 明日香は佳代の分身を肛内一杯に頬張りながら悦楽に身を震わせる。
 その一方佳代は、
「ん゛ん゛ん゛っ・・・あ゛あ゛あ゛っっっ!」
 股間から込み上げる快楽に自我を失い、馬乗りになって明日香に欲望を叩き付けた。
 パンッ、パンッ、パンッ
 佳代の陵虐は止まることを知らず、明日香の奥へ奥へ、抉り出す様に進む。
 
『ああっ・・・気持ち、良い・・・もっと・・・ダ、ダメ、よ・・・ダ、メ・・・』
 明日香は蟷螂の斧程も役立たぬ抵抗で、快楽に立ち向かおうとする。
 だが圧倒的な悦楽は、明日香の奥底に潜む渇望をも抉り出し始めていた。
 肉を灼く悦楽は、相対する理性をも灼き尽くそうと、勢いを増す。

 眉を顰め唇を噛み、どうにか快楽へ抗おうとする明日香の姿に流禍が、
「んふふぅっ、明日香さん、必死に堪えちゃってぇ・・・じゃあこれはどうかなぁ?」
 そう言って妖魔に目配せすると、『繁殖用』の触手より一回り細い触手が、
 ズブブッ!
 明日香の秘所に潜り込んだ。
「はあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
 僅かに、肛虐の奔流に耐えていた理性の堤防は、敢えなく決壊する。

 グチュッ、グチュッ、グチュッ
 触手は、明日香の膣壁を解す様に抽送を繰り返しては時折、
 コッ、コッ
 ノックするかの如く、子宮口を叩いた。

「ひゃぁあへぇっ!?」
 明日香はそれだけで、軽い絶頂に達してしまった。
 その止めどなく押し寄せる波は文字通り、波濤の如く、欠片となった明日香の理性を、攫ってゆく。
「あへぇっ!・・・ぎもぢ゛い゛い゛っ!・・・しぎゅう、もっとゴリゴリしてへぇっ!」
 明日香は半ば白目を剥き、涎と鼻水を撒き散らしながら、妖魔にそう懇願するのだった。

 ビクンッ、ビクンッ
 明日香の肢体は、愉悦で小刻みに痙攣し続ける。
 それは、どこか、得心の『笑い』にも見えた。
 求めようとしていた快楽が手の届く場所に−
 だがそれも直ぐに、フラストレーションへと変わる。
「どぼじで・・・なかにはいっでごないのぉ?」

 ここまでは、『どうにか得ることのできるレベル』の快楽でしかない。
 だが、明日香が求めている快楽はもっと上のレベル−
 それは、触手に子宮を犯され、孕まされることなのだ。

 グイッ、グイッ
 いつの間にか拘束を解かれた明日香は、佳代に尻を犯されながらも、触手が子宮を抉るよう腰を突き出した。
 だが、触手は、それを嘲笑うかの如く、すんでの所で引き抜かれ続けるのだった。

「・・・グフフッ、そう焦らないでください・・・貴女には、身も心も『子袋』になって頂かないといけませんからねぇ・・・グフッ、まずは『身』の下拵えか らいきましょうか・・・グフフッ!」
 妖魔はそう言うと、
 ビュルルッ!・・・ヌブッ、ズヌルルッ
「ごえぇっ!?・・・ぐぼっぉぉっ!」
 快楽に喘ぐ、半開きの明日香の口からチューブ様の触手を喉奥から食道へ、一気に突き入れた。
 そして、
 ドプッ、ドプッ、ドプッ
 生暖かい粘液を、明日香の胃の腑へと注ぎ込み始める。

 それは、
「ぐごぇっ、おげぇっ!?」
 強烈な吐き気を伴うものであるが、突き込まれた触手が栓となって、明日香は僅かにも吐き出すことはできない。
 胃と隔膜を痙攣させながら明日香は、悶え苦しむのみだ。

 その明日香の苦境を可笑しそうに眺めながら妖魔は、
「おやおや、『二度目』だから大丈夫かと思ったんですがねぇ・・・グフフッ、でも大丈夫ですよ。・・・一度改造済みの貴女にこれは、即効性がありますか ら・・・ホラ、この通り」
 そう言うと、
 シュルッ・・・ギュゥゥッ!
 触手で明日香の胸を絞り上げた。

 すると、
 ビュッ、ビュルルルゥッ!
「ぶぐぅぅっ!?」
 粘り気のある白い液体が明日香の乳首から、練乳のチューブを握り潰すが如く、猛烈な勢いで飛び散った。
 それは収まる気配もない程に、
 ビチャッ、ビチャッ
 甘い臭気を放つ、白濁の湖を床に形成してゆく。

