四神戦隊メイデン・フォース

第3話 追憶(前)

「邪水晶よ、此度の作戦は如何様ぞ?」
 邪水晶は、邪淫皇の御前に召しだされていた。
 片膝をつき臣下の礼をとる邪水晶の脇には、邪漢等の幹部妖魔が控 え、半ば殺意の篭る視線で邪水晶を見下ろしている。

 邪水晶が邪淫皇に献策して、10日が経過していた。
 その間、大規模な戦闘も、目だった動きもなく、一部の幹部妖魔の 間には、邪水晶が失策を犯した、として喜ぶ者も居る有様である。
 その真偽を確かめるべく、邪淫皇は邪水晶を呼び出したのであっ た。

 邪水晶は幹部妖魔の氷のような視線を浴びながらも、顔色一つ変え ず、
「首尾は上々に御座います。本日は邪淫皇様にその成果をご覧頂きた く存じます。・・・メイデン・ブラック、御前に」
 顔を伏せたままそう言上すると、闇の中に控える沙夜子に声を掛け た。
「はい、邪水晶様」
 その涼やかな声に次いで姿を現したのは、漆黒の戦闘コスチューム に身を包んだメイデン・ブラックであった。
 両腿のホルダーに小太刀を納めた彼女は邪淫皇に向かい、一歩一 歩、歩みを進めてゆく。

 その姿を目にした、幹部妖魔の間に動揺が走る。
「邪水晶、貴様ぁ、裏切ったか!」
 邪漢はそう叫びながら帯剣を手にし、邪水晶に飛び掛ろうとした。
「控えよ、邪漢」
 だが、邪淫皇は動じることなく邪漢をそう制すと、歩み寄る宿敵の 姿を、玉座で鷹揚に構えながら悠然と見守る。
 やがてブラックは邪水晶の左後方につくと、邪水晶と同じように、 片膝をついて邪淫皇に臣下の礼をとったのだった。

「!!」
「ふむ・・・」
 それを邪漢は驚愕の、邪淫皇は興味深げな表情で、それぞれ見つめ る。
 邪水晶は期待通りの反応に、ほくそ笑んだ。
「沙夜子」
 そう邪水晶に促されると、ブラックは静かに頷き、
 ヒュンッ
 頭部の武装を解除すると、
「私、メイデン・ブラックこと北山沙夜子は、今まで愚かにも邪界、 邪淫皇様に刃向かって参りました。しかしながら、邪水晶様の御手により、真の姿に目覚め ることができました。今後は邪淫皇様の奴隷として、全身全霊をもってお仕え申し上げます」
 そう隷従の言葉を口にし、邪淫皇に向かって平伏したのだった。

「くくく・・・」
 その様子を見た邪淫皇は、肩を震わせたかと思うと、
「はははっ!邪水晶、これが貴様の言った『成果』か!」
 そう破顔一笑した。
 だが沙夜子は、その哄笑にも悔しがる素振りすらなく、微動だにせ ず平伏し続けている。
 その様子からも、邪水晶の洗脳が万全であることを窺わせていた。

「メイデン・ブッラクよ、我が膝下に加わりたいと申すか。・・・な らば、その忠誠の証を見せてみよ」
「はっ、有難き幸せ」
 そう言って沙夜子は邪淫皇の元に歩み寄り、その足元に跪くと、
「・・・失礼致します」
 邪淫皇の下穿きに手をかけ、捧げ持つようにゆっくりとずり下げ た。
 ビンッ
「あんっ!」
 それと同時に、露となった邪淫皇の巨根が勢い良く沙夜子の頬を叩 き、粘液で沙夜子の顔を汚す。
 既に邪淫皇のイチモツは先走りの液でしとどに濡れ光っており、牡 の強烈な臭いを辺り一面に放っていた。
 それを沙夜子は濡れた瞳で見つめると、
「邪淫皇様、私の卑しい口でご奉仕させていただきます。はむっ、 むっ・・・」
 イチモツを口内に納め、
 チュッ、チュムッ、ジュルゥッ
 舌を絡ませ愛撫しながら、邪淫皇の汚液を啜り始める。

