四神戦隊メイデン・フォース

Bad End After_肉便器


 澄佳は全裸のまま、白亜の荘厳な回廊を一人、歩んでいた。

 邪水晶の『肉便器』であり、『備品』でしかない彼女に、着衣は許されていない。
 全身に刻まれた赤い『呪刻』と乳首・クリトリスを貫くピアス、そして邪水晶の所有物であることを示す首輪、それが彼女の身に着ける全てであった。

「・・・」
 澄佳はあてどもなく、皇宮の回廊を彷徨う。
 『邪水晶の排泄を世話すること』
 それだけが、彼女に与えられた『用務』でありそれ以外は、彼女の『自由』にされていた。
 それであれば、邪水晶の傍らに侍り、彼女の『用務』を果たすことが最も効率的であったが、未だ残る彼女のプライドが、それを許さない。
 邪水晶への反抗の意も込め、彼女から距離を置く行動をすることが澄佳にとって、『プライド』を保つ、ささやかなよすがとなっていた。

 ヒタヒタヒタ
 冷たい石の感触が、裸足の裏から伝わってくる。
 その『散歩』の途中で、『宮奴』の一団とすれ違った。
 全裸で歩く彼女を見咎める者は居らずただ、蔑んだ視線を投げ掛けてくる。
 この皇宮の中で奴隷ですらない、『最下層』の存在である澄佳に対し、親愛の情を示す者など居る筈もない。
 寧ろ、彼女達にとって澄佳は、身近に居る『被差別対象』として、蔑み、己の精神的優越を感じる存在だった。
 澄佳は慣れた顔で、それをやり過ごす。
 直ぐに宮奴達は、彼女達の『用務』を果たすべく、いずこへかと、姿を消していった。

 それを見届けた澄佳は、回廊から庭へ降りる階段に
 ペタン
 と腰掛けると、
「はぁっ・・・」
 人知れず、溜息を一つついた。
 慣れているとは言え、明らかな蔑みの視線を受けることはこの小さな胸に、小さくない傷を与える。
 しかしこの皇宮内のどこへ行こうとも、その視線から逃れることはできないのだ。

 かつてこの煉獄から逃げだそうと、逃走を試みたこともある。
「・・・ぐっ、ぐわぁっ!?」
 だが、宮奴の目を盗み、後宮の裏庭から出ようとした瞬間、首輪が彼女の細い首を締め上げた。
 澄佳は必死になって首輪を外そうとしたが、邪水晶が与えたピアスと同様の魔力が与えられたそれが、外れることは決してなかった。

 それから幾度か、別の場所からの逃走を試みたが、皇宮とそれに付随する施設から出ようとした瞬間、首輪が彼女の首を締め上げる、という結果は同じだった。
 当初これは、己の逃走を妨げるための措置、そう考えていた澄佳だったが、今の己の扱いを見て、その考えを改めつつある。
 それは、『安全装置』である、という認識だ。

 邪水晶の治世により、一定度の『規律』が成立している邪界だが、『治安』という概念が元より存在しない世界にあって皇宮の外は、危険極まりないことに何ら変わりない。
 そんな中に、無力な自分が偶発的にせよ、飛び込んでしまうのを邪水晶は『恐れて』いるのではないか−
 『宮奴』の世間話−皇宮の外の惨状−を隠れ聞いた澄佳はそう、考えていた。

 邪水晶は彼女の『お気に入り』について必ずと言って良いほど、『彼女なり』の配慮を与える。
 これもその一環なのだろう。
 だがその彼女の『余計なお節介』が澄佳にとっては、腹立たしいものであった。

 その彼女の腹立ちに呼応するかの如く、
 グウゥ〜
 どこか間抜けな調子で、腹が鳴る。
「チッ・・・」
 それに澄佳は眉を顰め忌々しげに、腹を睨んだ。

 今の彼女にとって『食事』−それは邪水晶の出す、分泌物や排泄物の事を指す。
 普通の食事や水を摂取すること自体はできるが、それらは砂を噛む様な感触がするだけで、生存に必要なエネルギーを得ることはできない。
 彼女が飢餓感を満たすためには、『主』から『与えられる』しかないのだ。
「クソッ・・・」
 だが矢張り、それを自ら乞うことは、澄佳にはでき得ぬ選択肢−僅かばかりでもこの空しさを紛らわそうと水を飲みに、澄佳は庭園へと降りた。