 妖魔はそれに、
「グフフッ、流石に変化が早い・・・それにしても、随分はしたない体になってしまいましたねぇ・・・貴女は、妖魔の餌を吐きだし続けているんです よ?・・・グフフ、尤も、快楽でそんなことも考えられませんか・・・グフフッ!」
 そう、嘲りの言葉を浴びせた。

 妖魔の嘲りの言葉どおり、『母乳』を吐き出す度、明日香は、
「はべっ・・・ぶぼへっ!」
 ビクビクと肢体を痙攣させながら、乳首が裏返る様な悦楽に感覚の全てを、苦痛からに快楽に反転させていった。
 今の彼女にとって妖魔の陵虐の全ては、快楽へのスイッチとなりつつある。
 そして肉体の変容は、
「はっ・・・はぶっ・・・あばぶっ・・・」
 明日香の精神へも蟲毒の様に浸透し、影響を与えつつあった。

 それを後押しする様に妖魔は、
 ギュッ・・・ギュウゥッ
 明日香の胸を搾乳しながら、
「・・・グフフッ、気持ち良いでしょう?・・・貴女の肉体はもう既に、『人』と呼べるものではありませんねぇ・・・グフフッ・・・どうですか、私に改造さ れ子袋になれば、こ れ以上の快楽が得られるのですよ?」
 そう囁きかける。

 それに明日香は、僅かに残っていた理性を絞り棄てるかの如く、
 ビュッ、ビチャッ、ビチャッ、ビチャッ
 母乳を撒き散らしながら、
『あへぇっ、乳首ビュルビュルするの、気持ち良い・・・でも、これ以上に気持ち良いこと、してくれるって・・・・』
 淫猥な期待で、心の隙間を埋め始めた。

 それを見透かした様に流禍は、佳代を脇に退かせ、明日香の背にもたれかかると、
「うふふぅ、明日香さぁん、どおですぅ?・・・ちゃんとぉ、言葉でお願いしてくれれば、もっとエッチな体にしてあげますよぉ」
 そう、淫欲に溺れつつある明日香の背を押す。
 更に止めを刺すべく流禍は、肉体の一部を変形させ、触手様にすると、
 ズブブッ
 明日香の乳頭から一気にそれを突き入れた。
 そして乳房そのものを掻き回すが如く、
 グニッ、グニィィッ
 触手を激しく蠢動させる。

 乳首だけでななく、乳房全体を性感帯に改造されている明日香にとってそれは、
「うぶぶっ、ぼぇぇっ!?」
 拷問にも近い快楽を与えるものであった。
  
『あひゃひゃっ!・・・むねぇえ゛゛゛っ!』
 その限界を超えた快楽は明日香の思考を灼き切り、
『むねぇっ、触手気持ち良いっ!・・・あははぁっ、もっとぉ、気持ち良いのもっとぉ!・・・子宮で、もっと感じたいよぉ・・・』
 彼女を悦楽へ従順にさせる。

 その明日香の反応の変化を眺めながら妖魔は、
「グフフ・・・」
 ゴプッ、ゴプンッ
 肉体的変化を促す最後の薬液の塊を、彼女を送り込んだ。

 ボタッ
「・・・グフフッ、もう良いでしょう・・・」 
 毒液の最後の一滴が食道へ落ちたことを感じ取った妖魔は、
 ズルズルズルッ・・・ヌルンッ
 明日香の口内から、触手を勢い良く引き抜く。
 そしてそれと同時に、
 シュルルッ
 明日香を拘束していた触手を全て解き放った。

 漸く陵虐から解放された明日香は、
「・・・ごぶぇっ・・・ぷはぁっ!・・・ごえぇぇっ」
 涙を浮かべ、込み上げた胃液を吐く。
 
 流禍は、体を震わせ、吐き続ける明日香に絡み付くと、
「んふふぅ・・・それでぇ、明日香さぁん、答えはどうなのぉ?」
 そう言って、
 クニッ
 明日香の乳首を軽く摘み上げた。

 明日香は、
「ひゃぶんっ・・・おえっ・・・ふぅんっ・・・ああんっ」
 吐く音に、嬌声を織り交ぜ始めるとやがて、
「・・・・・」
 小さな声で何かを囁いた。

 流禍は、それを聞き取ることはできず、
「なぁに、聞こえないけど?」
 そう、聞き返しす。
 だがその顔には、明日香が吐く答など解っている−そう自信に満ちた笑みが浮かんでいる。 

 果たして明日香は一拍置くと、細い声だが確かに、
「・・・孕まして・・・妖魔の子を・・・孕まして、ください・・・」
 そう言って、流禍に縋るような視線を送る。
 それは、明日香が流禍に屈服した瞬間だった。

