四神戦隊メイデン・フォース

最終話_BAD END


 結界が破られる数刻前−

「・・・そうですか、わかりました・・・防備の強化は、指示通りにお願いします・・・はい、それでは」
 瑠璃はそう言うと、
 ピッ
 携帯電話のスイッチを切る。
 そして、
「はぁ・・・」
 深く溜息をつくと、疲れた様に項垂れ、気だるそうに、
 トサッ
 携帯電話を畳の上へ放り投げた。

 瑠璃は、翡翠との邂逅以降、分家筋や各支部の防備を強化している。
 今の電話も、或る地方支部の支部長に、神具の手配を指示していたところだ。
 翡翠が『敵』となったのであればやがて、この本家にもその手は伸びるだろう−
 そう考えた瑠璃は、支部の退魔能力向上と本家のリスク・ヘッジを企図して、三種の神器のうち、鏡はメイデン・フォース本部、珠は京都の分家に配置した。
 その他に、三種の神器より格は落ちるものの、『宝具』と呼ぶに相応しい退魔の法具を各支部に貸与し更には、メイデン・フォース本部にさえ秘匿した最新装備をも配備しつつある。
 『実の姉』の実力は、己が一番知っているのだ。
 それが妖魔の肉体を得、『敵』となった以上、最悪の事態も十二分に考慮すべきだろう。

 だがその『決意』とは裏腹に、
「姉様・・・」
 瑠璃はそう呟くと、苦悶に満ちた表情を浮かべ、
 ギュッ
 胸元で重ね合わせるように、両の手を握る。

 神凪本家の当主として、個人的な感傷を持つことなど、許されはしない。
 淫魔に堕し、邪淫皇の僕となった翡翠は『討ち祓うべき存在』に違いないのだ。
 だが如何に神凪の当主とは言え、姉妹の絆まで簡単に手放せるわけではない。
 当主としての義務感と、姉妹の情−現状では皮肉にも相反する感情が、瑠璃を苛み続けている。

 瑠璃が、
「はぁっ・・・」
 先程までとは若干ニュアンスの異なる溜息をついた時、
 ドンッ・・・グラッ
 鈍い音から僅かに遅れて、突き上げる様な揺れを背中に感じた。

 瑠璃は反射的に反応すると、
「・・・っ!?」
 ガバッ
 身を起こし周囲を覗う。
 すると間もなく、
 ドタドタドタッ
 彼女が廊下を走る足音を耳にして僅か後、
 ガラッ
「・・・瑠璃様っ!」
 瑠璃付きの筆頭巫女である摩耶が、血相を変えて居室に飛び込んできた。

 普段は冷静で穏やかな彼女がその様子であるだけで、ただならぬ事態が生じていることは明確に感じられたが、瑠璃は努めて冷静に、
「・・・何事ですか、摩耶?」
 そう、居住まいを正しながら尋ねる。
 しかし、
 ギュッ
 固く握り、充血した掌から、その緊張の度合いが図り知れた。

 だが、一大事を伝えるべく馳せ参じた摩耶が、そんな些事に気付くであろう筈もない。
 果たして摩耶は、
「・・・叛乱ですっ!・・・外宮で叛乱が起きています!」
 尋常ならざる事態を、その口から告げたのだった。


  
 ゴォォッ
 
 『外宮』にある複数の詰め所からは闇夜を照らす篝火の如く、紅蓮の炎が立ち上っていた。
 
 神凪本家は、瑠璃の居室や重要施設がある『内宮』と、それを城郭の様に取り囲む『外宮』に分かれている。
 『外宮』には妖魔の侵入を防ぐ『砦』として要所要所に、詰め所が置かれていた。
 そこに詰める者にとっては生活の場でもある『砦』には、プロパンガスのボンベが置かれ、簡単な炊事や入浴ができるようになっている。
 ドンッ
 今正にそこから、轟音とともに火柱が上がっていた。

 その炎の中から、
 ユラリ
 と、二つの人影が現れる。

 その二人は、
 ボタッ、ボタッ
 血の滴る得物を抱えながら無表情に、素足のまま、
 ヒタッ、ヒタッ
 歩みを進めてくる。
 炎の暖色が二人を照らしてはいるが、その色とは対照的に、その肌は驚くほど白い。
 そして、それとは対照的に彼女達の所々を彩る煤の黒さが、凄惨な現況を悼むかの様にも見えた。

「「・・・!!」」
 その二人を、数人の巫女が、長刀を持って威嚇している。
 しかし、二人を取り囲む彼女達が放つ殺気は、獲物の鋭利さに反して鈍い。
 それも無理からぬことだろう。
 ほんの数分前まで、『仲間』であった存在なのだから-



 数分前−

「何度、同じ事を言わせたらわかるのっ!」
 藤木茜(ふじきあかね)は、正に怒髪天を衝く、といった体で眼前の少女に怒声を浴びせる。
「・・・ひっ!」
 怒声を浴びた少女、初芝鈴は、短い悲鳴をあげると、猫の様に背を丸めた。

 その様子に仲間の巫女達は、どちらへともつかぬ苦笑を浮かべる。
 ヒステリーの気がある茜は、この様な怒声を上げることが多く、部下からは些か、敬遠され気味の人物であった。
 もし怒声の対象が鈴以外の人間であれば、同僚達から多少なりとも同情を得ることができたのであろうが、ミスが常態化している彼女では失笑を得ることが精々である。
 敢えて言えば、彼女の監督役である出水初音には、仲間からの同情が注がれてはいたが−

 その同情に応えるかの如く、茜は、
「出水さん、貴女も貴女でしょう?初芝さんに、どういう指導をしているのかしらっ!?」
 鈴の横に直立不動で立つ、初音へ矛先を変えた。

 個人としては優秀な部類に入る初音とは言え、彼女の優秀さをも上回る鈴のドジ振りは、『指導』の範疇を超えてしまっている−
 そのことは衆目の一致することではあるが、怒声の対象としても『力不足』である鈴の『不足分』は必然的に、初音へと向かってしまうのだ。

 そんな不条理な『怒り』にも、生真面目な初音は、
「申し訳ありません・・・私の指導不足です・・・」
 そう答え、頭を下げる。

 その所作は茜の激情に、冷や水を浴びせる効果を持っている。
 如何に冷静さを失っている茜とは雖も『理性』の内では、自分の行いが不条理だということは十分理解しているのだ。
 こうなれば、鈴にもう数言罵声を浴びせて終わり−
 その場に居る当事者も観衆もそう思った刹那、
 ビクンッ
 鈴と初音が、普段と異なる動きを見せた。
 そして同時に、二人はピクリとも動かなくなる。
 
 茜は、激情と疑問を同時に解決させるべく、
「ちょっと、初芝さん、聞いているの・・・」
 そう言って、鈴の肩に手を掛けた。

 すると、 
 ズブッ
 胸元に、焼け箸を当てられたかの如き、鋭い痛覚が走る。
「え゛っ・・・?」
 茜は反射的に、その感覚の元へ視線を滑らせ、己が胸の中心に突き刺さっているものを信じられぬ、といった表情で見つめた。
 しかし、彼女の疑念を嘲笑うかの様に、茜の純白の巫女衣装は見る間に、深紅へとその色を変えてゆく。

 遠巻きに茜と鈴達の遣り取りを、凍る様に眺めていた巫女達は、
 ドサリ
 巫女衣装を袴と同じ色に染めた茜が倒れるのと同時に、
「「・・・ひっっ!」」
 悲鳴を上げ、後ずさった。

 だが、
 キンッ・・・ダッ
 そこへ脇差しを抜き放った初音が駆け出し、刃を振り上げる。

 ザグッ
「ぎゃぁぁっ!!」
 運悪く最も近い場所に居た者が、額を斬られ、悲鳴を上げた。
 それに恐慌を来した者はただ逃げ、勇敢な者は入り口付近にある長刀を手に、それを振るうことが可能な外へと出る。

「う、あぁぁ・・・」
 額を斬られた巫女が呻く横を、
「・・・」
 初音は何事もない様に、ゆっくりと出口へ向かう。
 その背後で、
 シュゥゥ
 鈴がコンロの元栓を開いた。
 忽ちの内に、詰め所の中はプロパンガス特有の臭気に包まれる。

 それを焦点の合わない瞳で見つめると鈴は、初音と同じく出口へと向かった。
 その直後、
 ドンッ、バリィンッ!!
 ストーブの炎に引火したガスが、詰め所の窓ガラスと壁の一部を吹き飛ばす。
 そして、数瞬の後、
 ボォッ・・・ゴォォッ
 詰め所が燃え上がり、紅蓮の炎が、深山の空を照らした。

 

 木々が鬱蒼と茂る神凪の山中に、
 ガサッ
 漆黒のボディー・スーツを纏う女達が居た。 
 宵闇に溶け込むかの如きその女達の首領は、
「・・・」
 僅かに炎の光を照り返す双眼鏡を覗き込みながら、インカムに手を遣る。

 その首領−琴美は、
 ドンッ
 3つ目の火柱が上がるのを認めると、
「・・・全チームへ。兎は巣穴から出た・・・狩りの時間だ。逃げた兎も逃すなよ」
 そう、無線の向こうの『部下達』へ指令を下した。

 それと間を置かずして、
 ザッ
 斜面の至るところから、人が前進する気配がする。

 そして、
 バシュッ、バシュッ
 空気音が微かに響くと、巫女達の背後から麻酔弾が打ち込まれ、
「「「うっ・・・」」」
 短い呻き声とともに彼女達は、
 ドサッ、ドサッ
 寸劇の如く、次々と倒れてゆく。

 ドサッ
 やがて、最後に残った巫女が崩れるように倒れると、
「・・・」
 無表情のまま立ち尽くす初音と鈴を残し、『人』の気配が消えた。

 すると、
 サッ
 光の中へ闇が押し出すかの如く、黒衣の女達が姿を現す。
 彼女達は、その手にした拘束具で、麻酔で気を失った巫女達を、
 ギュッ
 手際良く縛り上げていった。

 琴美が彼女達に、
「・・・コイツらは大切な『人材』だ。大事に扱えよ」
 そう命じる間にも、
 ドンッ、ドンッ
 祝砲を放つかの如く、爆発音と火柱が上がり続ける。
 それが強ち比喩ではないことを、
『β1、ポイント2を占拠』
『γ2、ポイント7を占拠』
 インカムから流れる『成果』が示していた。

 琴美は、その報告を聞き流しながら、
「・・・ご苦労」
 『功労者』である初音と鈴にそう声を掛けるが、
「・・・」
 今は『人形』でしかない彼女達が返答する筈もない。

 その様子に琴美は、
「・・・チッ」
 不機嫌そうにそう舌打ちをすると、巫女の捕縛を続ける部下に視線を滑らしながら、
「・・・α1、ポイント1を占拠。ポイント5の確保に向かう・・・各分隊は予定どおり『兎』の確保に向かえ」
 そう命じると、初音達に振り返ることなく再び、闇の中へ姿を消した。



 ドンッ、ドンッ
「・・・っ!!」
 眼下で次々と上がる火の手に瑠璃は思わず、言葉を失う。
 しかし、
「・・・瑠璃様っ!如何なさいますかっ!?」
 摩耶の悲痛な叫びに辛うじて我に返ると、努めて冷静に、
「・・・葵と楓、それと中位の巫女を3名ほどをここへ寄越してください・・・私は、外宮へ向かいます・・・摩耶、内宮は貴女に任せましたよ」
 そう、摩耶に命じた。
 だが、その手は、
 フルッ
 緊張とも恐怖ともつかぬ『心の乱れ』を顕すかの如く、微かに震えている。

 しかし主を気遣う余裕すらない摩耶は、その異変に気づくこともなく、
「承知いたしました・・・早急に手配いたします」
 それだけ言い残すと、社殿の奥へと消えていった。

 一人残された瑠璃は、
「・・・くっ」
 ガクガクガクッ
 震えの止まらなくなった右の手首を握り、
「お願い、止まって・・・」
 俯きながらそう念じる。

 この状況から察するに、彼女の『姉』がこの神凪の地へ攻め込んできたことは疑いない。
 そしてそれは、『姉』との対決が不可避であることも意味するのだ。
 これは、覚悟していたこと−
 瑠璃はそう自分に言い聞かせようとするが、
 ドンッ
 未だ続く爆発音と同じく、彼女の震えが暫く止むことは無かった。



 次々と 巫女が捕らえられる中、『不幸にも』逃げおおせた者達もいた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 鴻上由佳(こうがみゆか)は、暗闇に包まれた山中を、
「きゃぁっ!?」
 時折転び、
「痛いっ・・・んっ!」
 体中を切り傷で一杯にしながらも懸命に立ち上がり、ひたすら峰に向けて走り続けている。

『どうしてこんなことに−』
 つい1時間ほど前、同僚の巫女達と仲良く鍋を囲みつつ談笑していたのだが突然、
 ガチャンッ 
 『同僚』が暴れ出したところから、彼女を取り巻く環境は、大きく変わってしまっていた。

「せいっ!」
 詰め所の『所長』である先輩巫女がどうにか、暴れ出した『同僚』を叩き伏せたものの、
 バンッ
 扉から闖入してきた黒衣の女達に、『所長』も『同僚』も、
 パシュッ、パシュッ
 ハンターが鹿でも射るかの様に呆気なく、斃されてしまった。

 しかし一方的な『戦闘』の最中、
 ドガシャンッ・・・パンッッ!
 偶然爆発した卓上コンロによる混乱に乗じて由佳だけはどうにか、裏口から山中へ逃走することができたのだった。

 やがて、
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 山中を無我夢中で走ってきた由佳の視界に、神凪の地と外界を隔てる山の尾根が飛び込んでくる。
 それに由佳は、
「やった・・・!」
 歓喜の声を上げ、駆け上るように茂みの中から出たが稜線の上に、
「・・・犬?」
 獣のシルエットが月光に浮かんでいるのを見て、その歩みを止めた。

 その『獣』達は一斉に、
「ウォォォーンッ!」
 そう、雄叫びとも取れる鳴き声を上げると、
 ダッ
 山の斜面を猛烈な勢いで駆け下りてくる。

 由佳はその光景に、
「ひっ・・・!」
 短い悲鳴を上げ森の中へ逃げ込もうとするが、
 ドサッ
 恐慌でもつれる足が、それを許さない。
 そしてそれを逃すほど、獰猛な『狩人』達は甘くはなかった。

「グルルルゥッ・・・」
 忽ち、由佳の周囲は獣の臭いに包まれる。
「ハァッ、ハァッ」
 生臭い息を吐く牙だらけの口は『生物』としての危険性を感じさせるがそれ以上に、
「ひぃっっ!?」
 ビキィ
 『彼等』の股間にそそり立つ一物は、『女』として由佳が危機的状況にあることを、否が応でも知覚させた。

 果たして、
「クワオンッ」
 どこか艶めいた鳴き声を上げ、
 ドンッ
 一匹が由佳の背に乗り、彼女を押し倒すと、
「「「オオンッ」」」
 それに呼応するかの様に獣達は、由佳へ殺到する。

 由佳の背後に取り付いた黒犬は、
「ハッ、ハッ、ハッ」
 熱っぽい息を吐きながらその剛直で、
 ヌッ、ヌルッ
 袴越しに由佳の尻の割れ目をなぞり始めた。

 由佳はその感触に、
「ひいやっ・・・うぷっ!?」
 悲鳴を上げようとしたが、もう一匹の黒犬が己自身を彼女の幼い口内へとねじ込み、声音ごと塞いでしまう。
 そして、
「ンオフゥッ!」
 感極まったかの如く、一鳴きすると、
 グポッ、グポッ、グポッ
 女陰へするように、由佳の喉奥深くまでソレを行き来させ始めた。

 侵略を許された『穴』の全てを奪われた他の黒犬は、
「フワウッ」
 性の捌け口を求めるべく、
 ヌチュッ
 由佳の頬、脇、果ては髪にまでその汚らしい肉塊を擦りつける。

 文字通り、黒犬の『蹂躙』を受けることとなった由佳は、
「おごっ、ふげぇぇっ!?」
 吐き出せぬまま飲み込むしかない嘔吐感と、
 グチョッ、グチョッ
 彼等がその肉棒から吐き出す雄汁の悪臭にただ、悶え苦しむだけだ。
 
 そんな由佳の臀部に肉茎を擦りつけていた黒犬は、
 グッ
 彼女の袴に爪を突き立てると、
 ビッ・・・ビリィッ!
 鋏でするかのように容易く、下着ごと袴を切り裂く。
 そして由佳が、
「ぐっ!ふぅっ!!」
 抵抗する間もなく、
「ワホンッ!」
 ズッ、ズププゥッ!
 いきり立った己の肉槍を、由佳のアナルに突き立てた。
 そして獣欲のまま、
「ホォンッ!!」
 グチュッ、グチュッ
 抽送を始める。

「ひぐぅっ!?」
 アナルに男性自身など受け容れたことなどない由佳は、
『い、痛いよぉっ!・・・た、助けてぇっ!!』
 ギチッ、ギチッ
 腸壁を削るが如き激痛に、その秀麗な顔を歪ませた。

 だがそれは、
 ブクッ
「むぐっ!?」
 口内の肉塊に膨らみを感じ、
「ワォォォンッ!!」
 ビュクッ、ビュルゥッ!
 食道へ直接、黒犬の精液を流し込まれたのを機に激変する。