「んっ、んふっ、むふぅっ」
 沙夜子は鼻から甘い息を吐きながら、ジュルジュルと淫らな音をた て、邪淫皇のモノへの奉仕に没頭する。
 その沙夜子が奉仕する姿を玉座から見下ろしながら、邪淫皇は少な からず興奮を覚えていた。
 辛酸を嘗めさせられ続けてきた敵将の一人が、今では性奴隷とな り、己のイチモツに淫らな奉仕をしている。
 イチモツから湧き上がる快楽のみならず、敵将を堕としめた征服感 に、邪淫皇のイチモツは自ずといきり立つのであった。
「・・・ん、んふっ、ぷはっ、はぁ、はぁ・・・邪淫皇様の、また大 きくなったぁ・・・」
 そう言って沙夜子は、更に硬度と大きさを増したイツモツを一度吐 き出すと、
 ムニュッ
 今度は竿の部分を胸に挟み、
 ムニュッヌルゥッ
 パイズリを始める。
 チュプッレロッレロッ・・・
 更にパイズリでの愛撫に加え、舌先で裏筋を嘗め上げ、亀頭の先に 舌を割り込ませる。
 沙夜子のコスチュームは忽ちのうちに、邪淫皇の吐き出す汚液と沙 夜子の唾液で、怪しく濡れ光るのだった。

 その淫らな姿に興奮した邪淫皇は、沙夜子の頭をその逞しい両腕で 挟み込むように掴むと、
 グブッ
 一気に引き寄せ、沙夜子の喉奥深くにその巨根を打ち込んだ。
「ん、んっぶぅっ!?」
 喉奥に巨根を捻じ込まれ、沙夜子は思わず噎せ返りそうになる。
 だが、彼女は邪淫皇のモノを吐き出そうとはせず、鼻で息を一つ飲 み込むと、懸命に頭を振り、喉と唇を使ってイラマチオを始めたのだった。
「ん、んごっ、むぶっ、むふぅっ」
 チュブチュブチュブ
「ほう・・・」
 女陰を犯しているような絶妙な感覚に、さしものの邪淫皇も、性感 を強く刺激される。
 チュブッジュルゥッチュブッジュルゥッ
 沙夜子の巧みで懸命な愛撫に邪淫皇も、忽ちのうちに高みに上り詰 めた。
「良いぞ・・・我が精を思う存分味わうが良い。・・・ふんっ!」
 ドプッドプッドプッ
 射精とともに邪淫皇の精液が大量に沙夜子の口内に吐き出された。
 口で飲み込めきれない精液が、沙夜子の口の端から漏れ喉を伝い、 メイデン・ブラックの漆黒の戦闘コスチュームを白く汚してゆく。
 それは、沙夜子の魂が闇に汚された象徴かのようであった。

 ドプッ
「はぁっ・・・」
 最後の一吐きを受け止めたところで、
 ニュルンッ
 沙夜子が邪淫皇の肉棒から口を離すと、沙夜子の唇と、邪淫皇の肉 棒の先に一筋の糸がひく。
 それを沙夜子は、うっとりと陶酔した表情で見つめるのであった。

 沙夜子がここまで堕落したのは全て、邪水晶の調教による成果で あった。
 彼女を堕としめてからは己の肉棒を使い、肉棒への奉仕テクニッ ク、そして精液の味を、徹底的に覚え込ませたのだ。
 『邪淫皇を喜ばせるための《余興》』
 『幹部妖魔に己の実力を認めさせるための《デモストレーショ ン》』
 それらの意味では、邪淫皇や幹部妖魔の反応を見る限り、『大成 功』とも言える成果を得られたことは間違いない。
 だが邪水晶は、『成果』と言うべき沙夜子の姿を、感情の籠もらな い瞳で、ただ眺めていた。
 邪水晶は、汚辱に塗れながら恍惚の表情を浮かべる沙夜子の姿を、 過去の自分、 『神凪翡翠』と重ね合わせていたのだった−



 『神凪翡翠』と『神凪瑠璃』は、一卵性双生児の姉妹であった。
 双子ではあったが、
「お姉ちゃん〜」
 妹の瑠璃が、姉の翡翠の後ろをいつもついてきてはそう甘える一方 で、姉の翡翠は、そんな妹にぼやきつつもしっかり面倒を見、己は律して姉の威厳を保ち 続けた。
 甘えん坊の妹に、しっかり者の姉。
 当然の如く、二人にはそのような評価が下され、定着してゆく。
 だが、二人は決して奢ることも、卑屈になることもなく、それぞれ の立ち位置を自然のものとして受け容れ、互いを慈しんで成長していったのだった。
 −15歳の誕生日を迎えるまでは。