『あははぁっ、遂に、遂に明日香さんを屈服させたわぁ!』
 流禍は、かつての上司であり、憧れの存在でもあった明日香を隷属させた悦びに心を震えさせつつも、それをおくびにも出さず、
「明日香さん、やっと本音を言ってくれたぁ♪・・・でもぉ、卵が進化してるから、今の明日香さんじゃ孕ませることができないんだよねぇ・・・」
 勿体振った口調でそう言うと、邪な笑みを浮かべる。
 そして、
「・・・だからぁ、明日香さんの体を、とぉぉっても下等な『子袋』に再改造する必要があるのぉ・・・どうするぅ、明日香さぁん?」
 そう言うと、ニィッと笑みを浮かべたまま明日香に、その黒曜石の様な顔を近づけた。
 詰問、という形は取っているが、その顔は矢張り自信に満ちている−

 それを裏打ちするかの如く明日香は、
「はい・・・ご主人様・・・私の体を、卑しい・・・『子袋』に改造して下さいませ・・・」
 既に『瑠華』ではなく『主人』となった存在に隷従の言葉を吐くと、羞恥に頬を染めながら、ゆっくと、しかし確実に、股を開き、秘肉の両端に指を当てる と、
 クパッ
 柔肉を割り広げ、媚びた視線を流禍に向けた。
 だがその羞恥に満ちた表情とは裏腹に、
 ドロォッ
 秘芯の奥からは彼女の本音を示す液体が、止めどなく溢れ出す。

 妖魔は一度、流禍に目配せすると、
「グフフッ、そこまでお願いされては仕方がありませんねぇ・・・グフッ、それではお望み通り改造して差し上げましょう」
 そう言い、
 ニュゥッ
 細いゴム管の様な触手を明日香へと伸ばす。
 それはやがて、
 ピト
 白い潮を零し続ける、桜色の秘貝に触れた。

 既に一度、『改造』の快楽を味わっている明日香の目は、
「あっ・・・」
 悦楽への期待に、燦然と輝く。
 反射的に明日香は、
 クイッ
 腰を突き出して触手を迎え入れようとするが、触手は、
 スッ
 逃げるように離れるだけだ。

 明日香はその仕打ちに、
「ご主人様、どうしてっ!・・・」
 涙を浮かべ、そう訴えかける。
 隷従の言葉を捧げたのにどうして−
 明日香はそう、『奴隷として』の不満を募らせた。

 妖魔はそんな明日香の姿さえ楽し気に見下ろしながら、
「・・・グフフ、そう言えば一つ聞き忘れていましたよ・・・貴女が孕めば、『我が子』をこの組織に撒き散らす事になる・・・」
 そう、言葉を切る。
 そして、
 ビュルッ
「・・・ああっ」
 触手で佳代を明日香の前へ引き出すと、
「・・・要するに、この女の様な『犠牲者』を増やすことになりますが、それでいいんですよねぇ?」
 邪な笑みを浮かべそう、尋ねるのだった。

 引き出された佳代は妖魔に強烈な媚薬を投与され、
 グシュッ、グシュッ
「・・・はぁっ、はぁっ、はあ゛あ゛あ゛っ!」
 猿の如く狂った様に、寄生した妖魔を扱き、激しい自慰を続けている。

 この妖魔は『九重明日香』としての堕落だけではなく、『メイデン・フォース司令』の堕落を望んでいる−
 明日香は妖魔の意図を、そう理解した。

 明日香はそれに、一瞬の逡巡を覚える。
 今は、退魔師としての矜持を棄て、快楽に溺れる牝へと成り果ててはいるが、組織を統率する立場と責任が失われたわけではない。
 彼女がここで今首を振れば、部下を妖魔の下僕として差し出す事に他ならないのだ。
 妖魔はその実例を示し、彼女の忠誠心を試している−

 だがその僅かな逡巡も、妖魔の一言で霧散する。
「・・・おや、そうですか・・・残念ですねぇ・・・流石にメイデン・フォースの司令だけはあります・・・仕方ありません。貴女を改造するのは諦めましょう かねぇ・・・グフフッ!」
 そう言うと妖魔は、
 シュルッ
 明日香に伸ばしていた触手をゆっくり、本体へ戻そうとした。
 
 だがそれが本体へと戻る寸前、明日香は手を伸ばし、
 ギュッ
 静かに、だが力強く掴むと、
「・・・待って・・・お待ち、下さい・・・」
 そう言って、決意に満ちた視線を妖魔に向けた。

 それに妖魔は、
「おや、どうしたと言うのです?」
 明日香が言いたいことなどとうに解っているはずなのに、わざとらしくそう尋ねる。

 明日香は、
「・・・私を・・・改造してくださいませ・・・貴方様の御子で、メイデン・フォースの女共に、性の悦びを教えとう御座います・・・」
 そう言って媚びるような笑みを浮かべると、触手を引き寄せ、己の秘裂にそれを当てる。
 それは、妖魔に対する忠誠を示す儀式のようでもあった。