「むっ・・・ほごぉっ!?」
『お、お尻が熱いっ・・・体が溶けそう・・・』
 『人』を『雌』に変える『猛毒』は、由佳の肉体ばかりではなく、その精神すら変容させた。

 グチュッ、グチュッ
 ほんの数瞬前までは、激痛の元でしかなかった抽送も、
『いあっ、はぁっ・・・気持ち良い・・・気持ち良いよぉ』
 今の由佳には、快楽の源へと変じている。

 その『証』を示すように由佳は、
 グヌッ、グヌンッ
 穢らわしい獣の股間に己の尻を擦りつけ、
 ヌロッ、ヌロンッ
 辿々しくも、獣欲の象徴に奉仕を始めていた。
 
 『雌』を得た『雄犬』達は、
「「クオオォォンッ!!」」
 その悦びに『雄叫び』をあげる。

 その猛々しき『雄』達に組み敷かれながら由佳は、
「・・・あはっ、あははっ!」
 『雌』の本能に溺れ、緩んだ笑みを浮かべながら、『雄』の海へ沈んでいった。



 瑠璃が漸く辿り着いた先では、
 ゴォォッ
 詰め所の炎が、篝火の如く夜空を照らしていた。

「・・・瑠理様っ!」
 摩耶に代わり瑠璃の補佐役となった葵がそう叫びながら、『詰め所』の方角を指さす。
 彼女は、この陣の殿を守る楓と同じく、神凪本家に仕える高位の巫女であり、その実力は摩耶に勝るとも劣らない。
 妖魔との戦いでは、冷静沈着である彼女ですら、今は顔色を失っている。
 それは、彼女が指さした先で人間同士−それも巫女の一団と、黒衣の女と『巫女』の混成部隊−が攻防を繰り広げていたからだ。

 葵も、妖魔の僕となった人間であれば目にしたことはある。
 だがそれは妖魔の術や調教により半ば人形と化した者達が大半で、そうでない者も『従者』として妖魔に隷従するのが関の山だ。
 しかし今、巫女達と敵対する黒衣の女達は明らかに組織だち、それに隷属する『巫女』達もまた、『戦士』として機能していることが窺える。

 彼女達は明確な『敵』−邪界の輩に違いない。
 だがそれは、『人間』が自らの意思で邪界に与していることを意味し葵にとって俄には、受け容れがたい『事実』であった。

 衝撃の大きさに、歴戦の巫女達ですら、数瞬の空白を作ってしまう。
 丁度その刹那、
 キィンッ
「・・・っ!!」
 瑠璃の頭に、畳針でも刺したかの様な、激烈な痛みが走った。

 瑠璃は、その痛みに耐えながらも、
「・・・これは・・・いけないっ!」
 『痛みの源』を即座に察し、
「・・・皆、内宮へ退くのですっ、早くっ!!」
 そう叫ぶ。

 瑠璃の悲痛なまでの声音に、彼女の周りを固める巫女達が我に返るのと時を同じくして、
 ギィッ・・・ズウンッ!!
 これまでの爆発のものとは比較にならぬ程の重い音色が、神凪の山に鳴り響いた。



「摩耶様っ!3番隊へのご指示を願いますっ!」
 内宮の指揮を執っていた摩耶に、緊張で頬を紅潮させた年若き巫女がそう叫びながら駆け寄ってくる。
 それに摩耶が間を置かず、
「3番隊は西門の警護をお願いします。こちらから命があるまでは決して、開門しないように」
 そう指示を与えるとその巫女は、
「わかりました・・・失礼しますっ!」
 礼の所作すらすらもどかしいほどに踵を返すと、社殿の中へ消えてゆく。
 摩耶はその姿を視界の隅に留めながら、次に走り寄ってきた巫女への指示を急ぎ、頭の中で演算し始めた。

 瑠璃が外宮へと向かった直後から摩耶は、内宮へ混乱が波及しないよう腐心している。
 外宮から次々ともたらされる報告はいずれも、吉報とはほど遠いものばかりだ。
 そこへ向かった瑠璃の身は心配だが今は、与えられた役割を果たすことが何よりの『忠義』だろう。

「・・・」
 摩耶は眼前にまで近付いてきた巫女に言葉をかけるべく、口を開きかけた。
 その摩耶の頭に、
 キィンッ
「痛っぅ・・・」
 鋭い痛みが走る。

 その刹那、
 ギッ
 鉄が軋むかの如き不気味な音が、辺りに響いた。
 そして、音源の辺りに、
 ピカァッ
 閃光が走ったかと思うと、
 ギッ、ギギィッ!
 今度は鉄の重い扉を開く様な音とともに、光は線となり、やがて面となって、その輝きを増す。

 摩耶はその光景に、
「・・・!!」
 驚愕しながらも、『巫女』としての本能が、彼女を突き動かさせた。
 タンッ
 社殿を飛び降りた摩耶は、長刀を手に境内を疾走する。

 丁度摩耶が『光の面』の正面に駆け寄った時、
 ギッ、ズゥンッ!!
 腹の底に響く様な地響きとともに、
 スゥッ
 『光の面』から『人影』が姿を現した。

 その人影は、
「流石に、本殿の中に出ることはできなかったか・・・でも、ここまで来られれば上等ね」
 そう呟くと、どこか眩しそうに、獣の如き虹彩を持つ目を細める。

「翡翠、様・・・?」
 その『嘗て』仕えるべき対象であった者の姿に摩耶は、驚愕の表情を隠し得ない。
 だが邪水晶は、
「あら、摩耶、久しぶりね・・・うふふ、嬉しいわ、貴女に会えて」
 日常会話でもするかの様な気安さで、摩耶にそう、語りかけてきた。

「翡翠様・・・そのお姿は?」
 摩耶は詰問の言葉を吐きながらも、
 チャッ
 返ってくるであろう答えを予想しているかの如く、長刀を構える。

  彼女が嘗て仕えた『人物』は、優しい声で囀りながらも、放埒な肉体を強調する、淫らな装束を隠そうともしない。
 それどころか、彼女から放たれる気−瘴気−は紛うことなくその存在が、『妖魔』であることを示していた。

 邪水晶はその摩耶の反応に、
「うふふ、貴女の感じている通りよ・・・流石ね、摩耶・・・ふふっ、私の僕に相応しいわ」
 そう賞賛すると、虹彩の細い瞳を更に細める。

 摩耶は一瞬、悲嘆に満ちた表情を見せたが、再び頬を引き締めると、
「翡翠様・・・外道に墜ちてしまわれたのですね・・・仕方ありませぬ・・・お覚悟っ!!」
 そう叫び、跳躍すると、
 ダダッ・・・ヒュンッ
 長刀を『かつての主』に向け振り下ろした。

 だがその剣筋は、
 ガキィンッ
「・・・!!」
 『扉』の中から現れた4つの影に弾かれる。

 ズザッ
「くっ・・・!」
 摩耶は仰け反りそうになりながらも、強靱な四肢の力で踏みとどまり辛うじて、長刀を構え直した。
 そして彼女の一撃を防いだ憎き『敵』の姿を見ようと、前方を睥睨する。
 しかしそれは、
 「っ・・・貴女達っ!!」
 更なる驚愕を彼女にもたらす結果となった。

「んふ、摩耶姉ぇ、そんなに驚くことないじゃない・・・可愛い妹分がこうして会いに来たってのに」
 朱美はそう言いながらも、魔具と化した剣の狙いを摩耶から外すことはない。

 朱美の言葉通り四神の巫女達は摩耶にとって、妹の様な存在である。
 巫女としての儀礼や立ち振る舞いは、摩耶が彼女達に教え込んできたのだ。
 だが、最も貞淑であった筈の蒼乃が、
「摩耶姉様・・・いいでしょう、この体?・・・うふふ、摩耶姉様も早く、こちら側へいらっしゃいませ・・・んふ・・・」
 そう、淫魔と化した肉体を恥ずかしげも無く曝し、醜悪な肉棒を扱き出すに至っては既に、彼女達の有り様そのものが、『敵』の側へ墜ちてしまったことを知覚せざるを得ない。

 摩耶は、
 ギリ
 と歯噛みすると再度、
 チャッ
 長刀に殺気を込める。

 それに雪は、
「怖いですわ、摩耶様・・・摩耶様程度のお方が今の私達に刃向かっても結局は、邪水晶様の軍門に降るだけなのに・・・」
 そう、嘲りの言葉で摩耶を挑発した。

 摩耶は、
「黙れ・・・」
 吐き出す様ににそう呟くと、
 ギリッ
 長刀の柄を強く握り締める。
 今、彼女の胸に沸き上がるのは、侮辱に対しての怒りだけではない。
 彼女の大切な、愛しい存在をここまで堕としめた『存在』に対する怒りでもあった。
 しかし最たるはずの『存在』は、ここにはいない。
 彼女達の『敵』を取るにはまず、彼女達を打ち倒さなければならない−その矛盾に満ちつつも、現状では取り得る唯一の手段を摩耶は、成そうとしていた。

 そんな摩耶の心中を逆撫でする様に沙夜子は、
「・・・言葉で解らないのであれば、その体に言い聞かせるだけ・・・摩耶さん、死なない程度にお相手さしあげますよ・・・くくくっ・・・」
 そう言い放つと、
 ビクンッ
 醜い肉塊で彩られ、魔具と化した小太刀を、
 チャッ
 交差させる様に構え、摩耶との間合いを詰め始める。
 それを合図に、
「うふふ・・・」
 朱美達もそれぞれの『魔具』を手に、摩耶へ迫った。

 ブワッ
 朱美達から発せられる強力な殺気と瘴気は、
「くっ・・・」
 手練れの戦士である摩耶でさえ、プレッシャーを感じざるを得ない。

 摩耶は、じりじりと後退し、間合いを確保しながらも、
『このままでは・・・』
 焦燥の念に囚われ始める。
 
 やがて、
 コッ
 摩耶の草履が庭石に触れた時、朱美は、
「くくっ、覚悟してね、摩耶姉さん♪」
 そう朗らかに言い放つと、
 チャッ
 魔刀を上段に構えた。

 他の『淫魔』達も、躊躇うことなく獲物を構え、
 ギュゥッ
 それを持つ手に一段と力を込める。

 その彼女達の後ろでは、
「うふふ・・・」
 邪水晶が腕を組み、師とその弟子達による『仕合』の行方を悠然と眺めていた。

 『仕合』と言っても、摩耶個人の能力のみで支えうる戦力差ではない。
 ツゥ
 絶望的な緊張感が汗となって、摩耶の背を滑り落ちた。
 その瞬間、
「ふっ・・・」
 朱美の頬が醜く歪み、『気配』が摩耶の方へ流れ出す。
 正にその時−

「待ちなさいっ!」
 涼やかな声とともに、
 ヒュッ
 複数の影が朱美と摩耶の間へ立ちはだかる様に現れた。

「瑠璃様っ!」
 それに摩耶は、絶望に満ちた表情から一転、希望に溢れた歓喜の表情へと変わる。
 瑠璃はそんな摩耶に、柔らかい笑顔を向けながら、
「・・・済みません摩耶、遅れてしまいました・・・」
 そう言うと、
「姉様・・・」
 それだけ呻き、
 チャッ
 長刀を淫魔達へと向けた。
 そしてその左右を、
 ザッ
 葵と楓が固め彼女達は、
 ヒュンッ
 護符を放ち、開いてしまった『門』の周囲に簡易な結界を構成する。

 これで、中級以下の妖魔は簡単に出てくることはできない。
 僅かばかりだろうが多少なりとも、時間を稼ぐことはできるはずだ。
  
 光と闇、それぞれの勢力が睨み合う中、
「・・・うふふ、瑠璃、やっと会えたわね・・・」
 そう言いながら邪水晶は眷属の間を割るように、瑠璃の眼前へと歩み出た。

 瑠璃は、
「姉様・・・」
 嘆息にも近い声を漏らすと、長刀を掴む力を微かにではあるが緩めてしまう。
 だが彼女の『姉』から立ち籠める瘴気と、瑠璃に向けられる殺気は、
「うふふ・・・」
 その強さを増すばかりだ。
 
 実の姉から放たれる『気』と、潜在的な『戦いたくない』という『肉親としての情』に瑠璃は思わず、
 ジャリッ
 半歩ほど後退してしまう。

 それを摩耶は見逃さなかった。
 摩耶は、再び瑠璃の前へ歩み出ると、
「・・・瑠璃様、ここは私達が食い止めます・・・瑠理様は本殿で結界を再生してください・・・だから早くっ!」
 そう叫び、瑠璃を正気に戻させるためかの如く、
 ドンッ
 胸の中心を押し、己の後方へと追いやった。

 瑠璃は、
「摩耶・・・」
 逡巡が混じる視線で、摩耶の背中を見つめる。
 確かに摩耶の言うとおり、これ以上の状況悪化を防ぐためには、破られてしまった結界を再生し、これ以上の妖魔の侵入を阻止する必要がある。
 しかし、一番の戦力である瑠璃が抜けてしまえば、ここでの戦いが厳しいものになるのは間違いない。

 猶も逡巡する瑠璃の左右の肩に、
 トン
 暖かい感触が2つ触れた。

「神凪を守るためには、瑠璃様の力こそ必要なのです・・・」
「瑠璃様、私達をお信じください・・・」
 葵と楓はそう言って微笑むと、摩耶の左右へと歩み出る。 

 それに瑠璃は、
「葵、楓・・・」
 そう呟くと、
 ギュッ
 強く拳を握る。
 そして、
「・・・必ず、必ず戻ります!!」
 そう、叫ぶと、
 ダッ
 本殿に向かう門の中へ駆けだした。

 邪水晶はそれをただ見送ると、
「・・・後は任せたわ」
 バサッ
 漆黒の翼を広げ、本殿の方角へ飛翔する。

 摩耶はそれを、
「待てっ!」
 防ごうとするが、
 ズザッ
 今度は自分達と邪水晶の間に割り込んだ朱美達によって、阻止されてしまった。
 バササッ
 そして邪水晶は摩耶達に視線を送ることすらなく、内宮の中へ姿を消してしまう。

 朱美は、悔しげにそれを見送った摩耶に、
「摩耶姉ぇ達の相手は私らだよ・・・それにしても『食い止める』、ねぇ・・・私達も軽く見られたもんだ」
 そう言うと、挑発する様に両の手を上げた。

 それに摩耶は、不敵な笑みで応じると、
「・・・ふふっ、ヒヨッコの囀りなんて、見苦しいだけよ・・・朱美、その腐った性根ごと、この刃で叩き斬ってあげるわ」
 そう応じ、長刀の先を朱美に向ける。
 最早彼女の刃にはその言葉どおり、迷いなどない。

「くくくっ・・・」
「ふふっ・・・」
 『かつて』師弟だった者どもは、互いに不敵な笑みを浮かべながら、
 ダッ
 『殺し合い』をすべく全力で、駆けだすのだった。
  


 瑠璃は、本殿の前に居た幼い巫女に、誰も入れないよう申しつけると、
 バンッ 
 障子を閉じ、護摩壇へと向かう。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 全力でここまで走ってきた彼女の額には髪が貼り付き、衣ははだけ、滴るような汗は緋袴を暗色に染めていた。
 その刹那、
 バチッ
 燃え残った最後の護摩木が爆ぜる音を立て、最期の火の粉をあげる。
「・・・」
 瑠璃にはそれはまるで、神凪家の命運を暗喩するかの如き凶兆に感じられた。
「・・・ダメよ」
 しかし、摩耶達の姿を思い浮かべると頭を振り、不吉なその念を追い払う。
 今はその様な雑念にすら、囚われている暇はないのだ。

 瑠璃は護摩木を数本手に取ると、微かに残る火口を頼りに、護摩壇の中へそれを投げ込む。
 少しの間を置いて護摩木は再び、
 バチンッ
 軽快な音を立て、小さな炎を上げた。
 それはやがて、
 バチッ、バチッ
 と確かな炎となって、柔らかな暖を瑠璃へ放ってくる。

 その暖かさと仄かな光に瑠璃は思わず救いを求めるかの如く、
「・・・」
 炎を見つめてしまう。
 そんな些細な事でさえも、希望の糸口に思えてしまう程、瑠璃の心は追い詰められていた。

 炎の暖かさと相反して、状況は冷酷なまでに厳しい。
 常日頃、あれ程強く感じていた結界の力を今は、全く感じ取ることができないのだ。
 微かに、摩耶が急拵えで封じた『結界』の力を感じることはできるが、それも『弱々しい』と言うことすら憚られる程、脆弱である。

 瑠璃は暫く放心した様に、
 バチンッ、バチンッ
 護摩壇の炎を見つめていたが、
 キイィッン!
 甲高い金属音に、意識を引き戻された。

 それは、瑠璃に時を得させるために戦いへ臨む摩耶の、『意思』の音色に違いない。
「・・・っ!!」
 瑠璃は、摩耶に対する罪悪感と、己の弱さへの嫌悪感を振り払う様に、
 シュッ、シュッ
 護摩木を護摩壇へ次々と投げ入れる。
 
 やがて、
 バチッ、バチバチンッ!
 激しく燃え上がった炎は、瑠璃の決意を映し出すかの如く、彼女の瞳を煌煌と照らし出すのだった。



 ガキィンッ

 摩耶、葵、楓の3人は、お互いの背を預けるようにして円陣を組んだ。
「くっ・・・」
 摩耶は、ともすると膝を折りそうになりながらもどうにか、長刀で淫魔達を威嚇する。