 二人の、15歳の誕生日。
「翡翠、瑠璃、大事な話がある。本殿まで来なさい」
 二人は学校から帰ってくるなり、父親にそう呼び出された。
 思わず二人はお互いの顔を見合わせる。

 『15歳』
 神凪の家では男児女児に関わらず、『元服』する年齢だ。
 『元服』とは即ち、退魔師として自立すること。
 更に次期当主候補である二人にとっては、翡翠、瑠璃のいずれか が、この家の正統継承者になることをも意味している。
 姉妹は、長女で能力的にも優れる翡翠が当主を継ぐものだと、そう 思い続けていた。
 だが現実は、姉妹の予想を裏切るものであった。

「当家の正統継承者は、本日をもって瑠璃とする」

 当然、翡翠が継承者になるものと思っていた二人は、驚愕の表情を 浮かべ、お互いの顔を見合わせる。
『何かの間違いでは?』
 そう言外に語りながら。
 だが父は、それだけを言い残し席を立つと、振り返ることもなく本 殿から立ち去り、
「・・・くっ・・・」
「お姉ちゃん・・・」
 俯く翡翠と、その横で姉を心配する瑠璃だけが、その場に残された の だった。

 その日を境に、二人を取り巻く環境は、大きく変化した。
 一族の行事や重要な会合に呼ばれるのは、いつも瑠璃一人だけ。
 翡翠はそれらが終わるまで、会場の外で護衛の任につくことを常と された。
 最初は、父の決めたことで仕方のないことだ、そう翡翠は自分を納 得させていた。
 だが、あれほど開いていた退魔師としての実力差が、急速に縮み逆 転してゆくのを見るにつれ、瑠璃が正統継承者となったのは父の気まぐれなどではなく、天 賦 の才を見極めた結果であるということを、翡翠は嫌と言うほど思い知らされたのだった。
 己の才能の限界を悟った翡翠は、愛しい妹を背後から守るべく、影 役に徹するとともに、更にそれまで以上の努力をして、己の実力を高めていった。
 その甲斐もあって、退魔師として大成するだけではなく、幼少時代 からの夢であった、医師となることもできた。
 正に心身ともに瑠璃を支える存在となった翡翠は、忙しくも充実し た日々を過ごしていたのだった。

 だが、25歳の春。
 仮初の平和な日々は、突然終わりを告げたのだった。
「瑠璃、瑠璃!」
 翡翠の腕の中には、血塗れになり、気を失った瑠璃が抱かれてい る。
 今日も、いつもと代わり映えのない退魔業のはず、だった−

 警戒任務にあたっていた退魔師からの第一報では、都内のさる神域 が数体の下級妖魔に攻撃されている、とのことであった。
 会議の帰途にあり、一番現場に近かったことに加え、このところ相 次いで上級退魔師が妖魔に殺害されたことにより、戦力的に手薄になっていたことも相まっ て、翡翠 と 瑠璃がその現場に急行したのだった。
 だが、その神域に翡翠と瑠璃が足を踏み入れた瞬間、状況は一変し た。
 鎮守の森の木々という木々の陰から、数多の妖魔が湧き出し、一斉 に襲い掛かってきたのだ。
 全ては、上級退魔師を誘き出すための罠であった。

「くっ、なんて数なの・・・キリがない!」
 圧倒的な物量の前に、次々と前衛の退魔師達は討ち取られ、今この 場に生き残っているのは既に、翡翠と瑠璃のみ、となってしまっている。
「グェェェッ!」
 翡翠の放った護符が一体の妖魔を焼き祓う。
 だがこの物量と間断のない攻撃により、流石の翡翠達も、
「はぁはぁはぁ・・・」
 息が上がるのを隠し切れない程、疲弊した状態にまで追い詰められ ていた。

「瑠璃、大丈夫!?」
 翡翠は少し離れた場所で勇戦する、瑠璃にそう声をかけた。
 更に悪いことに、翡翠と瑠璃は分断され、個人戦を余儀なくされて しまっている。
 そんな状況の中、
「破ぁっっ!」
 瑠璃が敵陣突破を図ろうと、宝刀を振り上げながら突進する。
「駄目、瑠璃っ!」
 だが、それは状況の打破を焦る余りの、正常な判断を欠いた一撃で あった。