 妖魔は、明日香の反応に満足気な笑みを浮かべると、
「グフフッ、本当にそれで良いのですね・・・」
 そう言って触手を再び、
 ビクンッ
 活性化させる。
 
 それを秘肉で感じた明日香は安堵し、掴んでいた手を触手から離すと、
「はい・・・メイデン・フォースの全てを、ご主人様と邪界に捧げます」
 淀みなくそう答えた。
 そして、
 クパァッ
 先程よりも大きく、肉襞が詳らかになる程、女の中心を割り広げる。
 そこから覗く柔肉は、
 ビクビクッ
 触手を待ち望むかの如く打ち震え、肉壁からは垂涎の如く、
 ドロォッ
 粘り気の強い淫汁を吐きだし続けていた。
 その明日香の表情と肉体には最早、司令官としての矜持は一欠片も見出すことはできない。

 その様子を嫌らしい嗤いを浮かべながらじっくりと眺めた後、妖魔は、
「グフフッ、決意は本物の様ですねぇ・・・グフッ、良いでしょう・・・我が子袋に堕ちなさい」
 そう宣告すると、前戯もなしに、
 ズブブブブッ!
 触手を明日香の奥底へ突き刺した。

 それだけで明日香は、
「あひゃぁぁっ!」
 これまで得られることのなかった快楽を得る。
 だが、それはまだ宴の序章にしか過ぎない。

 触手は直ぐに子宮を通り抜け、
 ズリュッ・・・ズブリュゥッ!
 卵管へと潜り込む。
「んっ、はぁっ!・・・」
 ビクッ、ビクッ
 それだけで明日香は、軽い絶頂に達してしまった。

『気持ち良いっ、気持ち良いのぉっ!』
 明日香はそう叫んだ積もりだったが、
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
 限度を超えた快楽が、言語中枢を麻痺させ、言葉を結ぶことを許さない。
 ヌルッ・・・ズヌルゥッ
 更に奥へ奥へと進む触手は、明日香の理性を刮ぎ落としながら、やがて、女の最深部へと達した。
 そして、
 ビュシュルゥゥ
 更に細い針様へその身を変化させると、放射状に広がり、
 ビシュゥウゥッ!
 卵巣中へ突き刺さった。

 その激痛に明日香は、
「ひぎぃああぁっ!」
 断末魔の如き叫び声を上げる。
 だがその傷口に塗り込む様に、
 ブビュッ・・・ビュルルッ
 触手の先端からジェル状の液体が、
 ドクッ、ドクッ
 明日香の中へ送りこまれると、その痛みは急速に和らいでゆく。

 だがその代わりに魔の液体は明日香に、
『熱いっ、熱いよほぉっ!・・・私が、私が燃えるぅっ!』
 中から燃えさかるような熱を与えた。
 それは錯覚ではなく、自身の感覚通り、妖魔は彼女を中から『燃やし尽くし』つつある。

 妖魔は、明日香に突き刺した触手越しに、確実な手応えを感じていた。
「・・・グフフッ、流石は元『子袋』だっただけあって、適合性は抜群ですねぇ・・・グフッ、喜んでください、明日香さん・・・もう少しで完璧な『子袋』に なれますよ・・・グフフフッ!」
 妖魔がそう褒詞を送ると明日香は、
「・・・有り難う、御座います・・・」
 そう答えて微笑む。
 彼女も腹膜越しに、
 ブクッ、ブククッ
 肉体の中心が変化しつつことを感じ取っていたのだ。

 それは、彼女が或る意味、『人外』になることを意味するのだが明日香は、
『・・・私が、中から変わってゆく・・・ふふ・・・あははっ・・・これで妖魔を、孕めるのね・・・』
 幸福感すら感じ始めていた。
 そしてその幸福感は、至福へと昇華する。

 ブクッ・・・プクンッ
 明日香の変化が終わったことを触手で感じた妖魔は、
「・・・グフッ、もう良いでしょう」
 そう、独り言の様に言うと、
 ズルッ、ヌルズッ
 卵巣に潜り込んだ触手を、明日香の中から引き抜き始める。
 それは、
「あひゃひぃっ!?」
 妖魔の生殖器官としてだけではなく、『性器』として改造された卵巣から、例えようのない快楽を明日香に叩き込むのだった。

 妖魔は、
「グフフフ・・・」
 ズルズルズルッ
 その反応を楽しみながら、触手を引き抜き続ける。
 そしてそれが、
 ヌプッ
 子宮まで引き抜かれた時−

 ビクビクビクッ
「!!」
 明日香の卵巣に急激な変化が訪れる。
 ブクッ・・・ブククッ
 それは明確な形となって、
 ブリュッ
「あひぃっ!?」
 明日香の子宮にひり出された。