 既に各々の体は傷に塗れ、所々破けた巫女衣装からは、紅い死化粧を覗かせていた。
 『強い−』
 『師弟』間の戦いは、摩耶が抱く印象そのままの結果を迎えつつある。
 
 朱美達は淫魔化による肉体強化に加え、奴隷戦士の武装を得たうえに、タブーや理性を捨て去ったことで、『戦士』としての能力は格段に向上しているのだ。
 数的不利もある中、辛うじてであっても戦線を維持していること自体、『奇跡』と言える。
 『奇跡』を生んでいるのは他ならぬ摩耶達の能力なのだがその力をもってしても、朱美達に『敵う』ことは極めて困難な状況にあった。

「・・・」
 摩耶は、己の不安を隠すかの様に、葵と楓に身を寄せる。
 しかし、二人の背中からも、焦燥と疲労が伝わってきた。
 もう限界と言っても良いのかもしれない−
 摩耶がそう感じた時、朱美が、
「・・・流石は摩耶姉ぇ・・・中々潰れてくれないね・・・くくっ、邪水晶様は『殺すな』って仰ってたけどこれじゃあ、『間違って』殺しちゃうかもしれないなぁ」
 薄く嫌らしい笑みを浮かべながらそう、摩耶達を挑発する。
 その挑発に摩耶は、
「・・・っ!!」
 怒気に満ちた視線だけを、朱美に送った。 

 だが、朱美の言うことに偽りはない。
 その免れ得ぬ事実は、刃を交えている摩耶が一番に理解している。
 これ以上抗戦を続けていても、相対的な力関係は朱美達に傾くばかり−
 摩耶はそう断じると、
 ギュッ
 長刀の強く握り締め、気を丹田に込めた。

 その気配と決意は語らずとも、
「「・・・」」
 歴戦の士であり、長年の盟友でもある2人には容易く伝わる。
 葵と楓も摩耶と同様に、『最後の時』に向けて臨戦態勢を取った。

 朱美は、摩耶達の様子に、
「へえ・・・やっと『全力』を出してくれる気になったんだ・・・嬉しいよ、こっちもそろそろ飽きてきたところだったんだ」
 そう放言すると彼女も矢張り、
 チャッ
 魔剣を正眼に構え直す。
 それに合わせて、蒼乃達もそれぞれの魔具を手に摩耶達を包囲しつつ、『必殺』の態勢を取った。

 互いが睨み合うこと数瞬−
 ダッ
 ほぼ同時に駆けだした光と闇、二つの勢力は、閃光の様な早さで重なり合うと、
 ガキィィンッ!
 重い音を残して、四方へと散る。

 魔剣を振り抜いた形で握り締めたまま、
「くくく・・・」
 そう笑う、朱美の頬に、
 ビュッ
 一筋の紅い線が走る。

 一方、長刀を振り下ろした姿勢の摩耶は、
「・・・」
 無言のまま立ち尽くし、やがて体を僅かに傾けると、
 ドザッ
 そのまま前へ倒れ込む。

 そして摩耶と同様であった葵と楓も、数瞬の間を置いて、
 ドザッ、ドザッ
 糸の切れた人形の如く、崩れ落ちた。
 
 朱美は、
 ベチャッ・・・ギュッ
 触手妖魔で摩耶達を後ろ手に縛り上げると、
「くくく・・・」
 横たわる摩耶の腹を、
 ボグッ
 爪先で蹴り、無理矢理意識を戻させると、
「うう・・・」
 呻き声を上げる摩耶の髪を掴み、苦痛に歪む顔を上げさせる。

 片膝立ちの朱美は摩耶の髪を掴んだまま、空いた左手で、
 ジィィィッ
 股布のジッパーを引き下げ秘部を覗かせると、
 グッ
 摩耶の顔をそこへ引き寄せ、
「くくっ、見えるかい摩耶姉ぇ・・・摩耶姉ぇのお陰で、ココ、びっしょりだよ・・・ふふっ、久しぶりだよこんなになるのは・・・」
 そう、陶酔した表情で嘯いた。

 朱美の表情と同様に、興奮を隠せない秘裂は、
 バクッ、バクッ
 喘ぐかの如く開閉を繰り返し、
 ボタッ、ボタッ
 そこから絶え間なく溢れ出す淫液は、淫魔特有の『甘い』芳香を摩耶の鼻腔に絡みつかせる。

『最早、これまでか・・・』
 摩耶の胸に、絶望感が去来した。
 『淫魔』の虜囚となってしまった以上、その行く末は火を見るより明らかだろう。

 摩耶は、
『申し訳ありません、瑠璃様・・・』
 心の中でそう、謝罪の言葉を述べると、倒れ伏す葵と楓に視線を送る。
 そしてどこか、泣き笑いの様な表情を浮かべると、
『・・・ごめん、先に行くね・・・』
 再び謝罪の言葉を心中で吐きながら、
 グッ
 歯の根に力を加えようとした。
 
 しかし、彼女の決意は、
 ブジュッ・・・グジュッ
 不快で、生臭い感触に遮られる。
 いつしか摩耶の口の周囲には、
 ヌルッ、ジュポッ
 肉塊様の妖魔が摩耶の下顎に触手を伸ばし、さながらマスクの様に貼り付いていたのだった。

 悲しくも、歯根に力を加えようとする程に、
 グジュッ、グジュッ
 汚液を肉塊から口内へ絞り出してしまう摩耶に蒼乃は、
「・・・無駄ですよ、摩耶姉様・・・貴女を私達と『近しい』存在にすることを邪水晶様はお望みです・・・ですから決して、死なせる様なマネはさせません」
 そう言い放ち、腕組みをしながら冷たい視線を摩耶に送る。

 雪は、蒼乃の横から歩み出て、悪戯っ子の様な表情を浮かべると、
「だからぁ・・・えいっ♪」
 ズルッ
 摩耶の袴を下履きごとずり下げ、白磁の如き臀部を露出させると、
「・・・私達とぉ、気持ちいいことしましょ?」
 そう言い、
 レロォンッ
 摩耶の尻をその長い舌で嘗めあげた。

 その感触に摩耶は、
「ぐぶぅ!?」
 くぐもった悲鳴をあげる。
 しかしその刹那、
 ビクンッ
 嫌悪感とは別の感覚が、摩耶の体に走った。

 それを境に、肌に触れる衣や土の感触が全て、
「あっ、あぶぅっ!?」
 快感へと変わる。

 ドンッ
「・・・あんっ、淫亀ぃ!」
 猶も摩耶のアナルを嘗め回そうとする雪を押しのけた紗夜子は、
「・・・『淫毒』が回ったようだな・・・」
 そう言うと、
 グニィ
 摩耶のアナルを押し広げる様に己の賜物を押し付けながら彼女の背に抱きつくと、
「・・・摩耶さん、コレ、堪らないだろう?・・・大丈夫、ケツマンコの味を知れば悩みなんてみんな吹っ飛ぶさ・・・私達みたいにね」
 そう耳元で囁いた。

 肉の疼きに苛まれながらも摩耶は、
「ぐっ、ぶぅっっ!!」
 先ほどまでとは違う絶望感に、声にならぬ悲鳴を上げる。
 
 しかし、
「「「「うふふ・・・」」」」
 4人の淫魔は最上の『獲物』を前に舌舐めずりすると、絶望に沈む哀れな巫女へ群がり、その『絶望』を現実の形とするべく、淫らな宴の幕を開くのだった。



 摩耶達が完全に敗北したのを象徴するかの如く、
 ボウッ
 『扉』を封じていた護符が、青白い炎を上げ燃え落ちる。
 それと同時に、
 ゾワッ
 数多の妖魔が、その『扉』の中から姿を現した。

 そして仇敵の本陣に攻め込んだ歓喜そのままに彼等は、
 ウオォォオッ!!
 鬨の声を上げながら、本宮へと殺到する。

 その怒濤の進撃に、防御の『核』を失った巫女達は、
「きゃあぁぁっ!」
 恐慌に陥り、次々と持ち場を離れ、本宮の奥へ逃げ込もうとし始めた。
「ダメよっ、貴女達、持ち場に戻りなさいっ!」
 分隊長クラスの巫女がそう叫び続けるが、妖魔の怒号と巫女の悲鳴でそれも掻き消されてしまう。
 こうなっては最早、『戦い』など成立する筈もなく、一方的な『陵虐』が繰り広げられるだけだった。

 ドガンッ
 力任せに破られた門から、
 ワァァッ!!
 妖魔の群れが本宮へと侵入する。
 そして、
「ひぃぃっ!?」
 門を守っていた哀れにも勇敢な巫女達は、彼等の最初の餌食となった。

 ドガッ
 乱暴に地面へと組み伏せられた彼女達は、
 ビリリィッ!
 これもまた乱暴に、巫女装束を引き千切られる。

 巫女の一人の背後に取り付いた豚型の妖魔は、
「ゲヘヘェッ・・・こりゃ中々の上玉だぁ!たっぷり犯してやるからなぁ」
 そう叫ぶと前戯もなしに、
 ズブブッ
 その醜い肉塊を彼女のアナルへとねじこんだ。
 犯された巫女は、
「ひぃやぁっ・・・うぶっ、おえぇっ!」
 叫ぼうとしたが、彼女の髪を掴み、強引に顔を上げさせた別の豚型妖魔に、その口を塞がれてしまう。
「うるせぇんだよぉっ!・・・黙ってこれでもしゃぶってやがれっ!」
 その妖魔は、懲罰を与えるかの様に、
 ズクッ、ズクッ
 巫女の喉奥を犯した。

 やがてその巫女は、
「ひぶっ、ぶぇっ!?」
 間抜けな悲鳴を上げながら、ガクガクと肢体を震わせる以外の所作を許されなくる。
 その無残な光景が門の周囲に居た巫女の身全てに降りかかるのに、然程の時間はかからなかった。 

「クソッ、どいつも埋まってるじゃねぇか・・・」
 陵虐劇への登場にあぶれた妖魔が苛立たしげに、餌を漁るハイエナの如く、性玩具と化した巫女達の周囲を彷徨いている。
 彼はやがて、
「グヒッ、こっちの穴がまだ空いてるなぁ・・・」
 後配位で犯されている一人の巫女の下に空間があることを認めると、そこへ潜り込もうと動き出した。

 しかし彼は、
 ザグッ
 好色な笑みを浮かべたまま、そこへ辿り着くことはできなかった。

 ビュッ
 切断面から鮮血を吹き出す肉塊を、
 ドガッ
 蹴り飛ばした涼子は、
「・・・邪水晶様のご命令を忘れたの?・・・お前達、禁を破った者はこの通りよ・・・その弱い頭に、しっかり焼き付けなさい」
 そう言うと、巫女を犯す下魔どもを睥睨する。
 睨まれた妖魔達は、一瞬怯えた表情を浮かべながらも、その恐怖心から逃れる様に、激しく巫女達を犯し始めた。

 涼子はその光景に、
「ふん・・・」
 汚らしい物を見るかの如き冷たい視線を送る。
 督戦隊の長に任じられ、『憲兵』としての役割も果たす彼女にとって下魔の『狼藉』は断罪すべき行為でなのだ。

 その涼子の元に、
「涼子様・・・」
 一匹の下級淫魔が歩み寄り、跪く。
 涼子は再び、その視線で下魔どもを威圧すると、
「・・・次に行くわ。皆にもそう伝えなさい」
 彼女にそう命じ、内宮の奥へと姿を消した。



 瑠璃は、
「・・・」
 額に汗を浮かべつつも、失われた結界を再生する作業に没頭していた。
 護摩木を護摩壇にくべては、
「・・・」
 祝詞をあげる。
 その単純だが高度な術は、
「はぁっ、はぁっ・・・」
 術者である瑠璃に、多大な負荷を与えていた。

 ジワッ
 額ばかりか体中に吹き出た汗は、瑠璃の滑らかな肌を滝の様に流れ落ちては、巫女装束を濡らす。
 しかし、その不快な感触を拭う暇さえ、瑠璃にはない。
 摩耶が持ち堪えている間に、この術を完成させる必要があるのだ。

 そんな文字通り『懸命』の作業の最中、
 ボウゥッ
 炎が一瞬、大きく揺らぐ。
 その刹那、微かに感じていた摩耶の結界の気配が、消えた。

 護摩木を手にしたまま瑠璃は、
「・・・摩耶?」
 そう問いかけるが当然、答える者などない。
 瑠璃は握った護摩木を護摩壇にくべると感覚を研ぎ澄まし、摩耶の気配を探ろうとするがその気配は杳として探ることができなかった。

 そればかりか、
 ゾワリ
 濃密な闇の気配が、瑠璃の体中を駆け巡った。
 その瞬間、
「・・・きゃっ!」
 短い悲鳴と、
 バキィッ
 木を砕く音がする。
 直後、全ての音が失われたかの如く、辺りは静まりかえった。
 しかし、
 ゾクリ
 闇の気配だけは、その濃密さを増す。

 瑠璃は、その闇の中に感じる確かな『気配』に、
「姉様・・・」
 それだけ呟くと、
 チャッ
 護摩壇の前に奉じてある神刀を手にした。
 そして瑠璃が振り返ると果たして、
「うふふ、瑠璃・・・」
 彼女が『感じた』通りの人物がそのあられもない姿を、実の妹に曝していたのだった。

 瑠璃は再び、
「姉様・・・」
 そう呟くと、
 スッ
 鞘から神刀を抜き去る。
 その刀身は、護摩壇の炎を照り返し、鈍い光を放った。

 だがそれを見た邪水晶は、不愉快そうに、
「・・・そんな鈍ら刀で、私を倒す積もり?・・・私も、安く見られたものね」
 そう眉根を寄せると、胸の下で腕を組み、瑠璃を睨め付ける。

「・・・」
 確かに瑠璃の持つ抜き身の刀は、『神器』と呼ぶべきものではない。
 しかし、それに準じるほどの神気を持ち、上級妖魔ですら深手を負わせるに十分な『法具』なのだ。
 それを『鈍ら刀』と断じるほど、この眼前の『敵』の力は図抜けている−
 十二分に『姉』の実力を知っている身とはいえ、
 ツゥ
 法術によるものではない汗が、瑠璃の背を流れ落ちた。

 しかし瑠璃は、
 ギュッ
 己を鼓舞する様に神刀を握り締め立ち上がると、神刀を『敵』に向かって構え直す。
 例え実力に劣ろうとも、摩耶達が敗北した今となっては、己が最後の『砦』なのだ。
 それに自分には最後の『武器』もある−
 瑠璃は意を決し、神刀を深く構えると、丹田に力を込めた。

 邪水晶は『妹』の神気の高まりに、不敵な笑みを浮かべると、
「・・・そう・・・わかったわ、瑠璃・・・それで倒せるのであれば・・・かかってらっしゃい」
 チャッ
 腰にある鞭に手を伸ばす。

 暫し二人は睨み合ったまま、瑠璃は、神気が己に漲ったのを感じると、
「・・・破ぁっ!」
 タンッ
 沈む様に身を屈めながら、雷光の如き一撃を邪水晶に放った。

 しかし、それを、
「・・・うふふ」
 余裕の笑みで躱すと邪水晶は、
 ヒュンッ
 毒蛇の如き獰猛さで、黒革の鞭を振り下ろす。

 瑠璃はその一撃を、
 フッ
 すんでのところで躱すと、
 タッ
 邪水晶との間合いを取った。

 邪水晶は鞭を持ちながら再び腕を組むと、
「うふふ、流石ね、瑠璃・・・嬉しいわ、貴女とこんな『殺し合い』ができるなんて・・・」
 そう言いながら、邪悪な笑みを浮かべる。

 それに相反する様に瑠璃は、苦渋に満ちた表情で、
「姉様・・・私は、姉様と戦いたくなどありません・・・お願いです、目を覚ましてください・・・昔の、優しい姉様に戻って・・・」
 そう懇願した。
 しかしその一言は、邪水晶の表情を一変させる。

「・・・昔?・・・今の私こそ、本当の私よ・・・瑠璃、何も無いあの頃に・・・私に全てを捨てろ、と言うの?」
 邪水晶は怒気を孕んだ口調で、吐き捨てる様にそう言うと、
「瑠璃・・・私は『全て』を手にしたいの・・・力も・・・お前もっ!」
 そう叫び、
 ビュンッ、ビュンッ
 苛烈な鞭の雨を瑠璃に浴びせてきた。

「・・・っ!!」
 瑠璃は、
 ビシュッ
 巫女装束の端々を切り刻まれながらも、どうにかそれを躱し、
 ヒュッ
 胸元に仕込んだ破魔符を邪水晶に放つ。

 だがそれは、
 ザンッ・・・ボォッ
 刀身の如く重い、鞭の斬撃によって両断され、消滅する。

 瑠璃はなんとか迎撃態勢を取ろうとするが、
 ビュンッ、ビュンッ
 暴風雨の様に止まぬ攻撃に、刀をまともに構えることすらままならない。
 キンッ、キンッ
 刀をどうにか盾代わりにするのが瑠璃にとって、精一杯の『反撃』となる。

 じりじりと後退を続けるだけの瑠璃に、
「そらっ、そらっ!・・・逃げてばかりじゃ、私に一太刀も浴びせることはできないわよっ・・・私の目を覚まさせるんじゃなかったの、瑠璃っ!」
 邪水晶は容赦なく鞭を浴びせ続けた。
 