 サァァッ
 荒涼とした邪界の中では別世界の如く、美しい花を咲かせ、柔らかな木漏れ陽がゆらめく空間の中心に、澄佳の『水飲み場』−豪奢な噴水はある。
 澄佳は噴水の水溜に顔を付けると、
「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ」
 その水を思い切り、嚥下してゆく。
 
 だが、『まともな人間』であれば、胃の腑を強制的に膨らまし、仮初めの満腹感を与えるその行為も、今の澄佳にとっては、
 ジョッ、ジョロロォッ
 強制的な放尿、という結末を生むだけのものでしかない。
 『肉便器』である澄佳の体は、『主』の『排泄』を効率良く受け容れさせるために『余計な水分』は全て、排出されるよう『改造』されているのだ。
 澄佳は先程とは別の虚しさを感じ、水面から顔を離す。
 静けさを取り戻した水面には、惨めで滑稽な己の顔が映っていた。

「・・・っ!」
 バシャンッ
 澄佳は浅ましい己の肉体を砕くかの如く、水面を叩く。

 その刹那、
 サァッ
 木々の間を、一陣の風が吹き抜けた。
 それとともに、香しい『臭い』が、澄佳の鼻に届く。
「んっ・・・」
 澄佳は反射的に、鼻をヒクつかせた。

「澄佳」
 涼しげな声に振り返るとそこにはいつの間にか、憎き敵にして『主』でもある邪水晶が、その声と同様の涼しげな表情で、澄佳を見つめていた。
 澄佳はそれに、
「・・・!!」
 ズサッ 
 一歩後ずさると猫の様に身構え、邪水晶を睨む。

 だが邪水晶は表情を変えず、澄佳に歩み寄ると、
「・・・用を足したくなったわ。処理して頂戴」
 そう言ってペニス・バンドに縛られた剛直を、澄佳に突き出した。

 当初、邪水晶を睨んでいた澄佳だったが、
 ムワァ
 剛直から立ち上る雄の臭いを嗅ぐほどに、
「・・・」
 眉根から険が取れ、頬も緩んでゆく。

 そしていつしか、口いっぱいに涎が溢れ、澄佳は、
 ゴクッ
 無意識に喉を鳴らしていた。

 澄佳は本能に抗おうと、
『い、や、だ』
 そう、口の形を歪めるが、それが言葉となって漏れることはない。

 それどころか、徐々に意志の炎を瞳から失いながら夢遊病者の如く、邪水晶に歩み寄ると、
「はぁっ・・・」
 口を開き、涎の糸を垂らしながらだらしなく、舌を伸ばす。

 そして、
「すんっ、すんっ・・・」
 鼻を鳴らしながら、邪水晶のモノから立ち上る『雄臭』を肺で堪能し、顔をそこへ寄せると、
 プチッ
 ペニス・バンドのボタンを、歯だけで器用に外した。

 尿意で膨れあがり、かつ、自由を得た男根は、
 ピシッ
 澄佳の頬を叩くが、彼女はそれにも構わず、
「はむっ、レロォッ」
 邪水晶の逸物を含むと舌先で、尿道を刺激し始めた。

 澄佳の準備が整ったのを感じ取った邪水晶は、
「・・・うふふ、出すわよ」
 そう宣言すると、
 ジョロロロロォッ
 澄佳の口内へ、一気に尿を放つ。

 澄佳はそれに、
「ふごっ!?・・・ごごっ・・・ゴクンッ、ゴクンッ、ゴキュンッ」
 一瞬咽せはしたが、全てを飲み込もうと、喉を鳴らながら嚥下してゆく。

『う、はあぁぁ・・・』
 舌一杯に広がる、尿特有のえぐみと、『ピリピリ』と静電気の様に存在感を示す魔力の残滓。
 そして、鼻から抜ける強烈なアンモニア臭−
 噴水の水などでは得られなかった素晴らしき感覚が、澄佳の飢餓感を、急速に満たしてゆく。
 その『感覚』のみではなく、『滋養』を得た澄佳の腹も、同時に満たされていった。

 澄佳は、この幸せな時を創り出す『糧』を少しでも得ようと、
「レロッ、レロロッ・・・ジュルルルッ」
 邪水晶の尿道をほじっては、口を極限まで窄め、その中身を全て吸い出そうと奮闘する。
 