 ブリュッ、ブリュッ、ブリュリュッ
 明日香の穢れた卵巣は、鶉卵大の妖魔の『卵』を、子宮へ次々と排出してゆく。
 それは正に、明日香が心身共、妖魔の穢らわしい『孵卵器』である『子袋』へと堕した瞬間だった。

「あはぁっ・・・わたしぃ、卵産んでるぅ・・・卵、プルプルッって・・・気持ち良いっ・・・あははぁっ!」
 これまで支えていたものを全て棄てた明日香はただ、肉の悦びに酔いしれる。
 彼女はもう、メイデン・フォース司令でも、退魔師でも、一介の女性ですらない。
 そこにはただ、浅ましく性の悦びを貪る、穢れた『牝』が居るだけだった。

 妖魔は、
「・・・グフフッ、完全に堕ちたようですね・・・では、ご待望の『受胎』をして頂きましょうか、グフッ」
 ズルンッ
 そう言うと、『改造用』の触手を一気に引き抜いた。
 そして、
 ブピュッ、ゴプッ
 汚汁を撒き散らす極太触手を極上の馳走の如く、明日香の眼前にちらつかせる。 

 それに明日香は、
「・・・あひゃぁっ、ご主人様の種付けチンポォ・・・早くぅ、明日香の子宮にください♪・・・それで子宮グチャグチャにして、孕ませて欲しいのぉ」
 壊れた笑みを浮かべながら、そう哀願した。

 妖魔は、明日香の十分過ぎる反応に気を良くしながら、
「グフフッ、すっかり可愛くなりましたねぇ・・・それでは行きますよ・・・そらっ!」
 グブズズズズッ!
 肉の楔を明日香へ打ち込んだ。
 それは、
 メリメリメリッ・・・ゴリィッ
 明日香の膣肉を裂くように蹂躙し、一気に目的地へ到達する。

 それは文字通り明日香の肉を微かに僅かに裂いたが、明日香は、
 プシャァァッ
「あひゃひぃぃっ!?」
 桜色に染まった潮を吹き出し、絶頂してしまった。

 今の明日香にとって、妖魔の為すことは全て快楽に変換される−
 それを視覚・触覚の両面から感じ取った妖魔は、
「グフフッ、もうイッてしまったのですか?・・・ですが、これからですよ・・・貴女が真の快楽を味わうのはっ!」
 そう言うと、
 ビュルルルッ!
 明日香の子宮内に潜り込んだ触手の先から、大量に射精し、
 ゴプッ・・・ドプッ、ニュルムルッ
 精液と卵で満たされた子宮を、激しく掻き乱す。

 妖魔の精液と卵のカクテルを『子宮』というシェイカーで掻き乱され明日香は、
「あひゃひゃやっ!・・・きぼじ良すぎてぐるじいっ!・・・死んじゃう、死んじゃうよほぉっ!」
 そう叫ぶと同時に、精神が臨界点を越え、
 ガクッ
 白目を剥き、その身を仰け反らせる。

 だが、『母胎』を得た『子』は、
 ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ
 急速に子宮内で発育し、明日香の腹を、極限まで膨らませ始めた。
「ひぎぃぃっ!?」
 それに、明日香の意識は強制的に引き戻される。

 ボゴンッ、ボゴンッ
 明日香の腹は、表層の血管が引き延ばされる程に、『子』の形へと膨らんでゆく。
 常人が見れば、『死』すら連想させる惨状ではあるが、当の明日香は、
「ほげぎぃぃいいっ!?」
 激痛と快楽の大波に、翻弄されていた。
 今の明日香にとって妖魔の与えるものは全て、快楽に変換される。
 それは、己が孕む『子』も例外ではないのだ。

 明日香が快楽に悶絶する姿を見て流禍は、
「うふふぅ、明日香さぁん、とーっても、みっともなくて素敵ですよぉ・・・うふふぅ、聞こえてないか・・・」
 そう明日香に呼び掛けるが、
「ひぎっ、あひひっ!・・・お腹、裂けそうで気持ち良ひぃっ!・・・もっと、ボコボコしてへぇっ!」
 正気を失った彼女にそれが届くことはない。
 明日香は快楽に翻弄されるまま、身を委ねるだけだ。

 だが、永遠にも続くと感じられた悦楽にも、終わりは、やって来る。
 ボゴンッッ
 明日香の腹が一際大きく脈動し、
「きゃひぃいんっ!?」
 それに耐えきれぬ肢体が、海老反りに折れた。
 プシュッ
 それとともに、触手で抑えきれない、淫液が明日香の秘所から漏れる。