 一方的な攻勢はやがて、過剰な興奮を生み、邪水晶を狂気に染めてゆく。
「あははっ!・・・無様ね、瑠璃!貴女、それでも神凪の当主なの?少しは反撃してみなさいな・・・反撃しないなら、殺してしまうわよっ!!」
 ビッ、ビッ、ビシィッ
 一層苛烈さを増した鞭の嵐に瑠璃は、
「くぅっ・・・」
 邪水晶の攻撃を防ぎきれなくなり、やがて、
「はっ!?」
 ビキッ・・・パキィンッ
 唯一の頼みの綱であった神刀も、真っ二つに折れてしまった。

 ビュシュゥッ
 最後の『盾』を失った瑠璃を、呵責ない一撃が襲う。
 それは、瑠璃の肌を裂きながら、
 ドガッ
「きゃぁぁぁっ!!」
 彼女を吹き飛ばし、
 ドガンッ
「うぐぅっ!?」
 本殿の柱へと叩き付けた。
 瑠璃は、そのまま力なく、
 ズルリ
 と、柱を滑るようにへたり込む。

 肺を急速に圧迫された瑠璃は、
「うくっ!?・・・ひゅぐぅっ」
 呼吸さえままならず、柱に背を預けたまま、 
 ビクッ、ビクッ
 痙攣することしかできない。
 それに加え、
 ズキンッ
『痛っ・・・!』
 肋が2、3本折れたらしく、息を吸い込もうとする度に激痛が走る。
  
 既に戦闘力を失ってしまった『妹』を、冷たい視線で見下ろしながら邪水晶は、
「・・・がっかりだわ、瑠璃・・・貴女は、この程度だったの?・・・さあ、早く立ち上がって、私と戦いなさい」
 そう、失望の言葉を漏らしながら、鞭の先で瑠璃の顎を持ち上げた。
「・・・」
 しかし瑠璃は悲しい瞳を『姉』に向けるばかりで、立ち上がることはない。
 その態度は、邪水晶を酷く苛立たせた。

 ビシィッ
「あぐぅっ!?」
 動けぬ瑠璃に邪水晶は、容赦なく鞭を振るい、
「立てっ、無能っ!私と戦うことしか、お前には価値がないのよっ!・・・さあ立て、立てっっ!!」
 言葉の剣すら突き立てる。

 だが、
 ビシィッ、ビシィッ
 幾度鞭を振り下ろされようとも、心身が限界をとうに超えている瑠璃に立ち上がる力があろう筈もない。

 ただ無為に、
 ビュッ
 瑠璃の美しい肌に、朱の華が彩りを添えてゆくだけだ。
 
 邪水晶の執拗な鞭の加虐により、
「ううっ・・・」
 悲鳴すら上げることも適わなくなりつつなった頃、瑠璃は再び、
 ゾワリ
 『姉』と同様の気配を感じ取る。

 最早、『最後の盾』である瑠璃すら失った神凪本家に、妖魔の侵入を防ぐ術はない。
 その気配は直ぐに『実体』となり、瑠璃の眼前に現れる。

「邪淫皇様・・・」
 邪水晶は、鞭を床に置き、膝をついて臣下の礼を取ると、深々と頭を垂れた。

 邪淫皇は、
「クククッ、良くやった、邪水晶・・・これで神凪も終わりぞ・・・」
 鷹揚にそう、礼賛の言葉を与えると、
「ククッ、久しいな、神凪の巫女よ・・・」
 瑠璃に視線を流す。

 それに瑠璃は、
「お前が、姉様をっ・・・!・・・げほっ、げほっ!」
 怒りに任せそう叫ぶが、肋の激痛が次の言葉を吐かせない。

 それに邪水晶は憤怒の表情で、
 ギッ
 折れるほどに鞭をしならせると、
「貴様、邪淫皇様に無礼を・・・」
 瑠璃に罰を与えようとしたが、
「クククッ、良い・・・」
 邪淫皇にそう制され、
「はっ・・・」
 再び頭を垂れる。

 邪淫皇は、瑠璃の許に悠然と歩み寄ると、
 クイッ
 瑠璃の顎を掴み、睨め付ける瑠璃の瞳を覗き込んだ。
 そして、
「・・・クククッ、良い目をしておる・・・」
 満足気にそう呟き、手を離す。
 この娘も徹底的に調教すれば、邪水晶級の逸材となるに違いない。
 そう確信を抱いた邪淫皇はこの娘を堕落させる、最高の『道具』に視線を戻した。

「・・・邪水晶、『全て』を我に献上すると申したな?」
 邪淫皇のその問いに、邪水晶は頭を垂れたまま、
「はい、然様に御座います・・・」
 そう神妙に答える。
 だが次に来るであろう命に、その顔は邪な笑みに満ちていた。

 その気配を感じ邪淫皇もまた、邪悪な笑みを浮かべると、
「ククッ・・・ならば、この娘・・・実の妹を、貴様のやり方で我に『献上』してみよ」
 邪水晶が望む命を下す。

 邪水晶はその命に、『満面』の歪んだ笑みを浮かべながら、
「畏まりました・・・うふふ、瑠璃、邪淫皇様の寛大なお心に感謝することね・・・尤も、私に殺されていた方が良かったかも知れないけれど・・・ふふっ」
 実妹へとにじり寄った。

 瑠璃は、
「嫌、姉様・・・」
 緩慢に頭を振りながら、
 ズッ、ズッ・・・
 袴を引きずりつつ後退する。
 しかし、先程の戦闘で痛めた体の影響か、その動きは亀の様に鈍い。
 そして忽ちのうちに、
 トサッ
「あっ・・・」
 邪水晶に押し倒されてしまった。

「うふふ・・・」
「姉、様・・・」
 間近に迫った邪水晶の吐息は、熱風の如く、熱い。

 邪水晶は捧げ持つ様に、瑠璃の顔を両の手で持ち上げると、
「瑠璃、愛しているわ・・・んふっ・・・ちゅっ」
 最初は啄む様な甘いキスを、そして直ぐに、
「んっ、じゅっ、じゅるるっ」
 ディープ・キスで瑠璃の口内深くを、その蛇の様に長い舌で蹂躙する。

 性交渉はおろか、自慰の経験さえ乏しい瑠璃はそれだけで、
「んっ、ふぅっ!・・・んふぅうっ!!」
 頭の中を煮えたぎった釜の如く掻き乱され、抵抗する事も適わず、ただ『姉』の味に溺れるだけとなった。
 邪水晶は、正に『眼前』で乱れ喘ぐ『妹』の姿に、
「んっ、ふっ・・・」
 堪らなく愛おしさを感じ、瑠璃の後頭部を幼子をあやすように撫でながら、
「んふっ、ぬろぉ・・・」
 その上顎をねっとりと舐る。

 優しい『愛撫』に、瑠璃の険のある表情も緩みやがて、
「んっ、くんっ・・・」
 甘い息を、鼻から零すようになった。

 邪水晶は、瑠璃にキスの味を覚え込ませると同時に、己も『妹』の味を十二分に堪能した後、漸く、
「んふっ・・・じゅるっ・・・」
 唇を離す。

「んぁ・・・」
 未知の体験に惚ける瑠璃は、
 ツゥ
 口の端から涎を零すが邪水晶はそれを、
「んふ・・・れろぉん」
 子犬がじゃれつく様に嘗めあげた。
 そして、自身もうっとりとした表情を浮かべながら、
「本当に可愛いわ、瑠璃・・・」
 そう囁き、
 スッ
 瑠璃の衣をはだけさせる。

 すると、
 プルンッ
 果実が弾けるかの如く、豊かで雪の様に白い相丘が姿を現した。
 それは重力に負けることなく、ありのままの姿を主張する。
 だが、その所々には、邪水晶がつけた鞭の傷が溶岩流の如く、生々しい色を添えていた。

「見ないで、姉様・・・」
 瑠璃は羞恥に頬を染め、弱々しくも頭を振る。
 だが邪水晶は、
「綺麗よ、瑠璃・・・ごめんなさい、こんなに傷つけてしまって・・・」
 そう賞賛と謝罪の言葉を零すと、
「んっ・・・レロォ」
 山裾から頂を目指すかの様に、そして傷口に膏薬を塗すかの如く唾液を塗り込めながら、瑠璃の乳房を嬲り始めた。

 ヌロォ
 ぬめつく淫魔の舌の感触と、
 ジンッ
 傷口から広がり始める熱に瑠璃は、 
「ひゃあぁんっ!」
 堪らず、甲高い声を上げる。

 少女の如き反応に邪水晶は、
「んふふ・・・」
 嗜虐心を擽られ、
 カプッ・・・コリッ
 その鋭い犬歯で、瑠璃の乳首を噛んだ。

「ひあっ!?」
 痛みの中に混在する『雌』の悦びに、瑠璃は困惑する。
 しかしその困惑すら愉しむかの様に邪水晶は、
 コリッ、コリィッ
 乳首を噛む力を強めてゆくが、
 ジワァッ
 己の口内に広がる血の味に、甘い芳香が仄かに混じるのを見逃さない。
『ふふっ、淫毒が回ったようね・・・』
 
 邪水晶は、
「んふ・・・」
 瑠璃の胸から顔を上げると、
 スッ
 瑠璃の最後の『鎧』である緋袴に手をかけた。

「あぁ・・・」
 瑠璃は、羞恥に言葉を失うが、
 ジワァ
 暗い色に染まった袴の中心は、彼女の肉体が既に、悦びを感じてしまっていることを雄弁に語っている。

 邪水晶は、
「ふふっ・・・」
 そんな瑠璃の羞恥心を一層煽るように、
 ズッ
 下履きごと、緋袴を剥ぎ取った。

 瑠璃の清純さを表すかの様な純白の下着と、
 クチュリ
 処女とは思えぬほど濡れた花弁の間に、
 ツゥ
 淫らな糸がひいて落ちる。

 邪水晶は瑠璃の後ろに回り、抱きかかえると、
 ブウン
 虚空に姿見を出現させた。
 更に己の肢体を瑠璃に絡ませながら、右手を顎、左手を秘所へと伸ばす。
 そして瑠璃の顎を掴み、姿見へ向かせると、
 グチュッ
 潤みきった秘所をくつろけだ。

「ほら、瑠璃、ご覧なさい・・・」
 邪水晶はそう促すが瑠璃は、
「いや・・・」
 弱々しくも顔を背けようとする。

 しかし、
「見るのよ」
 語気を僅かに荒げた邪水晶は、瑠璃の顎を掴む手に力を込め、強引に前へ向かせた。
 視界に入った己の姿に、瑠璃は、
「・・・っ!!」
 思わず息を飲む。
 邪水晶は、その反応にほくそ笑みながら、
「・・・うふふ、処女の癖に、なんてイヤラシイ・・・ほら、いくらでも溢れてくる・・・」
 そう囁くと秘所を更にくつろげ、その熱き密壺の中を、
 クチュッ・・・グチュッ、グチュッ
 親指で掻き回した。 

 それに瑠璃は、
「あふぅん・・・い、嫌・・・やめて、姉様・・・」
 喘ぎながらも邪水晶の左手に手を重ね、そう拒絶の言葉を吐く。
 だがそれは、如何にも脆弱な抵抗であった。

 邪水晶は、瑠璃の意思など関せず、
 グチュッ、グチュッ
 執拗に女陰を嬲る。
 そして、含める様に、
「・・・うふふ、瑠璃、お前には私と同じ、淫売の血が流れているの・・・それに、神凪当主、と言っても所詮は『雌』・・・『雌』は『雄』に組み敷かれて、家畜の様に生きることこそ天命・・・」
 そう耳元に囁くと、
「・・・だから私の『雄』で、身も心も『雌』にしてあげるわ」
 ニュル
 己の逸物を瑠璃の秘裂をなぞる様に滑らせ、瑠璃の股間からそれを覗かせた。

 その余りの猛々しさに瑠璃は、
「ひあっ・・・!」
 思わず悲鳴を上げる。
 
 しかし邪水晶は瑠璃の右手に己の左手を重ね、
 ギュッ
 強引に『恐怖』の対象を握らせた。
 それはまるで、
 ドクン、ドクンッ
 別の生物の如く脈打ち、
『これが姉様の・・・熱い・・・』
 溶けてしまいそうなほどの熱を、瑠璃の掌に伝えてくる。
 
 邪水晶は、瑠璃の動揺と微かな興奮を背越しに感じながら、
「うふふ、そう・・・これが今からお前の中に入るのよ・・・そしてお前は私以下の、穢らわしい存在へ堕ちるの・・・神凪の巫女ではなく、一介の肉奴隷に」
 そう囁き、己の肉棒を瑠璃に握らせたまま、 
 ツゥ
 秘裂を這わせ、破滅の起源へ狙いを定めた。

「お願い、姉様、それだけは止めて・・・」
 瑠璃は無駄だとは理解しながらもそう、『姉』に懇願する。
 だがその言葉とは裏腹に、
 ポトッ、ボトッ
 目覚め始めた彼女の中の『雌』は、『雄』への欲求を抑えることができない。

 邪水晶はそんな『妹』の頬を優しく撫でながら、
「瑠璃、本当に可愛いわ・・・」
 うっとりとした表情でそう呟くと、
 グイッ・・・ズッ、ズヌヌッ!
 腰を突き出し一気に、瑠璃の中へ肉槍を突き立てる。

「ひっ、ひぎぃいぃっ!」
 メリッ、メリッ
 凶暴な肉の塊は、未通の処女地をこじ開け、己の形に変形させてゆく。
 そして、
 ゴツッ
 子宮口を乱暴にひしゃげると漸く、侵入を止めた。
 
「ぐっ、ひぃぃ・・・」
 ツウゥゥ
 邪水晶の竿に、瑠璃が『雌』になった徴が小さな流れとなって伝う。

 邪水晶は『妹』を軽く抱き留め、
「うふふ、瑠璃、この痛みをよく覚えておくのよ・・・この痛みは、お前が私の『モノ』になった証・・・これからお前は一生、私の慰み者として生きてゆくの・・・」
 そう囁くと、慈母の如き柔和な表情を浮かべながら、己の形に膨らんだ瑠璃の下腹を、優しく撫でた。

 瑠璃は、自分が神を奉じる資格を失ったことをこれ以上ない形で知らしめられ、
「いあ、やぁ・・・」
 感情を言葉にすることすらできなくなる。
 しかし、生来感じ続けてきた神との『繫がり』は無情にも、
 サァ
 霧が晴れる様に消えていった。
 
 瑠璃の悲しみに相反するかの如く邪水晶は、
「あぁ、この日をどれだけ待ったことか・・・私から、全てを奪い去ったお前を手に入れることで、私の全ては満たされるの・・・さぁ、私と一つになりましょう・・・」
 陶酔した表情でそう、愛しき『妹』に語りかける。

 瑠璃はそれに、
「ね、え、さま・・・」
 感情を絞り出すかの様に、そう言の葉を吐いた。
 自分が次期当主として指名されて以来、『姉』に対して感じていた負い目を、この様な形−誰も救えぬぬ形で晴らねばならないことが堪らなく、悲しい。
 ツゥ
 そんな瑠璃の双眸から、二筋の涙がこぼれ落ちる。

 邪水晶は悲しみの色に染まった『妹』の頬を、己の掌で拭うと、
「泣かないで、瑠璃・・・お前は私を満たすことができるのだから・・・この・・・体でね」
 そう言いながら、
 ミチッ、ミチッ
 瑠璃を突き上げ始めた。

「ひっ、ぐぅっ!?」
 如何に邪水晶の淫毒がその身を冒していようとも、
 ゴリュッ、ゴリュッ
 圧倒的な肉の暴力は、つい先ほどまで処女であり、肉体改造もされていない瑠璃には余りあるものであった。

 邪水晶が抽送する度に、白魚の如き腹は、
 ミジュッ、ミジュッ
 中で大蛇でも飼っているかの如く蠢き、
「・・・ひっ、ひぎぃぃっ!!」
 瑠璃の理性を根底から、殺ぎ取ってゆく。

 己の腹上で、『妹』が苦しみ、悶える様を眺めながら邪水晶は、
「あははっ!瑠璃、良い声で鳴くじゃないのっ!・・・んふ、それしても最高よ、お前の中は・・・まるで、私専用の肉袋として生まれて、きたみたい、ねっ!!」
 『愛憎』の対象から与えられる、例えようのない心身への快楽に興奮し、
 ゴスッ、ゴスッ
 子宮ごと刮ぎ潰すかの如き責めで『実の妹』を、悦虐の底へ叩き込んだ。

 その心身の限界を遙かに超えた『拷問』は直ぐに、
「ごっ、がっ!」
 瑠璃の理性を『殺し』、単なる『痛覚』とバチバチと弾けるだけの『視覚』で彼女を支配する。
 そして、
 ガクンッ、ガクンッ
「・・・」
 抽送に合わせて揺れるのみの出来の悪い、仕掛け人形と化した瑠璃は、
 ゴリュッ、ゴリリュッ
 己の肉のみで、『姉』に奉仕を続けた。

「うふふっ、瑠璃・・・」 
 『憎』の面において『妹』を完全に屈服させた、という事実は、例えようのない『悦楽』を邪水晶に与える。

 邪水晶は、
「んふっ・・・有り難う瑠璃・・・今とっても幸せだわ・・・今度は私が・・・貴女を満たしてあげる・・・」
 その言葉の通り、至福に満ちた表情を浮かべると、
 ズクッ、ズグンッ
「んふぅ・・・」
 瑠璃を『満たす』ため、子宮の奥底に生殖器を突き入れた。