 ドオンッ!
 正面に居た数体の妖魔を薙ぎ払うことには成功したが、逆に敵に囲 まれる形になった瑠璃は、
 ザシュゥッ、ドガッ!
「きゃぁあっ!」
 左後方にいた上級妖魔の突進にあい、背中を袈裟斬りにされたう え、体当たりをかまされてしまった。
「瑠璃!」
 翡翠の叫びも虚しく、翡翠の眼前で血の華を散らせながら、瑠璃の 体はスローモーションのように飛んでゆく。
 ドガッ
 跳ね飛ばされた瑠璃は、本殿の壁に叩きつけられ、血の跡を壁に擦 りつけながら、滑り落ちるように倒れ込んだのだった。

「瑠璃、瑠璃っ!」
 翡翠は防戦しながら瑠璃にそう呼びかけるが、倒れ込んだ瑠璃は、 その声にピクリとも反応を示さない。
「・・・おりゃぁぁぁっ!」
 それを見た翡翠は己の身に構わず、妖魔の群れへ飛び込んでいっ た。
 ザシュッザシュッザシュッ!
 翡翠の通った後には、妖魔の屍の山が積み重ねられてゆく。
「邪魔だぁっ!」
 ドシュッ
 翡翠の前に立ちはだかった妖魔の首を薙ぎ払うと、翡翠は瑠璃がい る本殿へと駆け上がっていった。

「瑠璃、瑠璃!しっかりして!」
 瑠璃の元へ辿り着いた翡翠は、意識を失った瑠璃を抱き上げ、必死 にそう呼びかける。
「・・・ねえ、さま?」
 その声に瑠璃はわずかに目を開け、翡翠の方へ顔を向けた。
「・・・大丈夫よ、必ず私が助けるから」
 妹の不安を和らげようと、翡翠は瑠璃の手をしっかり握り、微笑み かける。
 その時だった。
 ゾクッ
 強大な瘴気を感じた翡翠は、妹を抱きながらその気配の方へ視線を 向けた。
「・・・これは、面白い獲物がかかったものだ」
「・・・お前は!」
「ククク、お初にお目にかかる。我が名は邪淫皇。神凪の巫女よ」
 翡翠の視線の先には、目に見えるほど強烈な瘴気を放つ、男性型の 妖魔が立っていた。
 その『邪淫皇』と名乗る妖魔は悠然と、二人のもとへ歩み寄ってく る。
 その姿を見た翡翠は、ぎゅっと自分の手を握る妹の顔を見つめた。
 その瞳は、不安の色に揺れている。
 それを見た翡翠は、妹の手を、
 ギュッ
 強く握り返した。
『・・・このままここに居ては、瑠璃を守ることはできない。少なく とも、自分が討って出て、時間を稼がなければ・・・』
 そう判断した翡翠は、
「瑠璃、待っててね」
「姉様・・・」
 そう言って微笑み、瑠璃を優しく床板に横たえると、
 ダンッ
 本殿の階段を飛び降り、邪淫皇と相対したのだった。

 翡翠は小太刀を上下段に構え、邪淫皇との間合いを詰めようとする が、邪淫皇は微動だにせず、嫌らしい薄笑いを浮かべながら翡翠を眺めているだけであっ た。
 『コイツ、私を嘗めている!?』
 その態度に、思わず翡翠は激昂しそうになる。
 だが翡翠は、理性で怒りを辛うじて押さえ込んだ。
 『いや、これは逆にチャンスかもしれない。奴の予想を上回る一撃 を繰り出せば、隙程度は作れるはず・・・二撃目で手負わすことができれば・・・』
 そう、翡翠は決意を固めると、
「たぁぁっ!」
 邪淫皇に渾身の一撃を繰り出した。
 全ては、二撃目への隙を作り出すために。
 だが敵の実力は、翡翠の想像を遙かに凌ぐものであった。
 