 妖魔はその様子に、
「・・・おや、そろそろですかねぇ・・・グフフッ」
 そう独り言の様に呟くと、
 ズルルッ
 明日香の中から触手を引き抜いた。

 すると、
 ボタッ
 明日香の秘裂から一滴、白濁した汚液が零れ出す。
 しかし、成長した妖魔の『子』が、
 ボコッ
 栓の役割を果たし、明日香の中からそれ以上、溢れ出ることはない。

 だが、明日香が、
「・・・はっ、ひぃっ・・・来るっ・・・来るのほぉっ!」
 そう叫んだ瞬間、
 プピュッ・・・ブビュッ・・・ビュルルルルルッ!
「あひゃひゃぁっあっ!」
 子宮の中に溜めきった妖魔の精液と、『孵化』した『子』が奔流となって、辺りに飛び散った。

 ベチャッ、ベチャッ
 一匹、また一匹と、醜い肉の塊が明日香から生まれ出ては、床へと落ちる。
  ベチャッ
 湿った音を立てて着地した妖魔の『子』は、
 「キィィッ!」
 歓喜とも、産声ともわからぬ奇声をあげた。

 その一方、明日香は、
 ズルッ・・・ヌルンッ
 妖魔が子宮口を通る度、
 ガチガチ
 歯の根が合わぬほどの快楽に打ち震えていた。
 その明日香を流禍は、背後から包み込むように抱き締めると、
「・・・んふふっ、明日香さんたら、蕩けそうな顔しちゃってぇ・・・んふ、すっかり『牝』の顔ねぇ」
 そう言って、
 ギュッ
 明日香の張った乳房を握り潰す。

「・・・あんっ!」
 その明日香の乳房からは、
 ビュルルゥッ
 勢い良く母乳が飛び出し、放物線を描いて床へ落ちていった。

 『母』が零したそれに蛞蝓達は、
「「キキィイイッ!」」
 歓声を上げて群がってゆく。
 ピチャッ、ピチャッ
 自らが吐き出した『母乳』を舐め啜る『我が子』達を明日香は、
「うふふ・・・」
 愛おしげに見つめた。
 その明日香の顔にはもう、苦悩の色は微塵もない−


 パチンッ、パチンッ
 今瑠璃の前では、爆ぜながら、護摩業の炎が揺らめいている。
「・・・」
 だが、今瑠璃の瞳にその炎は映ってはいない。

 明日香に神器の『鏡』を託して数ヶ月−
 神凪本家からメイデン・フォース本部への、霊力の供給路を確保し、邪界への対策は万全を期したはず、だった。
 だがそれ以来も、瑠璃の胸騒ぎは決して、止むことはな かった。

 神凪本家がメイデン・フォースへ直接影響力を行使することは、組織内のパワー・バランスを崩すことを恐れる、他のステークス・ホルダーから、タブー視 されている。
 故に、瑠璃本人が動けば却って、神凪本家と縁のある明日香が、苦境に立たされることは目に見えていた。
 だから瑠璃は、神器の供給という間接的手段でメイデン・フォースを支援をしたのだ。

 だけどこの胸騒ぎは−
 瑠璃はその不吉な感覚を確かめるように、左胸に掌を当て、目を閉じた。
 一時の均衡を崩してでも、メイデン・フォースへ直接介入する必要があるのではないか−
 この治まらぬ胸騒ぎから近頃、瑠璃はそう思うようになっていたのだった。

 パチンッ
 護摩木が、一際大きな音を立て、爆ぜる。
 瑠璃はそれに目を覚まされたかの如く目を開くと、ゆっくり息を吐いた。
「・・・よし・・・」
 『自分の直感を信じよう』
 遂にそう決心した瑠璃は、立ち上がると、控えていた摩耶と二、三言葉を交わし、未だ焔の揺らめく護摩の間を後にした。 



 パチン
 スイッチの乾いた音と共に、室内に明かりが灯る。
 それと同時に、
 ブン
 部屋に設置された通信機器が一斉に唸り声を上げた。

 ここは神凪本家内にある、瑠璃専用の通信室。
 各地の支部や、重要な連絡先への通信を行うため、瑠璃が設えさせたものだ。
 古風な建物と相反するこの最新設備は、盗聴などの工作を防備するのに十分な機能を有している。
 TV会議程度であれば、まずは問題ない−
 瑠璃はそう判断し、九重明日香とコンタクトを取ることにしたのだ。

 19:00。
 モニター脇の電波時計がその時刻をさすのと同時に、画面の向こうに明日香が姿を現した。

「・・・九重社長、ご無沙汰しております」
 まず瑠璃は、画面の向こうの明日香にそう言って頭を下げる。
 それに明日香は、
「いえ、こちらこそご無沙汰して申し訳ありません・・・それで、本日の御用向きは?」
 単刀直入にそう、切り出した。