 瑠璃は意識を奪われながらも、
「い゛あ゛っっ・・・」
 肉体そのものが『悲鳴』を零す。

「うふふ・・・瑠璃・・・」
 それを合図に、
 ズンッ
 邪水晶の腰裏へ、殴りつける様な射精感が込み上げた。

 『妹』と同じく『過悦』と呼ぶべき快楽に苛まれた『姉』は、その美しい顔を歪め、涎を垂らしながら、
「・・・んんっ・・・瑠璃ぃっっ!!」
 最愛の『妹』の名を叫ぶと、
 ブボッ、ブビュルゥッ
 粘性の高い生殖液を、命の根源へと流し込む。

 大量の精液は、
 ブクッ・・・ボゴッ
 瑠璃の腹を急速に膨らませていった。

 その刹那、
 パァアッ
 瑠璃の胸の中心に紋様が浮かび、蒼く輝き出す。

 『光』の強烈な眩さと清浄さに邪水晶は、
「・・・っ!!」
 己を庇うように手を伸ばした。
 だがその『光』は『破邪』のものと同じ性質を持ちながらも、邪水晶の肌を灼き、滅することはない。
 寧ろ、それはどこか暖かささえ感じる、心地よいもの−それは、瑠璃が己の肉体を媒介とし 己と翡翠が最も触れ、心を解放する瞬間に施した、『最後』の術である。
 『浄化の術』−己の神力全てを解放し、魔に侵された者の魂を浄化する最後の手段−をもって瑠璃は、『邪水晶』から愛する『翡翠』を取り戻そうとしていたのだ。

 そして、その眩い燐光の中に、
 ズッ、ズルッ
 一振りの刀が、姿を現し始める。

 邪水晶は、
「これは・・・」
 その刀の姿に思わず、目を見張った。
 それは嘗て、『翡翠』が身につけていた刀−翡翠が瑠璃を守ろうとし、邪淫皇に一撃を浴びせた小刀である。
 瑠璃は、『姉』が残したこの刀を鍛え直し更には、己の術を施すことによって『神器』とし、その肉体に封印したのだ。

「瑠、璃・・・」
 強力な浄化の術により、『邪水晶』の中に『翡翠』の意識が浮かんでは、消える。
 瑠璃は求め続けていた『姉』の気配に、
「姉様・・・」
 微笑みを浮かべ、
 ギュッ
 『姉』の震える手に己の掌を重ね、刀へと導いた。

 『神刀』としての格を与えられた『翡翠』の小刀は破邪の力と、自身が持つ『翡翠』の記憶を梃子に、
 キィィイン
 『邪水晶』の闇から『翡翠』を引き摺り上げようと一層、眩いばかりの閃光を放つ。

「姉様・・・」
 小刀に重ねた瑠璃の掌から、『姉』に対する強い思慕の念が邪水晶へと流れ込む。
 それは、『愛憎』の狭間で『憎』に振れていた『邪水晶』の感情を、かつて『翡翠』が抱いていたはずの感情−『愛』の側へ大きく揺り戻し始めた。

 邪水晶はその感情のままに、慈愛に満ちた表情を浮かべ、
「瑠璃・・・」
 『愛する』妹へと手を伸ばす。

 しかし−
 ズブルッ
「・・・ククク、良くやったぞ、邪水晶・・・神器を引き摺り出すとはな」
「あ、はんっ、邪、淫皇、様・・・」
 輝きを取り戻し始めた光は、再び強大な闇に飲み込まれようとしていた。

 ズクッ、ズクッ、ズクッ
 邪淫皇は邪水晶を後背位で突き上げながら、
「・・・ククク、如何に神凪も、当主と神器を失っては立ち直れまい・・邪水晶よ、その神器を闇で侵すのだ・・・」
 そう命じると、
 ズクンッ、ズクンッ
 彼女への責めをより激しいものへと変える。
 それに邪水晶は、
「あんっ・・・うっ、あぁ・・・」
 光と闇の狭間で、悶え苦しみ始めた。

 瑠璃は闇の中で漸く掴みかけた希望の光を離すまいと、
「姉様、闇に飲み込まれては駄目!」
 そう叫び、『姉』を叱咤するかの如く、
 ギュッ
 繋いだ手を強く握り締める。
 
 それに邪水晶の意識は再び、
「瑠、璃・・・」
 光と闇の間で大きく揺れ動き始めた。
 その困惑を示すかのように邪水晶は、
 ギュッ、ギュッ
 瑠璃の手を握っては離す。

 『姉』を犯しながら、儚い『姉妹』の攻防を眺めていた邪淫皇は、邪悪な笑みを浮かべると、
「ククク・・・ならば、これではどうだ?」
 ズチュッズチュッズチュッ
 邪水晶の体が弾むほどに、苛烈な抽送を始めた。

「あひぃっ!?」
 後背位から一気に子宮へ叩き込まれる剛直は、
「あっ、はぁっ・・・イイっ!」
 『肉』の記憶を強引に呼び覚ます一方で、『心』を屈服させ、彼女を『翡翠』から『邪水晶』へ堕としめてゆく。 

 再び堕落しつつある『姉』を介し、
 ズチュッ、ズチュッ
 犯される形となった『妹』は、
「・・・いっ、はぁっ、姉、様っ・・・」
 ドクリ
 『姉』から注ぎ込まれ始めた『闇』の気配に『心』を浸食され始め、それに比例する様に、
 シュゥゥ
 胸の浄光も、その輝きを失っていった。

 邪淫皇は、『姉妹』が闇の中へ溺れ落ちる様を愉快そうに眺めながら、
「・・・ククク、姉妹共に、我が手に堕ちるが良い・・・邪水晶、まずは貴様の『妹』を犯し尽くし、闇に染めよ」
 そう、邪水晶に命じる。

 邪水晶は、一瞬、
「・・・」
 逡巡の表情を見せたが、
 スルリ
 重ねられた瑠璃の手から、己の掌を抜き去ると、
「・・・は、い、邪淫皇様・・・」
 ズッ、ズッ
 『妹』の奥へ再び、闇の分身を突き入れ始めた。
 
 瑠璃は、
「・・・んっ、はぁっ・・・姉様、闇に屈してはダメぇ・・・」
 そう、『姉』に懇願するが、
 ガクンッ、ガクンッ
「んっ・・・ああっ!!」
 子宮口に悦楽を感じ始めた己自身も、闇に飲まれてゆく。

 そんな邪水晶の頬に、
 ツゥ
 一筋の涙が流れる。
「・・・瑠璃、ごめんなさい・・・私、もう・・・」
「姉様っ!!」
 それは、瑠璃の『姉』−『翡翠』としての、『最後』の涙であった。

 コォォ
 再び瘴気に包まれ始めた邪水晶は、
 ググッ
 神刀を瑠璃の胸に押し込む様に握り締め、
 ドプン
 自らに生じた『闇』を、瑠璃が希望を託した『最後』の『武器』へと流し込む。

 急速に神力を失い、『浄化』の術さえままならなくなった神刀は、
 ビキッ
 邪水晶の心を映すかの如くその刀身を、漆黒に色を染めていった。

 その一方で、
 ゴリュンッ、ゴリュンッ
 子宮口をこじ開け、女の最深部にまで辿り着いた邪水晶の肉棒からは、
 ドクッ、ドクンッ
 瑠璃がその身に秘めた神力が根こそぎ、吸い取られてゆく。
 瑠璃は強烈な脱力感に苛まれながらも、
「ね、え、さま・・・」
 そう呟きながら、救いを求めるように愛する『姉』へ手を伸ばした。

 邪水晶は、その手を、
 ギュッ
 瑠璃の求めるものとは別の意味で、強く握り締める。
 そして、妖しい微笑を浮かべながら、
「・・・うふふ、貴女の『力』を感じるわ、瑠璃・・・それに有り難う・・・貴女のお陰で、『私』が欲しいものが漸く理解できたわ・・・」
 そう囁くと、
 ズクッ、ズクッ、ズクッ
 子宮の内側を卵子ごと刮ぎ取らんばかりに『妹』を責めた。

 その責めは、
「ひぁぁぁっっ!!」
 既に肉体、精神の両面で抵抗力を失つつある瑠璃にとっては致命傷となる。
「うふふ・・・瑠璃、貴女が私の中に『入って』くるのがわかるわ・・・」
 ドクンッ、ドクンッ
「ひあっ・・・」
 最早、『巫女』としての資格を失い、『雌』と化しつつある瑠璃に、『力』の流出を防ぐ術は無い。

「瑠璃、貴女をどこまでも愛してあげる・・・さあ、私と『一つ』になりましょう・・・」
 邪水晶はそう呟くと、瑠璃の下腹部に掌を当て、
 ボゥ
 防魔化の呪紋を刻み込む。
 そして、文字通り、
 ズクンッ、ズクンッ、ズクンッ
 肉体をも一つにすべく肉の杭を、『妹』へと打ち込み続けるのだった。

  邪淫皇は、
「んふぅっ・・・」
 邪水晶の昂ぶりを感じ取ると、
「・・・ククク、我が奴隷妃よ・・・全てを闇に満たされ、至福に果てるが良い」
 バンッ、バンッ、バンッ
 邪水晶の尻へ、己の腰骨を激しく打ち付ける。

 前後から襲う、淫魔ですら耐え難い快楽に邪水晶は、
「・・・ひゃいぃっ!・・・邪淫皇、様ぁ・・・もう駄目ぇ・・・イ、イクぅっっ!」
 少女の如き嬌声を上げると、
 ドプッ、ドプッ、ドプンッ
 瑠璃の中へ、大量の精を放ち、
 ボゴッ、ボゴッ
 既に膨らみきった彼女の腹を水風船の如く、極限まで膨らませた。

 それと同時に瑠璃は、
「・・・あ、あぁぁっ!!」
 『初めて』にして至悦の快楽に身を焦がす。
 その刹那、肉の熱に耐えきれぬかの如く、
 ボゥッ
 胸の紋様が青白い炎をあげると、その中心に在る『神刀』は、
 ギィンッ
 鋭くも暗い輝きを放った。

 そしてそれは、
 コォォ
 瑠璃の周囲に微かに残る燐光を吸い取りつつ、
 ジュワァァ
 濃密な瘴気を、染み出す様に放ち始める。

 邪淫皇はその様子に、
「ククク、神器が『妖刀』と化すか・・・面白い、我が更に鍛えてみせようぞ」
 そう嘯くと、
 ヒクンッ、ヒクンッ
 果てながらも未だ蠢く淫魔の膣壁を、
 ゴジュッ、ゴジュッ、ゴジュッ
 激しく扱き上げた。

 それに、
「あひぃぃっ!?」
 射精の余韻に浸っていた邪水晶は、性悦を呼び戻される。

 邪淫皇は、
「ひぃっ、あぁっ!!」
 パンッ、パンッ、パンッ
 その尻ごと、邪水晶を押し潰すように犯しながら、
「・・・邪水晶よ、貴様の肉でその刀を、邪悪な妖刀に変えるのだ・・・ククッ、まずは我が精を受け取るが良い」
 そう宣告すると、
「ククッ、いくぞ・・・」
 ドブッ、ドブッ、ドブゥッ
 邪水晶の中へ、ありったけの精を注ぎ込んだ。

「あああぁぁっ!!」
 強制的に絶頂へと導かれた邪水晶の分身から、
 ドピュッ、ドピュッ
 精巣に残されたものを全て搾り取る如き射精が、瑠璃の中へ放たれる。

 それに瑠璃は、
「ひぎぁぁぁっっ!!」
 既に限界まで膨らんだ腹を、
 ミジッ、ミジッ
 肉の軋む音をさせながら更に、『伸ばし』続けた。

 魔力の塊である精を受けた瑠璃の肉体は刀にとって、妖刀へ鍛錬するための炉に近しい存在である。
 その証拠に、
 ミジィッ
 瑠璃の腹が膨れ、
 ドクンッ
 魔力が増大する度に刀は、
 ギンッ
 鋭い光を放ちながら、
 ゴォォッ
 周囲の瘴気を飲み込み、
 ジュゥゥッ
 焼き入れをしたかの如く、刀身をどす黒い闇色へと染めながら、その『在り方』そのものを変えてゆく。

 ドプッ、ドプッ
 邪淫皇に精を注ぎ込まれ、
 ボゴッ、ボゴッ
 『妹』と同じく腹を膨らませ続ける『姉』は、
「あはぁ・・・」
 至福の笑みで、それを享受していた。

 彼女の眼前には、余りの『酷楽』に耐えられずに、
「・・・」
 事切れた様に横たわる、瑠璃の姿がある。

 邪水晶は、邪淫皇の精を受け腹が膨らむ度に前立腺を刺激され、
 ボゴッ、ドピュッ
 彼女の奥底に潜む最も瘴気に満ちた精を、瑠璃の中心へ注ぎ込んでいった。
 それとともに、
 キィンッ
 『妖刀』がその邪悪さを増してゆくのが、瑠璃の肉越しにもわかる。

 邪水晶は、
 ドプッ
 最後の精を放つと、
「うふふ・・・」
 瑠璃の胸間にそそり立つ、妖刀に手を伸ばした。

 触れると、
 ドクンッ
 邪水晶ですらその波動を強く感じるほどの瘴気が、彼女の中に流れ込む。
 しかもその波動は邪水晶にとって、
 ジワァッ
 どこか、暖かみを感じるものであった。
 
 この妖刀は謂わば、邪水晶と瑠璃が『産み出した』、忌み子にも等しいのだ。
 そう想うと、愛しさすら沸いてくる。
 邪水晶は、
 ツゥ
 妖刀の柄を暫し撫で、やがて、
 ギュッ
 握り締めると、
 ズッ、ズルゥッ
 一気にそれを引き抜いた。

 やや刀身を伸ばし、鋭利さを増したそれは、
 ゾクンッ
 持つ者に身震いさせるほどの瘴気を溢れ出させ、
 ギランッ
 斬るもの全ての魂を討ち砕くかの様な、暗黒の輝きを放つ。
  
 邪水晶から身を離し、腕を組んで姉妹を睥睨する邪淫皇は、
「ククッ、素晴らしき妖刀となった様だな、邪水晶よ・・・」
 賛辞の言葉を、愛しき奴隷妃に与えた。

 邪水晶は、『主』の言葉には答えずただ、己の胸の中で眠る『妹』の頬を、次いで、
 ボゴッ
 妊婦の如く膨らむ腹を愛おしそうに撫でると、
 ヌプッ
 未だ硬度を失わぬ肉棒を抜き去った。

 邪水晶の形のまま、閉じることの無い瑠璃の花弁からは、
 ゴプリ
 濃厚な蜜が、ゼリーの様に零れ落ちる。

 邪水晶はその様に、
「うふふ、瑠璃・・・」
 そう微笑むと、
 チュッ
 愛する『妹』の頬にキスをした。

 スッ
 邪水晶は静かに立ち上がると、
「邪淫皇様・・・」
 妖刀を腰に佩き、淫蕩な笑みを浮かべて邪淫皇に歩み寄る。
 そして、
「うふふ・・・」
 その厚い胸板に頬を寄せると、
 シュッ、シュッ
 未だ猛り立つ邪淫皇の肉棒を扱き始めた。

 邪淫皇は邪水晶に己のモノを扱かせながら、
「ククッ、まだ足りぬと申すか・・・この好きモノめ・・・」
 クチュ
 『妹』に負けぬほど滑る秘所に、無骨な指を潜り込ませる。

 邪水晶はその荒々しい愛撫に、
 グチュ、グチュ
 蜜を滴らせ、喘ぎながらも、
「・・・んぁっ・・・はい、足りませぬ・・・」
 そう囁き、己の秘所を弄ぶ邪淫皇の手を退かすと、
 ヌッ・・・ヌププッ
 握った邪淫皇の分身をそこへ導き、
 クッ・・・トサッ
 自身の体重を預けると、邪淫皇を本殿の床へ倒れ込ませた。

「邪淫皇様ぁ・・・」  
 邪水晶は、邪淫皇に跨がり、その胸に手をつくと、騎乗位の姿勢で、
 グチュッ、グチュッ
 淫靡なダンスを踊り始める。

 既に邪淫皇の精を受け、奥底から止めどなく雄汁を吐き出す肉の門からは、
 ビチャッ、ビチャッ
 己自身が射精したかの如く淫液が、邪淫皇の腹へ飛び散ってゆく。
 
 邪淫皇は時折ストロークを与えながらも、邪水晶の腰使いに身を委ねていた。
 しかし手すさびでもするかの如く邪淫皇は、
 ギュッ
「はぁんっ!」
 邪水晶の胸を握り潰す様に愛撫し、その肌の滑らかさを堪能しながら、
「クククッ、誠に淫らで、美しくなったものよ・・・貴様は最高の女ぞ・・・」
 そう、邪水晶に囁きかける。

 邪水晶はその言葉に、
「嬉しい、邪淫皇様・・・」
 陶酔した表情を浮かべると、
 グヌッ、グヌッ
 己の歓喜を表すかの如く、ダンスを『舞踊』へと変えた。

 その刹那、
 ドクン
「・・・!?」
 邪淫皇の肉体に変調が訪れる。
 体の中心から、全てを吸い尽くされるような虚脱感−
 思わず邪淫皇は、己に跨がり踊り続ける遊女に、視線を遣った。

 その視線を感じた邪水晶は、
「ああっ、邪淫皇様・・・貴方様を心から愛しております・・・」
 感極まったかの様に、目の端に涙を浮かべ、そう告白した。
 邪水晶はその言葉どおり、邪淫皇を心から愛している。
 故に、
「・・・ですから邪淫皇様・・・私と『一つ』になってくださいまし・・・」
 その深き愛と『全て』を欲した彼女が、『邪淫皇との完全なる一体化』を望むのも、当然の理と言えよう。