 しかし、その努力から得られる『成果』は、永続するはずもない。
 ジョロォッ・・・チョロロッ
 邪水晶の尿はやがて勢いを失い、その流れを止めた。

「ん・・・ゴクンッ」
 澄佳は口一杯に貯めた尿を飲み込むと、
「・・・んむ・・・ぷはぁっ・・・」
 邪水晶の肉棒から口を離す。

 その刹那、
「・・・んっ・・・けぷっ」
 可愛らしい口から矢張り可愛らしい、満腹のサインを吐いた。
 その表情は正に、美味しい料理を腹一杯に食べた子供そのものであった。

 しかし、邪水晶の肉竿に、
 ツゥ
 己の口に収めきれなかった僅かな迸りを認めると、
 ムニュッ
 その未成熟な乳房で肉棒を挟む。

 そして、『食べ残し』を集めるかの如く、
 ニュッ・・・ニュルルッ
 根元から亀頭へ、全身を使って扱き上げた。

 亀頭まで辿り着くと、彼女の胸間には異臭を放つ、汚物の溜まりができる。
 それを澄佳は、
「はあぁっ・・・ジュルッ」
 名残惜しそうに啜り、全て飲み干すと、それが得られなくなるまで何度も、同じ作業を繰り返した。

「うふふ・・・」
 邪水晶はその澄佳の『食事』を、微笑みながら受け容れている。
 この行為は、邪水晶が躾けたものではない。
 澄佳が本能的に、『学習』したものだ。
 この幼き『肉便器』は己が生きるため、最善の努力をしている−
 そう思うと、愛しさが湧いてくる。

 パチン
 澄佳によって、己自身が完全に清められたのを認めた邪水晶は、ペニス・バンドへ逸物を収めた。
 そして、美しい黒髪をかきあげると、
「・・・うふふ・・・澄佳、ご苦労様・・・すっきりしたわ」
 労いの言葉を、愛しい『肉便器』に掛ける。

 それが解呪の呪文であったかの様に、
「・・・んふっ・・・クチュッ・・・ん・・・んんっ?」
 邪水晶の残滓を口内で捏ね、虚ろな表情で楽しんでいた澄佳の瞳に、光が徐々に取り戻されていった。

 己がした事を、
 ムワッ
 口内に広がる味覚と、鼻から抜ける臭いで知覚した澄佳は、邪水晶から飛び退くと、
「!!」
 口許を拭い再び、邪水晶を睨む。

 そして、覚醒してもなお、邪水晶の排泄物を『美味』に感じる己の感覚に、
「・・・貴様ぁっ!!」
 怒りを倍加させた。

 だがそんな澄佳に邪水晶は、
「うふふ、そんなに怖い顔をしないで・・・どう、お腹は一杯になったかしら?」
 我が儘な園児をあやす保母の如く、笑みを浮かべて近づく。

 邪水晶の言うとおり、満腹感とそれによる多幸感を細胞の隅々で感じてしまっている澄佳は、
「・・・くそぉっ!」
 邪水晶か、それとも己に向けたものかわからぬ怒声を上げると、
 ダッ
 邪水晶へ拳を振り上げながら、飛び込んできた。

 しかし、
 スッ
 蚊の一刺しにも劣るそれをなんなく躱すと邪水晶は、華麗に澄佳の懐へ潜り込み、
 ガシッ
 澄佳の小さな体を抱き締める。

「このぉっ、くそぉっ!」
 澄佳は怒声をあげながら、
 ボグッ
 小さな拳で邪水晶を殴り、暴れ続けるが、
「ふふっ、本当に可愛い・・・」
 邪水晶がそう呟き、
 ズブブッ
 子宮まで一気に貫くと、
「ひあぐぅっ!?」
 怒声は忽ち、嬌声へと変じた。
 
 更に邪水晶は、
「・・・うふふ、大好きよ・・・生意気な、す・み・か」
 そう言って、澄佳の耳朶を噛むと、
 ショオォォッ
 澄佳の中へ放尿する。

 澄佳はそれだけで、
「ほっ・・・ほぉぉっっ!!」
 恍惚の表情を浮かべ、
 ビクンッ、ビクンッ
 絶頂に達してしまった。

 そして邪水晶が、
 ジョオォォ
 放尿を続けながら、
「・・・貴女は、最高の肉便器よ・・・うふふっ、これからもよろしくね、澄佳・・・」
 そう澄佳の耳許で囁くと、澄佳は、
「・・・」
 意思の光を再び失った瞳で邪水晶を見つめたまま、
 コクリ
 と頷くのだった。
 
 Bad End After_肉便器 End

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