 ある意味、無礼とも言える率直さだが、瑠璃にとっては却って心地良い反応だ。
 思わず、
「クスッ・・・」
 微笑が浮かぶ。
 その顔のまま瑠璃は、
「・・・ええ、最近の様子を伺おうと思いまして・・・邪界への対処は、どのような状況ですか?」
 明日香とは対照的に、本音を薄めつつ、まずは明日香にそう問いかけた。

 それに明日香は、一瞬の間を取った後、
「・・・そうですか、こちらは・・・んっ、んぅっ!?」
 口を開いたが、苦しげに身じろぐ姿が、モニターに飛び込んできた。

「どうしました、明日香さん?」
 思わず『友人』としての心配が先に立ち、名で瑠璃はそう呼び掛ける。
 だが、明日香は、
「・・・い、え・・・申し訳ありません・・・少し、体調が・・・んんっ・・・大丈夫、です・・・」
 そう答えながらも、苦悶の表情を浮かべていた。
 本人の抗弁は兎も角、体調が悪いことは確かだろう。

 瑠璃は、
「済みません、体調が優れない時に会議など・・・今宵はこれまでにしましょう。お話はまた別の機会に」
 そう判断し、明日香に頭を再び下げる。
 それに明日香は、
「・・・本当に、申し訳、ありません・・・ひゃんっ・・・近いうちにまた・・・」
 そう言って頭を下げ返した。

 こうなってしまえば、お互いにメリットのない会話など交わしていても意味など無い。
 いち早く通信を切ってしまったほうが良いだろう。
 そう断じた瑠璃は、
「明日香さん、お体、お大事に・・・それでは失礼します」
 そう言って通信機器のボタンを押した。
 頭を下げたままの明日香の残像を僅かに残しながら、モニターは色を失う。

 その前で瑠璃は、
「ふぅっ・・・」
 短い溜息をついた。
 明日香と話をするべく通信したものの、肩透かしを喰らった瑠璃の心には、一層の靄がかかっている。
 彼女の体調も心配ではあるが、疑念も一つとして晴れることはなかったのだ。

 瑠璃は、己の姿のみを映すモニターに向かいながら、そっと目を閉じ胸に手を当てる。
 そして、
「・・・うん、そうしよう・・・明日香さんのお見舞いも兼ねて、ね・・・」
 そう呟くと、何かを振り払うように部屋を後にした。



 一方、メイデン・フォース本部社長室−
 ブンッ
 モニターの向こうの瑠璃の姿が消えるのを確認するやいなや明日香は、
「んんっ、はぁっ・・・ダメ、よ・・・ママの中でおいた、しちゃ・・・はぁんっ!」
 机の下で蠢く『我が子』に、そう諭す。

 明日香の足下には、数匹の肉蛞蝓が這いずり回っていた。
 そのうちの特に大きい一匹が、
 「キィッ!」
 『ママ』の言葉に反応したのか、それとも確信犯なのか、
 グチュッ、グチュッ、グチュッ
 明日香の膣内に潜り込み、絶え間ない快楽を与え続けている。

 その抜け駆けに『嫉妬』したのか、他の肉蛞蝓達が愛液で濡れたストッキングを這い上がり、
「「キィィッ」」
 奇声を上げながら、明日香の上半身へと迫ってくる。
 それに明日香は、
「・・・あっ・・・はぁんっ・・・んん、どうしたの・・・うふふ、そう・・・甘えん坊さんね・・・」
 そう言うと、上着を脱ぎ捨て、
 ブチィッ
 ブラウスをボタンごと引き千切る。
 すると、
 ブルンッ
 豊か過ぎる胸が弾みながら、姿を現した。
 そしてそれと同時に、
 ビチャッ
 粘り気のある、白く甘い液体が辺りに飛び散る。

 明日香の肥大化した乳首からは、止めどなく母乳が溢れ、その豊満な乳房を妖しく彩っている。
「「キィィッ」」
 漸く目的地へ辿り着いた肉蛞蝓は、
 ニュル 
 『口』から繊毛のような触手を伸ばしたかと思うと、
 ズブッ
 明日香の乳首にそれを差し込み、
 チュルルルッ
 ストローで吸引するかの如く、母乳を吸い始めた。

 明日香は、
「・・・んっ、はぁぁっ!・・・んふふ、一杯飲むのよ・・・」
 それに嬌声を上げながらも、慈母の様な笑みを浮かべ、不気味な肉蛞蝓達をあやすように撫でる。
 彼等は、『ママ』の愛撫に気を良くしたのか、
 ジュッ・・・ジュルルルゥッ!
「はあっ!・・・そんなに、吸っちゃ、ダメ、よ・・・ああんっ!」
 『ママ』が一層悦びを得られるよう、激しく母乳を吸い、乳房を責め立てるのだった。