 ガキィンッ
 翡翠の渾身の一撃を、邪淫皇は片手で易々と防ぐと、
 ヒュンッ・・・ドガァッ!
「ぐわぁっ!」
 刀ごと翡翠を持ち上げ、本殿に上がる階段に、叩き付けた。
「ごほっ、ごほっ!・・・」
 翡翠は、息もできずにその場に蹲る。
 咳き込む度に、胸が針で刺されたような激痛が走った。
 どうやら、肋骨が数本やられたようだった。

「もう終わりか、神凪の巫女よ」
 そこへ、邪淫皇が再び悠然と歩み寄って来る。
「ま、まだよ。お前なんかに・・・」
 激痛に苛まれながらも、翡翠はそう言って気力を振り絞り、階段の 手摺に背をもたれさせながら、よろよろと立ち上がった。
「ほう、まだ立ち上がるか」
「勝負はこれからよ、三下妖魔」
 翡翠はそう言って呪符を手にするが、立っているのもやっとの状況 では、強がり以外の何者でもない。
 ヒュンッ
 邪淫皇が繰り出した触手の一撃を翡翠は身を屈め、辛うじて回避す る。
「ぐっ!?」
 だがそのことで胸に激痛が走り、
 ヒュンッ
 二撃目を避けることができなかった。

 ドガンッ
「!?」
 そして再び転がされた翡翠は、
 シュルシュルシュル
 地面から伸びた、触手の群れに絡め取られてしまった。
 邪淫皇は翡翠のもとへとやってくると、
「貴様の負けだ、神凪の巫女よ」
 ボガッ
 そう言って翡翠の腹を踏みつける。
「ぐはぁっ・・・く、くそっ、殺す、必ず殺してやる!」
 しかし翡翠は口から血を吐きながらもそう、邪淫皇に呪詛の言葉を 浴びせ続け、なおも太刀を振るおうとする。
 ただ、妹を守ろうとするその一念から−

 その翡翠の姿を、邪淫皇は好奇の目で見つめる。
「良いぞ、その気概、その憎悪に満ちた目・・・面白い、妹の前で犯 してくれよう」
 邪淫皇はそう言い放つと、翡翠の襟元に手を掛け、
 ビリィッ!
「きゃぁっ!?」
 巫女装束を一気に破り捨てた。
 それとともに翡翠の白い肌と、形の良い胸が露になる。
「ククク、中々嬲り甲斐のありそうな体をしておるではない か・・・」
 嘗め回すように、翡翠の裸体を視姦する邪淫皇の中心には、丸太の ように太い男根が屹立していた。
 その男根を握ると、邪淫皇は徐に、翡翠の秘所にそれを宛がう。
「ひぃっ!?」
 己の秘所と、邪淫皇のイチモツが触れ合う感触に、翡翠は短い悲鳴 をあげた。
 上級妖魔に犯された女は、妖魔の苗床か下僕にされるのが常であ る。
 今までそのような被害者の哀れな姿を翡翠は嫌と言うほど、見せ付 けられてきた。
 単純にそれは『女として』恐ろしいことである。
 だが『巫女』である翡翠にとって、それ以上に恐ろしいことがあっ た。
 『純潔を奪われること』
 それは、巫女としての死を意味するのだ。
「い、嫌ぁ、それだけは、それだけはやめてぇっ!」
 その全てを失う恐怖に、翡翠はそう絶叫し、哀願した。
「ククク、我がモノの味、とくと味わうが良い」
「姉様!」
 だがその瑠璃の叫びも虚しく、
 メリメリメリィッ!
 邪淫皇は翡翠の秘所にその巨根を埋め込むと、一気に翡翠を貫いた のだった。

「ひぎゃぁぁっ!」
「ククク、どうじゃ、ワシの女になった気分は?」
「あ、あがっ・・はひぃっ・・・」
 だが翡翠はその問いに答えられるどころか、まともな言葉さえも発 せないでいた。
 翡翠の秘所は邪淫皇の巨根に肉を割り裂かれて夥しく出血し、下腹 部は子宮付近まで、男根の形に醜く膨れ上がっている。
 それは性交、というよりは、肉の杭を打ち込まれた、と表現した方 が良いほどの惨状であった。