 四神の巫女と神凪当主である瑠璃の『力』を吸収した邪水晶の『魔力』は、邪淫皇すら遙かに上回るものとなっていた。
 邪淫皇と『繫がり』、魔力の『流れ』を得たうえで、優れた『媒体』で術を用いれば、水流の如く自然にその存在を『吸収』−『一体化』することができる−

「ああっ・・・!」
 邪水晶は、己の中へ奔流の様に流れ込む邪淫皇の『気配』に、至悦の表情を浮かべ、腰を振り続けた。
 己が愛しその心を満たすもの−それが文字通り、彼女の中を『満たそうと』している。

 やがて、『存在』そのものを吸収され続けた邪淫皇の体が、
 ポゥ
 仄白く光り始めた。
 それとともに、
 グラッ
 邪淫皇の輪郭がぼやけだす。

 『力』が根こそぎ奪われてゆく虚脱感と、『存在』そのものを消される事態にあってもなお邪淫皇は、
 ニヤリ
 愉快そうに口の端を歪めると、
「ククク・・・ハハハッ!!、面白い、面白いぞ、邪水晶っ!・・・我を愛するが故に我を吸収するとは・・・ククッ、流石は我が愛した女よ・・・良かろう・・・ならば」
 残る力の全てをかけ、
 ズンッ、ズンッ、ズンッ
 邪水晶を『愛し』始めた。

 その『最期の愛』に邪水晶は矢張り、
「はぁんっ!・・・嬉しいっ、邪淫皇様っ!・・・好きっ、大好きっ!!」
 グプンッ、グプンッ、グプンッ
 全身全霊で、応えようとする。
 その激しい『雌雄』の交わりは、『雄』の『存在』を消費し、
 パァァア
 最期の時を迎えさせた。

 己の肉体が消えゆく最中、邪淫皇は、
 グッ
 邪水晶の体を、力強く引き寄せる。
 そして満面の笑みの中、
「・・・ククク、さらばだ、邪水晶・・・我が妃よ」
「邪淫皇様ぁぁぁっっ!!」
 ドプッ、ドプッ、ドプンッ
 己の『存在』全てを邪水晶の中へ放つと、
 パァァッッ・・・フッ
 光の粒子を撒き散らしながら『消失』した。

 その刹那、邪水晶の胸の中心に、 
 パァァ
 青白い光とともに、紋様が浮かぶ。

 邪水晶はそれに触れ、愛おしそうに撫でながら、
「邪淫皇様・・・」
 それだけ呟くと、静かに目を閉じた。



〜エピローグ〜

 ドガッ
「きゃぁぁっっ!?」
 鈍い音とともに、紅白の巫女装束に身を包んだ女が転がる。
「うふふふ・・・」
 彼女を蹴り飛ばした淫魔が邪悪な笑みを浮かべながら、禍々しい気を放つ魔剣を舐め、巫女の許へと歩み寄ろうとしていた。

 だがそれを、
「ダメよ、邪鳳。殺さず『黒巫女』の素体として連れ帰るよう、邪水晶様からご命令を頂いているじゃないの」
 妹を窘める姉の如き表情を浮かべた淫魔が諫める。
 
「ちぇっ、わかったよ。仕方ねえねぁ・・・」
 邪鳳、と呼ばれた淫魔はそう言って、拗ねた子供の様に頬を膨らませた。

 かつてメイデン・フォースであった4人は今や、『淫魔四天王』と呼ばれる存在にまで堕ちており、邪水晶に次ぐ地位を占めている。
 邪界では極めて高位の上魔にのみ許される『邪』の呼称を戴いた朱美は『邪鳳』、蒼乃は『邪龍』と名乗り、神凪家の残存勢力を討伐する『スレイヴ・フォー ス』を率いているのだった。
 奴隷戦士の装束に身を包んだ彼女達からは禍々しい気が、辺りの空気を濃密に穢している。

 戦場の凄惨な光景とは裏腹に、殊に軽い会話を交わす淫魔達の一方で、
「黒巫女・・・」
 捕らえられた巫女は、邪龍が発した言葉の重みに、その端正な顔を青ざめさせた。
 
 妖魔に敗北した巫女の末路は、『黒巫女』『穴巫女』『胎巫女』『便所巫女』『肉巫女』、そして『死』の、6通りしかない。

 処女を守りながらも徹底的に調教・洗脳され、上魔の性奴隷兼闇の神官として、神を冒涜し神具を汚すことに悦びを感じる『黒巫女』は、人間勢力にとって上魔に次ぐ脅威だ。
 一方、『黒巫女』に必要とされる神力が足りないと判断された者は、妖魔に犯された後、『穴巫女』『胎巫女』『便所巫女』に分類される。
 『穴巫女』は、性奴隷としての『教育』を受けた後、中魔以上の者に邪水晶から『貸与』される肉奴隷。
 『胎巫女』は、一定の神力と適性を持った者が、妖魔の苗床として 『飼育』される肉の保育器だ。
 そして、『穴巫女』『胎巫女』いずれの適性もない者や、『穴巫女』『胎巫女』として役立たなくなった者は『便所巫女』として、文字通り便所に繋がれたまま、下魔どもの獰猛な性のはけ口とされる。
 『最後の巫女』とも言うべき『肉巫女』は、死した巫女そのもの、もしくは死肉を繋ぎ合わせて、下働き用の駒として使役され続ける。
 どの『巫女』にも共通するのは、妖魔の精を受ける影響と肉体に刻まれる呪印によって、老いる事なく煉獄を彷徨うことのみ。

 何れも神に仕える者として、極めて不名誉な末路であり、それらを回避する唯一の手段として『確実な死』を選ぶため、妖魔との戦闘に参加する巫女には『爆散』するための小型爆弾が支給されている。
 しかし、自ら死を選ぶことは訓練された巫女と雖も、容易なことではない。
 その結果として、
 ジャリッ
 黒革の簡素なグローブとブーツだけを身に付けた『肉巫女』が、手枷を填められ鎖を繋がれた巫女達を無表情のまま、奴隷商人の如く邪界へと引き連れてゆく。

 捕らえられた巫女達は、
「・・・ぐすっ、ぐすっ」
 己の末路を悲嘆して泣きじゃくってはいるが、
 グイッ
 自分達の鎖を引く眼前に突きつけられた最悪の末路−死肉を醜く継ぎ合わされた『肉巫女』の姿を見ては、自決をも決断できない。
 
 邪鳳に敗北した巫女は、哀れな仲間達の姿を視界の隅に捕らえながら、
「うっ・・・」
 痛みに耐えつつも、身じろぎし、敵達の姿を再び認めようとした。

 しかし、
 ギシッ
 それだけで筋肉が音を立てて軋み、巫女に激痛をもたらす。
「くぅっ・・・」
 彼女達の実力は文字通り、身に染みて解っていた。
 自分程度の実力では、彼女達に勝利する可能性は毛ほどもないだろう。

「・・・くっ、これまでか」
 意を決した彼女は、懐に忍ばせた小型爆弾のスイッチに触れる。
 死しても肉体を利用されてしまう以上、眼前に居る『嘗ての仲間達』と同様、惨めな末路を辿らないためには、己が身を爆散させるしかないのだ。
 これが手許にあるだけ、彼女達よりはマシな末路を選べる−

 巫女がその悲壮な決意を果たさんがため、スイッチに触れる指に力を入れようとした瞬間、
「させないわよ」
 そう短い言葉とともに、
 ピシィッ
「あうっ!?」
 鞭が巫女を襲う。

 そして当てられた鞭は即座に、
 シュルルルッ
 触手様となり巫女を拘束するとともに、
 ズルルッ
「ふぐうっ!?」
 その片端を彼女の口内に潜り込ませて轡となり、彼女の決意を一欠片も残さず砕いた。

「ちょっと二人とも、油断が過ぎますよ!」
 鞭を放った淫魔は、そう言うと、腰に手を当て邪鳳と邪龍を睨む。
 どこか幼さを残す淫魔に窘められた年長の二人は、
「・・・ごめんなさい、邪虎・・・」
「・・・悪りぃ邪虎、でもそんなに怒んなって・・・」
 それぞれの形で謝罪の言葉を口にした。

「ふぐうぅっ!!」
 触手に拘束された巫女は、
 ギュウウゥ
 胸や尻、そして秘所など、女の大事な場所を強調する様に縛りあげられながらも、その瞳からは意志を失わず、解けるはずもない拘束を解こうと、必死に足掻いていた。

 それを見た邪鳳は、
「・・・おい、まだ反抗的だぞコイツ・・・いっそ後ろの穴にぶちこんでやろうか?」
 そう言って肉棒を扱きながら巫女に再び近寄ろうとするが、
 パシッ
 別の淫魔に右手を掴まれる。
 その淫魔は刺すような視線で邪鳳を睨みながら、
「駄目だ。この女の調教は、邪水晶様が直々になさるそうだ・・・久々の、支部長クラスの逸材だからな・・・だが、暴れられて、勝手に傷つかれてしまうのも いかんな」
 そう言うと、
 ズブッズルルルッ
 巫女の口内へ剛直を突き入れた。
 
「うわっ、邪亀、そりゃねぇだろ!」
 邪鳳はそう言って邪亀を止めようとするが、
「・・・ふん」
 小馬鹿にしたような笑みを邪鳳に呉れると、
 ズチュッ、ズチュッ
 邪亀は見せつけるように腰の動きを早める。

 喉奥まで犯すそのストロークの深さに巫女は、
「ふごっ!?・・・ふごがぁっ!?」
 そう嗚咽を漏らすが、邪亀がそれに気を遣うはずもない。
 ズヌルルゥッ・・・ズブッ、ズブッ
 寧ろ反抗した罰を与えるが如く、より深いストロークを彼女に見舞うのだった。

 邪亀に獲物を奪われた邪鳳は、
「・・・おい、これどうしたらいいんだ?」
 そう、拗ねた様に、極限まで猛り立った肉棒を振る。

 ふて腐れたその表情に、
「くすっ」
 邪龍は笑みを漏らすと、
「・・・仕方ないわね・・・ほら、ここでさせてあげる」
 そう言って、尻を晒し、不浄の孔で邪鳳を誘った。

 それに邪鳳は、
「何が『仕方がない』だよ・・・お前もシたくて仕方がなかったんだろう?・・・こんなに濡らしやがって・・・まあ、敢えて乗ってやるよ」
 そう悪態をつきながらも、邪龍の背に手をつき、
 ズブブブッ
 肉槍を、本来の役割とは異なる意味で潤う、邪龍の孔へと突き刺した。

 一人取り残される形となった邪虎は、
「・・・もうっ、みんなズルイ・・・邪亀、私はこちらの孔を頂きますね」
 そう言うと、
 ヌウゥッ
 先走りの液で、竿まで濡れそぼった己が肉槍を、
 ズブヌルゥッ
「あふぅっ!」
 巫女とのオーラル・セックスで感涙に咽ぶ、邪亀の潤みきった秘所へと突き入れる。

 ゴリッ、ゴリッ
「ぐぶぇぇっ!?」
 邪虎の挿入により、喉元の奥深くを犯される形となった巫女は喉頭の蠢動で、彼女の嗚咽の元凶を押し戻そうとするがそれは、
「・・・ふふふっ、いいぞお前・・・喉奥がヒクついて、まるで女陰のようだ・・・中々良い肉奴隷の素質をもっているようだな・・・」
 グプッ、グプッ
 邪亀を悦ばせる結果にしかならない。

 巫女は朦朧とし始めた意識の中、虜囚となった仲間の姿を再び覗い見る。
 結局は、彼女達と同じか−

 闇へ墜ちきった四人の淫魔は、一人の哀れな虜囚を加えて、性宴に舞う。
 淫らで凄惨な宴は、まだ始まったばかりだった。



「・・・以上が、今期計画の進捗状況です」
 明日香はそう言うと、手にしたファイルを閉じた。

 会議室に居座る面々のうち、明日香に最も近い位置に座す最も傲岸そうな男が、
「そうかね・・・まあ、頑張ってくれ給、えっ」
 甲高い声でそう言葉を切ると後は、
 ジュプッ、ジュプッ
 粘液質な水音のみが、室内を支配する。
 『第2委員会』と呼ばれる彼等の股座には、全裸の女達−ドールズが貼り付き、彼女達が持つ最高のテクニックで醜い男共を虜にしていた。

 本来の『委員会』は未だ、龍蔵の影響力が大きく恣にすることはできない。
 しかし『委員』を一人、また一人と籠絡することにより水面下で、邪界の影響力を伸張させつつある。

「ううっ・・・うおぉっっ!」
 先ほどの男は雄叫びを上げると、
 ドピュッ、ドピュッ
 辺りに生臭い臭気を放ちながら、ぐったりと椅子の背に身を預けた。

「・・・ぷはぁ・・・」 
 男の肉棒から口を離した女は、
 ゴクリ
 粘り気のある精液を飲み干しながら、
「・・・おやおや・・・副委員長様の癖に、随分と情けないじゃないか・・・メイン・ディッシュはこれからなんだぜ」
 そう言うと、未だ硬度を保つ逸物に跨がり、
 グチュリ・・・ズプゥッ
 腰を落とす。

 それに男は、
「・・・くぁっ!?」
 情けない声を上げるが、女は、
「ははっ!・・・中々良い声で鳴くじゃないか・・・そらっ、もっとイイ声を聞かせておくれよっ!」
 そう言い放つと、
 グチョッ、グチョッ
 肉の芯から全てを絞り出す様な腰使いで、男を責め始めた。

 それを、潮目に、
「うぉぉっ!?」
「うふふ・・・」
 攻守が完全に逆転した男女『達』は、性の『会合』に溺れてゆく。
 それから室内が湿った熱気に覆われるのに、然程の時間はかからなかった。



「・・・」
 明日香は会議机に腰掛けると悠然と脚を組み替えながら、卑しい『家畜達』の狂態を、侮蔑の視線で眺める。
 邪水晶の命ではあるが、愚劣な人間どもの醜さを目の当たりにすることは、彼女の本意ではない。
 だが、彼女以上にそれを望まぬ人物に視線を流すと明日香は、
「・・・あら、何かご不満かしら?」
 好意と皮肉が混じる表情でそう、微笑んだ。

「・・・いや、何も、無い」
 視線を向けられたボディー・スーツ姿の人物−琴美はそう言いながらも、不機嫌さを隠せない顔を逸らす。
 しかしそんな彼女の耳には、
「んっ・・・あっ!」
 親友や部下の嬌声が、呵責なく突き刺さった。
 性人形として改造された自分達は、『任務』を果たす駒でしかない−琴美の『理性』はそう『理解』しているが、『戦士』としての『本能』が強い『性人形』は時折、この様に苦渋に満ちた表情を浮かべることがある。

 明日香はそんな琴美を眺めながら、
「んっ・・・」
 下腹部に力を入れた。
 すると、
 ズッ、ズヌルッ
 彼女の子宮の中で『育てている』『我が子』がタイト・スカートの中から姿を現す。
 ズルズルズルッ
 やがてそれは、
 ブビュルッ・・・ビチャッ
 周囲に雄臭を撒き散らしながら、男根の如く屹立した。

 明日香は、そそり立ったそれを隠そうともせず、琴美に歩み寄る。
 ヌルゥッ・・・ピチャッ
 未だ先端から滲み出る『生殖液』は『竿』を伝い、文字通りの『肉棒』全体をデコレーションしてゆくがそれを明日香は、
「うふふ・・・」
 ビチャッ
 絵筆を動かす様に、琴美のボディー・スーツへ走らせた。

 その度に、琴美のスーツは、
 ジュワァ
 強酸でも浴びたかの如く、霧散してゆく。
 妖魔の『性人形』である彼女達のボディー・スーツは彼等の『性処理』を容易にさせるため、その精液で溶解するよう細工されているのだ。
 しかし妖魔の精液による『物理的』な障壁の除去よりも、
「はぁっ、はぁっ・・・」
 『精神的』な障壁の『溶解』が琴美を豹変させる。

 明日香は琴美の変化を目の当たりにしながら、琴美の鼻面に、
「ふふっ・・・」
 ヌロォ
 精の『馳走』を滴らせた。

 その途端、琴美の瞳は泥水の様に濁り、
「ん、あっ・・・んっ、んちゅっ」
 差し出された肉棒へとむしゃぶりつく。

 『本能』が『理性』を抑制するのであれば、『望ましい本能』を引き出せば良い−『戦士』であることと『性人形』であることはいずれも『本能』として、琴美に刷り込まれているのだ。
 その証拠に、
 ブビュッ、ビュッ
「んふっ・・・んくっ、んくっ」
 吐き出された精液を美味そうに飲み干しながら琴美は、
「ぷはっ・・・ふふっ・・・」
 ビュッ
 未だ精を放ち続ける肉棒を、
 グチャッ
 秘所にあて、
 ヌルッ、ヌルッ
 自慰を始める。
 『性人形』−特に妖魔の性奴隷として調教されている琴美にとって、『上魔』に等しい明日香の精は、煩わしい理性を失わせるのに十分な『媚薬』たりえるのだ。

 明日香はそんな琴美の姿を見ながらも、
 ズルッ
 触手を琴美から引き離す。

 琴美はその無体な仕儀に、
「いやぁ・・・」
 頭を振りながら抗議の意を示して、明日香へとにじり寄った。

「うふっ・・・」
 だが明日香は、
 ズルリ
 琴美が掴みかけてはその手許から触手を引き抜き、彼女を焦らし続ける。

 それに琴美は、
「お願い、入れてぇ・・・」
 上下の口から涎を垂らしつつそう、懇願した。

 明日香は底意地の悪い笑みを浮かべると、
「あら、部下がするのは不満だけど、自分はして欲しいなんて随分虫が良いじゃない?・・・何か言うことはないの?」
 触手を揺らしながら琴美を、言葉で嬲る。