 その明日香の視線の先では、
 ヌプッ、ヌプッ、ヌプッ
 総務部の女性職員を犯しながら、
「んっ、はぁぁ・・・どうかしら?・・・それに、これも堪らないでしょう?」
 コシュッコシュッコシュッ
「はぁんっ!、イイですぅっ・・・妖魔チンポ、イイですぅっ!」
 彼女の股間にそそり立つ肉棒を扱く、佳代の姿があった。

 これまでの肉蛞蝓とは異なり、人体への拒絶反応が殆どない、明日香が産み増やした肉蛞蝓達は、彼女と頻繁に接触のある秘書課や総務部の職員に、一人、ま た一人 と寄生している。 
 寄生された職員は直ぐに魔悦の虜となり、明日香の従順な僕となっていった。
 その中でも佳代は、肉蛞蝓の性奴隷として完全に洗脳され、今や『新人宿主』の調教役となっている。

 ビクンッ、ビクンッ
 明日香は四肢を痙攣させながら、
「んんっ、はぁんっ・・・また、産まれる・・・産まれるのぉ・・・」
 そう、陶酔した表情で譫言のように呟いた。
 その言葉に合わせるように、
 ボゴッ、ボゴッ
 明日香の下腹部が歪に脈動する。

 それを可笑し気に眺めながら流禍は、
「明日香さぁん、いくら気持ち良いからってぇ、まだあんまりこの子達を増やさないでくださいねぇ・・・んふふ、そのうちぃ、いーぱっい産んでもらうことに なりますからぁ」
 そう言うと、その黒曜石の様な『手』で明日香の腹を優しくさすった。

 朱美以外の3人が堕ちた今、南角周辺の区画を除いて、メイデン・フォース本部の結界は大幅に弱められており、妖魔の出入りもある程度は可能となってい る。
 それに、肉蛞蝓を寄生させた職員には魔術を施し、邪気が外へ溢れてこないような対策も施されていた。
 とは言うものの、無用なリスクを犯す必要もない。
 時が熟すまで、本部内に潜伏する妖魔の数は、抑制した方が賢明なのだ。

 そして、流禍の下僕と成り果てた明日香は、
「・・・はい、流禍様・・・うふふ、増やしすぎて、本家の奴等にバレては事ですものね・・・」
 主の考えを察しそう言うと、黒い微笑を浮かべる。

 だが、それも一転、
 ボゴンッ、ボゴンッ
 下腹部の脈動がが一層激しさを増すと、媚びるような潤んだ瞳を流禍に向け、
「・・・んっ、でも・・・流禍様ぁ・・・今回、だけは・・・今回だけは、産ませて・・・あひゃぁっ、産ませてくだひゃぃっ!」
 そう哀願した。

 涎を垂らし、『牝』の表情を浮かべる明日香に流禍は、
「・・・んふふ、仕方ないなぁ・・・締まりの無い、ユルユル子袋の明日香さん♪・・・・今回だけですよぉ?・・・ご主人様の許し無く孕むのはぁ」
 そう言うと、 
 ニチャァッ・・・グチュッ
 肉蛞蝓の分泌液でねとつく明日香の秘所を、肉蛞蝓ごと弄ぶ。
 それは流禍の言うとおり、快楽に緩みきった明日香の肉体にとって、『トリガー』として十分なものだった。

 明日香は、
「あひぃいっ!?・・・申し訳御座いません流禍様ぁっ・・・ダメェッ、産まれちゃうっ!」
 そう叫ぶのと同時に、
 ビシュッ・・・ビチュッ、ビチュチュッ!
 秘所に潜り込んでいた『子』すら巻き込んで、盛大な『出産』を始める。

 ビチャンッ、ビチャンッ
 生臭い大量の粘液とともに醜い妖魔達が、
「「ギイィィッ!」」
 矢張り醜悪な声を上げて、生まれ落ちてゆく。

 それに明日香は、
「あひぃっ!・・・ひひゃぁっ!」 
 全身を使って悦びを露わにした。
 妖魔の出産道具である『子袋』−その身であることの幸せを噛みしめながら−

 明日香達の浅ましい姿を見ながら流禍は、
「うふふぅ、明日香さんったら、もうすっかり雌豚以下よねぇ・・・うふ、でも可愛い♪」
 そう言って、明日香とは別の喜びに身を震わせる。
 そして、
「これで、任務完了、と・・・うふ、どんなご褒美をもらえるかなぁ♪」
 そう嘯くと、嬌声が未だ響く空間から、姿を消したのだった。 

第14話 胎動 おわり

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