「ククク、貴様の肉の味、中々に良いぞ。・・・存分に犯してくれよ う」
 ゴリュッゴリュッゴリュッ!
 だが、邪淫皇はその惨状に構わず、翡翠の中を激しく蹂躙し始め た。
「ひ、ひぎぃぃぃっ!!!」
 子宮を抉られ、 身を引き裂かれるような激痛を感じながら翡翠は、邪淫皇の突き上げに対し、まるで糸の切れた人形のように、全身をガクガクと揺さぶられるのが精一杯であっ た。
 グプッグプッグプッ
「ククク、極上の肉と魂の味がするぞ」
 だが翡翠の反応に相反して、邪淫皇は喜悦に満ちた表情で、翡翠の 中に荒々しくその巨根を打ち込み続けるのだった。

「・・・や、やめてぇっ!・・・姉様、姉様!」
「瑠、璃・・・」
 瑠璃の叫び声に、翡翠は飛びかけていた意識を引き戻される。
 邪淫皇の陵辱が始まってからわずか1、2分ではあったが、その壮 絶な責めに、翡翠の意識は既に飛びかけていたのだ。
 だが意識を引き戻されたことにより、彼女はより陰惨な、屈辱と悲 劇を味わうことになってしまったのだった。
 
 グッグッグッ
『この感覚は、まさか!?』
 子宮の入り口で、打ち込まれた肉が、急に盛り上がる感覚に、翡翠 は恐怖した。
 そしてその恐怖を裏付けるように、
「ククク、中々良かったぞ、神凪の巫女よ。・・・我が精、存分に味 うが良い」
 邪淫皇はそう言うと、肉の楔をより深く打ち込み、翡翠の尻を掴み 上げた。
「い、嫌ぁぁっ!」
 ドクンッドクンッドクンッ
 だが翡翠の叫びと同時に、邪淫皇は大量の精液を翡翠の奥深くへ打 ち込む。
 ビキビキビキ
「ひ、ひぎぃっ!?し、子宮が、子宮が弾けちゃうっ!」
 翡翠の子宮は邪淫皇の精液を飲み込み、腹は毛細血管が浮き上がる ほど膨れ上がる。
 プシュップシュゥッ
 それでもなお胎内で飲み込め切れない精液が潮を噴出すように、邪 淫皇と翡翠の間から飛び散っていった。
 
 ドプゥッ
「あ、あはぁっ・・・」
 邪淫皇がイツモツを引き抜くと、だらしなく広がった翡翠の秘所か ら、血と大量の精液が流れ出す。
「ククク、次は貴様の番だ」
「ひぃっ!?」
 翡翠から身を離した邪淫皇はそう宣告すると、瑠璃のほうへ歩き出 そうとした。だが。
 ザクッ
「!?」
 邪淫皇は突如走った痛みに、視線を下に向ける。
「瑠璃に、瑠璃に手出しはさせない・・・」
 そう呪詛のように呻く翡翠の手には小太刀が握られ、それが邪淫皇 の脛に、深々と突き刺さっていたのだった。
 邪淫皇は無言のまま、その小太刀と翡翠を、じっと見比べる。
 ボロボロになりながらもなお、翡翠の瞳は力強さを失っていない。
 それどころか彼女の目は、隙あらば邪淫皇の喉笛を食いちぎらんば かりの猛々しさを持っているのだった。
 それを見た邪淫皇は何故か口の端を緩めると、
 ザシュッ
 己に突き刺さる小太刀を抜き放ち、投げ捨てる。
 カンッ
 投げ捨てられた小太刀は本殿の柱に当たり、甲高い音をたてながら 瑠璃の近くに落下した。

「ククク、この状況でなおも我に手傷を負わせるとは・・・よかろ う、妹の命は助けてやろう。・・・だが、貴様は我とともに邪界へ来てもらうぞ」
 シュルシュルシュルッ
「ぐっ!?」
 そう言って邪淫皇は翡翠を触手で再び拘束し、小脇に抱えると、そ の姿を闇の中へ溶かし込み始めた。
「瑠璃・・・」
 その最中翡翠は、わずかに動く右手を、懸命に瑠璃の方へ伸ばす。
「姉様!」
 瑠璃も姉の方へ手を伸ばしその手を掴もうと、血の跡を描きながら 床を這う。
「ククク、さらばだ、神凪の妹巫女よ」
「姉様ぁっ!!」
 だが二人の手が重なることはなく、血生臭い静寂の中に、瑠璃と翡 翠の小太刀だけが、取り残されたのだった。

 第3話 
追憶(前) おわり

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