 琴美は羞恥と屈辱に頬を紅潮させながらも、
「・・・私は、部下と同じ、邪界の卑しい肉奴隷です・・・お願いですから、この卑しい肉穴にお情けをくださいませ・・・」
 明日香にそう、哀願し、
 クイッ・・・ニチャァ
 股を開いて服従のポーズを取ると、愛液で濡れそぼった秘所を指でくつろげた。
 その表情には彼女の言葉どおり『戦士』としてのプライドなど無く、ただの『性人形』として上位者に媚びるものしかない。

 明日香はそんな琴美を見下ろしながら、
「そう・・・それならば卑しい奴隷らしくしてみなさいな」
 そう言い放つと、
 ヌチャッ
 琴美の眼前へ、触手を投げる様に伸ばす。

 それに琴美は、お預けを食った犬の如く
「はい・・・んぷぅ・・・じゅぷっ」
 むしゃぶりついた。 

 明日香個人としては、琴美の『戦士』ぶりは好ましいものに感じている。
 しかし、それも度が過ぎれば作戦に影響を及ぼしかねない。
 本来奴隷に対する調教は、妖魔によってなされるべきではあるが、工作担当として琴美と組む機会の多い明日香がその役割を果たすことも多かった。

 そうは言えども、
「・・・ちゅぱっ、ちゅぱっ」
「・・・うぅんっ」
 『ドールズ』の中でも最高の性奴隷である琴美の絶技にあっては、さしものの明日香も悦楽を感じざるを得ない。 
 この場では妖魔に寄生されている故に、『上位者』たりえているが彼女もまた、『邪界の性奴隷』に他ならないのだ。

「ぷはぁ・・・んふふぅ」
 陶酔し、どこか惚けた表情を浮かべた琴美は、
 ヌッ・・・グチュ
 己の唾液に塗れた触手を掴み、
「あはぁ♪」
 グチュンッ
 熟れきった密壺へそれを突き入れる。
 
 グチュッ、グチュッ
「んっ・・・ああぁっ!」
 明日香は自身は動かぬまま『我が子』越しに、特上の『オナホール』の感触を得ながら、
 ガクッ
 膝を折り、床にへたりこんだ。
 そして彼女もまた、
「おおっ!・・・んふぅん」
 快楽に支配され、『ドールズ』の虜となる。



「・・・邪水晶様、淫魔四天王が北関東支部を攻略した由に御座います」
 そう涼しげな声で、凶兆を表す白と黒の巫女装束に身を包んだ女が、玉座に座る邪水晶に頭を垂れた。

 しかしその吉報にも邪水晶は、嘗て邪淫皇が座していた玉座の肘掛けに腕を載せ、
「・・・そう。それは上々ね」
 気怠そうにそう、応えるだけである。

 淫魔四天王の力をもってしたら、負けるはずのない相手−そんなものへ興味など湧くはずもない−
 暗に彼女の瞳はそう、摩耶に語り掛けている。
 そしてその瞳には、微かな苛立ちも含まれていた。

 確かに、四天王の力をもってすれば、神凪なき巫女どもに敗北など、あり得るはずもない。
 しかし、瑠璃が万が一に備え、神器の退避や支部組織の強化を行ったせいで、退魔勢力はそれなりの力を保持するまでに成長していた。
 その結果、邪水晶達の侵攻速度を、一定度抑えることに成功している。

 邪水晶の最終目標−邪界と人間界の一体化には、穢れた高位の巫女−黒巫女の存在が必要不可欠だ。
 加えて、この邪界を支える『人材』としても巫女は重要な『リソース』であり、その供給源たる神凪残党制圧の遅延は、彼女の結願が未だ遠いことを意味する。
 これ以上この件に拘っても、主の不興を買うだけ−
 そう感じ取った摩耶は、口をつぐんだ。
 
 それにしても−
 摩耶は、深い畏敬の念を込めて主を見上げた。
 穢した霊脈から魔鏡を介して力を得なおかつ、邪淫皇の力をも吸収した彼女からは止めどなく瘴気が溢れ、それは半ば実体化するほどに、玉座の周囲で渦巻いている。
 また、彼女の中心にそそり立つ肉の塔からは、雄の苛烈なものでありながらも、それを嗅ぐ雌にとってはどこか甘い芳香をも感じさせる濃密な淫臭が放たれていた。
 それは上級淫魔ですら色に狂わせるほどのものであり、邪水晶の性奴隷である摩耶が、
 グチュリ
 股を濡らし続けるのも無理からぬことであろう。
 そして、彼女の肌に貼り付き、僅かに陰部や乳房を隠すのみのボンテージをヴェールで包むだけの衣装は、淫靡さだけではなく、気品や優雅さすら漂わせるものだった。
 
『美しい−』
 摩耶は思わず感嘆の溜息を思わず漏らす。
 『主』の姿は、邪悪な存在であっても尚、神々しさすら感じさせる。
 彼女が邪淫皇を見上げていた時、このような感情を得ていたのだろうか−
 摩耶はふと、その様な考えを巡らせた。

「・・・」
 だが、未だ冴えぬ表情の主を見た摩耶は、己の身勝手な感慨を棄て、
「・・・それと邪水晶様、先よりお預かりしておりました鞘、設え直して御座います」
 そう言うと、懐に忍ばせていた鞘を、捧げ持つようにして邪水晶に差し出す。

 それに、
「そう・・・見せて頂戴」
 言葉としては先程までと大差ないが、明らかに異なる声音を吐きながら、邪水晶は玉座を立った。

 サッ
 摩耶の持つ鞘を掴んだ邪水晶は、思わず笑みを零す。
 鞘の外側には、
 ドクンッ、ドクンッ
 紋様の如く寄生した妖魔が脈打ち、その中心に在る、
 ギロリ
 不気味な一つ目が不遜にも、彼女を睥睨している。

「うふふ・・・」
 邪水晶は満足気にそれを撫で回すと、
 ブンッ
 己と瑠璃が『鍛えた』妖刀を、手中に出現させた。
 かつて、眩い破邪の光を放ったそれは、
 ギランッ
 禍々しい『光』を辺りに撒き散らしつつも、研ぎ澄まされた刀身に、彼女の端正な顔を写し出す。

 スッ・・・カチッ
 邪水晶は妖刀を鞘に収めると、
「・・・摩耶、よくやってくれたわ・・・うふふ、褒美をあげないといけないわね」
 これまでの表情を一変させ、忠実な僕に労いの言葉を掛けた。

  その言葉に飛び上がりそうな程、歓喜に打ち震えながらも、
「・・・ありがとう御座います、邪水晶様・・・」
 どうにか己を押さえつけ、摩耶は闇の巫女装束を解いてゆく。
 パサリ
 どこか湿った音を含みながら、摩耶の巫女装束が床に落ちる。
 露わになった摩耶の肌には唐草様の、紫色の刺青が全身に刻まれていた。
 これは、『黒巫女』としての能力を高めるとともに、肉奴隷として永遠の生を得るための呪刻である。

 更に、その邪悪な彼女の肉体をささやかに覆う衣装−革の拘束衣は、放恣な肉体を余すことなく強調していた。
 邪水晶の肉体改造によって一回り大きくなった胸の頂きには、魔力を帯びた黒い金属のピアスが貫かれ、
 ブブッ
 絶えず淫らな波動を彼女へと送り込み、その結果として、
 プクッ、プクッ
 母乳が断続的に零れては、彼女の胸を白く汚している。
 
 加えて、黒鋼の股あてで、僅かに秘所を隠すのみの貞操帯の脇からは、
 ドロリ
 雌の香を放つ淫液が泡立つほど止めどなく零れ、彼女の内股をしとどに濡らしていた。

 そして彼女を『最も穢れた』黒巫女たらしめる、
 ビクンッ
 淫魔の如き男の象徴が、
 ビュルッ
 浅ましくも雄汁を噴きだしながら、彼女の中心に屹立する。
 
 邪水晶に捕らえられた摩耶は、徹底的な『教育』と肉体改造を受け今では、葵、楓と並び、邪水晶の最も忠実な『黒巫女』と化していた。
 黒巫女として『調整』された肉体は常に発情し、『主』の精を欲するよう躾けられている。
 今の彼女にとって、邪水晶から『褒美』を下賜されることは、全てに勝る悦びであった。
 そのためには、昔の友を裏切り、至宝である神器を穢そうとも、一片の悔恨も湧かないまでに−

「・・・さあ、いらっしゃい」
 再び玉座に座した邪水晶は、そう言うと、ヴェールから肉棒をまろび立たせ、摩耶を誘う。
 その悠然と笑みを浮かべる彼女の肉塔は、
 ヌルゥ
 最高の『馳走』を先端から零しながら、卑しき肉奴隷を迎えた。

 その『歓待』に、摩耶の理性はあっけなく崩壊する。
「ああっ・・・」
 摩耶は言葉にもならぬ音を吐き、夢遊病者の様にふらりと歩み出すと、蜜に引き寄せられた蝶の如く、主に歩み寄った。
 そして邪水晶の肉棒に唇を寄せ、
「はぁっ・・・ちゅっ・・・ちゅちゅっ」
 その樹冠から零れる甘美な樹液を、貪り始める。

 邪水晶は、懸命に己の分身へ奉仕する摩耶に手を伸ばし、
「うふふ・・・」
 可愛いペットを慈しむ様に、その頭を撫でる。
 邪水晶の行為は全て、快楽に感じてしまう摩耶はそれだけで、
「あぷっ、うふぅんっ」
 邪水晶の肉棒に齧り付きつつも、軽い絶頂に達してしまった。

 ヌルゥッ
 肉棒に擦りつける形となった摩耶の顔へルージュを引くように、白い汚液の線が引かれる。

 その姿に邪水晶は、柔らかい笑みを零すと、
「・・・ふふっ、だらしないわよ、摩耶・・・さあ」
 そう摩耶を促した。

 それに摩耶は、
「・・・申し訳御座いません、邪水晶様・・・」
 謝罪の言葉を吐くと、邪水晶の上に跨り、己の後孔とその下で、
 ビクッ、ビクンッ
 猛り狂う肉の塔頂とを合わせる。

 ヒクッ、ヒクッ
 既に彼女の肛孔は、
「ああっ・・・」
 次に来る悦楽への期待に打ち震えていた。
 妖魔に『尻巫女』とも嘲笑される『黒巫女』の彼女にとってこの瞬間は、悦びしか感じ取ることのできない、至福の時である。

 だが邪水晶は、彼女の奴隷が浅ましくも、『プレリュード』を貪っているのを感じ取ると、
「うふっ・・・」
 グイッ
 摩耶の両腕を引き寄せ、
 ズグググッズブブブッ!
 巨幹を彼女の菊座に突き刺し、その『時』を終わらせた。

 それを摩耶は、
「うおっ、ほおぉぉっ!!!」
 獣の咆哮の様な唸り声をあげ、無様なアヘ顔を晒しながら受け止める。

 そんな彼女に応える様に、
 メリッ、メリッ
 肉が軋む音を立てながら彼女の奥へ奥へと、邪水晶の分身は進んだ。

 肉棒の形に合わせ、
 ボコボコボコッ
 摩耶の腹が醜く歪む。
 常人であれば肉を裂かれ、激痛のうちに死へ至る陵虐であるが、
「あはぁっ、うはぁっ!」
 邪水晶の肉人形として改造された摩耶にとっては正に、『至悦』の時であった。

 その証拠に、
 グチュッ、グチュッ
 邪水晶の一突き、一突きが、
「あっ、ひゃぁんっ、イクぅっ!」
 摩耶に絶頂をもたらす。
 
「・・・うふふ、お前のココは、いつまでも処女のようね」
 数えきれぬほど犯し尽くしてきた摩耶の中ではあるが、邪水晶がそう漏らす通り、
 ギュゥゥ
 摩耶の腸壁は邪水晶のモノを咥え込み、絶妙の刺激を返してくる。
 それは斯様な改造を施した当の邪水晶であっても、射精を抑えきれるものではなかった。

 邪水晶は、
 ドクンッ
 根元に迸りを感じながら摩耶に、
「・・・摩耶、そろそろイクわよ」
 そう言うと、
 ズクッ、ズクッ
 彼女の再奥へ肉樹を突き込んでゆく。

「はひぃっ、はひぃっっ!」
 摩耶はそれに辛うじて承諾の首肯をすると、主にしがみついた。
 それと同時に、
 ギリュゥッ
 括約筋を絞り込む。

「・・・!!」
 それが引き金となって、
 ドブッ、ドブッ、ドブッ
 熱い生殖のマグマが、摩耶の中へ大量に流れ込んでいった。

 ボゴッ、ボゴッ
 直ぐに腸を満たし、『容れ物』を失った精は行き場を求め、やがては、
「・・・うっ、うげぇぇっっ!?」
 摩耶の口から溢れ出す。

 しかし、斯くも凄絶な『仕打ち』にあっても摩耶は、
 ビュルッ、ビュルッ
 主の精を己の賜物から放つかの如き射精で、歓喜を表現し続けた。
 
 その姿に、かつての誇り高き『巫女』の姿はない。
 ただ一匹の、堕ちた『巫女』の姿があるだけだった−



「んふっ・・・ちゅぱっ、ちゅぱっ」
 摩耶は、己との交合で汚れた主の肉棒を、一心不乱に嘗め清めていた。 
 
 その一方で、
 ドロォッッ
 開ききった彼女の蕾からは、堰を切ったかの如く、邪水晶の雄液が溢れ出す。

「・・・もういいわ、摩耶・・・」
 邪水晶にそう命じられた摩耶は、
「ちゅっ・・・れろぉん」
 カリ裏の微かな残滓を嘗め取ると、愛おしげに邪水晶の賜物を捧げ持った。

 キュッ
 邪水晶はボンテージを直すとヴェールを羽織り、
「・・・後は任せたわ」
 それだけ言い残すと、頭を垂れる摩耶を残し、玉座を後にする。

 主が通り抜ける横で伏す摩耶の股座からは、
 ボタッ、ボタッ
 服従の証が零れ続けていた。



 カツン、カツン
 ヒールの甲高い音色を響かせながら邪水晶は、皇宮の回廊を後宮へと向かう。

 サッ
 その道すがら、『宮奴』達が整列し、跪きながら最敬礼で彼女を見送った。
 彼女達は何れも、局部が切り取られた黒革のビキニ・パンツと、乳首を貫くピアス、そして漆黒のヒールのみ身につけている。
 邪水晶はそれに会釈することもせず、ただ前のみを見つめて通り過ぎた。

 邪水晶は『穴奴隷』達の中から、能力的に優れ忠誠心の高い者を、『宮奴』として選抜・使役している。
 彼女達には『宮奴』としてのコスチュームが与えられ、『宮務』中は一般の妖魔はおろか、彼女達の主である妖魔ですらも直接の命を下すことはできない。

 洗脳・調教され、邪界の奴隷である事に疑問を持たなくなった彼女達にとってそれらは、麻薬にも似た効果を持つ。
 本来被差別階級であるはずの彼女達だが、奴隷における『特権階級』とすることによって、己の地位に誇りを持ち、『下位』の者を蔑むようになるのだ。
 それは、一層強い忠誠心を持ち『宮務』に励む奴隷を作り出す『装置』として、有効に作用していた。

「うふふ・・・」
 愚かなるも愛しき彼女達の姿を見た邪水晶は、ふと思い立ち、後宮への道を逸れた。



カツンッ、カツンッ
 ランタンの仄暗い光に照らされた薄暗い階段を靴音を響かせながら、邪水晶は降りてゆく。
 階段の先は深い闇に沈んでいるが、
 ムワッ
 その先からは饐えた臭いを運ぶ、生温い風が吹いてくる。
 そしてその風には時折、
「・・・ぅ・・・ぁ・・・」
 獣の唸り声の様な音が、断片的に含まれていた。
 それに邪水晶は、
 ニィッ
 邪悪な笑みを浮かべる。

 その音と臭いは、
 カツン、カツン
「・・・う・・・あ・・・」
 下層に至れば至るほど明確さを増し、やがて最下層に辿り着くと、
「「「うあっ、ひあぁぁっ!」」」
 極限に達した。

 邪水晶の眼前では、『胎奴隷』にされた巫女達が数十人程、触手に繋がれている。
 巫女達は樹様となった触手に半身を埋め、肛内と、乳首、そして秘所に、極太の触手をねじ込まれていた。
 そのねじ込まれた触手は、
 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ
 絶えず律動し、
「ああっ・・・ひああぁっ!」
 彼女達に快楽を送り込むとともに、
 ブピュッ、ブビュルルッ!
 妖魔の濃厚な精を、子宮の奥深くへ大量に注ぎ続けている。

 その結果として彼女達は皆、
 ボゴリ
 妖魔の子を身籠もり、自らの腹を極限まで膨らませていた。
 斯くも哀れな彼女達の全身には、『胎』としての能力と、肉体的な活性を高めるための赤い呪刻が、正に『呪い』の如く刻まれている。

 その彼女達を生かす『食事』は、時折、
 ズルルッッ
 目の前に差し出される触手から零れる、
 ヌルッ・・・ポタッ、ポタッ
 悪臭を放つ精液のみ。
「・・・ん・・・はぁむっ・・・ちゅぷっ、じゅるるっ」
 しかし彼女達はより多くの『食事』を得ようと、触手にむしゃぶりついては舌技を凝らし、汚らしい触手の腐汁を啜り取る。

 やがて、『胎奴隷』の一人が 
「・・・あ゛っ、あ゛あ゛っっ!・・・産まれる・・・産まれちゃうっ!」
 そう叫ぶと、
 ボゴッ、ボゴゴッ
 腹が醜く蠢動し、 
 プシュッ・・・ブビュッ・・・ブビシュゥッ!
 秘所から潮を吹き出しかと思うと、
 ズルンッ・・・ビチャッ
 汚らしい汁に塗れた、豚の様な妖魔を、出産した。

 それに呼応するように、或る者は鳥、或る者は狼、そして有る者は見るも醜い異形の妖魔達を、連鎖的に出産してゆく。
 その様は正に、妖魔の『生産工場』と呼ぶに相応しい光景だった。

 妖魔は淫魔の様な両性の種族を除き、雌の出現率が極めて低い。
 人間との戦いで損耗する戦力を補充するためには、『仮胎』たる人間の雌−特に、魔力への耐性があり、優秀な『子』を孕む巫女は、最良の『胎』なのだ。

 だがその様に凄惨な場にあっても彼女達は、僅か一人を除いて皆、
「・・・んっ、あはぁっ!」
 その顔を悦楽に歪ませ、出産を終えた者は、
「あははぁっ、私の赤ちゃぁん・・・」
 植え付けられた歪んだ母性で、充足した笑みを浮かべている。
 人間としての尊厳を破壊され、おぞましい妖魔を数多出産した彼女達が縁とするのは最早、『生存本能』と『母性本能』しかない。

 そんな彼女達の状態をチェックしていた、白衣姿の礼菜と皐月が邪水晶の存在に気付き、歩み寄ってくる。
 礼菜が、
「これは邪水晶様・・・この様な所までおいで頂くとは・・・」
 そう言うと二人は、膝をつき臣下の礼を取った。

 邪水晶が二人を見下ろしながら、
「うふふ、順調のようね・・・状況はどうなの?」
 そう尋ねると、皐月は、
「はっ、目標出産数の105%程度で推移しています。新種妖魔の開発も順調に進行中です」
 少し誇らしげな表情でそう答える。
 彼女の報告を裏付けるように肉巫女が、胎巫女が出産した数多の妖魔を黙々と掻き集め、どこかへと運び去ってゆく。
 そのシステマティックな光景は技術者として実際に、誇らしいものであった。
 
 邪水晶は
「そう・・・うふふ、それと彼女の様子はどうかしら・・・」
 そう言うと、一人の少女に視線を滑らせる。
 その視線の先には、数多の胎巫女の前に一人だけ、劇場の観客かの如く据えられた『胎巫女』が居た。

 彼女の名は一条澄佳(いちじょうすみか)。
 巫女としては未熟者であるが戦況の悪化に伴って、補助戦力として駆り出された少女である。
 一月ほど前、妖魔との戦闘に敗れ捕らえられた彼女は、『胎巫女』にカテゴライズされ、ここへ送り込まれてきた。
 だが、勝ち気で精神力のあった彼女は、希有なことに未だ、精神的屈服をせずにいる。

「お前等、しっかりしろ!妖魔の苗床にされるなんて、恥ずかしくないのかっ!!・・・くそぉぁっ!!」
 健気にも彼女は、『かつて』仲間であった胎巫女達に呼び掛けを繰り返しているが、その効果は全くない。
 それどころか、不気味な妖魔の幼体を出産し、至福感に溢れた表情を浮かべるだけの『仲間達』の姿に、悔し涙を流すしかないのだった。

 しかも、
 ドクン
 彼女の肉体も他の『胎巫女』と同様に改造され、醜悪な妖魔の子を孕み、無様にその幼い腹を膨らませている。

 澄佳は邪水晶の姿を認めると、
「・・・邪水晶ぉ、この悪魔めっ!私達をここから解放しろ!!」
 僅かに動く、首から上の『全身』を使ってそう、罵りの言葉を邪水晶に浴びせた。 

 皐月は、
「このっ、穢らわしい胎巫女風情が・・・!」
 そう気色ばんで懲罰を加えようとコンソールへ向かうが、邪水晶はそれを手で制すると、邪な笑みを浮かべ澄佳の許へ歩み寄る。
 ギュッ
 そして、澄佳の中に深々と突き刺さる触手を握ると徐に、
 グチュッ、グニュッ
 彼女の中をそれで掻き乱す。

 すると、澄佳は反抗的な態度から一転、
「んっ、はぁあっ、はああっっ!」
 髪を振り乱し、『雌』の表情を浮かべる。
 その様子に邪水晶は、
「うふふ、体のほうは大分できあがっているようね」
 そう言って満足気に、玩具を弄ぶが如く、
 グリッ、グチュッ
 触手に緩急を加えた。

 礼菜が、
「・・・はっ、未だ反抗的な態度を取り続けてはいますが既に、肉欲に抗う事はできなくなっております」
 そう事務的に答えると、邪水晶は触手を掴み直し、
 ズッ・・・ズルルルッ
 一気に澄佳から引き抜く。
 その触手の代わりに、
 ズブッ、ズブブッ
 己の肉棒を澄佳のそこへ突き入れると、二、三度、腰を振る。

 澄佳はそれだけで、
「んっ、はぁっ、ああんっ!」
 軽い絶頂に達してしまった。
 邪水晶はその反応を見ながら、
「うふふ・・・」
 チョッ、ジョロロロォッ
 澄佳の中へ勢い良く、放尿した。

 澄佳は、じんわりと下腹部に広がる温かさと、子宮口を洗う感覚に、
「うひゃぁっ!?・・・貴様っ、やめろっ!・・・うはぁぁんっ!」
 そう罵声混じりの声を上げるが、それも直ぐに、
「・・・あっ、はぁっ、はぁぁんっ!」
 嬌声に塗り潰される。

 澄佳を一頻り啼かせた後邪水晶は、
 ズッ、ジュポンッ
 放尿を止め、澄佳の中から己の半身を引き抜いた。
 澄佳の中からは、
 コポッ、ゴポポッ
 邪水晶の小便と、澄佳の愛液が混じった濁り水が、迸りとなって溢れ出す。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 邪水晶は、息も絶え絶えな澄佳を見下ろしながら、
「うふふ・・・肉体が仕上がったら、この娘を私のところへ寄越して頂戴。自我はこのままで良いわ」
 礼菜と皐月にそう命じた。

「「はっ、仰せのままに・・・」」
 二人の返答と、跪く気配を背後に感じながら邪水晶は、
「お前は、私の『肉便器』にしてあげる・・・うふふ、それまでは精々頑張ることね」
 邪水晶はそう澄佳に言い残すと、当初の目的地に足を運ぶべく踵を返し、部屋を後にした。



「あんっ・・・はぁんっ!」
 瑠璃を、二匹の幼い淫魔が犯している。
 その淫魔達は、あどけなさを残したその容姿と釣り合わぬ、赤黒い巨根で瑠璃を貫いていた。

「うふふ、瑠璃母様ったらこんなに締め付けて・・・本当に好き者ね」
「本当に・・・叔母様はどうしようもない売女ですわ」
「・・・あんっ、嫌ぁ・・・そんなこと言わないでぇ」
 淫魔少女達の言葉責めに瑠璃は、目を手で塞ぎ、羞恥に頬を赤らめる。

 しかし、膣を犯す少女は、
 ヌプッ、ヌプウッ
 ねっとりとしたストロークで瑠璃を犯しながら、
「あら、何が嫌なのかしら?私達は本当の事を言っているだけよ・・・ねぇ、お姉様」
 そう言うと、アナルを犯す少女にそう問い掛けた。

 問い掛けられた少女は、
「ふふっ・・・いくら本当の事と言っても、余り『肉親』を虐めるものではないわ」
 と答えながらも、
 ズチュッ、ズチュッ
 瑠璃のアナルを犯す激しさを、緩めることはない。

 神凪家陥落後、瑠璃と邪水晶はそれぞれ同時に、『子』を出産した。 
 今瑠璃を犯す淫魔は、邪水晶と瑠璃の間に生まれた娘、『邪紅玉』と、邪淫皇と邪水晶の間に生まれた娘、『邪翠玉』である。

 邪水晶の魔力と瑠璃の神力を兼ね備えた邪紅玉は、その処女を守られながら、『淫魔』で在りつつも『巫女』として、奴隷巫女達を指揮する立場だ。
 一方、邪淫皇と邪水晶の魔力を受け継ぎ、その身に宿す『魔力』は邪紅玉すらも凌駕する邪翠玉は、妖魔帝国の次期皇帝かつ、邪紅玉の『姉』として扱われている。
 そんな彼女達はともに、邪水晶によって『教育』され、価値観は『淫魔』そのものとなっていた。

 一方、瑠璃は、邪水晶の調教によって、『皇族』でありながらも『皇族専属』の性奴隷に堕とされている。
 巫女としての力は失ったが、その体内に強力な神力を未だ宿す瑠璃は、『胎』として優れた存在であり、魔に堕とされず正気を保ったまま、『人』として飼われているのだった。

「『娘』に犯されて恥ずかしくないの?・・・でも、そんな淫乱な瑠璃母様、私は大好きよ」
 邪紅玉はそう言うと、愛おしそうに、
 チュッ
 瑠璃にキスをし、
 ドピュッ、ドピュゥッ
 『母』の子宮深くに射精した。

 邪翠玉も、『妹』の射精に合わせる様に、
「うふっ、叔母様・・・今日も愉しませていただきましたわ」
 そう謝辞を述べ、
 ドクッ、ドクッ
 『叔母』の腸内に粘液質な雄汁を放つ。

 二穴に熱い滾りを流し込まれた瑠璃は、
「・・・いっ、はぁっ!!」
 ビクンッ、ビクンッ
 肢体を震わせながら、絶頂に達した。

 ヌプッ
 ヌプンッ
 『肉親』の中から肉の凶器を引き抜いた二人は、性の露が滴るそれを、
 ニュルッ
 重ね合わせる様に抱き合い、
「んふふ、お姉様・・・」
「ふふっ、邪紅玉ったら・・・」
 チュッ
 キスをして、性交の余韻を愉しむ。

 擦り合わされ、未だ硬度を失わない二人の肉棒からは、
 ドピュッ、ピュッ
 雄汁が吐き出され、
 ヌルッ、ヌルンッ
 ローションの様に互いの腹を汚しながら塗り広げられていった。

 そんな二人の許に、
「・・・ふふふ」
 皇帝の正装に身を包んだ邪水晶が、微笑みながら現れる。

 二人の幼い淫魔は、
「父様・・・」
「母様・・・」
 それぞれの呼び名を口にすると先程までとは一転、幼子らしく、邪水晶の胸の内へ飛び込んだ。

「ふふっ・・・二人とも、愉しんでいるようね」
 邪水晶は、そう言いながら慈父、慈母の顔で二人の頭を優しく撫でる。
 それに邪紅玉は、
「はい、お父様・・・お父様の妹だけあって、素晴らしい性奴隷ですわ・・・何度犯しても飽きることがないなんて・・・」
 そう答えると、荒い息をつき、絶頂の余韻に浸る『母』へと視線を送った。
 彼女は『産みの母』である瑠璃は『母』と呼べどもその扱いは矢張り、『特別な性奴隷』なのである。 

 邪水晶は、『娘』の言葉に微笑むと、
「うふふ、そう・・・邪翠玉も愉しめたかしら?」
 そう、もう一人の『娘』に語りかけた。

 その問いに『娘』は、『母』の良い香りに鼻腔をくすぐられながら目を細めつつ、
「ええ、お母様・・・叔母様は本当に、最高の肉奴隷ですわ・・・この淫らさは淫魔である私ですら、嫉妬してしまいそうです」
 そう答えると、今度は『母』の感触を楽しむべく、その豊かな胸に顔を埋める。
 そして『母』の温もりを一頻り堪能すると、顔を離し、
「・・・お母様、作戦の指揮は宜しいのですか?」
 邪水晶の表情を伺うかの様に、そう訪ねた。

 邪水晶は聡い我が子に目を細めると、
「・・・構わないわ。邪亀達に任せてあるもの」
 そう答え、
 キュッ
 軽く抱きしめてやる。 

 邪水晶は、姉妹を存分に甘えさせた後、
「さあ・・・」
 それぞれの肩に手をかけ、体を離した。
 そして、
「んぅう・・・」
 腹をさすりながら悶える、『実妹』の寝台へ歩み寄ると、
 サワッ
 その膨らんだ腹を撫でる。

「それよりも・・・ふふふ、瑠璃のお腹、大夫大きくなってきたわね」
「私が、『父』になるのですね・・・楽しみだわ」
 邪紅玉は、そう言うと『父』の隣で、瑠璃の腹を撫でた。
 瑠璃は、邪紅玉の子を宿している。
 上魔−それも最上級の妖魔の子を孕むことは、容易なことではない。
 それを可能とする瑠璃は『最上の性奴隷』であると同時に、『最上の胎』なのである。

「あっ・・・動いた・・・」
 邪紅玉は掌に『我が子』の胎動を感じると嬉しそうに微笑んだ。
 彼女が『父』であれば、優れた妖魔にして『巫女』が生まれることだろう。
 
「瑠璃、気分はどう?」
 邪水晶は、ベッドの脇に腰掛けると、『姉妹』の気安さでそう、瑠璃に微笑みかける。
 それに瑠璃は、
「・・・姉、様・・・」
 どこか悲しそうな表情を浮かべながらも、
 スッ
 己の手を姉の手に重ねた。
 実の娘に犯され、邪悪な子を宿す−それは『神凪』の『人間』として、咎であることに間違いはない。
 その事実は、瑠璃の理性を大きく苛んでいる。
 しかしその一方で、『家族』に囲まれ過ごす日々にどこか、安堵感を抱いている自分もいる−例えそれが陵辱の限りを尽くされ、『人』としての尊厳を踏みにじられるものだとしても− 

 邪翠玉は『親娘』の姿をどこか羨ましそうに見つめながらも、
「・・・お母様も、大夫お腹が大きくなってきましたね」
 そう言って『母』の腹をさする。
 邪水晶は、
「・・・ふふふ、瑠璃ほどではないけれどね・・・でも、元気に育っているわ」
 そう言うと『母』の顔で、微笑んだ。

 邪水晶は腹を痛めた『娘』である、邪翠玉の子を身籠もっている。
 家族は全てにおいて『一つ』−その歪んだ『家族愛』で邪水晶は、瑠璃にも、そして我が子にも接してきた。
 娘を犯し、娘に犯させることでその『一体化』を図ってきた結果が、こうして『実』を結びつつある。
 
 邪紅玉は、邪翠玉の傍らに寄り添い、肩に頭を預けると、
「・・・ねぇ、お姉様・・・私の子を・・・産んでくださらない?」
 そう囁き、
 クチュッ
 邪翠玉の秘所を、児戯でもするかの如く弄んだ。

 それに邪翠玉は妹の手を除けながら、
「んっ・・・駄目よ・・・貴女は、私の子を産んでくれないじゃない・・・フェアじゃないわ」
 そう窘める。
 邪紅玉は、姉の邪険な態度に口を尖らすと、
「そんな、お姉様!・・・私が、孕めない理由をご存じでしょう?・・・わかったわ、お姉様・・・それなら無理矢理孕ませてあげるっ!」
 そう宣戦布告して、
 トサッ
「きゃぁっ!?」
 邪翠玉を押し倒した。

 邪紅玉は邪翠玉の唇を奪うと、
「ちゅっ・・・んっ・・・」
 口内に潜り込ませる。
 邪翠玉は邪紅玉を押しのけ、
「んっ・・・ぷぅっ・・・もう・・・仕方ないんだから・・・」
 『姉』の顔でそう言うと、
「むっ・・・ちゅっ・・・」
 今度は自ら邪紅玉の唇を奪った。
 
 『仲睦まじく』絡み合う姉妹に微笑みながら邪水晶は、歪んだ『愛』の至福感に包まれつつ、すっと目を閉じる。
 瞼の裏には、挫折感に屈辱感、そして至福感−瑠璃を巡る様々な感情−が浮かんだ。
 しかしその全ては、この素晴らしき日々を得るためのものだったのかもしれない、と今はそう思うのだ。

 この幸せを、絶対手放しはしない−
 再び目を開いた邪水晶は、
 ギュッ
「・・・姉様?」
 無意識のうちに、最愛の妹を、その腕の中にかい抱いていた。

「瑠璃・・・愛しているわ」
 その言葉に瑠璃は、 
「・・・姉、様・・・」
 微かに頬を緩ませる。
 本来は憎むべき『敵』の首魁であろうが、瑠璃にとっても邪水晶は、『最愛の姉』に違いないのだ。
 今は己を包むその温もりがただ、心地良い。

「・・・ふふふ、瑠璃・・・今日もたっぷり愛してあげる」
 そう言うと邪水晶は、
 ギシッ
 寝台の瑠璃に覆い被さる。

 瑠璃は、
「姉様・・・」
 羞恥に頬を染めながら、『無抵抗』で『姉』を迎えた。

「んっ、はぁっ、姉様っ!」
「いいわっ、邪紅玉!・・・もっと深くぅっ!!」

 二組の『姉妹』はそれぞれの『想い』を重ね絡み合う。

 邪界の長い夜は、まだ始まったばかりだ−

 BAD END

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